宍粟市

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宍粟市(しそうし)は、兵庫県の中西部に位置する西播磨県民局管轄区域。

2005年(平成17年)4月1日に、宍粟郡の4町(山崎町一宮町波賀町千種町)が合併して誕生した。人口は県内41自治体中第25位、面積は豊岡市に次ぎ県内第2位である。

地理

ファイル:Yamasaki district Shisou city Aerial photograph.1976.jpg
市役所のある山崎地区周辺の空中写真。
1976年撮影の3枚を合成作成。国土交通省 国土画像情報(カラー空中写真)を基に作成。
ファイル:Ibo-River,Yoi,Yamasaki-cho,Shiso.jpg
揖保川(山崎町杉ケ瀬より)
ファイル:Yamasakitown Shisocity Hyogopref arban area.JPG
最上山公園から望む宍粟市中心部

宍粟市は兵庫県の中西部、神戸市から約100km、姫路市から約30kmに位置し西は岡山県に、北は鳥取県に接している。

市域は東西約32km、南北約42kmと広大で県内でも豊岡市に次ぐ面積となっているが市域の大部分が山地であるため人口密度は低い。主要な河川は揖保川千種川で、どちらも播磨五川に含まれる。一級河川でもある揖保川は、市北部波賀町戸倉峠付近に発し音水湖 (引原ダム)を擁する引原川と市北東部の一宮町に発する三方川が一宮町安積で合流し名を変えたもので、市南部山崎町を通りたつの市姫路市へと南流する。一方、名水百選にも選ばれている千種川は市北西部千種町の江浪峠に発し南流、佐用郡佐用町赤穂郡上郡町を貫流し赤穂市へと流れる。

また市の大部分は山林地帯であり、「宍粟50名山」を指定するなど「しそう森林王国」を謳っていて、波賀町には県内最高峰氷ノ山千種町には第二峰三室山、第三峰後山を擁する。森林セラピー基地に認定されている。

一宮の気候資料
1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月
平均最高気温 °C (°F) 7.3(45.1) 8.2(46.8) 12.2(54) 18.9(66) 23.3(73.9) 26.5(79.7) 29.8(85.6) 31.5(88.7) 27.2(81) 21.5(70.7) 15.7(60.3) 10.1(50.2) 19.3(66.7)
平均最低気温 °C (°F) -1.5(29.3) -1.3(29.7) 1.1(34) 5.8(42.4) 10.9(51.6) 16.1(61) 20.9(69.6) 21.6(70.9) 17.7(63.9) 10.8(51.4) 4.9(40.8) 0.4(32.7) 8.9(48)
降水量 mm (inches) 63.8(2.512) 84.5(3.327) 135.2(5.323) 137.9(5.429) 195.5(7.697) 225.8(8.89) 272.9(10.744) 164.3(6.469) 212.0(8.346) 117.6(4.63) 75.4(2.969) 62.3(2.453) 1,739.9(68.5)
平均降水日数 (≥ 1.0 mm) 10.4 11.0 12.7 10.4 11.3 12.8 13.2 9.8 10.8 8.3 7.8 9.1 127.9
日照時間 81.1 88.2 124.1 157.0 167.7 137.4 140.8 157.1 120.8 131.6 106.3 95.0 1,508.2
出典: 気象庁

隣接している自治体

兵庫県

岡山県

鳥取県

歴史

「宍粟」の名称は山崎町の中心部に残る地名・鹿沢(しかざわ)を古くは「ししさわ」と読んだことに由来する。以後「ししさわ→ししあわ→しさわ→しそう」と変化し「ししあわ」に「宍禾」ないし「宍粟」の漢字が当てられた。「宍禾」は『播磨国風土記』で用いられている古い表記で、新市名決定の際も「宍禾市(しさわし)」の案が対抗馬とされていた。竹内正浩の「日本の珍地名」(文春新書)で難読・誤読地名番付の「西の横綱」と紹介された。

山崎町

市南部に位置する。古来から因幡街道による山陽と山陰の結節点として発展しており、江戸時代には本多家山崎藩1万石の城下町(のち陣屋町)として一層の発展を遂げた。また、1621年元和7年)には町内在住の龍野屋孫兵衛により揖保川水運が開かれ高瀬舟の就航が可能となり郡内の物資の集積地としてより一層の発展が進んだ。維新後、廃藩置県により山崎藩が廃され山崎県が置かれたが、のち姫路県飾磨県)に統合され、再び兵庫県に統合され現在に至る。維新後も昭和期に郡制が廃止されるまで宍粟郡の郡役所が所在するなど、古くから宍粟郡の中心市街として発展してきた。現在でも姫路市鳥取市を結ぶ国道29号京阪神中国地方を結ぶ中国自動車道の交点となっており交通の要衝となっている。またイオンなど大型量販店が進出しており、播磨北西部(宍粟市・佐用町)の中心市街となっている。

