塩尻市
塩尻市(しおじりし)は、長野県中部(中信地方)の市である。県央部における交通の要衝となっている。
Contents
地理
松本盆地の南端、長野県のほぼ中央に位置し、県内随一の交通の要衝となっている。地形は扇状地形で、東西約18キロメートル (km)、南北約38 km、面積290.18平方キロメートル (km2) の地域を有する。塩尻峠と善知鳥峠、そして鳥居峠は太平洋と日本海への分水嶺。
歴史
信州には海がないため塩を生産することができず、かつては日本海から塩売りがやってきていた。各地を回って売り歩いていると、ちょうどこの近辺で品切れになるため、塩尻という名前がついたと言われている。 また、日本海側と太平洋側からそれぞれ塩が運ばれてくると、この辺りで両者が合流することから塩の道の終点=塩尻という説もある。この説に沿う地名として小県郡塩尻村(現:上田市)がある。なお、塩尻市の見解は、定説はないとしつつも上杉氏が武田氏に塩を送った義塩伝説、食塩を由来とする説、地質・地形からなる説の三つを挙げている[1]。
かつては塩の旧字である鹽を用いて、「鹽尻(しおじり)」とされた。 江戸時代は塩尻宿や洗馬宿などが中山道や北国西街道の宿場町として栄えた。明治時代、塩尻宿から約2km西方線が交わる交通の要衝であった。
行政区画の変遷
- 1959年(昭和34年)4月1日 - 塩尻町・片丘村・広丘村・宗賀村・筑摩地村が合併して発足。
- 1959年(昭和34年)5月10日 - 市章を制定[2]。
- 1960年(昭和35年)4月1日 - 北内田が松本市に編入。
- 1961年(昭和36年)4月1日 - 南内田のうち崖の湯が松本市に編入。
- 1961年(昭和36年)6月28日 - 洗馬村を編入。
- 1982年(昭和57年)4月1日 - 洗馬の一部(現・空港東)が松本市に編入。
- 2005年(平成17年)4月1日 - 木曽郡楢川村を編入。
人口
塩尻市(に相当する地域)の人口の推移 | |
総務省統計局 国勢調査より |
立法
国政
衆議院小選挙区は長野4区(塩尻市、岡谷市、諏訪市、茅野市、諏訪郡、木曽郡)
県政
長野県議会の選挙区は塩尻市選挙区(定数2人)
市政
- 市議会議長:金田興一
- 議員定数:18人(任期:2019年4月まで)
地域
郵便
地区
- 大門地区
(大字大門及び大門田川町以外は住居表示実施地区)
- 大門一番町、大門二番町、大門三番町、大門四番町、大門五番町、大門六番町、大門七番町、大門八番町
大門泉町、大門幸町、大門並木町、大門桔梗町、大門田川町、大字大門
- 塩尻東地区
- 大字旧塩尻、大字柿沢、大字金井、大字上西条、大字上西条、大字中西条、大字下西条、大字堀ノ内、大字大小屋、大字長畝、大字桟敷、大字塩尻町、大字峰原
- 片丘地区
- 大字片丘
- 広丘地区
- 大字広丘原新田、大字広丘堅石、大字広丘郷原、大字広丘野村
- 吉田地区
- 大字広丘吉田
- 高出地区
- 大字広丘高出
- 洗馬地区
- 大字洗馬
- 宗賀地区
- 大字宗賀
- 北小野地区
- 大字北小野
- 楢川地区
- 大字贄川、大字木曽平沢、大字奈良井
経済
就業人口割合は第一次産業:第二次産業:第三次産業=8.4%:32.6%:59.0% となっている(2010年国勢調査)。
農業
- 都市近郊型農業
工業
- 飲料・たばこ・飼料製造業
- 木材・木製品製造業
- 精密機械工業
- 昭和39年、松本・諏訪地区新産業都市に指定される(2001年3月30日に廃止)。
