地球史年表

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テンプレート:Life timeline 地球史年表(ちきゅうしねんぴょう)では、地球歴史に関する簡潔な年表を掲げる。

  • この項目ではなるべく平易な説明にとどめ、学術的な年代区分や詳細な説明・年表は別にゆずる。
  • 時代区分については地質時代を参照。
  • 仮説や、議論が現在されている項目も含んでいる点に注意。

地球誕生前

太陽は、過去の超新星爆発で散らばった星間物質がふたたび集まって形成された種族Iの星である[1]と考えられている。また、太陽系にはウランといった重元素が多く存在している[2]。これらの重元素の成因としては、質量の大きな高温の星の内部での元素合成とその後に発生する超新星爆発によって作られ、宇宙空間にまき散らされた、という過程が最も可能性が高いシナリオだからである[2]太陽系は46億年前に形成され始めた。

地球誕生 - 生命誕生

テンプレート:原生代 先カンブリア時代(46億 - 5億4200万年前)

  • 45億4000万年前(±5000万年) - 地球誕生。
太陽系隕石岩石の生成年代から、この頃、原始地球が形成されたと考えられている。地球の形成は太陽系の形成と進化での説明が詳しい。
アンモニアメタンなどの水素化合物が凝集し固体となるのに充分な低温となる主たる恒星からの距離を凍結線と呼び、太陽系の場合、凍結線は約2.7AUであり、小惑星帯の辺りになる。原始太陽系星雲内で凍結線よりも温度の低いところでは、降着による微惑星および惑星の生成が、これらの固体となった粒子によって起こりやすくなる。したがって凍結線は惑星の質を地球型木星型に分ける境界になる[3]。H2O(水)が昇華する温度がおよそ170Kであり、凍結線の内側ではH2O(水)は水蒸気に、外側では氷になり、そのため凍結線の内側では地球のような岩石の惑星が形成され、その外側には氷の惑星ができる[4]
また、地球の形成位置は、後に生命を育むことができる液体の水を保持することができるハビタブルゾーンに位置していた。
の形成時期も、45億5000万年前とされる。月の形成仮説の1つとして、地球に原始惑星が衝突して形成されたとするジャイアント・インパクト説がある。
地球が誕生して間もない45億4000万年前から44億4000万年前のマントルに由来する溶岩が、カナダ・バフィン島とグリーンランド西部で見つかったと、米カーネギー研究所の研究チームが2010年8月『ネイチャー』に発表した。
地球大気の歴史については、確証は得られていないが、以下のようなことが考えられている。地球が誕生した46億年前頃の原始大気は、主にヘリウム水素からなり、高温高圧だった。これは現在の太陽の大気と似た成分である。これらの軽い成分は、原始太陽の強力な太陽風によって数千万年のうちにほとんどが吹き飛ばされてしまったと考えられている。やがて、太陽風は太陽の成長とともに次第に弱くなってくる。この頃には、地表の温度が低下したことで地殻ができ、地殻上で多くの火山が盛んに噴火を繰り返していた。この噴火にともなって、二酸化炭素アンモニアが大量に放出された。水蒸気と多少の窒素も含まれていたが、酸素は存在しなかった。この原始大気は二酸化炭素が大半を占め、微量成分として一酸化炭素、窒素、水蒸気などを含む、現在の金星の大気に近いものであったと考えられている。100気圧程度と濃く、高濃度の二酸化炭素が存在した。地球が十分に冷却されていなかった時期の原始大気には大量の水蒸気が含まれていたと考えられる[5]
  • 44億年前 - 現在、知られている最古の岩石鉱物が現れる。
西オーストラリア州のジャック・ヒルズで発見されたジルコン粒子のうち最古の物(44億400万±800万年前)[6]
ジルコン粒子の中にダイヤモンドが含まれていることが、2007年に明らかになった。このジルコン粒子年代値は、30億年 - 42.5億年前である[7]
  • 41億年前 - 38億年前 後期重爆撃期には、木星型惑星の移動による重力の釣り合いの変化(太陽系の形成と進化#惑星の軌道の移動を参照)によって、多数の小天体が内部太陽系に侵入し、それ以前の元々小惑星帯にあった物質が枯渇して現在の状態になった[8]。これが引き金となって、に多くの衝突クレーターが形成され、地球水星金星火星といった岩石惑星も多くの天体衝突を受けたと考えられている。天体衝突に由来する月面の溶融岩石の大部分がこの短い期間に作られたと示されている。
  • 40億年前 - 原始海洋ができた。花崗岩(カナダ北部のアカスタ片麻岩)ができた。プレートができた[9][10][11]
