吹田総合車両所

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吹田総合車両所
基本情報
鉄道事業者 西日本旅客鉄道(JR西日本)
帰属組織 近畿統括本部
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吹田総合車両所(すいたそうごうしゃりょうしょ)は、西日本旅客鉄道(JR西日本)の車両基地および車両工場である。

概要

近畿統括本部が管轄している車両工場がある本所と、大阪府内に2カ所、奈良県内と京都府内に1カ所ずつの支所が設けられている。

2012年6月1日、検修体制の見直しによる車両品質の向上と異常時対応能力の強化などの目的により、森ノ宮電車区奈良電車区日根野電車区の検修部門と、京都総合運転所の本所、吹田工場の本所が統合し、近畿統括本部内では、網干総合車両所に次いで2例目となる車両所として発足した[1]

大阪環状線阪和線関西本線大和路線)・山陰本線嵯峨野線)・湖西線草津線などで運転されている、約1,800両の検修業務を担当している。

組織

本所

大阪府吹田市にある車両基地および車両工場で、かつての吹田工場を継承している。東海道本線JR京都線岸辺駅 - 吹田駅間の南側に位置しており、日本貨物鉄道(JR貨物)の吹田機関区と隣接している。車両の全般検査のほか、改造や更新工事なども行われている。

主な検査車両は、自所配置の車両の他、敦賀地域鉄道部の125系電車、福知山電車区の電車や、岡山電車区の電車(網干総合車両所が主体だが、必要に応じて下関総合車両所も含めた3ヶ所で分担)を担当している。

2018年6月に本所の設備をリニューアルすることを発表した。工事は建て替えのほか、耐震構造の強化も実施され、2019年春から更新工事を実施する予定[2]

電報略号は近スイ[1]

京都支所

京都府向日市にある車両基地で、かつての京都総合運転所の本所を継承している。東海道本線(JR京都線)向日町駅 - 長岡京駅間に位置している。特急サンダーバード」や「はまかぜ」の車両のほか、主に山陰本線(嵯峨野線)や草津線で運用されている車両が配置されている。

構内は大別して、東より、東着発線・中線 - 検修庫・西発線 - 西着線・西留置線に分かれている。また、端から端まで機回しできるように機走線が設けられている。西発線の本線合流部の手前には転車台があるが、現在は使用していない。

支所構内に隣接して、レールの溶接設備を有しており、京都貨物駅からのレール配給列車が運転されている。長物車チキが当所に配置されているのはこのためである。

電報略号は近キト[1]

森ノ宮支所

大阪府大阪市城東区森之宮にある車両基地で、かつての森ノ宮電車区の検修部門を継承している。大阪環状線森ノ宮駅 - 大阪城公園駅間に位置しており、大阪市交通局の森之宮検車場に隣接している。主に大阪環状線・桜島線(JRゆめ咲線)で運用される車両が配置されている。なお、森ノ宮電車区は乗務区として残存している。

大阪環状線とは単線の入出区線を介して合流・分岐している。構内配線は大きく分けて北群線、西群線、東群線に分かれる[3]。北群線は北1 - 北9番線まであり、京橋発着列車の折り返しに用いられる場合もある[3]。西群線は西1 - 西13番線まであり、主として車両の留置に用いられる[3]。東群線は東1 - 東8番線まであり、おもに検修作業で用いられる[3]。東7・東8番線は洗浄線として専用の足場が設けられ、北7番線との間には機洗線として洗浄装置が設置されている[3]。交番検査線は東3番線、仕業検査線は東4・東5番線のほか、北8・北9・西1・西7・東4 - 東6番線とされている[3]

電報略号は近モリ[1]

日根野支所

大阪府泉佐野市日根野にある車両基地で、かつての日根野電車区の検修部門を継承している。阪和線日根野駅の南西、日根野駅 - 長滝駅間に位置しており、敷地面積は134,690㎡である。主に阪和線・関西空港線紀勢本線(きのくに線)・和歌山線などで運用される車両が配置されている。

関西空港自動車道を挟んで南北に分かれており、北側に検修施設、南側に留置線が設けられている。北側の検修設備には、臨検庫2線、仕業線3線、試運転線1線のほか、12両対応の交検庫が2線設けられており、交検庫では主に交番検査が行われている。南側には留置線が24線設けられているほか、西側には車輪転削庫が設けられており、車輪の転削が行われている。

電報略号は近ヒネ。また同支所には以下の派出所が設置されている[1]

鳳派出所

大阪府堺市西区にある車両基地で、阪和線鳳駅の南東に位置している。かつての鳳電車区で、日根野電車区鳳派出所を継承している。なお、同派出所の運転部門は大阪支社の「鳳電車区」となっている[1]