- 精密機械、電気機械、一般機械製造などの工場が立地している。
- 拠点を置く主な企業
商業
ドーナツ化現象により国道19号沿線の郊外にロードサイド店舗の集積が顕著に見られ、JR塩尻駅周辺の中心市街地が空洞化しつつある。そのため中心市街地活性化基本計画(2008年11月11日承認)を策定し、活性化事業に取り組んでいる。
- 物流拠点
交通の要衝としての立地を生かし、多くの物流・運輸企業が拠点を置いている。
マスメディア
姉妹都市
海外
- 姉妹都市
日本国内
- 姉妹都市
交通
空港
- 松本空港(信州まつもと空港)の敷地の一部が塩尻市内にある。ターミナルビルは松本市内にある。
鉄道
市の中心となる駅:塩尻駅
東日本旅客鉄道(JR東日本)
東海旅客鉄道(JR東海)
路線バス
道路
- 広域農道
- 高ボッチスカイライン
教育
大学
専修学校
高校
小中学校
|
|
名所・旧跡・文化財・観光スポット・祭事・催事
観光
- 信州塩尻農業公園チロルの森
- 平出歴史博物館
- 塩尻短歌館
- 釜井庵
- 高ボッチ高原(八ヶ岳中信高原国定公園)
ファイル:Lake Midoriko.jpg 堰堤左岸道路より見たみどり湖 ファイル:Tirol-syoumen.jpg チロルの森 |
- 宿場町
- みどり湖
- 農業灌漑用として造成された人造湖。釣り場を整備してへらぶな幼魚を放流しているため、近くの田川浦湖と共にへらぶな釣の湖として人気がある。
- 以前はへらぶなの他に鯉、フナ、わかさぎ、にじますの魚影が濃く、時にはウナギや鯰が釣れたこともあったが、一時違法に放流されたブラックバスによって漁獲が激減してしまった。
- 現在はブラックバスを駆除して水質の浄化など環境改善にも取り組んでいるため、春から晩秋まで釣り人の人気を博している。
- また、湖畔には旅館跡地(旧 市営みどり湖会館跡地)を利用した花公園が整備されている。
- 塩尻市小坂田公園(道の駅小坂田公園、小坂田わくわく園、蝶の博物館)
- 日本の音風景100選:塩嶺の小鳥のさえずり
- 塩嶺御野立公園
- 塩尻峠の東山橋南付近にある。
- レザンホール(塩尻市文化会館)
- 市役所近くにある会館。レザン(raisin)とはフランス語でブドウの実という意味。
- 塩尻市役所
- 市役所庁舎敷地内には、D51が置いてある。
- えんぱーく(塩尻市市民交流センター)
- 塩尻市立図書館が入居している。著名な作家や文化人を招いた講演会も実施されている。
文化財
国指定・選定・登録の文化財
- 重要文化財
- 小野家住宅
- 島崎家住宅
- 小松家住宅
- 堀内家住宅
- 深澤家住宅
- 手塚家住宅
- 重要有形民俗文化財
- 木曽塗の製作用具及び製品
- 史跡
- 平出遺跡
- 重要伝統的建造物群保存地区
- 奈良井宿
- 木曽平沢
- 登録有形文化財
- 巣山家住宅
県指定の文化財は長野県指定文化財一覧を参照。
祭り
- 塩嶺御野立記念祭(年2回)
- 日本一短い祭りと言われる。
- 阿礼神社例大祭(7月)
- 上町、室町、中町、宮本町、堀の内、長畝、桟敷の7町会から豪壮な山車が繰り出す。
- 高ボッチ高原観光草競馬大会(8月)
- 競走馬、農耕馬、ポニーが参加する草競馬大会。
- 玄蕃まつり(8月)
- 大門商店街一帯が歩行者天国となり、キツネをイメージした音楽と踊りで商店街を練り歩く。
- 小坂田公園納涼花火大会(8月)
- 水上スターマインやナイアガラなどが楽しめる。
- 全国短歌フォーラム(10月)
