トヨタ・ランドクルーザー

提供: miniwiki
2018/8/31/ (金) 23:26時点におけるAdmin (トーク | 投稿記録)による版 (1版 をインポートしました)
移動先:案内検索

ランドクルーザーLAND CRUISER)は、トヨタ自動車が製造する最上級モデルの大型クロスカントリー車である。日本では「ランクル」と通称される[注釈 1]

トヨタ・ランドクルーザー
販売期間 1946年-
ボディタイプ SUV クロスカントリー4WD
駆動方式 4WD
先代 なし
別名 トヨタ・ジープBJ型
テンプレートを表示

概要

世界で最も知名度の高いクロスカントリー4WDモデルのひとつともいわれ、その耐久性は世界中で高い評価を受けている[1]。「ランドクルーザー」という車名は1954年6月より使用されており、現在では(2017年時点)、一つの車名で継続生産されている日本製の自動車としては63年を超える最も長い歴史を持つ[2]

4ドアの大柄な車体と、先進および高級装備を持つ「ステーションワゴン」、主に業務用途向けとして多彩な車種を展開する「70ヘビー系」(ヘビーデューティー)、そして、「70ライト系」(ライトデューティー、日本国内での車名はランドクルーザーワゴン)[注釈 2] から発展したSUV「ランドクルーザー プラド」の、カテゴリーも車格も仕様もまったく異なる三系列が並行して生産、販売されている。

現在のステーションワゴンは、レクサスLX570姉妹車でもあるV型8気筒エンジンを搭載したランドクルーザー200であり、欧州など、仕向け地によっては車名がランドクルーザー V8 となる(100系の欧州名はアマゾン = Amazon )。100系時代のランドクルーザーシグナスは、日本国外のレクサスブランドでLX470として販売されていたものを日本国内販売したものであったが、日本でのレクサスブランド導入に伴い、200系では廃止された。 日本国内のレクサスブランドにおけるLXの投入は、初代モデルから3代目中期モデルまで日本では販売されてなかったが、2度目のマイナーチェンジに伴い2015年平成27年)9月から日本国内でもLX570のみが発売されることになった[3]

ランドクルーザーの源流はヘビー系にあり、現行モデルの70系では、日本製クロスカントリーカーとしては初となるV型8気筒ディーゼルエンジンを採用し、長大な車体を持つ7879を中心に世界各国に向けて輸出が続けられている。日本国内では貨物登録(1、4ナンバー)となっていたこともあり、NOx規制法およびPM規制条例の影響により、2004年(平成16年)7月に販売を終了していたが、復活を望むファンの強い要望に応え、誕生30周年を記念して2015年(平成27年)6月30日生産分までの期間限定で約10年ぶりに再発売された[4]

ランドクルーザー プラドは、タコマ/ハイラックスサーフシャシやエンジン、ドライブトレインの多くを共有するモデルで、2ドアのショートと4ドアのロングのバリエーションを持ち、と直4のガソリン、ディーゼルエンジンを積む(過去にはV6ガソリンエンジンモデルもあったが廃盤)。ランクルワゴンの伝統に則り、乗用車並みの装備を持つワゴンと業務用途の簡素なバンをラインナップしている。欧州アフリカでの名称には「プラド」は使われず、ランドクルーザーのみである。北米では、レクサスブランドにおいてGX470として販売されている。

日本ではNHKをはじめ各放送局取材車や中継車としても利用されている。なお、同タイプの日本メーカー製車両としては三菱・ジープや、日産・パトロール(後のサファリ)がある。

前史

戦時中、トヨタによって少数が生産された日本陸軍四式小型貨物車こと「AK10型」四輪駆動車は、フィリピン鹵獲された通称「バンタム・ジープ」をコピーして設計された。その際軍部から、方との識別のため「外観はジープに似せない事」とする旨の指示があった。機能がそのまま外観に表れるジープを模倣する上でそれは容易なことではなかったが、生産型は資材の窮乏も伴い、木材なども用いた簡易な外装に一つ目ランプという、いわゆる「戦時型」となり、結果的にまったく別物の外観となった。

「AK10型」はフロントにリーディング・アーム+リジッドアクスルのサスペンションを持ち、AE型乗用車(en:Toyota_AE)のC型エンジン(初代 4気筒 2,585 cc)と3速T/M、2速T/Fを組み合わせており、機構的にBJ型以降のランクルとの直接のつながりはない。しかし、AK10型の試作により設計主任の森本真佐男技師をはじめ、トヨタの技術者が得られた経験値は大きく、AK10型の残存部品はBJ型の開発の際にも大いに役立ったとされている[5]

また、トヨタはトヨタ・G1型トラックEnglish版をベースに四輪駆動としたKCY型四輪駆動トラックとKCY型をベースとした水陸両用トラック陸軍スキ型4輪駆動水陸両用車1943年から198台生産)でも四輪駆動(総輪駆動)車を手がけた経験があり、AK10型とは異なりトラックが母体となったこれらの構成はBJ型に通ずるものがあり、トヨタ自身もスキ車やKCY型のシャーシ構成がBJ型やランドクルーザーの直接の基礎となったと記述している[5]

BJ・FJ型(1951年-1955年)

警察予備隊(現・陸上自衛隊)への納入を狙い、トヨタ・ジープBJ型として開発され、1951年昭和26年)に試作車が完成した。

シャシは同社の1,000 cc級小型トラック・SB型の梯子形フレームを流用して改良、SB型同様に4輪リーフリジッドのサスペンションを備えるが強度を高めたうえで前輪も駆動可能な四輪駆動仕様とした。エンジンは当時のトヨタ大型トラック(6 t積)に用いられていた、シボレーエンジンの亜流設計である直列6気筒OHV・3,400 ccの初代B型ガソリンエンジンを搭載、トランスミッションもトラック用を流用した。トルクに余裕のある粘り強いエンジン特性と合わせ、ギアリングが低いことから、トランスファーは1速で済ませている(副変速機は備えていない)。「B型」エンジンを搭載した「Jeep」型車ということで型式は「BJ型」となった。

当時のトヨタ製量産エンジンは、小型車用1 L・直列4気筒のS型と大型車両用3.4 L・直列6気筒のB型という両極端なクラスの2種しかなく、2.2 L級であったウイリス・ジープに比肩する性能・クラスの4気筒エンジンがなかったため、排気量の大きな6気筒のB型を搭載したが、重量燃費以外の性能では、当時のウイリス・ジープを凌ぐ性能を得た。

警察予備隊の試験にはトヨタBJのほか、日産・4W60型も参加したが、入札の結果、三菱がライセンス生産するウイリス・ジープが採用され、他の2車は敗れた。トヨタは当初の目的は果たせなかったが、その後BJは国家地方警察(国警:こっけい)のパトロールカーとして採用された。

基本型の「BJT型」(ツーリング)、無線連絡車の「BJR型」(ラジオ)、消防用シャシの「BJJ型」(略号Jの意味は不明)の3タイプがカタログモデルとされ、その他の「変り型」は特装扱いとした。

BJ・FJ型年表

  • 1951年(昭和26年)8月1日、試作車完成。富士山6合目までの登山試験にも成功、路外でも優秀な成績を収めたが、警察予備隊の入札では実績のあるウィリス・ジープのライセンス生産車である三菱・ジープに敗れた。
  • 1953年(昭和28年)、本格生産開始。シャシ組み立てはトヨタ本社工場、車体および最終組み立ては荒川鈑金工業
  • 1954年(昭和29年)、高負荷運転となる消防ポンプ車用に、より強力なF型エンジンを追加。これはB型の後継となる大型トラック用のエンジンで当時95馬力を公称、以後ランクルとは切っても切れない関係となるが、この時期はまだ消防用シャシの「FJJ型」専用であった。

20系(1955年-1960年)

  • 1955年8月、ランドクルーザーは初めてのモデルチェンジを受け、20系となった。
  • ホイールベースはショート(#J25、21等)と、やや長いミドルの(#J28、24等)の二種類でスタート、後にロング(FJ35V)が追加される。
    • ショート 2285mm
    • ミドル 2430mm
    • ロング 2650mm
  • エンジンは従来のB型(初代)に加え、先代では消防用シャシ専用であったF型ガソリンエンジンが1955年11月からカタログモデルにも設定され、後にほとんどの車型で両方のエンジンが選べるようになった。
    • B型(初代) 水冷 直列6気筒 OHV ガソリンエンジン 3386cc 85hp/3200rpm 22.0kgm/1600rpm
    • F型 水冷 直列6気筒 OHV ガソリンエンジン 3878cc 105hp/3200rpm〜125PS/3600rpm 27.0〜29.0kgm/2000rpm
  • トランスミッションは4速マニュアル、トランスファーはセンタースルーの1速で、どちらもフロアシフトとされた。
  • ボディーのバリエーションはソフトトップ、ハードトップと、ピックアップ、バン、消防用シャシとされ、後にロングの4ドアステーションワゴンが加わった。これら以外の変り型については特装とされた。
    • ソフトトップ・ショート/ミドル
    • ハードトップ・ショート/ミドル
    • ピックアップ・ミドル
    • バン・ミドル
    • 消防用シャーシ・ミドル
    • ステーションワゴン・ロング
  • 国家警察用のパトロールカーをはじめ、ラインナップの約半数が二輪駆動(後輪駆動)であることも20系の特徴であった。
  • この20系より各国に見本車を送り、本格的に輸出を開始した。特に北米では、市場に適合せず、評判の優れなかったクラウンに代わり、米国トヨタ(現・TMS)の経営を支えた。
  • モデル末期の1959年、輸出の好調を受けランクル初の本格ステーションワゴンが追加されることになった。ホイールベースはさらに延長され2650mmとなり、4ドアボディを与えられ、エンジンはF型とされた。形式は、20番台はすでに全て使い切られていたため、30番台でロングホールベースを表すFJ35Vとされた。40系へのモデルチェンジまで一年を切ったこの時期に投入されたFJ35Vは、実質的には40系のFJ45V(初代)の前倒し生産といえるもので、日本国外の旺盛な需要の前に、逼迫した当時の状況が現れている。

40系(1960年-1984年)

1960年(昭和35年)1月発売開始。20系のフルモデルチェンジ版として登場。すでに20系が30番台の数字を使っていたため、型式は40とされた。

1984年(昭和59年)11月に70系にフルモデルチェンジされるまで24年にわたり販売され続け、超ロングセラーモデルとなった。北米においても、1960年代前半まではトヨタの最量販車種であった。