古い変成岩に含まれる堆積岩の痕跡などから、43 - 40億年前頃に海洋が誕生したとみられる。この海洋は、原始大気に含まれていた水蒸気が、火山からの過剰な噴出と温度低下によって凝結して、雨として降り注いで形成されたものであった。初期の海洋は、原始大気に含まれていた亜硫酸塩酸を溶かしこんでいたため酸性であったが、陸地にある金属イオンが雨とともに流れ込んである程度中和されたと考えられている。ある程度中和されると二酸化炭素が溶解できるようになるため、大量の二酸化炭素を吸収していった。地球全体は還元的な雰囲気下にあり、鉄は2価鉄のイオンとして溶解していた。水蒸気が紫外線を受けて光分解することで酸素が生成されてはいたが、2価鉄が3価鉄への酸化により発生した酸素がすぐに吸収されたため、大気中にはほとんど残らなかった。
  • 40億年前(±2億年) - この頃、原始生命が誕生したと考えられている。 → 生命の起源
  • 38億年前 - 現在、知られている最古の堆積岩が現れる。
西グリーンランドのイスア地方(約38億年前)の表成岩やイサック片麻岩複合体など[6]堆積作用があったことから、この頃には海が存在していたと考えられている。
共通祖先に近い原始的な生物は好熱性を示すものが多く見られる。例えば、真正細菌の根に一番近いのは超好熱性水素細菌である。古細菌でも根に近いものは好熱性のものに占められている。最も早い推計では、タンパク質アミノ酸配列の置換速度から、共通祖先は42億年前にいたとする研究がある[12]
  • 35億年前 - 生物活動の化石証拠
地球上での最古の化石(西オーストラリア・ピルパラ地域からのバクテリアの化石)[13]メタン生成の痕跡(西オーストラリア・ピルパラ地域から、同位体比率異常のメタン)[14]
  • 32億年前 - 光合成をする生物が現れる。藍藻(シアノバクテリア)。
ストロマトライトとして痕跡を残した。ストロマトライトは藍藻(シアノバクテリア)の活動で形成された岩石。また、これよりも古い時代とする説もある。遅くとも32億年前までには光合成をする生物が現れ、海中に酸素を供給しはじめた。
二酸化炭素光合成を行う生物が誕生すると、それらは二酸化炭素を酸素に変換するようになる。さらに、二酸化炭素が生物の体内に有機物として蓄積されるようになり(炭素固定)、長い時間をかけて過剰な炭素化石燃料、生物のからできる石灰岩などの堆積岩といった形で固定される。
  • 27億年前 - シアノバクテリアが大量発生。
この頃のシアノバクテリアの化石が大量に見つかっている。酸素の供給量が増加。
シアノバクテリアの活動で海中の酸素量が増加し、海中の2価の鉄イオンが3価鉄に酸化して沈殿したため形成される。縞状鉄鉱層の形成がおよそ19億年前まで続き、これ以後は形成されなくなる。
  • 24億 - 22億年前 - 現在分かっている最古の氷期。→ ヒューロニアン氷期
  • 22億2000年前 - マクガニン氷河時代、全球凍結[15]
  • 20数億年前? - 大気中の酸素の増加。酸素は初期の生物の大量絶滅と酸素を効果的に利用した生物のさらなる進化を導いた。
海中の鉄イオン濃度が低下し、海中の鉄イオンが酸化し尽くされると縞状鉄鉱層の形成も停止し、余剰となった海中の酸素が大気中にも多く供給されるようになった。
大気中の酸素は紫外線と反応しオゾンをつくった。酸素濃度が低かったころは地表にまで及んでいたオゾン層は、濃度の上昇とともに高度が高くなり現在と同じ成層圏まで移動した。これにより地表に到達するDNAを破壊する有害な紫外線が減少し、生物が陸上にあがる環境が整えられた。
大陸移動説によれば、大陸は数億年程度の周期で離散集合を繰り返していると考えられ、この頃、ヌーナ大陸と名づけられた超大陸が出現したと考えられている。
  • 約20億 - 10億年前 - 酸素濃度が現代の1/100以上のレベルとなり大きくは増加しなかった[15]
  • 約10億 - 7億年前 - ロディニア大陸誕生
  • 10億 - 6億年前 - この頃、多細胞生物が出現したと考えられている。多細胞生物は原口 (生物学)の獲得により強力な捕食能を有するに至った。
  • 8億5000万年前頃 - この頃の1年は約435日。
ストロマトライトからの計測結果による。
ジャイアント・インパクト説
  • 8億 - 6億年前 - 大規模な氷河時代であったとされる。
  • 7億年前 - スターチアン氷河時代、全球凍結[15]
  • 6億5000年前 - マリノアン氷河時代、全球凍結[15]
全球凍結(スノーボールアース)仮説。
スノーボールアースの地理的な隔離の間、どのように捕食するか、どのように捕食から逃れるかの観点から多細胞生物は多様性を形成し、これがエディアカラ生物群バージェス動物群のような多様性を形成し、スノーボールアース終結からカンブリア爆発まで、少なくとも3200万年も経過していることから、その間、全地球的な捕食と被捕食の生存競争が存在したと考えられる。
大型の軟体性の生物群であるエディアカラ生物群は、地球全体が氷に覆われていた時期(スノーボールアース)の直後に出現し、その大部分がカンブリア紀の始まる前に絶滅した。バージェス動物群に見られるアノマロカリスオパビニアなどの大型捕食動物の出現とともに、カンブリア爆発の際には堅い外骨格をまとった動物が多く見られるようになった。エディアカラ生物群は、新たに出現した捕食動物に食い尽くされて絶滅したとも言われている[16]