新在家派出所

和歌山県和歌山市新在家にある車両基地で、和歌山線和歌山駅 - 田井ノ瀬駅間に位置している。かつての新和歌山車両センターで、日根野電車区新在家派出所を継承している[1]

奈良支所

奈良県奈良市にある車両基地で、かつての奈良電車区の検修部門を継承している。関西本線(大和路線)奈良駅 - 平城山駅間に位置している。主に関西本線(大和路線)・おおさか東線奈良線桜井線などで運用される車両が配置されている。なお、奈良電車区は大阪支社の乗務区として残存している[1]

構内は大別して、北側が検修施設、南側が留置線に分かれている。北側には車輪転削施設があり、森ノ宮支所配置の車両の車輪転削もここで行われる[4]

電報略号は近ナラ。また、奈良支所には以下の派出所等が設けられている[1]

王寺派出所

奈良県北葛城郡王寺町にある車両基地で、かつての奈良電車区王寺派出所を継承している。関西本線(大和路線)王寺駅の構内に位置している。車両は配置されておらず、仕業検査および、夜間留置などに使用されている。

天理電留線

奈良県天理市にある留置線。かつての和歌山電車区天理派出所で、桜井線(万葉まほろば線)天理駅の北方に位置している。電留線の他に、乗務員宿泊所も設けられている。

配置車両

アーバンネットワークのうち、湖西線・山陰本線(嵯峨野線)・草津線・大阪環状線・桜島線(JRゆめ咲線)・おおさか東線・関西本線(大和路線)・阪和線・紀勢本線(きのくに線)などで運用されている電車が集中的に配置されている。

2018年4月1日現在の所属車両は以下の通りで、次の6カ所に分散して配置されている[5][6]

区所 電車 気動車 機関車 客車 貨車 合計
本所 9両 0両 0両 0両 0両 9両
京都 320両 25両 0両 0両 83両 428両
森ノ宮 193両 0両 0両 0両 0両 193両
日根野 558両 0両 0両 0両 0両 558両
新在家 68両 0両 0両 0両 0両 68両
奈良 425両 0両 0両 0両 0両 425両
全体 1,573両 25両 0両 0両 83両 1,681両

本所

京都支所(配置車両)

電車

  • 681系電車 (9両)
    • 基本6両編成(W01編成)1本と付属3両編成(V11編成)1本が所属している。この内W01編成は量産先行車(1000番台)
    • 特急「サンダーバード」を中心に、「能登かがり火」「ダイナスター」でも使用される。
    • 下記の683系を含めた本区配置車両は「雷鳥」用485系の置き換えに伴う移管分として金沢総合車両所から転属したもの。2015年には「しらさぎ」転用のため過半数の編成が金沢へ復帰する形で再転出している。
      • 1000番台についても2015年3月から6月にかけてラインカラーを変更して金沢総合車両所へ貸し出され、「しらさぎ」運用に入っていた時期がある。
  • 683系電車(54両)
    • 特急用の0番台基本6両編成(W31-W36編成)と付属3両編成(V31-V36編成)が6本ずつ所属している。この他に2000番台の289系化改造から外れた付随車1両(サハ683-2509)が存在したが、2016年7月に廃車となった[7]
    • W編成とV編成は681系と共通運用で「サンダーバード」「能登かがり火」「ダイナスター」に使用される。
  • 289系電車(39両)
    • 特急「くろしお」用の基本6両編成(J編成)5本と、付属3両編成(I編成)3本が所属している。この他に改造されたものの編成に組み込まれなかったサハ289-2510が存在したが、サハ683-2509と同様に2016年7月に廃車となった[7]
    • 2015年3月14日の北陸新幹線金沢開業に伴う転配で発生した元「しらさぎ」用の683系2000番台を金沢総合車両所から転入の後直流化・改番されたものである[8][9]
  • 113系電車(64両)
    • 4両編成16本(C編成×5本・L編成×11本)が所属している。原則として湖西線・草津線で運用されている。2010年3月13日のダイヤ改正までは山陰本線(嵯峨野線)でも運用されていた。
    • 寒地用対策が実施された700・2700番台に高速化改造(110km/h対応化)を施した5700・7700番台で構成されている。先頭車には電気連結器が装備されている。
    • C編成1本(C14編成)とL編成2本(L01,L13編成)が岡山電車区に貸し出されていたが、2012年10月までに返却された。
    • 現在は、近畿統括本部の統一カラーである深緑色一色への車体色変更が進んでいる。
  • 117系電車(52両)
    • 6両編成(S編成)6本、8両編成(T編成)2本が所属している。2005年4月25日に発生したJR福知山線脱線事故の影響により、福知山線(JR宝塚線)で運用されていた宮原総合運転所(現・網干総合車両所宮原支所)の編成がATS-Pの対応改造を受けないまま同年6月18日限りで同線運用から離脱、翌年に当所へ転入してきた。2010年までに全編成へのATS-P取り付けが完了している。
    • S03編成は300番台車4両に100番台の電動車ユニットを組み入れた編成。
    • 草津線と湖西線(京都駅 - 永原駅間)で運用されている。8両編成は嵯峨野線での運用実績もある。
    • S編成6本とT02編成は、近畿統括本部の統一カラーである深緑色となっている。
  • 221系電車(96両)
    • 4両編成(K編成)24本が所属している。山陰本線(嵯峨野線)・湖西線・草津線に残る113系を置き換えるため、2008年1月から網干総合車両所より4両編成(C編成)が転入し、同年3月15日のダイヤ改正より営業運転を開始している。また、奈良電車区(現・奈良支所)からも4両編成が転入している。転入後、霜取りパンタを取り付けた編成もある。
    • 嵯峨野線では、福知山電車区の223系5500番台との併結運用がある。
  • クモヤ145形電車(2両)
    • 2両(1051,1201)が所属している牽引車。
    • 主電動機をMT46からMT54へと交換したため、1000番台(原番号+1000)となっている。
  • クモル145系電車(2両)
    • 2両編成(クモル145-1015+クル144-15)1本が所属している配給車
    • クモル145形のみ、クモヤ145形と同じく主電動機をMT46からMT54へと交換したため、1000番台(原番号+1000)となっている。
  • 443系電車(2両)
    • 2両編成(クモヤ443-2+クモヤ442-2)1本が所属している電気検測車。
    • JR四国JR九州の電化区間の検測にも使用される。