そのため、世界各国で業務用として今なお現役のものも多く、また、趣味の世界でも、「ヨンマル」、「フォーティー」などの愛称で親しまれ、多くの愛好家に大切にされている。

また現在でも根強い支持を受け、ランドクルーザープラドをベースに誕生したFJクルーザーのデザインモチーフとなっている。

  • 当初のコンセプトは、20系に対する北米市場の要求から、
    • T / Mを4速からワイドレシオの3速に
    • シフトレバーをフロアからコラムへ(北米以外は従来の4速フロアと3速フロアも選べた)
    • T / Fを1速から2速へ(リアもセンタースルーからオフセットへ変更された)
    • T / Fレバーをフロアからインパネへ
    • ファイナル(アクスルデフ)のギアリングを高く(3.36または3.7へ)
    • エンジン特性を高回転寄りに
    • サスペンションスプリングをソフトライドに
    • ソフトトップの着脱を容易に
    • ラジエターグリルをフォード・トラック風のオーバル形に

など、主に高速走行を重視した快適性の向上と、乗用車の雰囲気を盛り込むことが設計の主眼とされた。

  • ホイールベース
    ホイールベースはショートの40とやや長いミドルの43、ロングの初代45でスタート、後にフレームを300mm延長した45(B)が追加され、その後、延長形に一本化され、45(2代目)に変更された。
    • ショート 2,285 mm
    • ミドル 2,430 mm
    • ロング初代 2,650 mm(55形の登場により廃止)
    • ロング(B) 2,950 mm
    • ロング2代目 2,950 mm(55形の登場時にロング(B)を名称変更)
  • ボディーバリエーション
    • ソフトトップ・ショート/ミドル/ロング(2代目)
    • ハードトップ・ショート/ミドル/ロング(2代目)
    • ピックアップ・ロング(初代)/ロング(B)/ロング(2代目)
    • ステーションワゴン・ロング(初代)
    • 消防用シャシ・ロング(初代)
    • キャブシャシ・ロング(初代)/ロング(B)/ロング(2代目)
  • マニュアルトランスミッション
    • コラムシフト
      • 3速 J30型 1960年1月 - 1972年9月
    • フロアシフト
      • 3速 J30型 1960年1月 - 1975年1月
      • 4速 H41 / 41F型 - 1984年10月
      • 4速 H42F型 1972年10月 - 1984年10月(北米向け)
      • 5速 H55F型 1982年10月 - 1984年10月(日本国内向け LX グレードのみ)

第1期

  • 1960年(昭和35年)1月生産開始。輸出が優先された結果、国内のハードトップモデル(バン FJ40V)は遅れて登場する。
  • 遅れて45(B)シリーズ登場。荷台の狭さが指摘されていたピックアップトラックとキャブシャーシ用にホイールベースを2,950 mmとした、45(B)と呼ばれるスーパーロングが追加される。ピックアップの型式はFJ45PからFJ45P(B)に切り替わる。

第2期

ファイル:Brown Toyota Land Cruiser 40 front.JPG
1970〜73年頃の北米向けモデル
FJ40LV
  • 1967年(昭和42年)7月、55型の生産開始に伴い、4ドアステーションワゴンのFJ45Vは生産終了。同時にロングのホイールベースを2,950 mmへ統一、45(B)は、再び単に45と呼ばれることになる。同じ型式で長さと形態が異なるモデルが混在するため、趣味上の分類としては1967年以前の45を初代、それ以降を2代目としている。
    • 45(初代) W/B 2.650 mm
    • 45(B) W/B 2,950 mm
    • 45(2代目) W/B 2,950 mm
    • ショートのハードトップとバックドアを設計変更。屋根を鋼板プレスからFRPのモールド品に変更。リアクォーターウインドウ、バックドアウインドウを拡大、リアコーナーウインドウを新設、後方視界の改善を図った。
  • 1973年(昭和48年)、日本国外向けのロングホイールベースモデル(2,950 mm 2代目45シリーズ)に直列6気筒 3,576 cc OHV 95 PSのH型ディーゼルエンジン搭載のHJ45を追加。ランクル史上初のディーゼルエンジンとなる。
ファイル:TBJ40.JPG
欧州向けディーゼルモデル
BJ40LV-K(ダッチドア)
または-KC(観音開き
  • 1974年(昭和49年)、B型(2代目)ディーゼルエンジンが投入され、長い40の歴史上でのターニングポイントとなる。
    • ショートとミドルモデルにU10系ダイナ用として好評を博していた直列4気筒、2,977 ccのB型(2代目)と呼ばれるディーゼルエンジンが搭載された。4気筒エンジンはランドクルーザー初となる。
    • BJ40BJ43 と呼ばれるこのモデルは、ファイナルギア・レシオをFJ40 / 43の3.700から4.111へと、たった1割下げた以外(実際、ピニオンギアの歯数が一山少ないだけ)はT / Mも含め、FJ40 / 43の4速車と同じであったが、ディーゼルエンジンの特性から、その走行性能はF型との馬力差(130 PSと85 PS)を感じさせない遜色のないものであり、4気筒のためエンジンの搭載位置が後退してフロントミッドシップレイアウトとなったことで車両の重量バランスやハンドリングが改善される効果も生んだ。日本では小型登録(4ナンバー)できることもあって好評をもって迎えられたが、その優れた経済性と卓越した性能は、もとより備わっていた高い耐久性と相まって世界的なヒットとなり、販売台数は飛躍的に増えることとなった。
    • 2種類のディーゼルエンジンの追加により、全てのボディータイプでディーゼルエンジンが選べるようになった。もともとはオイルショックが招いた流れではあったが、これ以降、ディーゼルエンジンはランクルの主流となって行く。[注釈 3]
  • 1975年(昭和50年)1月
    • ワイパーのピボットをウインドシールドフレームの上部から下部に変更、ワイパーモーターカバーが車外に露出した。
    • ハードトップのドアを組み立て式サッシからフルプレスに変更。
    • それまで固定式であったリア・クォーターウインドウを、引き違い式と後端フリップアウト式の2種類へ変更。換気性能が大幅に向上し、後席の快適性が改善された。
  • 1976年(昭和51年)8月、アウターリアビューミラー(バックミラー)の位置がカウルサイドからドアに変更となり、国内ボンネット型車では初のドアミラーとなり、乗用車(1983年〈昭和58年〉)より一足早い登場となった。その後、乗用車からの乗り換えユーザーが急増し、車両感覚がつかみづらいとの声が多かったことと、幌モデルでドアを取り外した場合、ミラーも一緒になくなってしまうことから、1980年(昭和55年)7月、国内モデルのみフェンダーミラーへ変更された。
  • ここまでをビンテージモデルとすることが多い。

第3期

ファイル:Toyota Land Cruiser yellow vl.jpg
BJ40LV-KC(ディーゼル)
西ドイツ以外の欧州向けモデル
  • 1979年(昭和54年)2月
    • ボディーを大幅に設計変更。大型プレス材を多用し、パネル枚数の削減と組み立て工数の削減を図った。また、鋼板のゲージも下げられた(薄くなった)。
    • 20系以来、室内に置かれていた燃料タンクを室外(床下)配置に変更し、油臭の解消と懸案だった安全性と容量不足が改善された(65 Lから95 Lに拡大)。
    • 法改正に合わせヘッドランプの間隔が広げられ、ラジエターグリルもオーバルから矩形になる。
    • 日本国内のみ排出ガス対策のため、ディーゼルエンジンをB型から3,168 ccの2B型に変更、型式もBJ41BJ44となる。数字のうえではパワーアップであったが、進角特性の変更でマイルドな味付けとなり、燃費も若干悪化することになる。
    • フロントベンチレーテッドディスクブレーキとリアLSDオプション設定される。
    • 室内のトリムカラーが黒からグレーに変更される。
  • 同年9月頃、ディーゼル化以降、増加の一途をたどる日本国内の一般ユーザーへの対策として、ファブリック内装の導入が検討され、そのリサーチのため初めての特別仕様車が発表される。ボディーカラーはダークブルー、シートトリムはグレー地にダークブルーの細い斜めストライプであった。
  • 同年12月、バンパーなどのメッキ装飾や、トラック丸出しのリング式ながら白く塗られたホイールで差別化された外観と、室内には紅白のコントラストが鮮やかなファブリックシートを持ったLパッケージが登場。ランクル史上初めてのグレード設定となる。Lパッケージのドアトリムやフロアマットは明るい黄土色で、紅白シートと相まって非常に華やかな内装となり、もはや業務用の雰囲気は感じられなくなった。この変更は功を奏し、これ以降乗用車からの乗り換えユーザーが一段と増えることになる。

第4期

60系のデビューに合わせ、エンジン、T/MT/Fブレーキ、サスペンションスプリングのシャックルなどの主要部品が60系と共通化され、パーキングブレーキも専用のセンタードラム式から、フットブレーキとシューを共用する後2輪ドラム式へと変更となる。
ロングホイールベースのディーゼルエンジンをH型から6気筒・3,980 ccの2H型と4気筒・3.431 ccの3B型へ変更、60系と共通化され、それぞれHJ47BJ45となる。4気筒エンジンのロングへの搭載は初。HJ47は主にオーストラリア(略号 ARL)に向けて、BJ45はそれ以外の地域向(欧州 = EUR、ジェネラルカントリー = GEN)けに広く輸出された。B/2B型も合わせて改良され、それ以前のエンジンとの互換性が少なくなる。
マニュアル・フリーハブが日本国内向けにも装備され、回転突起物対策として樹脂製スペーサーによってフロントフェンダーの取り付け幅が広げられる。日本国内向けのみフェンダーミラーとなる。
  • 1981年(昭和56年)5月、特別仕様車の第2段として「ザ・マイティー」が登場(国内)、通称は「マイティーBJ」、「マイティー ブラック」。ブラックのボディーにゴールドの子持ちラインを持ったえんじのストライプとえんじとグレーの室内トリムの組み合わせであった。
  • 1981年(昭和56年)8月、インパネのデザインを変更。センタークラスタータイプとなるが、シンプルでクリーンな印象はなくなり、評判は芳しくなかった。また、日本国内でもラジアルタイヤが選べるようになり、回転突起物対策としてリヤフェンダーにエクステンションが追加され全幅が増す。パワーステアリングタコメーター、専用の室内トリムを持った最上級グレードの「LX」が追加される。
  • 1982年(昭和57年)2月、最後の特別仕様車となる「ザ・マイティーII」が登場(国内)。「マイティーBJ」と同様のカラー、トリムであったが、パワーステアリングとタコメーターを装備し、「LX」同様の装備となる。
  • 1982年、日本国内は排出ガス対策でエンジンが2B型から3,431 ccの3B型へ変更され、同時に噴射ポンプがボッシュA型(列型)からボッシュVE型(分配型)へ変更となる。ショートとミドルの日本国外向けも含めた3B型エンジン搭載車の型式はBJ42BJ46(B型搭載の日本国外向けBJ40 / 43と3B型搭載の日本国外向けロングのBJ45は変更なし)。
  • 1984年(昭和59年)11月70系へモデルチェンジ。国内での生産を終了。