古生代(約5億7000万 - 約2億5000万年前)

地質時代区分
(顕生代)
顕生代 新生代 第四紀
新第三紀
古第三紀
中生代 白亜紀
ジュラ紀
三畳紀
古生代 ペルム紀
石炭紀
デボン紀
シルル紀
オルドビス紀
カンブリア紀
原生代
太古代(始生代)
冥王代

生命の多様化、カンブリア爆発

短期間(約1000万年の間)に生物の種類を多く増やした。この頃から多くの化石が発見されるようになる。
6000光年以内で起こった超新星爆発によるガンマ線バースト仮説[17]
北海道もアンモナイトの世界的な産地の1つで、約1億年前頃の化石が多く発見されている。
寒冷化と海洋無酸素事変の発生
  • 3億6000万年前 - 温暖期
氷河の消滅。この頃、大森林が各地に形成され、石炭の元になったとされる。地質時代では石炭紀という名称がついている。リグニンを含む樹木を分解する菌類が存在せず、石炭の原料が地表に積もる。光合成により二酸化炭素が減少し温室効果が減少し寒冷化に向かい酸素濃度が増える[20]
ファイル:Sauerstoffgehalt-1000mj2.png
過去10億年の大気中の酸素濃度の変化
  • 3億年前 - 二酸化炭素濃度が現代の程度まで低下する。この前後寒冷化する[21]。酸素濃度が最高の35%となる。これ以降、リグニンを含む樹木を分解できる菌類(白色腐朽菌)が登場し酸素濃度が徐々に減少に向い、二酸化炭素濃度は増加に向かう[20]
  • 3億年前 - 昆虫が拡大。
ゴキブリもこの頃に出現。身近な生きている化石とされる。
地球史の中で何度か生じた生物の大量絶滅の中で最大とされる。海生生物のうちの95 - 96%、全ての生物種で見ても90% - 95%が絶滅したとされる。 → P-T境界メタンハイドレートが大量に気化し酸素濃度が著しく低下

中生代(約2億5000万 - 約6500万年前)