一宮町

ファイル:Ichinomiyatown Shimada Shisocity Hyogopref Ibo river.JPG
市内を流れる揖保川(一宮町嶋田)

市北東部に位置する。古代の播磨国宍粟郡の地であり、町内の須行名(すぎょうめ)には延喜式大社・伊和神社が鎮座する。伊和神社は播磨国一ノ宮であり、町名の由来となった。『播磨国風土記』によれば、伊和大神は揖保川流域を中心に西播磨一帯を支配した大勢力が尊崇した神のようである。中世には播磨国守護赤松氏歴代の尊崇と庇護を得た。現在は町内に国道29号及び国道429号が通り、国道29号沿いの須行名から東市場、安積(あづみ)にかけての地区が宍粟市北部の拠点街として栄えている。

波賀町

市北部に位置する。弘長年間(1261-63)に芳賀七郎が築城した波賀城に、13世紀中頃から戦国時代末期まで播磨国の中村氏が城主として、因幡街道を抑える要所に拠った。市制施行当初より豪雪地帯過疎地域自立促進特別措置法による過疎地域に指定されている。町内で国道29号、国道429号が交差する。町西部で鳥ヶ乢トンネルを介して千種町と連絡する。

千種町

市北西部に位置する。『播磨国風土記』によると古くは神々が腰を下ろす場を意味する「敷草村」と呼ばれていた。また古来より千種鉄(宍粟鉄)の生産地として有名であり、千種鉄は上質なことで名をはせたことから、製鉄業を中心に発展した。今もたたら製鉄所跡が残っている。また、江戸時代には天領となった。しかし明治に入ると西洋式製鉄に圧されて廃業を余儀なくされ、町の中心産業は林業へと転換が計られたが、安価な外国産木材の流入により需要が激減した。維新後は久美浜県生野県姫路県(のち飾磨県)を経て、兵庫県の所属となる。市制施行当初より豪雪地帯、過疎地域自立促進特別措置法による過疎地域に指定され、過疎化少子高齢化が深刻である。町内を横断して国道429号が通っており、西は岡山県津山市、東は波賀町一宮町へと通じている。町東部で鳥ヶ乢トンネルを介して波賀町と連絡する。

(この他の詳細な歴史は、播磨国山崎藩 の各項目も参照のこと。)

沿革

行政

歴代市長

  • 市長職務執行者 中田耕一郎(旧波賀町長)
氏名 就任年月日 退任年月日 備考
初代 白谷敏明 2005年5月15日 2009年5月14日 旧山崎町長
第2代 田路勝 2009年5月15日 2013年5月14日 旧一宮町長
第3代 福元晶三 2013年5月15日 現職

行政機関

  • 市役所:2009年3月に新市役所が現在地に完成し移転した。新市役所建設までは、旧宍粟郡広域センターと兵庫県山崎庁舎の一部を市役所として使用した。のちに兵庫県山崎庁舎は市が買い上げ、2011年3月から再度、市役所北庁舎として使用している。
    • 一宮市民局
      • 三方町出張所
    • 波賀市民局
    • 千種市民局

紋章

  • 「宍」を図案化したものであり、2005年4月1日の市制施行と同時に制定された。[1][2]

立法

市議会

参照: 宍粟市議会

合併時の特例で2005年の市議選のみ旧町域の単位で選挙区が設置され(カッコ内は定数)、山崎(13)・一宮(7)・波賀(3)・千種(3)の各町で合計26を定数としていた。以後定数は選挙のたびに削減され、2009年5月3日投票の第2回市議選では定数20(選挙区が廃止され市全域が単一選挙区とされた)、2013年5月12日投票の第3回市議選では定数18、2017年4月30日投票の第4回市議選では定数16とされた。

市議会議長・副議長は、申し合わせにより任期2年。2017年5月の定例会では、議長に実友勉(創政会)、副議長に西本諭(公明市民の会)を選んだ。

兵庫県議会

本市でひとつの選挙区(宍粟市選挙区)をなす。その定数は1である。

  • 2007年4月 最終投票率:68.34%
候補者名 当落 政党 得票
高嶋利憲 当選 無所属 9,582
長田執 落選 自民 7,316
春名哲夫 落選 無所属 7,221
  • 2011年4月 最終投票率:60.48%
候補者名 当落 政党 得票
春名哲夫 当選 無所属 10,369
高嶋利憲 落選 無所属 10,205
  • 2015年4月 無投票で春名哲夫が再選

