メキシコ・シティ国際空港
メキシコ・シティ国際空港(メキシコ・シティこくさいくうこう、スペイン語: Aeropuerto Internacional de la Ciudad de México, 英語: Mexico City International Airport)は、メキシコ合衆国の首都のメキシコシティにある国際空港。建国の父の名にちなんでベニート・フアレス国際空港(Aeropuerto Internacional Licenciado Benito Juárez)とも呼ばれる。
Contents
概要
中南米のハブ空港
メキシコシティの中心部から約8キロメートルの距離に位置する、メキシコシティ唯一の国際空港で、かつメキシコ及び中南米最大級の国際空港である。
中心部近郊にあるにも関わらず24時間運営している上、中南米におけるハブ空港的存在であることから、メキシコ国内から諸外国への乗り継ぎだけではなく、南北アメリカの主要都市間や、南米諸国とヨーロッパ諸国の主要都市などとの間の乗り継ぎに多く利用される。このため、空港ターミナルに直結したホテルが用意されている他、多くのカフェやレストランも営業している。
標高2,230メートル
空港の標高が約2,230メートルであり、世界各国の主要国際空港の中でも高い[1]。大気中の酸素濃度が薄いことから、空港内には常に酸素ボンベが常備されている。
なお、酸素濃度が薄いことから、航空機のエンジンの燃焼効率が低下し、滑走路長が4,000メートル近くあるにもかかわらず離陸時に充分な速度が得られない上に揚力も弱くなるため、メキシコシティ発成田国際空港行きの無着陸直行便などの超長距離便の運航は難しい(着陸時には燃料が消費されており機体重量が軽い為、着陸復行を含め問題ない)。但し、2016年1月よりアエロメヒコ航空が燃費効率向上及び航続距離の長いボーイング787を使用して、成田行きを直行便化させた。ANAも2017年2月15日から同路線を同型機を使用して就航した[2]。
着陸のドラマ
着陸時にスリルを味わえる空港として、廃止となった旧香港啓徳空港が有名だが、メキシコ国際空港に関しても市街地に近い空港であることから、旧香港と負けず劣らずの着陸のドラマが味わえる。着陸前の低空飛行時は大都市メキシコ市内上空を通過し、中心部の高層ビルを見ることができる。また着陸時には真下に民家が見え、まるで民家の中に不時着するかのようなスリルが体験できる。
ただし、深刻な汚染が問題となっている光化学スモッグが発生しているため、快晴の日でさえも(雨の降った直後の晴天を除いては)市内全景をはっきりと見ることはできない。なお1987年には、離陸後にエンジントラブルを起こしたダグラス DC-3型機が、空港から数キロ離れた高層ビルに接触する事故を起こしている。
モービルラウンジ
航空機への搭乗及び降機時に通常はボーディングブリッジを使用するが、ボーディングブリッジの空きがないときは、乗客が雨に濡れないように「モービルラウンジ」と呼ばれる乗り物を使用する世界でも数少ない空港である。
就航航空会社と就航都市
アエロメヒコ航空やアステカ航空などメキシコの大手航空会社のハブ空港となっている他、中南米諸国をはじめ世界各国から多数の航空会社が乗り入れており、メキシコ国内やカリブ海沿岸諸国だけでなく南北アメリカやヨーロッパ諸国、アジア諸国などへの便が多数就航している。
国際線
第1ターミナル
第2ターミナル
国内線
航空会社 | 就航地 |
---|---|
アエロメヒコ航空 | アカプルコ国際空港(アカプルコ)、カンクン国際空港(カンクン)、ドン・ミゲル・イダルゴ・イ・コスティージャ国際空港(グアダラハラ)、マヌエル・クレセンシオ・レホン国際空港(メリダ)、モンテレイ国際空港(モンテレイ)、ヘネラル・アベラルド・L・ロドリゲス国際空港(ティフアナ)、アンヘル・アルビノ・コルソ国際空港(チアパス州)、ビヤエルモサ国際空港(ビヤエルモサ)、ヘネラル・ロベルト・フィエロ・ヴィラロボス国際空港(チワワ) |
アエロメヒコ・コネクト | アカプルコ国際空港(アカプルコ)、カンクン国際空港(カンクン)、アブラハム・ゴンザレス国際空港(シウダー・フアレス)、コスメル国際空港(コスメル)、ドン・ミゲル・イダルゴ・イ・コスティージャ国際空港(グアダラハラ)、マヌエル・クレセンシオ・レホン国際空港(メリダ)、ケツァルコアトル国際空港(ヌエボ・ラレド)、ソソコトラン国際空港(オアハカ)、ヘネラル・アベラルド・L・ロドリゲス国際空港(ティフアナ)、アンヘル・アルビノ・コルソ国際空港(チアパス州)、ベラクルス国際空港(ベラクルス)、ビヤエルモサ国際空港(ビヤエルモサ)、ヘネラル・ロベルト・フィエロ・ヴィラロボス国際空港(チワワ) |