55、56型(1967年-1980年)

ファイル:Landcruiser-FJ56V.jpg
FJ56V-KC
日本国内モデル

乗用車ムードあふれるユニークなボディースタイル、クロスカントリー車という特異な車であるにもかかわらず、乗用車を上回る安全性。 高出力エンジンと理想的な車両重量配分と抜群の高速性能、と当時の解説書にはある。

北米市場を強く意識したモデルでランドクルーザーシリーズとしては初めて、工業デザイナー(社内)によるスタイリングを採用している。

北米でムース(へら鹿)とあだ名されることとなったフロントまわりや大きくへこんだスライド式(電動昇降式)のリアウインドウなどそれまでの常識にとらわれない独特のスタイルとなった。
しかし現場経験の無い若手が担当したことから、パネル割りに不慣れな部分が多く、生産開始後もライン上でハンマーによる修正が必要となり、品質が安定するまでには多くの月日を要する結果となった。

北米の保安基準に適合させるため、インストゥルメントパネルは発泡ウレタンのパッドで覆われ、ステアリングホイール中央にも大型パッドが設けられた(その後40系と共通の小ぶりのものに変更)。

パワートレインは40系と全く同じで、125馬力のF型ガソリンエンジンと、オフセット式の2速トランスファーに、コラムシフトの3速M/Tが標準の組み合わせで、オプションでフロアシフトの3速又は4速M/Tが選べた。ファイナルレシオ(デフの減速比)は3.700が標準とされた。3速M/Tは1速とリバースがノンシンクロであった。
その後、1969年にエンジン出力が130馬力に向上した。

  • 1967年7月-FJ45V(初代・4ドア)の後継車として登場。バックドアはスライディングウインドウ(電動昇降式)を持つテールゲート(下開き)とスイングアウトドア(観音開き)の二種類が設定された。
    45(初代)で好評だった消防車用シャーシ(国内向け)も55ベースに代わった。
  • 1972年4月-ステアリングギアをウオーム&ローラーからリサーキュレーテッドボール(ボールナット)に変更。
  • 1973年2月-バックアップランプを大型化し、輝度も上げられた(安全対策)。
  • 1973年9月-エンジンを無鉛仕様に変更(環境対策)。
  • 1975年1月-排出ガス対策に適合させるため、全モデルが4200cc、140PSの2F型ガソリンエンジンに変更となり、3速M/Tが廃止され、フロアシフトの4速M/Tとなり、エンジンの変更で、型式認定の都合上、国内のみ型式がFJ56Vとなった。又、フロントドアの三角窓が廃止となり、フロントウインカーの形状が変更され、スモールランプも採用された。
  • 1977年5月-フロントドアガラスとサッシの前側の角の形状をR付きに変更(安全対策)。
  • 1977年9月-アウターリアビューミラー(バックミラー)が可倒式に、リアコンビネーションランプ(テールランプ)が縦長の大きなものになり、位置も低くされた(安全対策)。すでに60系の設計が始まっていたため、それに似た形状となった。
  • 1979年4月-ロッカーアームプッシュロッドを軽量化、ロッカーアームカバーを鋼板プレスからアルミダイキャストに、フロントワイパーをシルバーからブラックに変更。
    この改良は次期モデルの60系2F型を引き続き搭載するにあたり、騒音対策の一つとして行われたもの。エンジン音が乗用車風になったため、旧来からのファンを嘆かせることになった。

北米以外の仕向け地についても、トヨタは55型にディーゼルエンジンを最後まで与えなかった。その点にこのモデルのポジショニングが良く表れている。
より実用的なモデルが必要な仕向け地には、H型ディーゼルエンジン搭載のHJ45(1967年〜1980年 二代目FJ45と同じ、ホイールベース2950mmで2ドアのモデル)の各タイプが用意され、それを補っていた。

当初の予定どおり、生産台数のほとんどが北米をはじめとする日本国外へ輸出された。国内では業務用として多くの納入実績を誇ったが、高価であったこと、小型車枠を超えていたこと、ディーゼルエンジンがなかったことがネックであったと言われ、個人向けの販売は振るわなかった。

幻の50「系」

50「系」の開発計画は当初、ショートホイールベースの2ドアハードトップとロングホイールベースの4ドアステーション・ワゴンの二本立てであり、その時点では名実ともに50「系」であった。2ドアモデルは1/10クレイモデルによるスタイリング検討まで行われており、このモデルが生産されていれば、FJ50型を名乗るはずであった。しかし、北米での販売が好調であったFJ40とのバッティングの可能性、販売価格、荒川車体の生産能力などを考慮した結果、2ドアモデルの計画は中止されることになった。現在50番台の5556型50「系」ではなく、「型」と呼ばれる理由はここにある。

ちなみに50「系」はブラジル・トヨタが生産する、ランドクルーザーのノックダウンから発展した「バンデランテ(Toyota Bandeirante)OJBJ50系(1954年〜2001年11月)が名乗っている。

この区別はランクルに詳しい者以外にとっては非常に分かりづらいため、一般的には5556「型」をまとめて50「系」OJBJ50系「バンデランテ」と車名で呼ばれることが多い。

60系(1980年 - 1990年)

ファイル:MoriokaFireBrigade.JPG
60系の消防車
FJ60V-KCHQ4またはFJ61V-KCH4

1980年8月、ステーションワゴン、55型の後継車種として登場。ランクル40系から脱却、独立して本格ステーションワゴンを目指したモデルである。フロントの独立フェンダーを廃止することで先代のイメージは完全に払拭され、当時北米で人気だったステーションワゴン然としたスタイルに生まれ変わった。このボディーの基本デザインはこの後も大きく変わらず、クロームメッキバンパーやリアゲートに上下開きタイプが追加されたり、ドアミラーの採用やハイルーフ仕様の設定、サイドステップやオーバーフェンダーの設定など、時代に合わせた装備の追加、変更が数多く行われた。

デビュー当初から前期の60系に設定されていたボディカラーは、ホワイト、フリーボーンレッド、トラディショナル・ベージュ、フィールライクブルーの4色。HJ60Vなどにハイルーフ仕様が設定された後期型になると、上級グレードにワイルドステージ・トーニング(シルバーと濃紺系メタリックの2トーンカラー)やベージュメタリック(濃いブラウン系メタリック)が加わり、オプションでそれぞれのカラーに合わせたサイドストライプ(塗装ではなくデカールのステッカー)が用意されていた。

拡大されたボディーの恩恵を最大限に利用して居住性の向上が図られ、インテリア面でもそれまでのモデルからラグジュアリー性が高められており、室内カーペットなど乗用車化が進んだ。とりわけ「Gパッケージ」と呼ばれる上級装備オプションの設定や、後期モデルから行われた装備やトリムの違いによるグレード設定も、インテリアの進化を加速させる。また、上級グレード装備やオプション装備の中には、電動アジャスタブルシートや電動ムーンルーフ、フロントシートヒーター、オーバーヘッドコンソールといった豪華装備も用意され、その後の贅沢SUV路線に先鞭を付けた。

ガソリンエンジンは55型から変わらず6気筒・4.2Lの2F型であったが、新たにランクルでは初となる6気筒・4.0Lの2H型(国内は1982年から)と4気筒・3.4Lの3B型の2種のディーゼルエンジンが設定される。ステーションワゴンのラインナップに初めてディーゼルエンジンが加わった。 このモデルは販売から40年近くが経過しているが後継モデル同様に現在でも実働車が数多く、高い人気がある。

  • 1980年8月、国内モデルのバックドアは観音開き(形式記号 C、カタログ特徴記号 VKC)のみ。グレードはビニールシートとセミトリムのスタンダード(STD)と、ファブリックシートとフルトリムの「Gパッケージ」が選べた。
  • 1981年10月
    • 日本国外のみであった上下開き式バックドア(型式記号 M、カタログ特徴記号 VLS)を国内にも設定。
    • パワーステアリングを国内にも設定。
    • ソフトライドスプリングを国内にも採用。
  • 1982年10月
    • 国内モデルにも6気筒・4000ccの2H型ディーゼルエンジンを搭載したバン4000GX(HJ60V-MMZ ハイルーフのみ)が追加された。
    • ディーゼルモデルに5速M/Tを新設。
    • ディーゼルモデルにハイルーフを追加。
    • GXグレードを国内にもディーゼルモデルに新設。
    • 電動リモコンフェンダーミラーをGXに採用(国内)。
  • 1984年11月、70系のデビューに合わせマイナーチェンジ。
    • ガソリンエンジンを4000ccの3F型に変更。ショートストローク化とフライホイールの軽量化など高回転寄りの設定となったことと排ガス対策のため、力強さは失われた。
    • ガソリン車にも5速M/Tを設定。
    • リアバンパーを分割し、ステップを新設。
  • 1985年10月
    • ディーゼルにターボモデルを追加。国内では最上級グレードのバン4000VX(HJ61V-MMZX)のみに限られた。2H型を直噴化した12H-T型を搭載した。このモデルにはデフロックがオプションで設定された。
    • 12H-T2Hモデルに4速A/Tを搭載した。
    • サスペンションシートを設定(フロア形状変更)。
  • 1986年8月
    • 3B型エンジン廃止。
    • VXのトリムを変更。
  • 1987年8月、マイナーチェンジ。
    • ヘッドランプを角型4灯に変更。
    • インストゥルメントパネルを変更と同時にオーディオスペースを2DIN化。
    • 国内にもワイドタイヤ(31X10.50R15 LT)とバンVXにオーバーフェンダーを設定。これらの変更は当時開発が進んでいた80への買い替えをスムーズに促すためのデザインとされた。
  • 1988年8月、ガソリンエンジンの3F型を電子制御化した3F-E型を搭載した、70ワゴンに続く乗用車登録モデルとなる、ワゴン4000VX(FJ62G-PEZE)を追加。
  • 1990年1月生産終了。
当初80系への切り替えは1989年10月を予定していたが、新機構部分の問題解決に多くの時間を要し、11月に延期されるも60系の駆け込み需要を生産工場が対応しきれず、80系の発売は最終的に年明けの1990年1月にずれ込んだ。
そのため60系は同月まで生産が続けられることになった。