魚類両生類爬虫類鳥類には4タイプの錐体細胞を持つもの(4色型色覚)が多い。一方ほとんどの哺乳類は錐体細胞を2タイプしか持たない(2色型色覚)。哺乳類の祖先は4タイプ全ての錐体細胞を持っていたが、初期の哺乳類は主に夜行性であったため、色覚は生存に必須ではなかったために退化した[23]
カナダにある北アメリカ最大のクレーター(直径約100km)。
隕石の落下による環境の激変を原因とする説が有力と考えられている。→ K-T境界チクシュルーブ・クレーター

新生代(約6500万年前 - 現代)

約6500万年前 - 1000万年前

テンプレート:第三紀

  • 6千数百万年前 - インド半島の大部分を占めるデカン高原は、膨大なマグマが噴出して形成された[25]
  • 約6550万年前 - 霊長類の出現。
約5500万年前に現れたアダピス類が初期の霊長類と考えられている。これより前の約7000万年前に北米に出現したプレシアダピス類プルガトリウスEnglish版を最古とする考え方もある。
霊長目ビタミンC合成能力が失われたのは約6300万年前であり、直鼻猿亜目(合成能力なし)と曲鼻猿亜目(合成能力あり)の分岐が起こったのとほぼ同時である。ビタミンC合成能力を失った直鼻猿亜目にはメガネザル下目真猿下目サル類人猿ヒト)を含んでいる。ビタミンC合成能力を有する曲鼻猿亜目には、マダガスカルに生息するキツネザルなどが含まれる[26]
これ以前は非常に温暖な時期だった。 → 古第三紀海水準変動
  • 4000万年前 - 3000万年前
真猿下目狭鼻下目旧世界ザル)と広鼻下目新世界ザル)が分岐した。一説では、当時のアフリカ大陸で大きな洪水が起こり、倒れて流された大木に乗った真猿下目のサルが当時それ程広がっていなかった大西洋を越えて南アメリカにたどり着いて広鼻下目の祖先となった[28]
  • 3000万年前
2色型色覚(赤緑色盲)に退化した哺乳類のうち霊長目狭鼻下目が3色型色覚を再獲得した。ビタミンCを豊富に含む色鮮やかな果実等の獲得と生存に有利だった[23]
  • 2800万年から2400万年前
狭鼻下目のヒト上科テナガザルオランウータンチンパンジーゴリラヒトの共通祖先)がオナガザル上科から分岐し[29][30]、同時にヒト上科で尿酸を分解する尿酸オキシダーゼ活性が消失した[31]。尿酸が直鼻猿亜目で合成能が失われたビタミンCの抗酸化物質としての部分的な代用となった[32]
  • 2500万年前 - 最古の類人猿と思われる化石?
アフリカケニヤで発見された。
  • 約2500万年前 - アルプス・ヒマラヤ地帯などで山脈の形成がはじまる。
テチス海が消滅し、造山運動により隆起。→ 新第三紀Geology of the Himalaya
バイカル湖タンガニーカ湖。→ 古代湖
「ステゴロフォドン」の頭骨化石の一部が茨城県常陸大宮市で2011年12月に発見された[34][35]
現在のドイツバーデン=ヴュルテンベルク州にあるリース隕石孔シュタインハイム・クレーター
  • 約1400万年前 - ヒト科がヒト亜科オランウータン亜科に分岐したと推定されている[36]
  • 1300万年前 - この頃からヨーロッパ、南アジア、東アジアなどユーラシア各地にも類人猿の化石が現れる。

1000万年前 - 100万年前

人類誕生に大きな影響を与えたとする説がある。
猿人の出現。直立二足歩行の開始。
琵琶湖は世界に現存する湖の中では3番目に古い湖と考えられている。
最初の人類とされる。一定の道具使用した[38]
  • 約250万 - 180万年前 - この頃、石器の使用がはじまった。エレクトス原人が出現する(250万年前)。
丹沢山地の大爆発(約250万年前)面積1万1750km2、降下火山灰のみの体積は2.8km3を超え、火山爆発指数VEIは5。
オルドヴァイ文化オルドワン石器
  • 約200万年前[39] - フィリピン海プレートに乗って移動してきた伊豆半島が北アメリカプレートに衝突し、富士山や箱根などの噴火の引き金になった。
  • 180万年前 - グルジアクラ川下流の下カルトリ地方ドゥマニスィ(ドマニシ)で発見された化石は、ユーラシア最古の原人として知られる[40]
  • 180万 - 150万年前 - アフリカの地を脱してユーラシア大陸の熱帯・温帯に拡散したらしい[41]