インテルジェット | アカプルコ国際空港(アカプルコ)、カンクン国際空港(カンクン)、チェトゥマル国際空港(チェトゥマル)、アブラハム・ゴンザレス国際空港(シウダー・フアレス)、コスメル国際空港]](コスメル)、ドン・ミゲル・イダルゴ・イ・コスティージャ国際空港(グアダラハラ)、マヌエル・クレセンシオ・レホン国際空港(メリダ)、モンテレイ国際空港(モンテレイ)、ソソコトラン国際空港(オアハカ)、プエルト・エスコンディード国際空港(プエルト・エスコンディード)、ヘネラル・アベラルド・L・ロドリゲス国際空港(ティフアナ)、アンヘル・アルビノ・コルソ国際空港(チアパス州)、ベラクルス国際空港(ベラクルス)、ビヤエルモサ国際空港(ビヤエルモサ)、ヘネラル・ロベルト・フィエロ・ヴィラロボス国際空港(チワワ) |
ビバアエロバス | カンクン国際空港(カンクン)、アブラハム・ゴンザレス国際空港(シウダー・フアレス)、ドン・ミゲル・イダルゴ・イ・コスティージャ国際空港(グアダラハラ)、マヌエル・クレセンシオ・レホン国際空港(メリダ)、モンテレイ国際空港(モンテレイ)、プエルト・エスコンディード国際空港(プエルト・エスコンディード)、ヘネラル・アベラルド・L・ロドリゲス国際空港(ティフアナ)、アンヘル・アルビノ・コルソ国際空港(チアパス州)、ビヤエルモサ国際空港(ビヤエルモサ) |
ボラリス | アカプルコ国際空港(アカプルコ)、カンクン国際空港(カンクン)、チェトゥマル国際空港(チェトゥマル)、アブラハム・ゴンザレス国際空港(シウダー・フアレス)、ドン・ミゲル・イダルゴ・イ・コスティージャ国際空港(グアダラハラ)、マヌエル・クレセンシオ・レホン国際空港(メリダ)、モンテレイ国際空港(モンテレイ)、ソソコトラン国際空港(オアハカ)、ヘネラル・アベラルド・L・ロドリゲス国際空港(ティフアナ)、アンヘル・アルビノ・コルソ国際空港(チアパス州)、ビヤエルモサ国際空港(ビヤエルモサ)、ヘネラル・ロベルト・フィエロ・ヴィラロボス国際空港(チワワ) |
マグニチャーター | カンクン国際空港(カンクン)、マヌエル・クレセンシオ・レホン国際空港(メリダ) |
エアロマール航空 | アカプルコ国際空港(アカプルコ)、ドン・ミゲル・イダルゴ・イ・コスティージャ国際空港(グアダラハラ) |
定期路線一覧
国際線
- アジア
- ヨーロッパ
- 北アメリカ
- 南アメリカ
国内線
- アカプルコ、カンクン、アグアスカリエンテス、ティファナ、チワワ、ラパス、モンテレイ、グアダラハラ、タンピコ、メヒカリ、サンホセデルカーボ、シウダービクトリア、コリマ、ウアトゥルコ、ラサロ カルデナス、レオン、マンサニヨ、モレリア、ポサリカ、プエルトエスコンディード、サルティーヨ、サン・ルイス・ポトシ、テピク、ベラクルス、ハラパ、サカテカス、シウダー・フアレス、クリアカン、エルモシージョ、マサトラン、シウダ・デル・カルメン、タパチュラ、トゥストラ・グティエレス、トレオン、ドゥランゴ、シワタネホ、プエルトバジャルタ、オアハカ、ケレタロ、ロスモチス、シウダ・オブレゴン、ビヤエルモサ、マタモロス、レイノサ、メリダ、コスメル、イスタパ・シウアタネッホ
過去に就航していた航空会社
主な施設
- レストラン
- カフェ
- 航空会社ラウンジ
- 会議場
- 土産店
- 免税店
- 書店
- ニューススタンド
- 銀行
- 両替店
- 郵便局
- 診療所
- 政府観光局案内カウンター
- 地下鉄駅
- バス停車場
- レンタカー会社カウンター
- ホテル(ターミナル直結)
- 駐車場
新交通システム
乗り継ぎ乗客のために、ターミナル1とターミナル2を連絡している新交通システム「アエロトレン」が運行されており、乗車には有効な搭乗券を所有している必要がある。なお、アエロトレンがメンテナンスなどの運休中の場合、バスでの輸送となる。
交通
メキシコシティ市内中心部及び市街地とは、空港ターミナルに直結されているメキシコシティ地下鉄5号線の「空港ターミナル駅(Terminal Aérea駅)」からアクセスできる他、空港バスや市バス、ゾーン制運賃を採用する空港タクシーなどでアクセスすることが可能である。
脚注
- ↑ ボリビアの首都、ラパスのエル・アルト国際空港、中国のチベット自治区のラサ・クンガ空港の例がある。
- ↑ 恵知仁 (2018年2月24日). “「満席は難しい便」ANA、なぜ飛ばすのか? 物理的に容易でない成田~メキシコシティ線”. 乗り物ニュース. . 2018閲覧.
- ↑ メキシコシティ国際空港の施設案内(ANA公式サイト)
- ↑ http://flyteam.jp/airline_route/mex_gru/news/article/5659