売れ筋は圧倒的にトラディショナル・ベージュかホワイトの2色だったが、現在ではオリジナル塗装のボディー色ではない再塗装車も多く見られる。消防車仕様は山間部を中心に配備されており、現在でも見ることができる。

70系(1984年 - 2004年、2014年 - 2015年 )

ファイル:Toyota Land Cruiser 2-Door.jpg
FJ70LV?
ヘビー系 ショート
ハードトップ
ファイル:TOYOTA Land Cruiser HZJ75-02.jpg
HZJ75LV
ヘビー系 ロング
トゥループキャリアー 4.2
ファイル:Toyota Land Cruiser HZJ76HV 001.jpg
HZJ76HV
ヘビー系 セミロング
バン 4.2LX 日本国内向け
ファイル:Yotsuya-YF.jpg
HZJ73
ヘビー系 ミドル
ソフトトップ4.2LX
日本国内・非一般向けモデル
ファイル:Landcruiser70sud.jpg
2007 - 現行型
##J79LP ピックアップ
サブタンク付・中東向け
右は40系幌車のリア
ファイル:LANDCRUISER70-2009.JPG
2007 - 現行型
FZJ71LG/LV ハードトップ
(中東向け)

ヘビー系

  • 1984年11月、それまでの40系に代わりデビュー。
  • 足回りは前後共にリーフスプリングリジッドアクスルの組み合わせだったが、1999年のマイナーチェンジにおいて前軸のみリーディングアーム+コイルスプリングに変更された。
  • 1984年 - 2004年の販売時期は、ピックアップについては日野自動車からの継承であるハイラックスとのラップが避けられないため、日本国内および北米などハイラックス4WDの販売エリアでは(一般向けには)発売されず、逆にオーストラリアや新興国などランドクルーザー70 ピックアップの販売エリアではハイラックス4WDは発売されていない。
  • 2004年7月日本国内での販売終了。
  • 2007年3月オーストラリアを皮切りに、フロント周りの意匠を大幅変更した新型がデビューした。尚、このモデルは2014年8月から2015年6月まで日本でも期間限定販売された(詳細は後述)。

これは新型のV型8気筒1VD-FTV)ディーゼルエンジン(4461cc、インタークーラーターボ)を今までの狭いエンジンベイに収めるにあたり、余裕がなかったためと思われる。 ちなみに1984年のデビュー以降、フロントマスクの変更は3度行われているが、ボンネット全体が大きく変更されたのはこれが初めてとなる。

  • またWAGONが新たに設定され、かつては日本国内専用であったセミロングホイールベースが再びカタログモデルとなった。
  • 海外向けには、全クラスのランクルで伝統的にSTD(スタンダード)をはじめとするロワーグレードの設定があり、エアバッグ表記のレス仕様(主に中東地区向。エアバッグ機能あり)、ABSなし(LSPVは装備)、サイドステップなし、オーバーフェンダーなしのナローボディー、日本向けピックアップでも設定されたチューブ入りタイヤ&スチールホイール、ビニール内装、フロントベンチシート、トゥルーパーキャリア仕様車には荷室向かい合わせシート(ショート7人 / ロング10人乗り)などのバリエーションがある。

なお以降の説明は日本国内向けを中心として行うが、一部日本国外向けの記述も時系列上載せている。

  • ホイールベース
    • ショート 2,310 mm(70,71)
    • ミドル 2,600 mm(73,74)
    • セミロング 2,730 mm(77,76)
    • ロング 2,980 mm(75,78 日本国外向けおよび日本国内消防用シャーシ)
    • スーパーロング 3,180 mm(79 日本国外向けおよび日本国内消防用シャーシ)

※78、79はライト系(70プラド)セミロングと型式重複している。

  • ボディー
    • 2ドアハードトップ(ショート)
    • 2ドアソフトトップ(ショート、ミドル)
    • 2ドアFRPトップ(ミドル)
    • 4ドア試作車 (ミドル BJ73V改、74V改 リアドア形状は2種類ある。名古屋トヨタディーゼルを通じて販売された)
    • 4ドア(セミロング)
    • 2ドアハードトップ トゥループキャリア(ロング)
    • ピックアップ(ロング、スーパーロング)日本国外向けおよび日本国内消防用シャーシ
    • キャブシャーシー(ロング、スーパーロング)日本国外向けおよび日本国内消防用シャーシ)
  • エンジン
    • ガソリンエンジン
      • 3F直列6気筒 OHV 3,955 cc 1984年 - 1992年 国内では消防用シャーシのみ)
      • 1FZ (直列6気筒 DOHC 4,477 cc 1992年 - 2009年 日本国外向けのみ)
      • 1GR-FEV型6気筒 DOHC 3,955 cc 2009年 -)
    • ディーゼルエンジン
      • 3B直列4気筒 OHV 過流室式 3,431 cc 1984年 - 1990年)
      • 13B-T(直列4気筒 OHV 直噴式 過給器付き 3,431 cc 1984年 - 1990年)
      • 2H (直列6気筒 OHV 過流室式 3,980 cc 1984年 - 1990年 日本国内は設定なし)
      • 1PZ直列5気筒 OHC 過流室式 3,469 cc 1990年 - 1993年)
      • 1HZ (直列6気筒 OHC 過流室式 4,164 cc 1990年 -)
      • 1HD-FTE (直列6気筒 OHC 直噴式 過給器付き 4,164 cc 2001年 - 2006年)日本国外向け
      • 1VD-FTVV型8気筒 DOHC 直噴式 インタークーラーターボ 4,461 cc 2007年 -)日本国外向け
  • トランスミッション
    • MT
      • H41F型(4速フロアシフト 1984年 - 1993年 日本国内は設定なし)
      • H55F型(5速フロアシフト 3F型エンジン搭載車 1984年-1992年、3B型エンジン搭載車 1984年 - 1990年、1HZエンジン搭載車 1984年-1999年)
      • H151F型(5速フロアシフト 1FZ型エンジン搭載車 1992年 -)
      • R151F型(5速フロアシフト 1PZ型エンジン搭載車 1990年 - 1994年、1HZ搭載車 1999年 -)
    • AT
      • A440F(4速フロアセレクター 1985年 - 199?年)
      • A442F(4速フロアセレクター 199? -)
ファイル:2014toyota landruiser70 ban.JPG
2014 - 国内再発売モデル
バン(GRJ76K型)
ファイル:2014toyota landcruiser70 ban rear.JPG
2014 - 国内再発売モデル
バン(GRJ76K型)
ファイル:2014toyota landcruiser70 pickup.JPG
2014 - 国内再発売モデル
ピックアップ(GRJ79K型)

ヘビー系・発売30周年記念復活モデル

ヘビー系は2014年8月25日に"70"シリーズの発売30周年を記念して2015年6月30日生産分までの期間限定で約10年ぶりに復活した[4]。ボディタイプはランドクルーザーらしいフォルムと高い居住性を実現する「バン(GRJ76K型)」に加え、最大600 kgの貨物を積載できる堅牢なデッキスペースを備えた、日本国内でのピックアップトラックでは初のダブルキャブ仕様となる「ピックアップ(GRJ79K型)」の2種類を設定した。日本国内で期間限定販売となった理由は、現行車体では2015年(平成27年)7月26日以降の生産車両に適用される新保安基準に対応できないからである。[注釈 4]

ラダーフレーム構造の採用による優れた堅牢性・耐久性を引き継ぎつつ、エンジンは日本国内向けでは初採用となるV6・4.0 Lの1GR-FE型に置換。軽量・コンパクト設計のアルミシリンダーブロック、吸気効率を高めるVVT-i、ACIS(2段階可変吸気システム)を採用することで「平成17年基準排出ガス50%低減レベル(☆☆☆)」認定を取得する環境性能と最高出力170 kW(231 PS)、最大トルク360 N・m(36.7 kgf・m)の高い動力性能を両立。トランスミッションは信頼性と操作性に優れた5速マニュアルを採用するが、2速と3速にトリプルコーンシンクロメッシュを組み込むことで滑らかなシフトワークを実現し、ラフロード走行時の素早いシフトチェンジにも対応。駆動方式はトランスファーレバー操作による駆動モード切替が可能なパートタイム4WD(デュアルモードオートマチックロッキングハブ付)を採用。市街地や高速道路での走行には静粛性や燃費性能に優れた2輪駆動モードで走行し、不整地や雪路、急な坂道などを走行するときには路面状況に応じた2種類の4輪駆動モードに切り替えることで走破性を高めた。

また、時代の要請に合わせてフロントフェイスやインテリアはより現代的なデザインとなる。フロントグリルやフードの形状を変更し、フロントグリルに装着のエンブレムはトヨタのCIを用い、ヘッドランプはターンシグナルランプ一体型の異形タイプとなった。インパネはオフロード走行時に車体の姿勢が把握しやすいように水平基調のストレートデザインとすることで機能性を確保。特別感を付与するため、ボディサイド両側に30周年記念の専用エンブレムを装着し、キーボックスや車検証入れは本革仕様とした。併せて、運転席・助手席SRSエアバッグやABSを標準装備するなど安全性も高めている。

30周年記念復活モデルで設定されたボディカラーはバン・ピックアップとも7色で、「ホワイト」「シルバーメタリック」「グレーメタリック」「ダークレッドマイカ」「ブルー」「ベージュ」「ベージュマイカメタリック」が設定された。