気動車

  • キハ189系気動車(21両)
    • 3両編成(H編成)7本が所属している。キハ181系の老朽化に伴う置き換え用の車両で、山陰本線の特急「はまかぜ」を中心に運用される。最高速度は223系と同等の130km/hである。
  • キヤ141系気動車(4両)
    • 2両編成2本が所属している。軌道・信号通信試験車。

貨車

過去の車両

  • 583系電車
    • 2012年度は7両編成(B編成)2本が所属していたが、2013年度に13両が廃車され1両のみとなった。2015年3月に最後の1両(クハネ581-35)も京都鉄道博物館入庫のため広報部に振り替えられ除籍されている。
    • 車体塗色は1997年に変更された国鉄色とは異なる新しいものとなっていた。
    • 世界初の昼夜兼用寝台電車として登場。かつて「明星」「きりしま」などの九州方面の夜行列車に、北陸本線で「雷鳥」や「しらさぎ」といった列車に使われていたほか、「シュプール号」や「シャレー軽井沢」などの臨時列車としても使われた。
    • 2013年1月までは夜行急行「きたぐに」に使用されていた。2012年3月ダイヤ改正まではA寝台車を含む10両編成であったが、臨時化に伴い7両編成に短縮(4号車にグリーン車・サロ581を連結)された。

森ノ宮支所

  • 201系電車(96両)
    • 網干総合車両所から転入した8両編成(LB編成)12本が配置されている。2005年12月15日より運用開始した。
    • 転入後一部の編成はスカイブルー塗装のまま運用されていたが、その後オレンジ塗装に変更された。
    • 当初は4両編成を2本組み合わせた8両編成も存在していたが、2006年から2007年にほかの8両貫通編成が転入したのに伴い、保留車と合わせて奈良電車区(現・奈良支所)に転出した。
    • 2017年11月から2018年2月までに、LB7・8・10編成が付随車2両を抜いた6両編成となり奈良支所へ転出。余剰となった付随車とLB5編成の計14両が2018年3月に廃車された[10]
    • 行き先方向幕は全てLED式に更新され、2015年以降は路線記号の導入に伴い、路線記号も表示される形に更新されている。
  • 323系電車(96両)
    • 8両編成(LS編成)12本が配置されている。
    • JR化後初の大阪環状線向け新形式電車である。
    • 2016年12月24日から営業運転を開始。営業運転開始日には側面表示器にクリスマスツリーが表示され話題となった。
    • 2018年度までに168両(8両編成21本)が投入され、103系・201系全車を置き換える予定。
  • クモヤ145形電車(1両)
    • 1両が配置されている。牽引車。

