USエアウェイズ
USエアウェイズ(英: US Airways)はかつて存在したアメリカ合衆国の航空会社。2015年にアメリカン航空に経営統合され消滅した。US Airways Group, Inc. が所有するアメリカ合衆国アリゾナ州テンピ(Tempe, Arizona)に本拠を置く航空会社でおり、USエアー(USAir)と呼ばれることが多かった。
USエアウェイズ便は慣習で「サボテン (CACTUS)」と呼ばれる。これは乾燥地帯のアリゾナを拠点としてきたアメリカウエスト航空より引き継がれたコールサインであり、同様にICAO3レターコードもかつての「USA」ではなく、同社由来の「AWE」を使用していた。
概要
アメリカン航空に統合される前の時点でアメリカ合衆国内で4番目に大きな航空会社であった。保有機材360機を有し、北米、中央アメリカ、西インド諸島、並びにヨーロッパの241都市に就航していた。
シャーロット・ダグラス国際空港とフィラデルフィア国際空港、フェニックス・スカイハーバー国際空港をハブ空港として利用していた。
機内誌は「US Airways magazine」があった。
2005年、アメリカウエスト航空との合併を発表。アメリカウエスト航空が、経営が低迷していたUSエアウェイズを乗っ取る形となった。合併後の社名は「USエアウェイズ」を引き継いだが、本社はシャーロットからテンピに移転した。
2006年11月、デルタ航空を吸収合併することを提案したが[1]、デルタ航空側には2度も拒否された。2007年1月、買収提案を撤回した。
2012年8月31日、アメリカン航空との合併の可能性が示唆された。合併が実現すれば、ユナイテッドグループと匹敵するグループになる。
2013年2月14日、アメリカン航空との合併計画が発表され世界最大規模の航空会社となった [2]。合併後は、スターアライアンスを脱退しワンワールドに移籍[3]。
2013年12月9日、スターアライアンスを2014年3月30日に脱退し[4]、翌31日からワンワールドに移籍することを正式発表した[5]。
2015年3月、「ディビデンド・マイルズ」がアメリカン航空のマイレージサービスに統合された[6]。4月にはアメリカン航空とUSエアウェイズが単一会社として運航する認可を連邦航空局(FAA)から取得し[7]、同年10月17日には予約システムもアメリカン航空側へ統合されてUSエアウェイズのブランド使用が終了し、WEBサイトも閉鎖された[8]。
歴史
- 1979年 : アレゲニー航空がUSエアー(USAir)へ社名を変更。
- 1987年 : USエアーがピードモント航空、パシフィック・サウスウエスト航空と合併。
- 1997年 : USエアウェイズに社名変更。
- 2002年8月11日 : アメリカ同時多発テロ事件の影響で、連邦倒産法第11章の適用を受ける。
- 2004年5月4日 : スターアライアンスに加盟。
- 2005年5月 : アメリカウエストホールディングス(アメリカウエスト航空の持ち株会社)が、USエアウェイズの吸収合併を発表。
- 2007年 : アメリカウエスト航空と経営統合。
- 2013年2月14日 : アメリカン航空との合併計画を発表。また、合併が承認された[9]。
- 2014年3月30日 : スターアライアンスを脱退[4]。
- 2014年3月31日 : ワンワールドに正式加盟[10]。
- 2015年10月17日:アメリカン航空に完全統合され、USエアウェイズのブランド使用終了。
就航都市
保有機材
2012年04月現在 [11]
- エアバス A319型機 93機
- エアバス A320型機 72機
- エアバス A321型機 63機
- エアバス A330-200型機 7機
- エアバス A330-300型機 9機
- エアバス A350-800XWB型機 0機 (18機発注中)
- エアバス A350-900XWB型機 0機 (4機発注中)
- ボーイング 737-300型機 7機
- ボーイング 737-400型機 40機
- ボーイング 757-200型機 24機
- ボーイング 767-200ER型機 10機
- エンブラエル190型機 15機
過去にはボーイング 737-200型機、フォッカー 100型機、DC-9型機、ボーイング 727型機及びMD-80型機を使用している。また、エアバス設立後の通算7000機目の旅客機を2011年12月12日に引き渡している[12]。(エアバスA321 機体番号:N552UW)
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日本路線
現在日本への自社便としての運航はしていないものの、アメリカン航空が日本へ飛来する飛行機にコードシェア便として日本路線を開設している。