尚、ピックアップの新車装着タイヤは一般市販車として採用されることが希少となった鉄リングホイールのチューブ入りタイヤである。


ライト系

ファイル:Toyota Land Cruiser 70 Light 003.JPG
ライト系 2ドアハードトップ
日本国内向けワゴンLJ71G
ファイル:Toyota land cruiser 1985.jpg
ライト系 2ドアハードトップ
欧州向け

70系のライトデューティー版派生種として、1984年11月に登場(日本国内は1985年〈昭和60年〉10月)。

エンジン、トランスミッションデフなどをハイラックス / ハイラックスサーフと共用、サスペンションスプリングは国産4輪駆動車初の4輪コイルリジッドとなる。R系L系エンジン共に、出自は乗用車[注釈 5]

仕向け地により、「ランドクルーザーワゴン」(日本国内)、「ランドクルーザー」、「ランドクルーザー II(2)」、「バンデラ」の名を使い分ける。この場合の「II」は、「カローラ II」と同様、サブシリーズ(格下)の意味となる。

  • ホイールベース
    • ショート 2,310 mm(70,71)
  • ボディー
    • ソフトトップ 日本国内向は設定なし
    • ハードトップ(メタルトップ)
ファイル:Toyota Land Cruiser Prado 70 001.JPG
70プラド セミロング4ドア
LJ78G

1990年4月、4ドア・セミロングボディーの追加に伴い、「PRADO」(プラド)のサブネームが与えられる。(以降はトヨタ・ランドクルーザープラドを参照)

  • ホイールベース
    • ショート 2,310 mm(70,71)
    • ミドル 2,600 mm(73,74)日本国内は設定なし
    • セミロング 2,730 mm(78,79)

※78はヘビー系ロング、79はヘビー系スーパーロングなど、ホイールベースの異なる車型との型式重複を起こしている。

  • ボディー
    • 2ドア
      • ソフトトップ 日本国内向は設定なし
      • FRPトップ 日本国内向は設定なし
      • ハードトップ(メタルトップ)
    • 4ドア
      • セミロング
  • エンジン
    • ガソリンエンジン 日本国内向は設定なし
    • ディーゼルエンジン
      • 2L 日本国内向は設定なし
      • 2L-T
      • 2L-T II 日本国内向は設定なし
      • 2L-TE
      • 3L 日本国内向は設定なし
      • 1KZ-T 日本国内向は設定なし
      • 1KZ-TE

80系(1989年 - 1997年)

ボディサイズが60系よりも一回り大きくなり、メインマーケットの北米やオーストラリア向けに開発されたモデルとなる。
80系はそれまでの硬派なクロスカントリーから、内外装の質感向上と装備の充実により、高級SUVへと性格が変化した最初のモデルであったが、オフロード性能はランクルの名に恥じない高い走破性を見せた。

パワートレイン
  • 60系のパートタイム方式から、センターデフロック付のフルタイム方式へと変更、但しバンの一部グレード(STD、GX)にはパートタイム4WDも用意されていた。
    フルタイム4WDはフルタイム式HF2A型トランスファーに、ABS装着車にはABSの動作を制限しないよう、ビスカスカップリングLSDが追加されたHF2AV型(Vはビスカスカップリング付きを表す)となっている。このトランスファーは2速(Hi 1.000、Lo 2.488)の副変速機も兼ねており、1輪への過大なトルクの集中を防ぐため、ローレンジでは強制的に直結となる。
エンジン
  • ワゴンがガソリン、バンはディーゼルを搭載していた。ディーゼルエンジンの1HZ型は初期のSTDやGXといったベーシックグレードに搭載、後期のGXと上級グレードのVXとVXリミテッドにはターボ付きの1HD-T型(1990年 - 1995年)、1HD-FT型(1995年 - 1997年)が搭載された。
トランスミッション
  • 日本国内を含め、他の仕向地向けのランドクルーザー80系に搭載されているライトトラック用のアイシン精機製A442F型・4速ATであるが、北米向けは乗用車系のアイシンAW製A343F型・4速ATを採用。
    アイシン精機製A442F型に比べ、アイシンAW製A343F型は許容トルクや耐久性の面では下回るが、変速ショックや騒音が少なく、重量も40kg程度軽い[注釈 6]
サスペンション

日本国内向けは8人乗りのワゴンと5人乗りのバンが用意されており、グレードには下からパートタイム式4WDの「STD」、「GX」、そしてフルタイム4WDを採用した「VX」、「VXリミテッド」がある。ライフサイクルを通じて常に存在したグレードはVXとVXリミテッドで、STDは1989年 - 1993年、GXは1993年 - 1998年に販売。上位2グレードはランクルの新世代フラッグシップとして上質なインテリアや高級装備が標準またはオプションで用意され、下位2グレードはオーバーフェンダー非装着となっている(なお、GXについては後期型(1995年 - 1997年)のワゴン及びバンのディーゼルターボに装着されていた)。バックドアは、STDとGXが70系同様、左右の幅が異なる観音開き、VXとVXリミテッドが上下開きを採用した。

歴史
1989年10月
  • 東京モーターショーでランドクルーザー70ライト系ワゴンの4ドアセミロングと共に、80系が初披露される。
1989年12月
  • 60系の後継車として80系が発表。
当初80系への発売は1989年10月を予定していたが、トヨタとアラコ共に80系は新機構満載で未経験の部分が多く、その解決に多くの時間を要したことで12月に延期される。しかし、60系の駆け込み需要を生産工場が対応しきれず、80系の生産立ち上がりは遅れに遅れ、最終的に1990年1月までずれ込んだ。デビュー時はムーンルーフをSTDを除き全車に標準装備していた。ボディカラーは「ホワイト」「ダークブルーイッシュグレーメタリック」「レッドマイカ」「ライトベージュメタリック」「アドベンチャーロードトーニング」と呼ばれるシルバーとレッドマイカのツートンカラーの計5色をデビュー時に設定。
1991年8月
  • 安全対策のため後席シートベルトを3点式に変更。エアコンを全車標準装備とし、インターバル調整機能をワイパーに追加。さらに4スピーカーを備えたオーディオを一部グレードに採用した。
1992年8月
  • マイナーチェンジを受けて中期型に。外観面ではワイドボディ車のアルミホイールのデザインが変更。ガソリンエンジンを4.0Lの3F-Eから4.5Lの1FZ-FEに変更。直6は変わらず24バルブDOHCとして動力性能が大幅にアップ。組み合わされるATは電子制御化され経済性も向上。サスペンションがややコシが強くなると同時に車高がわずかにダウン。安全面では4輪ABSが新たにオプション設定。ボディカラーに「ダークグリーンマイカ」と「フィールドランナートーニング」と呼ばれるシルバーとガンメタのツートンカラーを追加。「アドベンチャーロードトーニング」は廃止された。
1993年5月
  • ボディーカラーを追加。エアコンの冷媒ガスは環境対策品に変更。
1995年1月
  • マイナーチェンジを受けて後期型に。ディーゼルエンジンの1HD-Tを改良型の1HD-FTに変更、当時の排気ガス規制強化に対応するため、1HD-T型をシングルカムのまま1気筒あたりの吸排気バルブを4バルブ化し、出力向上と燃焼効率を改善。また、EGRの採用によって排気ガスのクリーン化を達成した。外装はフロントグリルのデザインを変更し、エンブレムを「TOYOTA」からオーバルな「トヨタCI」マークに変更、内装ではインパネデザインが直線基調に改められると同時にシートの生地やデザインも変更、運転席エアバッグをオプション設定。ムーンルーフは引き続きVXリミテッドとVXに標準装備される。ボディカラーは設定が大幅に拡大され「ホワイト」、「ダークグリーンマイカ」、「ダークブルーマイカメタリック」、「グレーメタリックオパール」、「レッドマイカメタリック」、「フラクセンマイカメタリック」、「マウンテンミストトーニング」と呼ばれるダークグリーンとガンメタのツートンカラー、「モーニングミストトーニング」と呼ばれるウォームグレーパールマイカとガンメタのツートンカラーの計8色がこのマイナーチェンジ時に設定された。
  • このマイナーチェンジの際、テレビ及びラジオコマーシャルが放映された(CMソングは白鳥英美子が担当、使用車両はバンVXリミテッド)。
1996年
エンジンは直列6気筒 4,500ccの1FZ-FE型、トランスミッションは乗用車系のアイシンAW製A343F型・4速AT北米向けランドクルーザー80系と同様。駆動方式はセンターデフ式のフルタイムAWDのみ。なお、背面スペアタイヤの設定はない。
1996年8月
  • さらに衝突安全性の向上を目指して全車に前席エアバッグと4輪ABSを標準装備。
1997年12月
  • 高い人気を維持したまま販売が終了し、100系へとバトンタッチされた。

次世代の100系はオフロード走行にやや不向きな面もあるため、あえて80系に乗り続けるユーザーも少なくない。バンではキャンピングカーに改造された車も見られ、メーカー純正のキャンピングカー仕様車「アクティブヴァケーション」も設定されていた。

オーストラリアでは、地元においてアトラクションツアー用に改造された、荷物室を窓1つ分延ばし、後ろの車軸を2軸とした、6輪車が存在した(後後軸にはデフは装備されていない)。

100系(1998年 - 2007年)

80系の後継として誕生した100系は、半世紀にわたり世界の悪路を走ってきたランドクルーザー・ファミリーの中で、極めてタフで実用性の高いクロスカントリー車から、さらにタフネスさを高めつつ高級車の素養をも身につけたプレミアムSUVへと大きな飛躍を遂げたモデルであり、トヨタ自らが「トップ・オブ・SUV」と宣言し、トヨタSUVの最高峰とされた[注釈 7]。100系は歴代初のV8ガソリンエンジンが搭載され、先代80系で初採用されたフルタイム4WD方式に電子制御の磨きがかかり、さらに悪路走破性と乗り心地を高次元で融合させたスカイフックTEMSを導入。その上でインテリアに本革のシート&トリムや木目パネルを多用するなど、V8エンジンの静粛性や最新技術と高級装備は発売後から好評で、日本では「オフロード界のセルシオ」と言われることもあった。アメリカ合衆国においては、所有者の世帯収入中央値20万ドル(約2,400万円)以上という高級車となった。