過去の車両

  • 103系電車
    • 2017年4月1日時点では8両編成4本(LA3・4・5、SA2編成)が配置されていた[11]
    • 体質改善工事施工車である(LA3編成は<外回り基準で>後方のモハユニットが30N・他の6両が40N、LA4編成はサハ2両が40N・他の6両が30N、LA5編成は先頭車のみ30N・他の7両が40N、SA2編成は全車40N)。
    • LA3編成は「OSAKA POWER LOOP」のラッピングが施されている。
    • 2001年からゆめ咲線(桜島線)用の6両編成4本にUSJのラッピングが施されていたが、2012年3月17日のダイヤ改正によって任を解かれた。その後ラッピングを解除され、「パワーオブハリウッド号」の6両と「アメージング・アドベンチャー・オブ・スパイダーマン・ザ・ライド号」(スパイダーマン号)の先頭車2両は日根野電車区(現・日根野支所)に転出、スパイダーマン号のモハユニット2組は「セサミストリート 4−D ムービーマジック号」「ウッディー・ウッドペッカー号」に1組ずつ組み込まれSA編成となって森ノ宮電車区に残った。
    • 置き換えが進み、2016年度は3本が廃車された[12]。2017年10月3日をもって運行を終了し、2017年10月から2018年2月にかけて残る4本も廃車された[10]

