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イリジウム


イリジウム: iridium [ɨˈrɪdiəm])は原子番号77の元素元素記号Ir白金族元素の一つで、単体では白金に似た白い光沢銀白色)を持つ金属遷移金属)として存在する。

概要

プラチナ(Pt)精錬の副産物として得られ[1]年間の採掘量はプラチナの生産量に依存するがわずか4トン程度で、貴金属レアメタル(希少金属)として扱われている。 地球地殻中での濃度は{{safesubst:#invoke:val|main}}({{safesubst:#invoke:val|main}})[2]だが、地球内部のマントルにはこれよりはるかに多くのイリジウムが含まれている。また、隕石にも多くのイリジウムが含まれており、その濃度は{{safesubst:#invoke:val|main}}以上であるとされている。

性質

物理的性質

密度は {{safesubst:#invoke:val|main}}[3]融点は {{safesubst:#invoke:val|main}}[2](異なる実験値あり)、沸点は {{safesubst:#invoke:val|main}}[2]。比重は全元素中二番目に大きい(最大はオスミウム(Os))。

展延性に乏しく、非常に硬いため、加工も難しい。融点も高いことから、そのままでは加工や成形を行うことが困難であるため、一般的には粉末合金を焼結して使用することが多い。

高温酸化雰囲気中では揮発性酸化物を生成する[4]。Ir-10Al合金化することで優れた耐酸化性能を与える事ができる[5]

化学的性質

常温、常圧で安定な結晶構造は面心立方構造 (FCC)である。アルカリに不溶で、常温では王水にも溶けない(粉末にすればわずかに溶ける)。高温でフッ素塩素と反応する。-1, 0, +2, +3, +4, +6価の原子価を取り得る。

用途

工業用

イリジウムやイリジウムを用いた合金は、その硬度や融点の高さから耐熱性や耐摩耗性が求められる用途で使用されることが多い[5]

高温耐酸化性
  • LEDなどの原料として使用する人工サファイア単結晶を製造するための工業用のるつぼは非常に高い耐熱性が求められるため、イリジウムはるつぼの材料[6]として欠かせない存在となっており、イリジウムの用途として最も一般的である。
  • 飛行機自動車エンジンの点火プラグの電極の材料として採用される[1]
  • ロジウム(Rh)との合金は、IrRh熱電対として 2100℃までの計測が可能である[7][8]
耐摩耗性
  • 耐食性・耐摩耗性に優れていることから高級万年筆のペン先の材料としてオスミウムなどと共に用いられることもある。
原器
放射線源

宝飾用

イリジウムは、白金の割り金として使用されることが多く[9]、指輪やネックレスなどの多くの宝飾品に用いられている。

また、近年ではイリジウムそのものが結婚指輪などの材料として用いられることもある[10]

歴史

1804年オスミウムと共にテナント (S. Tennant) が発見した[11]

「イリジウム」という名は、その塩類が、虹のように様々な色調を示す事から、ギリシャ神話の虹の女神イリスにちなんで名付けられた[11]

産出国

産出量の95%を南アフリカが占めており、南アフリカのブッシュフェルトの埋蔵量は現在知られている中で最大である。この他にはロシアノリリスクカナダサドバリーでも産出されており、また、わずかではあるがアメリカでも発見されている。

地層に含まれるイリジウム

恐竜絶滅に関する議論で、白亜紀第三紀の境界の地層中に大量のイリジウムを含んだ層がある(K-T境界層)。イリジウムは、地表では非常に少ない金属であるため、これは隕石または地殻の深部由来のものと判断され、そのことから隕石の衝突を示す証拠であると言及されることが多い。

鉱物

イリジウムを構成する鉱石鉱物には、次のようなものがある。


同位体

イリジウムの安定同位体は、テンプレート:Chemテンプレート:Chemの2核種のみで、天然に存在するイリジウムの同位体は、この2種である。

出典

  1. 1.0 1.1 御手洗容子、白金族金属の構造材料への応用 まてりあ Vol.54 (2015) No.7 p.339-342, doi:10.2320/materia.54.339
  2. 2.0 2.1 2.2 The Element Iridium”. It's Elemental. Jefferson Lab. . 2016閲覧.
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  4. J. H. Carpenter: J. Less-common Met., 152(1989), 35-45., doi:10.1016/0022-5088(89)90069-6
  5. 5.0 5.1 御手洗容子、村上秀之、Ir 基合金の高温耐酸化性 まてりあ Vol.52 (2013) No.9 p.440-444, doi:10.2320/materia.52.440
  6. イリジウムルツボ 株式会社 フルヤ金属
  7. 従来の約20倍の耐久性を持つ超高温用熱電 (PDF)
  8. 小倉秀樹 ほか、「1950℃付近におけるイリジウム-ロジウム熱電対の評価技術」 センシングフォーラム資料 31, 234-238, 2014-09-25, NAID 40020353679
  9. 貴金属について”. 日本ジュエリー協会. . 2017閲覧.
  10. Luxury Iridium Jewelry”. American Elements. . 2017閲覧.
  11. 11.0 11.1 桜井弘 『元素111の新知識』 講談社1998年、314頁。ISBN 4-06-257192-7 

関連項目


テンプレート:イリジウムの化合物