100万年前 - 10万年前

  • 約78万年前 - 最新の地磁気の逆転。
地球磁場は10万 - 100万年ぐらいの不規則な周期で何度も逆転している。この頃の逆転が直近のものである(ブリュンヌ期、約78万年前 - 現在)。これより前の逆転は約250万年前(松山期、約250万 - 78万年前)。
なお、松山期には数回の地磁気逆転イベントが存在する(約100万年前のハラミヨ亜期など)。
  • 概ね70万年前頃
この頃から10万年周期の気候変動が見られるようになる(詳細は氷期・間氷期を参照)。
この後、緩やかに寒冷化へと向かい、14万年前頃に氷期のピークとなった。
アフリカに出現、10万年前頃にユーラシア大陸にも拡大したと考えられている。
  • 台湾沖で新たな原人の化石見つかる。見つかったのは下あごの骨の右半分の化石。発見時期は不明だが、場所は台湾本島と澎湖諸島の間の海域。[43][44]
  • 約15万年前 - マンモスがヨーロッパに現れた。
  • 約14万年前 - 氷期(リス氷期)のピーク。
この後、急速に温暖化へと向かった。
  • 約13万 - 12万年前 - 温暖期のピーク。
現在よりも温暖であったと考えられている。この後、急速に寒冷化し、約11万年前頃から緩やかに上下を繰り返しながら徐々に氷期へと向かった。
日常的に広範囲にわたって火が使われるようになったことを示す証拠が、約12万5千年前の遺跡から見つかっている[45]
  • 約10万年前 - マンモスはヨーロッパから北アメリカ大陸にまで生息分布を広げた。マンモスは寒冷な草原での生活に適応していた[46]

10万年前 - 1万年前

  • 約10万年前 - 現代人(ホモ・サピエンス)がアフリカを出て世界各地に拡がった(アフリカ単一起源説を裏付けるもの[47]。7万年前との説(後述)もある。ミトコンドリアDNAの分析では、現代人の共通祖先の分岐年代は14万3000年前±1万8000年である[48]
  • 8万1000年前 - 地球温暖化に伴う海面の急速な上昇が起こっていた。国際研究グループが、気候変動に伴う氷床の拡大、縮小は今まで考えられていたよりも急速に起きる可能性があると発表した[49]
  • 約7万3000年前 - スマトラ島トバ火山の大噴火。スマトラ島トバ湖はこの時の噴火によって形成されたカルデラ湖。
ここ10万年ほどでは最大級の噴火とされ、地球の気温が数年間3 - 3.5度低下した。ヒトのDNAの解析によれば、7万年ほど前に人類の人口が1万人以下に激減し、遺伝的な多様性の多くが失われ現在の人類につながる種族のみが残った「ボトルネック効果(遺伝子多様性減少)」があったと考えられるが、これがトバ火山の大噴火に関連すると考えられている。→ トバ・カタストロフ理論
7万年前にヒトが衣服を着るようになり、ヒトに寄生するヒトジラミは7万年前に2つの亜種、主に毛髪に寄宿するアタマジラミと主に衣服に寄宿するコロモジラミに分岐した[50]
7万年前のヒトの出アフリカ説[51]
7万年前±1万3000年にヨーロッパ人日本人の共通祖先が分岐[48]
現在知られている古いものでは、南フランスのショーヴェ洞窟壁画(約3万年前?)がある。また、ラスコー(約1万8000年 - 1万6000年前)、アルタミラ(約1万4000年 - 1万3000年前)など多くの洞窟壁画がある。
氷河期の時代にベーリング海峡は地続きになっていた。この頃、ユーラシア大陸から無人のアメリカ大陸に人類が移り住んだと考えられている。約1万年前頃までには、南アメリカ大陸の南端地域まで到達した。→ アメリカ州の先住民族参照。
海面の上昇により、他にも、アラスカとロシアの間にあるベーリング海峡(氷期には陸続きだった)の海没や、大陸と地続きだった日本も徐々に島化が進んだ。
  • 約1万4000 - 約1万年前 - この頃までにヒトがイヌを飼い慣らしたと考えられている。
  • 約1万3000年前 - 日本列島大陸から完全に離れ、ほぼ今の形を整えたと考えられている。マイナス約60mの宗谷海峡が海水面下に没した。対馬暖流は一進一退を繰り返しながら日本海に流入していき、約1万から8千年前の間に、現在と同じような海洋環境になったと考えられている。
  • 約1万3000 - 1万年前、温暖化が進行しつつあったが寒冷気候に戻った時期である。北ヨーロッパなどでは「新ドリアス期」と呼ばれている。
  • 約1万2000年前 - この頃は、こと座(七夕の織り姫星付近)が北極星だった。この頃アメリカ大陸に人類が移動したとされている[53]
地球の歳差運動により、北極星は25,920年周期で変化している。
解凍した氷河の水で滝の形成がはじまった。初期の滝は現在より10kmほど下流にあり、年1mほどのペースで後退しながら現在の姿となった。
  • 約1万2000年前 - イスラエルのヒラゾン・タクティット洞窟遺跡で農耕開始以前の人々が宴会を開いていた証拠が見つかっている[54]