日根野支所

  • 281系電車(63両)
    • HA編成として、基本6両編成9本(54両)、付属3両編成3本(9両)が所属している。特急「はるか」で運用される。
  • 283系電車(18両)
    • HB編成として、基本6両編成2本(12両)、付属3両編成2本(6両)が所属している。特急「くろしお」で運用される。
    • 基本編成が検査などで運用を離脱すると付属編成を連結した6両編成として運転することがあるが、この時はパノラマ型グリーン車が京都寄りに連結される。
  • 287系電車(51両)
    • HC編成として、基本6両編成6本(36両)、付属3両編成5本(15両)が所属している。2012年3月17日のダイヤ改正より特急「くろしお」で運用される[13]
  • 223系電車(140両)
    • HE編成として、0番台と2500番台の4両編成35本が所属し、後述の225系5000番台・5100番台と同様に阪和線快速系統の主力車両となっている。
    • 関空快速・紀州路快速などの快速列車を中心に、阪和線・紀勢本線(きのくに線)・大阪環状線内の普通などにも運用されている。紀勢本線(きのくに線)での定期運用は和歌山駅 - 周参見駅間のみ。なお、臨時列車(ウエスト関空号)としてJR神戸線姫路駅までの入線実績もある。紀勢本線での定期運用開始前にも臨時列車として白浜駅に乗り入れた実績がある。
    • 1994年4月から1999年5月までは基本6両編成と付属2両編成を構成し、基本編成は1995年4月に運転が開始された関空特快「ウイング」指定席に対応するため、車内に指定席/自由席の表示切替板が取り付けられた。付属編成は大阪シティエアターミナル (OCAT) でのチェックインサービスに対応するため、1996年3月にクモハ223形100番台の乗務員室後部に荷物室が設置された(この場合関西空港行のクモハ223形100番台は指定席)が、1998年10月のサービス終了後は客室に復元された。なお、0番台登場当時は付属編成の2本連結(2両+2両)で普通に運用した実績もある。この当時の阪和線内での運用区間は主に天王寺 - 日根野間で、朝の区間快速や深夜時間帯の快速に限り和泉砂川駅までの運用もあった。
    • 1999年5月から2008年3月までは紀州路快速の運転開始に伴い2500番台を追加し、基本5両編成と付属3両編成に組み替えられた(基本編成に取り付けられた表示切替板は組み替え時に撤去)。朝夕ラッシュ時は基本編成が紀州路快速に、付属編成が関空快速、その他の時間帯は基本編成が関空快速に、付属編成が紀州路快速で運転された。
    • 2008年3月15日のダイヤ改正では、関空快速・紀州路快速の運行形態再編に伴い新製車が増備されたのに伴い再度組み替えが行われ、全編成が4両編成となり[14]103系や113系の運用を置き換えた。2017年3月4日のダイヤ改正以降全快速列車が223系・225系に統一された。
    • 2015年3月14日のダイヤ改正から路線記号の導入に伴い、種別幕も路線記号の入ったものに更新されている(これは後述の225系や奈良支所の221系も同様)。
    • 2016年7月1日からは、225系5100番台運転開始により4両編成の普通列車にも充当されるようになった。
    • 2018年以降、バリアフリー化や機器更新を含むリニューアル工事が開始され、2018年5月16日にHE401編成が吹田工場から出場した。
  • 225系電車(238両)
    • HF編成として、5000番台4両編成29本、5100番台6両編成11本・4両編成14本が所属し、2010年12月1日(5100番台は2016年7月1日)から阪和線普通・快速系統で運用されている。
    • 2011年3月12日以降は、223系と合わせて関空快速・紀州路快速や日中の区間快速にも充当され、223系と共通運用されている。
    • 5100番台運転開始後は、223系と共に4両編成の阪和線普通列車にも充当されるようになった。6両固定編成の登場により6両編成の103系・205系運用が置き換えられている
  • 103系電車(19両)
    • HK編成として6両編成2本(12両)とモハ102が1両、羽衣線のワンマン運転に対応したHL編成の3両編成2本(6両)が配置されている。1977年の新性能化完了からJR化後も長く阪和線の主力車両であったが、現在は223系・225系にとって代わられ、2018年3月17日のダイヤ改正によりすべての編成が運用を離脱した。
    • 3両編成は羽衣線のみ、6両編成は天王寺駅 - 和歌山駅間の普通で運用されていた。2017年3月のダイヤ改正までは区間快速にも充当されていた。6両編成は後述の205系(0番台)と共通運用であった。
    • 1994年6月から1999年5月まで一部車両のATSをB型からSW型に変更した紀勢本線(和歌山駅 - 紀伊田辺駅間)・和歌山線(和歌山駅 - 五条駅間)乗り入れ仕様の編成が存在していたが、全車両のATSがSW型に変更されたことで消滅している。
    • クモハ103形は当初、京浜東北線根岸線から転入した車両が配置されていたが廃車整理で消滅し、2012年現在はすべてモハ103形の先頭車化改造(片町線長尾駅 - 木津駅間の電化開業による改造)車のみである。このうち、クモハ103-2504(HL101編成)はワンマン運転専用で、クモハ103形では播但線加古川線用ワンマン車以外で唯一体質改善工事が施工されている。
    • 2007年からクハ103-1とクハ103-2が国鉄時代の京浜東北線・根岸線以来同じ編成に組み込まれ、趣味者の話題を呼んだが、2011年3月に運用を離脱した[15]。このうちのクハ103-1は京都鉄道博物館で展示されている。
    • 2011年3月以降、森ノ宮電車区で余剰となった体質改善30N工事車中心の編成が転入し、延命未施工車及び延命N40工事車中心の編成を置き換える配置換えが発生している。また、同月12日のダイヤ改正では日中の鳳駅以南では基本的に運用されなくなった。
    • かつては8両編成も存在した。最初は国鉄時代1983年の快速8両化に伴い6両編成にサハ103を2両組み込んだ4M4T編成だが、1986年11月のダイヤ改正前に浦和電車区(現在のさいたま車両センター)との間でクモハ103形ユニット+クハ103形500番台とモハユニット1組+サハ1両との交換で消滅した。JR化後の1999年5月10日ダイヤ改正で朝ラッシュ時区間快速の系統分割(天王寺-鳳間快速と鳳以南の普通とに分け、後者は天王寺-鳳間の普通と一体化)に伴いモハユニット1組を組み込んだ6M2T編成が登場、その後モハユニットをサハ2両に差し替えた4M4T編成となった。2008年3月15日のダイヤ改正で消滅した[5]
    • 2016年7月から225系5100番台の投入により、廃車が進んでいる。 2016年4月時点では6両編成が10本、4両編成が7本、3両編成が2本の計94両が在籍していたが、同年度に6両編成1本と4両編成6本の計30両が廃車[7][12]となった。4両編成は2016年12月23日に定期運用から外れ、同年度に廃車されなかった4両編成1本は3両編成と付随車に分割されている。6両編成も2017年7月29日を最後に定期運用から外れ、2017年8月からは3両編成のみ(1本使用、1本予備)運用された。2017年10月から2018年3月までに6両編成6本(うち電動車1両を除く)と3両編成と付随車1両に分割されていた4両の計39両が廃車された[10]。2017年10月に網干総合車両所明石支所へ転属した6両編成1本も、2018年2月に廃車されている[10]
  • 205系電車(24両)
    • 1986年に東海道・山陽緩行線に投入された0番台6両編成(HI編成)4本が所属。上記の103系と共通運用していた。
    • 天王寺駅 - 和歌山駅間の普通で運用されていた。2017年3月のダイヤ改正までは区間快速にも充当されていた。
      • 1000番台は1988年の新製投入直後から2008年3月のダイヤ改正までは4両編成を2本連結した8両編成で朝夕ラッシュ時の快速運用に充当されていた。
    • 0番台は2006年に0番台28両が網干総合車両所より転入し、8両編成・6両編成各2本で運用されていたが、225系の投入により2010年12月に宮原総合運転所(現・網干総合車両所宮原支所)に一旦転出、2013年3月にサハを脱車のうえ6両編成4本として再度転入した[16]
    • 2013年以降、バリアフリーなどに対応したリニューアル更新工事が行われ、帯色がすべて青22号に変更された。
    • 225系への置き換えが進んだため、1000番台4両編成は上記の103系4両編成と同じく2016年12月23日を最後に運用がなくなり、2017年10月から2018年2月までに5本すべてが奈良線向けに改造された上で奈良支所へ転属した[10]。HI編成は2018年3月17日のダイヤ改正により阪和線の運用を離脱し、全編成が予備車扱いとなっている。
  • 113系電車(4両)
    • 2両編成2本(HG編成)が所属している。ワンマン運転用にモハ113形 - モハ112形の電動車ユニットに切妻非貫通型の運転台取付を行った改造車で、オーシャングリーンにライトパープルの帯を纏っている。御坊駅 - 紀伊田辺駅間のワンマン運転が中心である。
    • 国鉄時代には紀勢本線(当時は愛称名なし)の紀伊田辺駅 - 新宮駅間、1999年までは和歌山線和歌山駅 - 五条駅間でも運用されていた。
    • 1972年3月15日から阪和色を纏って6両編成で登場し、1989年3月11日のダイヤ改正で4両編成となった。225系の増備により4両編成は2011年12月10日をもって運用から離脱し[17]、後継には223系・225系が充当されている。
  • クモヤ145形電車(1両)
    • 1両が配置されている。牽引車。