シャーシ・ボディ
  • シャーシは伝統のラダーフレームを採用し、先代と同様に強靭なボディと高い走破性能の四輪駆動システムを持つ。
エンジン
  • ワゴンには当時の国産車ではセンチュリーを除き事実上量産車最大排気量となるV型8気筒DOHC32バルブ4663ccの2UZ-FEを採用し、バンは水冷直列6気筒OHC24バルブ4164ccICターボディーゼル1HD-FTEの2種類を採用。
トランスミッション
  • トランスミッションは4速AT(2002年8月のマイナーチェンジで5速化)であるが、バンのVXには5速MTも設定された(2002年8月のマイナーチェンジを期に廃止)。
北米向けはLX470を含めライトデューティー仕様となっており、アイシンAW製の乗用車用4A/Tを積んでおり、その他の仕向け地用のアイシン精機製のライトトラック用4A/Tを持つものに比べ、重量が40kgほど軽くなっている。後に5A/Tに変更されている。
サスペンション

80系同様にワゴンとバンの仕様があり、グレードは下からVX、VXリミテッド、VXリミテッド Gセレクション、そして途中追加されたレクサスLX470の国内版のシグナスがある。

日本市場ではレクサス・LXバッジエンジニアリング車が、「ランドクルーザーシグナス」の名称で発売された。同モデルは4灯ヘッドライト、大径クロームメッキホイールという外観の違いがある。Gセレクション同等の装備に加え、レクサスLX 専用装備となる電動リアクォーターウインドウ、エンジンフードやドア内部の遮音材が追加されている。また、足元灯、ムードランプ(センターコンソール用ダウンライト)、インナードアハンドルランプ、ステップランプなど、照明関係も充実している。

日本国内の一般向けモデルのバックドアは上下開きのみの設定となったが、機動隊の現場指揮官車や、日本道路公団パトロールカーとして納入されているモデルは、バックドアが左右非対称の観音開きとなっている。

歴史
1998年1月
  • フルモデルチェンジで100系へ。
1998年10月
  • V8ガソリン仕様ワゴンのVXリミテッドと同GセレクションにアクティブTRC(トラクションコントロール)とVSC(ビークルスタビリティコントロール)がオプションで新設定された。
ファイル:2005 Toyota Land Cruiser-cygnus 02.jpg
ランドクルーザーシグナス
1998年12月
  • 上級グレード「ランドクルーザーシグナス」を追加。
1999年8月
  • シグナスの一部改良。オンロードの安全走行を支援するVSCとオフロードでの走破性を高めるアクティブTRCを採用。エレクトロマルチビジョンをDVDナビ&オーディオとのセットでオプション設定。
2000年5月
  • 一部改良。イモビライザーや防犯性の高いキーシリンダーなどが標準装備となり、セキュリティー性能が向上したほか、全グレードに撥水フロントガラスを新設定。
2001年1月
  • ランドクルーザー生誕50周年記念の特別仕様車がランドクルーザー100とともにシグナスにも設定。ボディカラーはホワイトパールクリスタルシャイン、アルミホイールはクロームメッキ、ルーフレールはボディ同色とした。
2002年8月
  • 初のマイナーチェンジ。インパネのデザインが全面変更を受け、センター部マルチインフォメーションディスプレイの視認性&操作性が向上したほか、近赤外線による夜間の視界確保を目的としたナイトビューがオプション設定に。トランスミッションが全車とも4速ATからスーパーインテリジェント5速オートマチック(5Super ECT)に変更、さらに操縦性と走行安定性を向上させる可変ギア比ステアリングシステム(VGRS)が新採用となった。エンジンはV8ガソリン、直6ディーゼルターボともに最新の排出ガス規制に適合し燃費と馬力も向上。また大径アルミホイールをVXリミテッド、VXリミテッド Gセレクションに標準装備。グレード構成では、V8ガソリンのワゴンVXは3列シートの8人乗りから2列シートの5人乗りに変更された。直6ディーゼルのバンはVX廃止され、VXリミテッドと同Gセレクションのみのラインナップとなった。加えてバン全車は、同年10月より施行された「自動車NOx・PM法」の規制対象車となったため、規制対象地域での購入・登録は不可能となった。
  • シグナスには上記に加え、オーディオでは米マークレビンソン社のプレミアムサウンドシステム、セキュリティ機能ではエンジンイモビライザーシステムに加えオートアラーム機能も備えた。外観ではフロントグリルのデザインを小変更。
2003年8月
  • 一部改良。ナビゲーションシステムが高性能化。渋滞情報を受けるVICSが性能アップし、G-BOOKなどのトヨタ最新機能が盛り込まれ、バックガイドモニターも同時に採用。安全性能ではアクティブTRCとVSCの両システムがワゴンだけでなくバンにも拡大設定された。
2005年4月
  • 二度目のマイナーチェンジ。エクステリアではヘッドランプに対向車への眩惑を軽減するマニュアル式光軸調整用レベリング機構を備えたほか、リアコンビネーションランプのデザイン変更とともにLED化、フロントグリル、アルミホイールのデザインを変更して高級感がさらに高められた。また、背面スペアタイヤ仕様が廃止された。V8ガソリンエンジンはさらに改良されて燃費がわずかに向上し、平成22年度燃費基準に適合した。特別仕様車として、VXリミテッド・ツーリングエディション、VXリミテッド Gセレクション・ツーリングエディション、またシグナスにはストーン色内装を採用した「インテリアセレクション」を設定。
2006年3月
  • ランドクルーザー100とともに特別仕様車の“60thスペシャルエディション”を設定。専用黒本木目のステアリングホイールとシフトノブ、専用黒木目調パネル(センタークラスター、フロントコンソール、パワーウインドゥスイッチベース)、G-BOOK対応DVDナビゲーション付EMVを装備。
2007年9月
  • 平成17年排出ガス規制に適合しないことを理由に、日本国内向けの生産を終了し後継の200系へとバトンタッチ。

月間販売台数は常に2000台以上を維持しており、ライバル車の日産サファリ、三菱パジェロを大きく突き放し好調な売り上げを維持していた。また、高価格と人気を反映して、日本ではランドクルーザー100だけを狙った窃盗団による窃盗の被害が90年代後半~2000年代中盤にかけて多発した。

105型

フロント独立懸架化によって高いオンロード性能を手に入れた100系ではあったが、相変わらず過酷な状況での耐久性や悪路走破性、積載性など80系で好評だったワークホースとしての性能が求められ、コルゲーテッドロードCorrugated road または Washboarding)と呼ばれる洗濯板状の未舗装路を多く持つオーストラリアなど一部の国からの強い要望で、実績のない前輪独立懸架に対する「保険」としてボディは100系としながら、エンジンや駆動系などのシャーシーは80系から流用、足回りは前後リジッド式コイルを踏襲した「105型」と呼ばれる特殊な海外専用仕様が設定されている。

主に国連やオーストラリア向けとして輸出され、エンジンは80系と同じ4.5リッター直6ガソリン1FZ-FE型と4.2リッター直6ディーゼル1HZ型のみの設定である。また、ガソリンエンジンには5MTも存在する。内装は国内仕様にはないベンチシート、ビニールフロアの簡素装備なスタンダードグレードの他、装備を充実させた「GXL」グレードも用意されていた。

オーストラリア向けは、70系トゥループキャリアー同様、予備の燃料タンクを持ち(合計180L)、インパネに追加燃料計とメインタンクへ汲み出すポンプ用スイッチを装備する。

オーストラリアでは大変な人気を獲得し、キャンピングカーや作業車のベース車両として活躍。少数ながら日本に逆輸入された固体も存在する。

200系(2007年 -)

200系は歴代のランドクルーザーを意識させるデザインであり、これまでのランドクルーザーの走破性はそのままにさらに豪華な内外装が与えられている点が特徴で、国内価格も400万円を大きく上回る。国内での目標月間販売台数は700台と発表されている。2008年には100カ国以上で販売され、グローバルな目標年間販売台数は10万台と発表されている。