1万年前 - 現在

  • 約1万年前 - この頃、最後の氷期(最終氷期)が終わったとされる。
  • 約1万年前 - この頃、ヨーロッパ中部の火山活動が終息へ。
アイフェル高地ドイツベルギー)や中央高地フランス)の火山活動がおおむね終息。ピュイ=ド=ドームは約8,000年前まで活動を続けた。
  • 前8800年頃、人類が最初に精錬した金属は、だった。銅製の小玉がイラクから出土しており、最古の銅製品と言われている[55]
  • 農耕革命(農耕の開始)
人類史上、重大な事件の1つとされる。この時期より主に磨製石器が使われたことから新石器革命新石器時代)とも。
日本周辺でここ1万年間の火山活動の中では大規模なものとされている。 → テフラ参照。
この頃、海面は現在よりも数m(4mから10mまで諸説あり)程度高かったと考えられている。→ 海面上昇縄文海進
  • 前3000年頃(5000年前)初期の文明が現れる。
古代エジプト文明メソポタミア文明など。
塩害塩類集積森林破壊レバノン杉など参照。
最近のものでは、もっとも活動が低下した時期とされる。
シベリアツングースカ彗星隕石と思われる天体が落下し、大爆発を引き起こした。近年の天体衝突では比較的大規模なもの。仮に数時間ずれていたら、ヨーロッパに落下していた。