過去の車両

  • 381系電車
    • 2015年10月1日時点ではHD編成として、基本6両編成5本と付属3両編成3本の39両が配置されていた。基本6両編成は新宮寄りがパノラマグリーン車である。非パノラマ編成は287系の導入で既に福知山電車区に転出していた。2015年10月30日まで特急「くろしお」で運用された。
    • 2011年3月12日のダイヤ改正までは国鉄色塗装のモノクラス編成も在籍し、臨時列車やホームライナー(「はんわライナー」「やまとじライナー」)の運用に使われていた。これらはFH編成として福知山電車区に貸出後、廃車になっている。
    • 2015年10月30日の運用終了後、2016年3月末までに24両が廃車され、9両が後藤総合車両所出雲支所に転属した。2016年4月12日付で残る6両も廃車された[7]

新在家派出所

  • 117系電車(20両)
    • 4両編成5本が所属している。和歌山線ではワンマン運転を行う。同線での運用のほか、紀勢本線(和歌山駅 - 紀伊田辺駅間)でも運用される。過去には阪和線(日根野駅 - 和歌山駅間)での定期列車のほか、団体列車としては新宮駅まで運用された実績もある。
    • 2000年3月から2002年3月まで日根野区に所属した後、新和歌山車両センターに転出。2008年7月1日の組織変更で日根野区所属に戻った。
    • 2016年12月までに、全編成が和歌山地区の統一カラーである青緑色一色に車体色変更された。
  • 105系電車(48両)
    • ワンマン運転対応の2両編成24本(うち19本が103系からの改造編成)が所属し、和歌山線・桜井線(万葉まほろば線)と紀勢本線の和歌山駅 - 和歌山市駅間と紀伊田辺駅 - 新宮駅間で運用されている。なお、前者と後者で運用は分かれている。リニューアル車両は後者の専属である。全編成が青緑色一色に車体色変更されている。
    • 2008年7月1日の組織変更で日根野区所属となった。
    • 2009年11月より、2010年の平城遷都1300年記念事業実施に合わせ、奈良万葉ラッピング列車も運行されていたが、2017年4月までに青緑色塗装となっている。

