トヨタ・ハイラックスサーフ

提供: miniwiki
移動先:案内検索
ファイル:2005 Toyota Hi-Lux-Surf 01.jpg
ハイラックスサーフ210系
後期型(2005年7月 - 2009年8月)

ハイラックスサーフHilux Surf)は、トヨタ自動車の大型SUVである。設計は日野自動車主導で、開発と生産は日野とトヨタの共同となる。北米などへは「4Runner」(フォーランナー)という名称で輸出されている。日本国内では、2009年8月まで販売していた。

トヨタ・ハイラックスサーフ
販売期間 1984年-
※日本では2009年まで
ボディタイプ SUV
駆動方式 4WD
別名 4ランナー(北米)
テンプレートを表示

解説

かつてはその名の通りハイラックスをベースとしていたが、最終モデルはハイラックスの後継のタコマのグループとなり、フレームの基本部分をはじめ、サスペンション、エンジン、ドライブトレーンなど、下回りの多くをタコマ、FJクルーザーランドクルーザープラドと共用している。その関係で、生産は日野自動車羽村工場で行われている。

トヨタ店の扱い車種には、トヨタ・クラウングランドサーフ、トヨタ・カリーナサーフなどのステーションワゴンや、トヨタ・マスターエースサーフなどのワンボックスワゴンのように、他にも「サーフ」を冠した車種があったが、単に「サーフ」といえばハイラックスサーフを指すことが多い。

前史 - ウィネベーゴ・トレッカー(1981年-1983年)

コンパクトピックアップトラックのハイラックスをベースに、FRP製シェルを架装し、ミニRVキャンピングカー)とした車両。設計、架装、および販売は米国のウィネベーゴインダストリーWinnebago Industries)。この時点ですでにハイラックスサーフのコンセプトが完成している。「ウィネベーゴ・トレッカー」 (Winnebago Trekker )の車名で1981年に販売が開始され、1983年の後半まで販売された。

トヨタはベース車としてハイラックスのシャーシを提供し、ウィネベーゴで架装。トヨタから提供されるハイラックスはボンネットと運転席のみで、荷台を装備していないキャブシャーシの状態であった。4輪駆動だけではなく2輪駆動もあった。ウィネベーゴの工場では、ハイラックスのフレーム上にFRP製のボディ、および内装トリムを架装した。トップは、サイドウィンドウ部とリアハッチ部まで一体化された取り外し可能なハードトップ(リムーバブル・ハードトップ)で、テールゲートはフレームレスのグラスハッチ仕様であった。

現在、ピックアップトラックをベースとしたワゴンはSUV(スポーツ・ユーティリティ・ビークル)のカテゴリーに属するが、当時、SUVと言う用語は、北米以外ではまだ一般的に広まっていなかった時代の製品である。

トレッカーの本格生産と並行して、トヨタはその他の会社とも同様の架装モデルを生産していた。ある会社からはWolverineGriffith社からはBlazer(あるいはTrailBraizer)と名づけられたハイラックスのコンバージョンモデルも架装、販売されていたといわれている。

ウィネベーゴは、このトレッカー以降の1990年代にも、ウィネベーゴ・ウォーリアーなどでハイラックスをベースにマイクロミニクラスCの本格的モーターホームをシリーズとして製作、販売し、トヨタとの関係が続いていた。

歴史

初代 N60系(1983年-1989年)

ファイル:1st-Toyota-4Runner.jpg
初代4ランナー
北米向けハイラックスサーフ
写真は車体同色のFRPシェルを持つ
ファイル:Toyota Hilux Surf 002.JPG
初代ハイラックスサーフ ワゴン
2.0 SSR リミテッド

ボディ下半はスチール製となったが、FRP製リムーバブルトップは継続されていた。リアには転倒時のためのロールバーも追加された。フロントキャブ屋根上にはチルト式のサンルーフが付き、ハードトップとサンルーフを外すと、オープン・エアを楽しめるオープンカーにもなる、多用途レジャー仕様だった。

  • 1983年10月 - ウィネベーゴ・トレッカーを自社に取り込み、車名を4 Runner(フォー・ランナー)と変更し、1984年モデルとして米国にて販売開始。
  • 1984年5月 - 日本国内で販売開始。日本国内では、屋根を取り外しての公道走行は運輸省の認可が降りなかったが、着脱は可能な構造になっている。全車4ナンバーのライトバン扱いとなった。設定されたエンジンは、ガソリン直列4気筒2.0Lの3Y型ディーゼルは直列4気筒2.4Lの2L型の2種類。サスペンションはハイラックス4WD同様の4輪リーフリジッドで、スプリングをアクスルハウジングの上で固定する「オーバースラング」タイプである。このレイアウトは地面に接触する地上高の低い部分が減り、オフロードカーとしての利点と見た目の雰囲気は高まるが、操縦安定性と乗り心地は非常に悪い。また、パーキングブレーキはステッキ式を採用。
    • 11月 - ターボディーゼルの2L-T型エンジンを追加。
  • 1985年8月 - オンロードでの走行性能を改善するため、フロントサスペンションとばねを、リーフリジッドからダブルウィッシュボーン+トーションバースプリングに変更する。この変更はハイラックスサーフのみで、ピックアップの4WDは従来通り、4輪リーフリジッドのまま残された。
  • 1986年8月 - マイナーチェンジ。日本国内のハイラックスサーフでは、5ナンバー登録、ATの設定、共に初となるワゴンが追加される。エンジンは昭和53年排出ガス規制に適合した、2.0LガソリンEFIの3Y-Eのみ。

2代目 N130系(1989年-1995年)