経済

産業

金融機関

銀行

信用金庫

信用組合

農協

  • JA兵庫西山崎支店、城下支店
  • JAハリマ本所、染河内支所、下三方支所、三方支所、繁盛支所、波賀支所、千種支所

姉妹都市・提携都市

国内

海外

地域

施設

警察署

  • 兵庫県宍粟警察署(山崎町今宿) - 旧山崎警察署
    • 安積警部派出所・曲里交番(一宮町安積)
    • 山崎中央交番(山崎町鹿沢)
    • 御名駐在所(山崎町御名)
    • 戸原駐在所(山崎町宇原)
    • 高下駐在所(山崎町高下)
    • 土万駐在所(山崎町土万)
    • 上牧谷駐在所(山崎町上牧谷)
    • 田井駐在所(山崎町田井)
    • 河東駐在所(山崎町三谷)
    • 染河内駐在所(一宮町能倉)
    • 三方駐在所(一宮町三方町)
    • 繁盛駐在所(一宮町上岸田)
    • 安賀駐在所(波賀町安賀)
    • 上野駐在所(波賀町上野)
    • 引原駐在所(波賀町引原)
    • 千草駐在所(千種町千草)
    • 室駐在所(千種町室)

郵便局

集配郵便局

無集配郵便局

  • 山崎鹿沢郵便局
  • 山崎蔦沢郵便局
  • 山崎神野郵便局
  • 山崎土万郵便局
  • 播磨青木郵便局
  • 城下郵便局
  • 染河内郵便局
  • 下三方郵便局
  • 三方郵便局
  • 繁盛郵便局
  • 波賀郵便局(2007年2月集配業務廃止)

簡易郵便局

  • 奥谷簡易郵便局
  • 与位簡易郵便局
  • 都多簡易郵便局
  • 神谷簡易郵便局
  • 伊和簡易郵便局(2017年3月1日から一時閉鎖[4]
  • 波賀谷簡易郵便局(旧小野簡易郵便局が移転)
  • 鹿伏簡易郵便局(2003年12月廃止)
  • 西河内簡易郵便局
  • 鷹巣簡易郵便局

人口

平成22年国勢調査より前回調査からの人口増減をみると、5.44%減の40,945人であり、増減率は県下41市町中32位、49行政区域中40位。

宍粟市(に相当する地域)の人口の推移
総務省統計局 国勢調査より

人口推移

緑色で示したものが、宍粟市の人口である。(宍粟市発足以前は現在の市域の人口)なお、人口は国勢調査による各年10月1日時点のものである。

1920年(大正9年) ファイル:G100.pngファイル:G100.pngG30.pngG05.pngG01.pngG01.png 47,657
1925年(大正14年) ファイル:G100.pngファイル:G100.pngG30.pngG05.pngG01.pngG01.png 47,760
1930年(昭和5年) ファイル:G100.pngファイル:G100.pngG30.pngG10.pngG03.png 48,893
1935年(昭和10年) ファイル:G100.pngファイル:G100.pngG30.pngG10.png 48,357
1940年(昭和15年) ファイル:G100.pngファイル:G100.pngG30.pngG10.png 48,492
1947年(昭和22年) ファイル:G100.pngファイル:G100.pngG50.pngG30.pngG10.pngG03.pngG01.png 59,217
1950年(昭和25年) ファイル:G100.pngファイル:G100.pngファイル:G100.png 60,289
1955年(昭和30年) ファイル:G100.pngファイル:G100.pngG50.pngG30.pngG10.pngG01.png 58,655
1960年(昭和35年) ファイル:G100.pngファイル:G100.pngG30.pngG30.pngG10.pngG03.png 54,590
1965年(昭和40年) ファイル:G100.pngファイル:G100.pngG50.pngG01.pngG01.png 50,889
1970年(昭和45年) ファイル:G100.pngファイル:G100.pngG30.pngG10.pngG03.png 48,558
1975年(昭和50年) ファイル:G100.pngファイル:G100.pngG30.pngG10.pngG03.png 48,791
1980年(昭和55年) ファイル:G100.pngファイル:G100.pngG30.pngG10.pngG03.png 49,084
1985年(昭和60年) ファイル:G100.pngファイル:G100.pngG30.pngG10.pngG03.png 48,980
1990年(平成2年) ファイル:G100.pngファイル:G100.pngG30.pngG10.png 48,454
1995年(平成7年) ファイル:G100.pngファイル:G100.pngG30.pngG10.png 47,685
2000年(平成12年) ファイル:G100.pngファイル:G100.pngG10.pngG10.pngG05.png 45,460
2005年(平成17年) ファイル:G100.pngファイル:G100.pngG10.pngG05.pngG01.png 43,302
2010年(平成22年) ファイル:G100.pngファイル:G100.pngG03.pngG01.png 40,945