グレードはGX(2010年7月に追加)、AX、AX Gセレクション、ZX(2009年4月に追加)がラインアップされている。

シャーシ・ボディ
  • ねじり剛性や曲げ剛性に優れた強靭なラダーフレームを採用している。オンロードでの走りの基本性能を高めるとともに、振動伝達やロードノイズの低減を図るなどしている。
  • ドアミラー付け根部分とテールランプサイド面には、F1で蓄積された空力技術を用いたエアロスタビライジングフィンを採用した。それにより、気流に小さな渦を発生させて車体を左右から押さえつけ、操縦安定性を向上させている。
エンジン
  • エンジンには、2007年9月登場型にV型8気筒DOHC 4663cc(2UZ-FE)が採用されていたが、2012年1月改良型以降にはV型8気筒DOHC 4608cc(1UR-FE)を搭載している。また、国外向けには V型8気筒DOHC 4461cc(1VD-FTV)のツインターボディーゼルエンジンやV型8気筒DOHC 5663cc(3UR-FE)を搭載したモデルを販売している。[6]
  • V型8気筒DOHC 4608cc(1UR-FE)はアルミダイキャストブロック、Dual VVT-i(吸・排気連続可変バルブタイミング機構)を採用した。また、同時に低フリクション化による燃費向上や低排出ガス化に成功。
サスペンション
  • サスペンションは、フロントにはコイルスプリング式のハイマウント・ダブルウィッシュボーンサスペンション、リヤにはトレーリングリンク式サスペンションを採用。
  • 4-Wheel AHC&AVS(4輪アクティブ・ハイト・コントロール・サスペンション&アダプティブ・バリアブル・サスペンション・システム)を「ZX」に搭載。
  • 4-Wheel AHC=車高調整機能は、通常走行(ノーマルモード)・乗降時(ローモード)・オフロード走行(ハイモード)と、状況に応じて選択できる。また高速走行時には、車高を自動的にノーマルモードからローモードへ切り替わる。L4駆動時には状況に応じハイモードへ自動的に切り替える。
  • AVS=走行状態に応じて減衰力を自動制御。通常走行時は乗り心地を重視した減衰力を確保しながら、旋回時には姿勢変化を抑える減衰力に切り替わり、内側の浮き上がりを抑え、外側の接地性を高めてコーナリング性能を向上させる。
  • KDSS(キネティックダイナミックサスペンションシステム)を「AX Gセレクション」に搭載。
KDSSは、前後のスタビライザーを油圧システムで結び、走行状況に応じてその効力を自動的にコントロール。舗装路での旋回時などではスタビライザーの効力を発揮させ、優れた安定性を実現。一方、岩場など起伏の激しい路面ではスタビライザーの効力を無くして、大きなホイールストロークを確保する。
四輪駆動システム
  • 駆動システムには、マルチテレインセレクトを全車に採用(「GX」は2015年8月のマイナーチェンジから)。
オフロード走行において、トラクションやブレーキを最適に制御して4WD性能をより高める最新のシステム。モードセレクタースイッチで、5つのモード(ROCK/ROCK&DIRT/MOGUL/LOOSE ROCK/MUD&SAND)の中から路面状況に適したものを選択すると、各モードに応じたブレーキ油圧制御に自動的に切り替わり、駆動力を4輪に最適に分配するシステム。
歴史
2007年4月4日
  • 岩石路、砂地路、急坂路など微妙な速度調節が必要となる路面状況で、エンジンとブレーキを自動制御して極低速を維持し、優れた車両安定性を実現する世界初のクロールコントロールを、また走行状況に応じて、前後スタビライザーの作動を最適に制御する日本初のキネティックダイナミックサスペンションシステム(KDSS)を設定する。「AX」のモノグレード設定に、KDSS、VGRS(バリアブル・ギヤ・レシオ・ステアリング)、木目調+本革巻きステアリングホイール、ヒーター付き本革&パワーシートなどを備えた「Gセレクション」を用意する。スーパーインテリジェント5速ATのみ。安全装備として、VSC(Vehicle Stability Control)、デュアル&サイド&カーテンシールドエアバッグ、アクティブヘッドレストを標準装備したほか、先進のプリクラッシュセーフティシステムを設定するなど、クラストップレベルの安全性能を追求した。「平成22年度燃費基準」を達成。さらに、NOx(窒素酸化物)・NMHC(非メタン炭化水素)を低減し、「平成17年基準排出ガス50%低減レベル」の認定を取得する。エンジンイモビライザーシステム、侵入センサー・傾斜センサーを採用したオートアラームなど、機能を高めた盗難防止システムを標準装備する。
  • レクサスLX570はATが6速化され、ガソリンV8エンジンは車名が表す通り、2007年モデルのタンドラとともに発表された5.7Lの「3UR-FE」が設定された。
  • なお日本国内向けの200系は、100系に採用されていた2UZ-FE型をVVT-i化し出力を向上させたものが搭載。ATは5速でディスチャージヘッドランプやムーンルーフは装備されない。
2009年4月16日
  • 初のマイナーチェンジを実施(公式リリース上では小改良とアナウンスされている)。
  • 全車2UZ-FE型エンジンを、クラウンマジェスタレクサス・LS460と同じ新世代の1UR型へ換装。ただし車の性格にあわせてトルク重視のチューニングを行っており、燃料の供給方式をポート噴射式へ変更(よって型式は1UR-FE型となる)。最高出力を318PSへダウン(それでも2UZ型に比べ30PS以上の出力向上)させる代わりに最大トルクを46.9kgf・mまで向上させ、かつトランスミッションも6速化されて燃費も向上(「AX」は、10・15モード燃費を7.1km/L・・・従来型比約8%向上、「AX Gセレクション」は6.9km/L・・・従来比約5%向上)している。
  • またランクル80時代には標準装備であり、リクエストの多かったチルト&スライド電動ムーンルーフを新設定した(後述する「ZX」は標準装備、その他グレードにオプション)。
  • そしてこのマイナーチェンジで新たに追加された新グレードの「ZX」は、100系に登場した「シグナス」の後継にあたるグレードであり、「ZX」専用デザインの20インチアルミホイール&タイヤ(LX570とタイヤサイズは同じ)やLX570と同じエアロタイプのサイドステップにリアスポイラー、チルト&スライド電動ムーンルーフ、サイドビューカメラ等を標準装備するなどした。また、HDDナビゲーションシステム&トヨタプレミアムサウンドシステム(18スピーカー)も標準装備するなど、装備を充実させて“トヨタ版LX570”と呼ぶにふさわしいプレミアムグレードとなっている。
  • なお「ZX」の4WDシステムには、やはりLX570と同じ“4-Wheel AHC&AVS”を採用し、オンロードとオフロードの走行性能を高めながら快適な乗り心地を追求している。
2010年7月13日
  • 生誕60周年を記念し、シート表皮・ドアアームレストにブラックレザーを採用し、クォーターピラーに専用エンブレムを、スマートキーに専用ロゴを配した記念パッケージ「ZX 60th Black Leather Selection」および「AX G 60th Black Leather Selection」を新設定。また、官公庁向けの導入を見込んで装備内容を厳選し価格を抑えた5人乗りグレード「GX」を新設(いずれも8月2日より販売開始)。
2011年12月19日
  • マイナーチェンジ(2012年1月6日販売開始)。
  • 「GX」を除く全グレードにおいて、走行環境に応じてスイッチ操作でトラクションやブレーキ制御を切り替え、オフロードの走破性を高めるマルチテレインセレクトや車載カメラの映像から周囲の路面状況を確認できるマルチテレインモニター(メーカーオプションのHDDナビゲーションシステムの装着とセットで装備)を採用。クロールコントロールの速度設定を3段階から5段階に増やすとともに、タイトなコーナーでの回転性を高めるターンアシスト機能を追加した。
  • デザインにおいてはフロント周り、リアコンビランプ、アルミホイール等を変更するとともに、プロジェクター式ヘッドランプやLEDポジショニングランプを新採用。「GX」を除く全グレードにおいてはドアミラーをサイドターンランプ付に、フロントワイパーは雨滴センサー付のオートタイプにそれぞれ変更した。さらに、「ZX」にはステアリングヒーター(「AX Gセレクション」にも装備)を追加し、フロント・サードシートの機能追加を行った。
  • ボディカラーは入れ替えを行い、「グリーンマイカメタリック」と「ゴールドマイカメタリック」を廃止する替わりに、新色の「アティチュードブラックマイカ」と「ベージュマイカメタリック」を追加。内装色はシェルを追加して3色となった。
2013年1月8日
  • 一部改良。「GX」を除く全車にバイキセノン式(ディスチャージ)ヘッドランプ(オートレベリング機構付)を採用した。
2013年8月
  • 一部改良。ウインドシールドガラス(高遮音)を全車に採用した。
2014年8月25日
  • ランドクルーザー"70"シリーズの誕生30周年を記念した特別仕様車「ZX"Bruno Cross"」を発売[4]。「ZX」をベースに、スーパークロームメタリック塗装のアルミホイールやプレミアムナッパ本革のシートを採用し、ドアミラーにメッキ加飾を施した。また、スマートキーを専用デザインに、キーボックスや車検証入れを本革仕様にそれぞれ変更した。
2015年8月17日
  • 2度目のマイナーチェンジ[7]
  • デザインが一新され、フードからグリルまで凸形状を保ちながらフードセンター部をえぐり、3本のグリルバーの上下にメッキを施したフロントマスクを採用。ヘッドランプはLED化するとともに、破損回避を図るためランプ類を奥側に配置し、グリルからランプに連続したグリルフレームと一体感のあるデザインに変更。リアビューはライセンスガーニッシュをリアコンビネーションランプ下側をつなぐデザインとし、リアコンビネーションランプはバックドアパネルから連続するデザインに変え、ハイリフトなイメージを表現するため、赤ランプを高い位置にレイアウトした。アルミホイールもデザインを変え、「ZX」に採用の20インチアルミホイールは切削・光沢処理とグレーのコンビネーションを施したV字デザインを組み合わせに。「AX」と「AX"Gセレクション"」に採用の18インチアルミホイールは放射状に広がる5本のツインスポークによる立体的なデザインとした。ボディカラーは「カッパーブラウンマイカ」と「ダークブルーマイカ」を追加して9色に拡大した。
  • 内装は金属を削り出したようなヘアライン処理を施した加飾部とソフトな表皮巻を組み合わたほか、センタークラスターはスイッチや表示類を集約して機能ごとにまとめて配置。オプティトロンメーターはクルマの状況が一目で把握できる6眼メーターを採用し、盤面にもヘアライン加飾を施したほか、中央には4.2インチTFTカラー液晶画面を配置した。シート表皮にはセミアニリン本革を採用し、天井色にもブラックを追加。内装色にはブラウンを追加して4色展開とした。
  • 安全性能も強化され、ミリ波レーダーと単眼カメラを組み合わせ、歩行者検知機能付衝突回避支援型プリクラッシュセーフティ、レーダークルーズコントロール(ブレーキ制御付)、レーンディパーチャーアラート(LDA)、オートマチックハイビーム(AHB)で構成された歩行者対応衝突回避支援パッケージ「Toyota Safety Sense P」をトヨタ車で初採用し、全車に標準装備。さらに、隣車線を走行する車両をレーダーで検知して車線変更時の後方確認をアシストするブラインドスポットモニター(BSM)を採用し、BSMのレーダーを利用して駐車場での後退時に接近する車両を検知してドライバーに注意喚起するリヤクロストラフィックアラートを設定。急ブレーキをかけるとハザードランプを自動的に点滅させて後続車両に注意喚起する緊急ブレーキシグナルも全車に標準装備した。
  • 「GX」でもクロールコントロール+ターンアシスト機能、マルチテレインセレクト、「Toyota Safety Sense P」など機能装備はすべて標準装備されており、機能装備よりサンルーフや本革シートや18インチアルミホイールなど高級さを付加した輸出向け「GX-R」グレードより機能装備は優れている。
  • また、車両下の情報やタイヤ位置の確認ができるアンダーフロアービューとディスプレイ上に地平線水平表示することで前方の路面形状や車両の傾きを直感的に確認することができるフロントビュー回転表示の2つの世界初の機能を備えたマルチテレインモニターとマルチインフォメーションディスプレイ内に四輪それぞれの空気圧を表示するタイヤ空気圧警報システム(TPWS)を新たに設定した。
2015年10月
  • JNCAP予防安全アセスメントで最高評価の「先進安全車プラス(ASV+)」を国産大型SUVで初めて獲得。全46点満点中、満点の評価となった[8]
2016年8月29日
  • トヨタ店創立70周年記念特別仕様車「ZX"G-FRONTIER"」を発売[9]
  • 「ZX」をベースに、20インチアルミホイールをブラック塗装+切削光輝仕様に変更したほか、クロームメッキ+シルバー塗装の専用ルーフレールやキルティングステッチ加工を施したプレミアムナッパ本革シート表皮などを特別装備した。ボディカラーは「ブラック」をはじめとする8色が設定される。
2017年7月20日
  • 一部改良[10]
  • サイドターンランプ付電動格納式リモコンカラードドアミラー(「GX」のみオプション設定、その他のグレードは標準装備)にオート格納機能を追加し、乗降時にステアリングが自動的にスライドするパワーイージーアクセスシステム(運転席)を「ZX」に標準装備。また、トレーラーなどを牽引するトレーラーヒッチを装着するためのヒッチメンバーを全車にオプション設定した(ヒッチメンバーを装備した場合、リアバンパーの形状が変わり、カバー付となる)。
  • 内装色には新たに「ニュートラルベージュ」を採用(「GX」の一部ボディカラーを除いて注文時の指定が必要)。スマートキーをランドクルーザーのロゴ入りデザインに変更した。
2018年4月
衝突回避支援パッケージの名称を「Toyota Safety Sense P」から、「Toyota Safety Sense」に変更[11]。(公式発表無し)