  • 1989年5月 - フルモデルチェンジ。北米での輸入関税の変更から、2ドアの免税メリットがなくなったことを受け、従来からの2ドアに加え、4ドアボディをラインナップ。先にフルモデルチェンジしたハイラックス4WDとインパネ、ドライブトレインなどを共有する。北米では安価なSUVを欲する層も多く、フォー・ランナーにはFR = 2WD が新たに設定されているが、ハイラックスサーフは4WDのみとなった。日本国内向けのエンジンは、5ナンバーのワゴンが従来型と同じ3Y-E型ガソリン2.0L・97馬力と2L-T型ディーゼルターボ2.4L・94馬力、4ナンバーのバンは3L型ディーゼル2.8L・91馬力を設定。パーキングブレーキは従来同様ステッキ式である。
  • 1990年8月 一部変更。性能でテラノに一歩遅れをとっていたことで、輸出用と同じ、V型6気筒ガソリン3.0Lの3VZ-E型を追加設定。ハイラックスサーフ初の3ナンバーとなる。2,400ccディーゼルターボはEFI化とATを追加。従来の3Y-Eは5速MTのみに整理される。
  • 1991年8月 - マイナーチェンジでフロントグリルのエンブレムを新CI化。異形ヘッドライト化。ワイドフェンダー&背面スペアタイヤつきの3ナンバー車を新設定。上級グレードとしてレカロ製のシートと、ルーフスポイラーを装備したSSR-Gを追加。ガソリン2.0Lの3Y-E型は廃止。
  • 1992年8月 - 東京以外のトヨペット店でも扱い開始(東京は以前からトヨタ店/トヨペット店で扱っていた)。
  • 1993年5月 - マイナーチェンジ。日本国内のディーゼルエンジンを3.0Lの1KZ-TE型に変更。バンおよび日本向け2ドアモデルは廃止。外装の変更はドアモールの意匠変更とエンブレム類に留まる。
  • 1994年4月 - SSR-Xワイドベースの発売10周年記念車を限定販売。
  • 2004年8月12日 - 1993年度に製造されたハイラックスが熊本県で走行中、ステアリングリレーロッドが折れて操舵ができなくなって反対車線にはみ出し、反対車線の乗用車と衝突、計5人が重軽傷を負った。[1]同年10月26日にリレーロッドに纏わるリコールが行われた[2]が、この不具合を1992~1996年には既に把握していたのではないかというリコール隠しが疑われ、2006年熊本県警によって書類送検となったが、検察の判断で不起訴処分が確定している。


3代目N180系(1995年-2002年)

  • 1995年(平成7年)12月登場。パーキングブレーキレバーがステッキ式(ダッシュボード下)からサイドレバー式(前席間フロア)に変更された。パワーウインドウとドロップゲートの組み合わせで使い勝手が悪く、日本国内からは改善要求の多かったバックドアは、窓部も一体の跳ね上げ式に変更されたが、ウインドウガラスが電動で上下できる機能は残された。
  • 1997年(平成9年)12月、トヨペット店ビスタ店扱いのハリアーのデビューにより、ハイラックスサーフはトヨタ店(大阪地区は大阪トヨペット)の専売となる。
  • 1998年(平成10年)8月 マイナーチェンジ。トランスファーを廃し、ガソリン 2.7 L エンジン + 4AT のみの組み合わせで、日本国内向けモデル初のFR車、「スポーツランナー」が追加される、登場時は二輪駆動車のオーバーフェンダーは、暴走行為を助長するものとして認可されていない時期であり、それらを廃したうえ「スポーツ」グレードとしての操縦安定性を高めるべく扁平タイヤを装着したため、外観の印象は4WD車とは大きく異なる。4WD車についてはナローモデルが廃止され、全車ワイドボディになる。
  • 2000年(平成12年)7月 マイナーチェンジ。ディーゼルエンジン1KZ-TE型から1KD-FTV型へ変更。同時に、MTモデルが廃止される。FR車の車高を上げ、大型フェンダーと 265/70R16 タイヤを装備し、4WD車同様の外観とした「2.7 SSR-V」を追加。


4代目 N210系(2002年-2009年)

  • 2002年10月登場。月間目標台数は2,000台。この代からメカニズムの多くをランドクルーザープラドと共用するようになり、パーキングブレーキが足踏み式となった。また、リヤのブレーキを従来のドラムからベンチレーテッドディスクに変更した。エンジンは2.7L 直列4気筒ガソリン(デビュー当初は3RZ-FE、2004年に2TR-FEへ換装)、3.4L V型6気筒ガソリン(5VZ-FE)、3.0L 直列4気筒直噴ディーゼルターボ(1KD-FTV)が設定された。またMTが廃止された。
  • 2005年7月マイナーチェンジ。V6 3.4L ガソリンエンジンの5VZ-FEは、V6 4.0Lの1GR-FEに変更され、5速ATもセットで設定された。同時にディーゼルモデルは国内ラインナップから落とされた。北米仕様の4ランナーにはV8・4.7Lの2UZ-FEやオプションで2人掛けサードシート(要するに7人乗りとなる)の設定もある。特別仕様車としてLIMITEDも発売されている。
  • 2009年8月9日、モデルチェンジを控えたランドクルーザープラドに吸収され、ハイラックスは41年(サーフとしては26年)の歴史に幕を閉じた。


5代目 N280系(2009年-)

2009年にモデルチェンジとなったが、日本市場からは離脱し(これにより、日本市場からハイラックスの車名が完全消滅)、海外専売車(4Runner)となった。

4代目からの変更点は


関連項目

テンプレート:Toyopet Timeline