- ハッピー ハロウィン in しおじり(10月)
- 1997年より毎年開催。玄蕃まつり同様、大門商店街一帯が歩行者天国となり、仮装した人々が商店街一帯を埋め尽くす。
- 全国短歌フォーラム in 塩尻(9月、12月)
- ヌーボーワインと新そばフェスティバル(11月)
神社・寺院
特産品
塩尻市出身の著名人
(五十音順)
- 有賀誠門(打楽器奏者)
- 大瀬うたじ(漫才師)
- 太田青丘(歌人)
- 太田水穂(歌人)
- 小澤美夏(スケート選手)
- 北沢猛(都市計画家)
- 熊井英水(水産学者、近畿大学水産研究所所長)
- 熊谷岱蔵(医師、元東北帝国大学総長)
- 郷原古統(日本画家)
- 小松慶也(旧軍人、アルゼンチンの酪農家)
- 小松憲太(サッカー選手)
- 小松倍一(教育者)
- 酒井琢朗(人類学者)
- 塩沢由典(経済学者)
- 清水直樹(レーシングライダー)
- 下平正一(政治家)
- 高津聖志(免疫学者)
- 高山憲之(経済学者)
- 高山正雄(法医学者、元九州帝国大学総長)
- 滝澤行雄(医学者)
- 田代秋鶴(書家)
- 田中あさみ(ファッションモデル)
- 田中義麿(遺伝学者)
- 津金恵(柔道選手)
- 続木美香(アナウンサー)
- 出口クリスタ(柔道選手)
- 寺沢拓敬(社会学者)
- 中野幹隆(編集者)
- 中村武志(小説家)
- 中村胤夫(三越元社長)
- 野々山広三郎(サッポロビール元社長)
- 浜光雄(児童文学者)
- 東原伸明(国文学者)
- 古田晁(筑摩書房創業者)
- 古厩忠夫(歴史学者)
- 古厩智之(映画監督)
- 丸山勝(ジャーナリスト)
- 御子柴進(プロ野球)
- 村澤明伸(陸上競技選手)
- 百瀬晋六(富士重工業元社員、スバル360開発責任者)
- 百瀬優(柔道選手)
- 森山儀文治(政治家)
- 柳田元三(旧軍人)
- 山岸絵美(柔道選手)
- 山本惠朗(富士銀行元頭取)
- 吉江喬松(フランス文学者)
- 吉江喜一(プロ野球)
- 米窪満亮(政治家)
脚注
- ↑ “しおじり声の広場 塩尻の名の由来”. 塩尻市ホームページ (塩尻市) . 2014閲覧.
- ↑ 図典 日本の市町村章 p118
- ↑ 3.0 3.1 3.2 佐々木、石野、伊藤 2015, p. 77.
- ↑ 4.0 4.1 小川、栗栖、田宮 2016, p. 68.
- ↑ 5.0 5.1 中村純一 編 2017, p. 68.
- ↑ “地域振興バス「勝弦線」の運行ダイヤ一部改正について”. 塩尻市 (2008年12月11日). . 2009年1月10日閲覧.
参考文献
- 「高ボッチスカイライン」『ニッポン絶景ロード100』 中村純一 編、枻出版社〈エイムック〉、2016-04-10。ISBN 978-4-7779-3980-8。
- 「高ボッチスカイライン」『日本の絶景道100選』 中村純一 編、枻出版社〈エイムック〉、2017-04-10。ISBN 978-4-7779-4572-6。
- 『絶景ドライブ100選[新装版]』 松井謙介編、学研パブリッシング〈GAKKEN MOOK〉、2015-09-30。ISBN 978-4-05-610907-8。
関連項目
- フェデックス硬式野球部(フェデックス日本法人が塩尻市に本拠地登録する社会人野球チーム)
- FCアンテロープ塩尻(北信越フットボールリーグに所属するサッカークラブ)
外部リンク
- [{{#property:P856}} 公式ウェブサイト]