2009年8月、デルタ航空と発着枠の交換により成田国際空港へ1日1便の発着枠を取得した[13]。2012年以降に、フェニックス - 成田間に、エアバスA330-200型機で就航予定であったが、アメリカン航空との合併により白紙状態となっている。就航への要望が多かった米国南部への路線については、2015年に全日空が成田-ヒューストン線を開設した事で、日本からメキシコ湾沿岸やカリブ海地域へのアクセスが改善された。
過去の保有機材
PSAやピードモント航空と合併した際に、USエアウェイズが所有することとなった機体の一部は、元の航空会社の塗装に、「USAir」とだけ描いて運用に入れることもあった。
(アメリカウエスト航空便として)
- ボーイング737-100
- ボーイング737-200
- ボーイング737-300
- ボーイング737-400
- ボーイング767-200ER
- マクドネル・ダグラス DC-9-30
- フォッカー 100
- マクドネル・ダグラス MD-80
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航空事故
USエアウェイズとUSエアーに関する事故
- 1989年9月20日:USエアー5050便がニューヨーク、ラガーディア空港からの離陸を中止する際オーバーランした事故。"「USエアー5050便離陸失敗事故」"
- 1991年2月1日:USエアー1493便がロサンゼルス国際空港で着陸時に管制官の誤誘導により滑走路上でスカイウエスト5569便と衝突した事故。"「ロサンゼルス国際空港地上衝突事故」"
- 1994年7月2日:USエアー1016便がシャーロット・ダグラス国際空港に着陸進入中にウインドシアに遭遇し墜落した事故。 "「USエアー1016便墜落事故」"
- 1994年9月8日:USエアー427便がピッツバーグ国際空港に着陸進入中にラダーの不具合により墜落した事故。 "「USエアー427便墜落事故」"
- 2003年1月8日:USエアウェイズ・エクスプレス5481便が離陸直後に失速し墜落した事故。なお、運航は委託先のエア・ミッドウエストが行っていた。
脚注
- ↑ Building a better airline
- ↑ “アメリカン航空とUSエアウェイズ、110億ドル規模の合併計画発表”. ロイター. (2012年2月14日) . 2012閲覧.
- ↑ oneworld welcomes American-US Airways merger - oneworld 2013年2月14日
- ↑ 4.0 4.1 US AIRWAYS TO EXIT STAR ALLIANCE ON MARCH 30th, 2014 - Star Alliance 2013年12月9日
- ↑ “ワンワールド、2014年3月31日にUSエアウェイズが正式加盟”. FlyTeam ニュース. (2013年12月9日) . 2013閲覧.
- ↑ USエアのマイレージアカウント、アメリカン航空に移行(ウォールストリート・ジャーナル 2015年4月1日 2015年12月6日閲覧)
- ↑ アメリカン航空とUSエアウェイズ、単一会社としての運航認可 アメリカンに統一へ(Tracy 2015年4月9日 2015年12月6日閲覧)
- ↑ アメリカン航空、USエアウェイズのサイトを閉鎖(Flight Liner 2015年11月3日 2015年12月6日閲覧)
- ↑ http://www.cnn.co.jp/business/35028224.html
- ↑ US Airways to join oneworld on 31 March 2014 OneWorld 2013年12月9日
- ↑ [1]
- ↑ 7,000th Airbus aircraft delivered – an A321 to US Airways
- ↑ US Airways Announces Slot Transaction with Delta Air Lines
関連項目
- アレゲニー航空 (前身の一つ)
- ピードモント航空 (同上)
- パシフィック・サウスウエスト航空 (同上)
- アメリカウエスト航空 (同上)
- メトロジェット
- シャトル便
- トランプ・シャトル
- スターアライアンス
- 逆さ合併
- アメリカン航空(統合先)
- ワンワールド
外部リンク
- USエアウェイズ (日本語)(2015年に閉鎖。アメリカン航空のサイトへ転送される)
- USエアウェイズ (英語版)(2015年に閉鎖。アメリカン航空のサイトへ転送される)
- The New American is Arriving : USエアウェイズとの合併に関する公式サイト