奈良支所

  • 103系電車(16両)
    • 4両編成(NS編成)4本が配置されている。車体色は一般的にウグイス色と呼ばれる黄緑6号で、先頭車両の前面に白色警戒帯が塗布されている。これは沿線が緑の多い地域であるために安全を考慮して用いられているもので、かつて101系が運転されていた時代に黄色の警戒帯を先頭車両に設定していたものの名残りともいえる。ただし黄色警戒帯が廃止され、新たに白色警戒帯が設定されるまでは警戒帯は塗られずに運用されていた。
    • 奈良線の普通で運用されている。
    • かつては6両編成も存在し、関西本線(大和路線)・おおさか東線の普通を中心に、ラッシュ時にはJR難波駅発着の快速や桜井線・和歌山線において運用されていた。2016年10月1日までは4両編成を2本併結した8両編成で大阪環状線への直通列車にも運用されていたが、網干総合車両所から221系が24両転入されたことに伴い大阪環状線の運用から撤退、4両編成4本16両が廃車された[7]。6両編成3本は、2017年10月から2018年1月までに201系の転入に伴い廃車された。2017年からは205系の転入により、2018年7月現在では4両編成4本のみの在籍となっている。
    • 113系が当区から撤退した当初は113系の運用の代替として使われ、和歌山線(高田駅 - 和歌山駅間)にも入線実績がある。
      • 1994年の世界リゾート博開催期間中、最寄り駅である紀勢本線海南駅への臨時快速列車として、和歌山線運用で和歌山到着後、そのまま紀勢本線海南駅へ運転されていた。このとき、岡山電車区へ転属前の103系マスカット色編成も、和歌山駅から海南駅までの臨時快速運用に入っている。
    • すべて東海道本線・山陽本線(JR京都線・JR神戸線の普通、いわゆる京阪神緩行線)・大阪環状線・阪和線・片町線(学研都市線)などの他路線からの転入車となっている。長年にわたり各地から寄せ集められたため、編成内の製造時期が1両ごとにバラバラという編成が多い。
  • 201系電車(120両)
    • 6両編成(ND編成)20本が配置されている。
    • 2006年12月20日より6両編成が森ノ宮電車区(現・森ノ宮支所)・網干総合車両所から転入し、営業運転を開始した。103系と同じ黄緑色の車体で、先頭車両前面に白色警戒帯が塗布されている。
    • 2017年11月より、323系投入で余剰となった森ノ宮支所の車両の転入が再開された[10]
    • 大和路線やおおさか東線の普通を中心に運用され、ラッシュ時にはJR難波駅発着の快速や和歌山線の王寺駅 - 高田駅間でも運用されている。
  • 205系電車(24両)
    • 0番台と1000番台の4両編成(NE編成)6本が配置されている。
    • 2017年10月から日根野支所から転入を開始している[10]
  • 221系電車(250両)
    • 登場当初の1989年から配置が始まり、網干総合車両所からの転入車を含め、8両編成(NB編成)9本、6両編成(NC編成)9本、4両編成(NA編成)31本が配置されている。
    • 過去には2両編成も存在していたが、2011年3月までに4両編成に組み替えられて消滅した。一方で、2010年12月に初めて8両編成が登場し、日中の大和路快速にも充当されている。これにより103系・201系8両編成(森ノ宮電車区・奈良電車区所属車)での快速運用が大幅に減少した。
    • 主に大和路線・大阪環状線・奈良線の快速系統および桜井線・和歌山線(王寺駅 - 五条駅間)などで運用されている。
    • 2010年12月1日に225系5000番台が日根野電車区(現・日根野支所)に配置されるまでは、阪和線と紀勢本線(きのくに線)和歌山駅 - 紀伊田辺駅間での運用や、阪和線と大和路線相互間の車両の送り込みも行われていたほか、2002年までは和歌山線経由で送り込まれており、和歌山線五条駅 - 和歌山駅間の運用が存在していた。
    • 主な臨時列車の実績として、紀勢本線への急行列車や、レジャー号としてJR京都線・山陰本線(嵯峨野線)・湖西線への入線実績もある。
    • 運用の拡大により、2007年1月から2011年3月まで網干総合車両所から転入が行われたほか、山陰本線(嵯峨野線)への221系の投入により、2010年3月に京都総合運転所(現・京都支所)に転出している。
    • 2016年10月2日改正で網干総合車両所から24両が転入されている。
  • クモヤ145形電車(1両)
    • 1両が配置されている。牽引車。

歴史

ファイル:JNR-Kumoha 52001.jpg
本所玄関前に保存されている準鉄道記念物・モハ52001(流電)

本所(旧・吹田工場)

吹田工場#沿革の記事も参照

  • 1896年明治29年)1月 - 大阪鉄道湊町工場として発足。
  • 1900年(明治33年)6月 - 関西鉄道に吸収合併、関西鉄道湊町工場と改称。
  • 1907年(明治40年)10月 - 関西鉄道国有化鉄道院が管轄)、西部鉄道局湊町工場と改称。
  • 1920年大正9年) - 神戸鉄道局湊町工場と改称。
  • 1921年(大正10年)11月 - 湊町工場廃止、吹田町へ移転、神戸鉄道局吹田工場発足。
  • 1933年(昭和8年)2月 - 電車修繕を開始。

京都支所(旧・京都総合運転所)

京都総合運転所#歴史の記事も参照

森ノ宮支所(旧・森ノ宮電車区)

森ノ宮電車区#歴史の記事も参照

日根野支所(旧・日根野電車区)

日根野電車区#歴史の記事も参照

奈良支所(旧・奈良電車区)

奈良電車区発足以降を表記(国有化前及び国有化後の歴史は、奈良電車区#歴史を参照)

吹田総合車両所(発足後)