教育

幼稚園 小学校 中学校
山崎幼稚園 宍粟市立山崎小学校 宍粟市立山崎西中学校
菅野幼稚園 宍粟市立山崎西小学校
神野幼稚園 宍粟市立神野小学校 宍粟市立山崎東中学校
河東幼稚園 宍粟市立河東小学校
伊水幼稚園 宍粟市立伊水小学校
都多幼稚園 宍粟市立都多小学校
城下幼稚園 宍粟市立城下小学校 宍粟市立山崎南中学校
宍粟市立戸原小学校
神戸幼稚園 宍粟市立はりま一宮小学校 宍粟市立一宮南中学校
染河内幼稚園
三方幼稚園 宍粟市立一宮北小学校 宍粟市立一宮北中学校
波賀幼稚園 宍粟市立波賀小学校 宍粟市立波賀中学校
千種幼稚園 宍粟市立千種小学校 宍粟市立千種中学校


高等学校など
兵庫県立山崎高等学校
兵庫県立伊和高等学校
兵庫県立千種高等学校
F.S.播磨西高等学院

廃止された学校

少子高齢化と小規模化に伴い、宍粟市の学校規模適正化により、以下の学校が廃校になっている。

  • 宍粟市立千種東小学校(2011年3月31日、千種南小学校へ統合)
  • 宍粟市立千種南小学校(2012年3月31日、千種北小と統合し宍粟市立千種小学校へ)
  • 宍粟市立千種北小学校(2012年3月31日、千種南小と統合し千種小へ)
  • 宍粟市立菅野小学校(2014年3月31日、土万小と統合し宍粟市立山崎西小学校へ)
  • 宍粟市立土万小学校(2014年3月31日、菅野小と統合し宍粟市立山崎西小学校へ)
  • 宍粟市立野原小学校(2015年3月31日、波賀小・道谷小と統合し宍粟市立波賀小学校へ)
  • 宍粟市立道谷小学校(2015年3月31日、波賀小・野原小と統合し宍粟市立波賀小学校へ)
  • 宍粟市立三方小学校(2016年3月31日、下三方小・繁盛小と統合し宍粟市立一宮北小学校へ)
  • 宍粟市立下三方小学校(2016年3月31日、三方小・繁盛小と統合し宍粟市立一宮北小学校へ)
  • 宍粟市立繁盛小学校(2016年3月31日、三方小・下三方小と統合し宍粟市立一宮北小学校へ)
  • 宍粟市立神戸小学校(2018年3月31日、染河内小と統合し宍粟市立はりま一宮小学校へ)[5]
  • 宍粟市立染河内小学校(2018年3月31日、神戸小と統合し宍粟市立はりま一宮小学校へ)

交通

鉄道

現在市内には鉄道は通っておらず、淡路島を除けば県内の市で唯一鉄道の通っていない市となっている。また、過去においても旧波賀町に波賀森林鉄道が存在しただけで、一般の鉄道が通ったことがない。

その他

  • 2006年(平成18年)8月5日に国見の森公園が開園し、園内にミニモノレール(スロープカー)が建設されている。
    • 山麓駅 - 山上駅

一般路線バス

高速バス

道路

高速道路

ファイル:Yamasakitown Funamoto Shisocity Hyogopref Chugoku Expressway.JPG
山崎インターチェンジの付近
山崎町船元で撮影

国道

ファイル:Yamasakitown Yamada Shisocity Hyogopref Route 29 No,2.JPG
市の中心部を縦断する国道29号
山崎町山田で撮影
  • 国道29号 市中心部を経由し、山崎、一宮、波賀の3町を縦断的に結ぶ。当市における南北の交通軸として位置づけられている。
  • 国道429号 千種、波賀、一宮の3町を横断的に結ぶ。市北部の生活道路としての機能を期待されていて、改良工事が進んでいる。
  • 国道29号と429号は、波賀町上野で交差し、数百メートル重複する。

県道

道の駅

名所・旧跡・観光スポット・祭事・催事

山崎町

一宮町

波賀町

波賀城史跡公園

千種町

温泉

出身著名人

ゆかりの人物

その他

トピックス等

郵便番号

  • 山崎町・姫路市安富町
  • 一宮町・波賀町
    • 播磨一宮郵便局:671-41xx、671-42xx
  • 千種町
    • 千種郵便局:671-32xx

参考文献

  • 『図典 日本の市町村章』 小学館辞典編集部、小学館、2007-01-10、初版第1刷。ISBN 4095263113。

脚注

注釈・出典

外部リンク