基本グレード
グレード 製造年 エンジン型式 エンジン 排気量 最大出力 最大トルク 変速機 価格
GX 2010年08月-2011年12月 1UR-FE V型8気筒DOHC32バルブ 4,608cc 318ps/5,600rpm 46.9kg・m/3,400rpm 6速AT 4,350,000円
2012年1月-2014年3月 4,400,000円
2014年4月-2015年8月 4,525,714円
2015年8月-2017年7月 4,728,437円
2017年7月- 4,728,240円
AX 2007年09月-2009年04月 2UZ-FE 4,663cc 288ps/5,400rpm 45.7kg・m/3,400rpm 5速AT 4,700,000円
2009年05月-2011年12月 1UR-FE 4,608cc 318ps/5,600rpm 46.9kg・m/3,400rpm 6速AT
2012年1月-2014年3月 4,800,000円
2014年4月-2015年8月 4,988,572円
2015年8月-2017年7月 5,134,909円
2017年7月- 5,140,800円
AX Gセレクション 2007年09月-2009年04月 2UZ-FE 4,663cc 288ps/5,400rpm 45.7kg・m/3,400rpm 5速AT 5,400,000円
2009年05月-2011年12月 1UR-FE 4,608cc 318ps/5,600rpm 46.9kg・m/3,400rpm 6速AT
2012年1月-2013年1月 5,500,000円
2013年1月-2014年3月 5,550,000円
2014年4月-2015年8月 5,708,571円
2015年8月-2017年7月 5,854,582円
2017年7月- 5,860,080円
ZX 2009年05月-2011年12月 6,900,000円
2012年1月-2013年1月 6,300,000円
2013年1月-2014年3月 6,350,000円
2014年4月-2015年8月 6,531,429円
2015年8月-2017年7月 6,825,600円
2017年7月- 6,836,400円

モータースポーツ

その高い走破性と耐久性を買われ、古くからラリーレイドに参戦するプライベーターに愛用されてきた。1995年にはトヨタの子会社であったアラコが『トヨタ・チーム・アラコ(TTAR)』を組織して、ダカールラリーの市販車無改造部門にワークス参戦を開始。2004年にアラコの車体部門はトヨタ車体に吸収合併されたが、『チームランドクルーザー(TLC)』と名を変えて参戦を継続している。同活動は1995年から2018年現在までの23回の開催中、6連覇を2度含む18回のクラス優勝を手にしている。また2002年には総合でも9位に入る活躍を見せた。同部門ではライバルであった日産・テラノ三菱・パジェロを一掃し、現在プライベーター含め殆どのエントラントがランドクルーザーまたはランドクルーザープラドを採用している。2018年のダカールでは、新旧合わせて10台のランドクルーザーが参戦した。

また2007年からチームランドクルーザーは、廃油を精製したバイオディーゼルを燃料に用い始め、2012年には100%バイオディーゼルの燃料でダカール9000kmを走破することに成功した[12]。この取り組みは2018年現在もバイオディーゼル100%のまま続いている。

2009年にはベルギーのプライベーターが、フィッシュ・アンド・チップスの屋台車仕様のHJZ79型ランドクルーザーで参戦。第一ステージが終了した後、実際にフィッシュ・アンド・チップスが調理され人々に振る舞われた。その後も無事に走り続け、総合58位で完走しきった[13]

販売店

※札幌トヨタディーゼル - 1973年にトヨタカローラ北海に組織変更されたため、以後は札幌トヨタで販売。
※宮城トヨタディーゼル - 1969年にトヨタカローラ宮城に組織変更されたため、以後は宮城トヨタで販売。
※埼玉トヨタディーゼル - 1969年にトヨタカローラ新埼玉に組織変更されたため、以後は埼玉トヨタで販売。
※千葉トヨタディーゼル - 1969年にトヨタカローラ京葉に組織変更されたため、以後は千葉トヨタで販売。
※東京トヨタディーゼル - 1980年1月に解散されたため、以後は東京トヨタで販売。
※横浜トヨタディーゼル - 1970年にトヨタカローラ東急に組織変更されたため、以後は神奈川トヨタで販売。
※静岡トヨタディーゼル - 1969年にトヨタカローラ東海に組織変更されたため、以後は静岡トヨタで販売。
※名古屋トヨタディーゼル - 1989年にトヨタカローラ名都(後にトヨタカローラ愛豊に吸収合併)に組織変更されたため、以後は愛知トヨタで販売。BJ73V/74Vをベースとした4ドア試作車の販売も行った。
※大阪トヨタディーゼル - 1972年にトヨタカローラ大阪に組織変更されたため、以後は(旧)大阪トヨタ自動車(現・大阪トヨペット)で販売。
※神戸トヨタディーゼル - 1970年にトヨタカローラ兵庫に組織変更されたため、以後は兵庫トヨタで販売。
※福岡トヨタディーゼル - 1970年にトヨタカローラ福岡に組織変更されたため、以後は福岡トヨタで販売。
  • トヨタ店
    • トヨタディーゼル店が設置されなかった地域では、その地域のトヨタ店が登場時から取り扱っていた。
    • 名古屋トヨタディーゼルが長らく存続していた都合で愛知県(愛知トヨタ)のみ1989年1月(60系/70系)から。
    • 大阪地区では前述の通り、大阪トヨタディーゼルより移管された、(旧)大阪トヨタ自動車が取り扱っていたが、2006年8月8日の社名変更により、現在は大阪トヨペットでの取り扱いとなっている。

脚注

  1. [1]
  2. 1955年1月登場・命名の「クラウン」の62年4か月、1954年登場・1956年7月命名の「トヨエース」の60年10か月よりも古い。
  3. LEXUS、フラッグシップSUV「LX」を新発売 ―LEXUS SUVラインアップの頂点LX570を日本導入― - トヨタ自動車プレスリリース(Aug. 20, 2015版 / 2015年9月30日閲覧)
  4. 4.0 4.1 4.2 TOYOTA、ランドクルーザー“70”シリーズ誕生30周年を記念し、期間限定発売 -同時にランドクルーザー、ランドクルーザープラドに特別仕様車を設定- - トヨタ自動車 ニュースリリース 2014年8月25日
  5. 5.0 5.1 文章で読む75年の歩み 第1部 第2章 第5節 戦時下の研究と生産 第8項 各種自動車の試作 - トヨタ自動車75年史。
  6. 日本国内でも200系へのディーゼルエンジンの導入を熱望する声は多いものの、コストなどの関係から見送られている。
  7. “TOYOTA、ランドクルーザーをマイナーチェンジ” (プレスリリース), トヨタ自動車株式会社, (2015年8月17日), http://newsroom.toyota.co.jp/en/detail/9025707 . 2015閲覧. 
  8. JNCAP|予防安全アセスメント|試験車種一覧(すべて) - 独立行政法人 自動車事故対策機構(JNCAP)
  9. “TOYOTA、トヨタ店創立70周年記念の特別仕様車を発売 -クラウン、ランドクルーザー、ランドクルーザープラドに設定-” (プレスリリース), トヨタ自動車株式会社, (2016年8月29日), http://newsroom.toyota.co.jp/jp/detail/13295732 . 2016閲覧. 
  10. “TOYOTA、ランドクルーザーを一部改良” (プレスリリース), トヨタ自動車株式会社, (2017年7月20日), http://newsroom.toyota.co.jp/jp/detail/17831166 . 2017閲覧. 
  11. 「トヨタハリアー カタログ」、2018年4月発行。TQ011500-1808
  12. BDF CHALLENGE for The 2017 DAKAR TLCのBDFへの取り組み
  13. ダカール・ラリーを走った珍車 ベスト10!

注釈

  1. トヨタ自身もWeb広告に「ランクルなら辿り着ける世界がある。(2014〜15年)」、「ランクル史上最高傑作(プラド、2016年)」というキャッチコピーを使用しており、半ば公式略称の様相を呈している。
  2. 主に業務用途と言う表現は、ピックアップトラックを有すること、及び、バンタイプのバックドアに上下開きが存在しないことをその理由とする。また、70ヘビー系、70ライト系の表現は、70プラドが存在していた1990年代のトヨタ新型車解説書の表記に基づいている。
  3. ただし、日本国内向けにおいては、2002年(平成14年)以降、排出ガス規制の強化に伴ってガソリンエンジン車が販売の主軸となり、70系は国内販売を終了、200系の日本国内向けにもディーゼルエンジンは設定されていない。
  4. 車両総重量3.5トン以下の小型貨物自動車及び乗用自動車等に対し「追突時突入防止装置」の装着が必要。
  5. ただし、L型エンジンはこの時点でハイエース バン・トラックタウンエース バン・トラックダイナ/トヨエースなどトヨタの商用車に幅広く使われている。トヨタのワンボックスバンやトラックは建設関連の業者に多用されたため、特に4WDモデルはSUVほどではないものの、充分な頑丈さとある程度の不整地走破能力が求められた。
  6. A343Fは、乗用車的な使われ方をし、走行距離に比して発進・停止頻度の少ない北米の交通事情にマッチしたもので、米国製SUVのATの仕様も大同小異であり、耐久性に遜色はない。これに対してA442Fは、長距離のオフロード走行や業務用途、架装による車両総重量の増加をも視野に入れた設計である。
  7. 『90年代国産車のすべて』三栄書房 46頁参照。

関連項目

外部リンク