  • 2012年平成24年)6月1日 - 森ノ宮電車区・奈良電車区・日根野電車区の検修部門と、京都総合運転所・吹田工場の本所が統合し、吹田総合車両所として発足[18][1]
    • 京都総合運転所野洲派出所、米原派出所は網干総合車両所宮原支所の派出所になる。
    • 森ノ宮電車区放出派出所、京橋派出所と吹田工場高槻派出所は網干総合車両所明石支所の派出所になる。
    • 森ノ宮電車区と奈良電車区は大阪支社の乗務区として残存。
    • 日根野電車区の名称は廃止、同区鳳派出所は大阪支社乗務区の鳳電車区となる。

脚注

  1. 1.0 1.1 1.2 1.3 1.4 1.5 1.6 1.7 1.8 1.9 JR現業機関一覧表、p.225。
  2. 吹田総合車両所のリニューアルについて JR西日本ニュースリリース 2018年6月19日
  3. 3.0 3.1 3.2 3.3 3.4 3.5 『鉄道ジャーナル』通巻570号、p.48
  4. 『鉄道ジャーナル』通巻570号、p.52
  5. 5.0 5.1 ジェー・アール・アール編『JR電車編成表』2018夏 ジェー・アール・アール、交通新聞社、2018年、p.143-167。ISBN 9784330884189。
  6. 「JR旅客各社の車両配置表」『鉄道ファン』2018年7月号、交友社
  7. 7.0 7.1 7.2 7.3 7.4 ジェー・アール・アール編『JR電車編成表』2017冬 ジェー・アール・アール、交通新聞社、2016年、p.357。ISBN 9784330737164。
  8. 「JR電車編成表2015夏」ISBN 9784330569154 p.361。
  9. ジェー・アール・アール編『JR電車編成表2016冬』交通新聞社、2015年。pp.360・363。ISBN 978-4-330-62315-3。
  10. 10.0 10.1 10.2 10.3 10.4 10.5 10.6 ジェー・アール・アール編『JR電車編成表』2018夏 ジェー・アール・アール、交通新聞社、2018年、p.357-359。ISBN 9784330884189。
  11. ジェー・アール・アール編『JR電車編成表』2017夏 ジェー・アール・アール、交通新聞社、2017年、p.151。ISBN 9784330787176。
  12. 12.0 12.1 ジェー・アール・アール編『JR電車編成表』2017夏 ジェー・アール・アール、交通新聞社、2017年、p.357。ISBN 9784330787176。
  13. 平成24年春ダイヤ改正について (PDF) - 西日本旅客鉄道プレスリリース 2011年12月16日
  14. この結果223系の編成は、全車0番台・全車2500番台・サハが0番台+他3両が2500番台・モハが2500番台+他3両が0番台の4パターンとなった。また2500番台は3グループに分類されるため、全車2500番台では4種類、サハが0番台+他3両が2500番台の編成では2種類が存在する
  15. クハ103-1ほか6両が吹田へ - 『鉄道ファン』交友社 railf.jp鉄道ニュース 2011年3月11日
  16. 編成から外れたサハ4両は2015年9月9日に廃車となった。
  17. 【JR西】日根野電車区113系4連が定期運用終了 - 鉄道ホビダス ネコ・パブリッシング RMニュース 2011年12月12日
  18. 「車両部門の組織改正 JR西日本、近畿統括本部」『交通新聞』2012年6月5日


参考文献

  • 鶴通孝「オレンジバーミリオンを見守るもりのみや」、『鉄道ジャーナル』第570号、鉄道ジャーナル社、2014年4月、 44 - 54頁。
  • 「車両部門の組織改正 JR西日本、近畿統括本部」『交通新聞』2012年6月5日
  • 鉄道ピクトリアル』2003年2月号、電気車研究会
  • 『 Rolling stock & machinery 』2010年12月号、日本鉄道車両機械技術協会、p.54 - p.58。
  • ジェー・アール・アール編『JR気動車客車編成表 2012』交通新聞社、2012年。ISBN 978-4-330-29212-0。
  • 吹田工場百年史
  • ジェー・アール・アル編 (2016). 『JR気動車客車編成表2016 』 (日本語). 交通新聞社. ISBN 978-4330690162. 
  • 編集部 『鉄道ピクトリアル』 2000年9月号(通巻第690号) 【特集】 JR各社の車両工場 電気車研究会 54 - 55頁。
  • 編集部 『鉄道ピクトリアル』 2002年12月号 第52巻12号(通巻725号) 特集:JRの車両基地 電気車研究会。
  • 祖田圭介 『鉄道ファン』 2004年1月号第44巻第1号(通巻第513号) 特集:短絡線ミステリー7 -車両工場へのルート- 交友社 28 - 29頁。
  • 祖田圭介 『鉄道ファン』 2006年1月号 第46巻1号(通巻537号) 特集:短絡線ミステリー8 「首都圏・関西圏JR通勤電車の車両基地」 交友社。

関連項目

外部リンク