脚注

  1. 西尾正則. “宇宙科学入門第7回資料 恒星の誕生と進化 (PDF)” (日本語). 鹿児島大学理学部. . 2010閲覧.
  2. 2.0 2.1 ニュートン (別2009)、6章 太陽系のなりたち、p134 私たちの体は星の死からつくりだされた?
  3. Kaufmann, William J. (1987). Discovering the Universe. W.H. Freeman and Company. ISBN 0-7167-1784-0. 
  4. http://www.nao.ac.jp/open_lecture/2006/qa.html
  5. 宮路茂樹 太陽系の起源 大学院講義:宇宙物理学1 千葉大自然 2006/11/29
  6. 6.0 6.1 川上紳一・東條文治『図解入門 最新地球史がよく分かる本 [第2版]』秀和システム 2009年 168ページ
  7. 川上紳一・東條文治『図解入門 最新地球史がよく分かる本 [第2版]』秀和システム 2009年 173ページ
  8. David O’Brien, Alessandro Morbidelli, William F. Bottke (2007). “The primordial excitation and clearing of the asteroid belt?Revisited” (PDF). Icarus 191: 434–452. doi:10.1016/j.icarus.2007.05.005. http://www.boulder.swri.edu/~bottke/Reprints/OBrien_2007_Icarus_191_434_Primordial_Excitation_Clearing_Asteroid_Belt.pdf. 
  9. 丸山茂徳・磯村行雄著『生命と地球の歴史』岩波書店(岩波新書543)2005年6月
  10. 前掲岩波新書543 18頁、20頁、21頁
  11. カナダ北西部のアカスタ片麻岩に含まれるジルコンのU-Pb(ウラン・鉛年代測定法)で、40.31億年である。(川上紳一・東條文治『図解入門 最新地球史がよく分かる本 [第2版]』秀和システム 2009年 168ページ)
  12. Battistuzzi FU, Hedges SB (February 2009). "A major clade of prokaryotes with ancient adaptations to life on land". Mol. Biol. Evol. 26 (2): 335–43.
  13. 前掲岩波新書543 22頁
  14. Ueno Y, Yamada K, Yoshida N, Maruyama S & Isozaki Y (2006). “Evidence from fluid inclusions for microbial methanogenesis in the early Archaean era”. Nature 440 (7083): 516–519.
  15. 15.0 15.1 15.2 15.3 15.4 15.5 田近英一 『大気の進化46億年 O2とCO2』 p120ほか、技術評論社、2011年9月25日発行、ISBN987-4-7741-4784-0
  16. カンブリア大爆発 トップページ を見ると漢字にふりがなが振ってある。
  17. Wanjek, Christopher (2005年4月6日). “Explosions in Space May Have Initiated Ancient Extinction on Earth”. NASA. . 2008閲覧.
  18. 18.0 18.1 18.2 生命の起源・進化と地球環境 (山口大学地球進化学宮田研究室)講義資料
  19. 和仁 良二、「5. 古生物学からみた頭足類、頭足類学の創成—水産学における応用的基礎として—」、『日本水産学会誌』Vol. 81 (2015) No. 1 p. 138
  20. 20.0 20.1 20.2 20.3 長谷川政美、「系統樹をさかのぼって見えてくる進化の歴史」p102ほか、2014年10月25日、ベレ出版、ISBN 978-4-86064-410-9
  21. 21.0 21.1 田近英一、「地球環境46億年の大変動史」p113ほか、株式会社化学同人、2009年5月30日、ISBN 978-4-7598-1324-1
  22. 始祖鳥の神話と分子系統樹 週刊朝日百科1991年12月1日号をサイト内に掲載
  23. 23.0 23.1 岡部正隆、伊藤啓 「1.4 なぜ赤オプシン遺伝子と緑オプシン遺伝子が並んで配置しているのか「第1回色覚の原理と色盲のメカニズム」 『細胞工学』7月号をWEBに掲載。
  24. 山賀進 第3部生命 第2章 生物の進化(5)われわれはどこから来て、どこへ行こうとしているのかそして、われわれは何者か」 2005年12月28日完成との記述。
  25. 石弘之著『世界史の鏡1 歴史を変えた火山噴火 ー自然災害の環境史ー』刀水書房 2012年 11ページ)
  26. Pollock JI, Mullin RJ (May 1987). “Vitamin C biosynthesis in prosimians: evidence for the anthropoid affinity of Tarsius”. Am. J. Phys. Anthropol. 73 (1): 65–70. doi:10.1002/ajpa.1330730106. PMID 3113259. 
  27. 井上勲 『藻類30億年の自然史』 564頁、東海大学出版会、2007年11月5日発行
  28. 三上章允霊長類の色覚と進化2004年9月18日。 京都大学霊長類研究所 東京公開講座「遺伝子から社会まで」のレジュメ
  29. サルとヒトとの進化の分岐、定説より最近か ミシガン大 AFPBB News 2010年07月16日
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  32. Peter Proctor Similar Functions of Uric Acid and Ascorbate in ManSimilar Functions of Uric Acid and Ascorbate in Man Nature vol 228, 1970, p868.
  33. ヒトとチンパンジーの系統的学位置 京都大学人類進化論研究室へようこその研究案内「野生チンパンジーの世界」
  34. 古代ゾウ「完全な頬骨」 高校生発見 朝日新聞 2011年12月16日
  35. 高校生が古代ゾウ化石発見=専門家「進化解明につながる」-茨城 時事ドットコム 2011/12/15
  36. 36.0 36.1 36.2 池田清彦、『38億年生物進化の旅』(2010年)、186頁、株式会社新潮社、ISDN978-4-1D-423106-5
  37. 佐藤宏之「持続的資源利用の人類史」/ 日本第四紀学会・町田洋・岩田修二・小野昭編著 『地球史が語る近未来の環境』 東京大学出版会 2007年 145ページ
  38. 佐藤宏之「持続的資源利用の人類史」/ 日本第四紀学会・町田洋・岩田修二・小野昭編著 『地球史が語る近未来の環境』 東京大学出版会 2007年 147ページ
  39. 約100万年前では?(石弘之著『世界史の鏡1 歴史を変えた火山噴火 ー自然災害の環境史ー』刀水書房 2012年 9ページ)
  40. 前田弘毅「ユーラシア最古の人類の里」/ 北川誠一・前田弘毅・廣瀬陽子・吉村貴之編著『コーカサスを知るための60章』明石書店 2006年 37ページ
  41. 佐藤宏之「持続的資源利用の人類史」/ 日本第四紀学会・町田洋・岩田修二・小野昭編著 『地球史が語る近未来の環境』 東京大学出版会 2007 年 148-149ページ
  42. 高橋啓一「ナウマンゾウは津軽海峡を泳いで渡ったか」/ 化石研究会編『化石から生命の謎を解く -恐竜から分子までー』朝日新聞出版 2011年 141ページ
  43. 国立科学博物館などの国際チームが2015年1月27日付の英科学誌ネイチャー・コミュニケーションズ(電子版)に発表した
  44. アジア第4の原人:台湾に 海底であごの化石発見 毎日新聞 2015年01月28日 東京朝刊
  45. First Control of Fire by Human Beings--How Early?”. . 2007閲覧.
  46. 高橋啓一「ナウマンゾウは津軽海峡を泳いで渡ったか」/ 化石研究会編『化石から生命の謎を解く -恐竜から分子までー』朝日新聞出版 2011年 142ページ
  47. ネイチャー』 2008年2月21日発行
  48. 48.0 48.1 DNA人類進化学〜4.現代人の起源(遺伝学電子博物館)宝来聰『DNA人類進化学』岩波科学ライブラリー52、1997年の図を解説。
  49. サイエンス2010年2月12日発行
  50. Kittler, R., Kayser, M. & Stoneking, M. : Molecular evolution of Pediculus humanus and the origin of clothing, Current Biology 13, 1414-1417 (2003)
  51. Searching for traces of the Southern Dispersal , by Dr. Marta Mirazón Lahr, et. al.
  52. 横山祐典「地球温暖化と海面上昇 -氷床変動・海水準変動・地殻変動ー」/ 日本第四紀学会・町田洋・岩田修二・小野昭編著 『地球史が語る近未来の環境』 東京大学出版会 2007年 50ページ
  53. 横山祐典「地球温暖化と海面上昇 -氷床変動・海水準変動・地殻変動ー」/ 日本第四紀学会・町田洋・岩田修二・小野昭編著 『地球史が語る近未来の環境』 東京大学出版会 2007年 51ページ
  54. “1万2000年前の宴席の跡、イスラエルの洞穴で発見”. ロイター. (2010年8月31日). http://jp.reuters.com/article/oddlyEnoughNews/idJPJAPAN-17020120100831 . 2011閲覧. 
  55. 石弘之著『世界史の鏡1 歴史を変えた火山噴火 ー自然災害の環境史ー』刀水書房 2012年 15ページ)
  56. 高橋啓一「ナウマンゾウは津軽海峡を泳いで渡ったか」/ 化石研究会編『化石から生命の謎を解く -恐竜から分子までー』朝日新聞出版 2011年 143ページ
  57. 住明正「気候の近未来予測」/ 日本第四紀学会・町田洋・岩田修二・小野昭編著 『地球史が語る近未来の環境』 東京大学出版会 2007年 86ページ

参考文献

関連項目

外部リンク