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阿武隈川

阿武隈川
水系 一級水系 阿武隈川
種別 一級河川
延長 239 km
平均流量 117 m³/s
(舘矢間観測所 1966-2009年平均)
流域面積 5,390 km²
水源 旭岳(福島県)
水源の標高 1,835 m
河口・合流先 太平洋(宮城県)
北緯38度02分47秒
東経140度55分20秒
流域 日本の旗 日本
福島県宮城県
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ファイル:AbukumaGawa20070323.jpg
郡山市郊外を流れる阿武隈川、河川改修前の河道跡が残る。
ファイル:20090329阿武隈大堰.jpg
角田盆地から仙台平野へ抜ける阿武隈川と阿武隈大堰。
ファイル:TorinoUmi.JPG
阿武隈川河口部拡大写真と旧河口跡鳥の海。画像下中央貞山運河が接続する。
福島県中通り地方の郡山市を流れる阿武隈川。分水嶺である奥羽山脈日本海へ注ぐ阿賀川水源のひとつ猪苗代湖を望む。
ファイル:ShirakawaCity.jpg
阿武隈川上流域、国道4号東北自動車道東北本線東北新幹線が集中する。
(2007年1月撮影)「解説付き画像

阿武隈川(あぶくまがわ)は、福島県および宮城県を流れる阿武隈川水系の本流で、一級河川[1]である。水系としての流路延長239kmは、東北地方で北上川に次ぐ長さの川である。古くは大隈川と呼ばれていた。

地理

那須岳の1つ三本槍岳のすぐ北に位置する福島県西白河郡西郷村の甲子旭岳に源を発し東へ流れる。白河市に入り西白河郡中島村付近で北に流れを変えると、須賀川市郡山市福島市と福島県中通りを縦貫して北に流れる。

福島県と宮城県の境界付近では、阿武隈高地渓谷を抜ける。この区間を並走する国道349号は、待避所のある1車線の険しい道路となっている。宮城県伊具郡丸森町角田盆地に入り、角田市を流れて仙台平野に出る。現在は岩沼市亘理町の境で太平洋に注ぐが、古代の旧河口は現在の鳥の海である。

勾配がゆるやかな川で穏やかな印象があるが、増水時にはあふれやすく洪水被害の絶えない暴れ川でもある。1986年には台風による増水で大規模な洪水が起こっているほか、2011年には津波の逆流により大規模な海嘯が発生している。

流域の市町村

福島県
西白河郡西郷村白河市、西白河郡泉崎村中島村石川郡石川町、西白河郡矢吹町、石川郡玉川村岩瀬郡鏡石町須賀川市郡山市本宮市安達郡大玉村二本松市福島市伊達市、伊達郡桑折町国見町
宮城県
伊具郡丸森町角田市柴田郡柴田町亘理郡亘理町岩沼市

流域の観光地

並行する交通

鉄道

道路

アミメカゲロウの大発生

阿武隈川の中流域、福島盆地内では、1980年代から毎年9月ごろになるとアミメカゲロウが大発生している[2]。カゲロウが橋上へ大量に落下し、がスリップするなどの事故が発生する危険があるため、通行する際には注意が必要である。国土交通省福島河川国道事務所は周辺の橋梁に集虫灯を設置し、また橋上に死骸が落下するのを最小限に抑える対策として晩夏初秋には橋の夜間照明を消灯する橋がある。

ファイル:Abukumagawa Fukushima.jpg
福島市中心部を流れる阿武隈川
福島県伊達市梁川町五十沢(いさざわ)の白鳥越冬地(2008年3月15日撮影)。阿武隈川には多数の白鳥越冬地がある。
ファイル:AbukumaGawa2005-4a.jpg
阿武隈川下流(角田市、2005年4月)

歴史

かつては河川舟運が盛んに行われていた。

きっかけは1664年に福島県の伊達郡信夫郡一帯が天領になり、年貢米(御城米)を江戸へ移送する必要が生じたことによる。移送を請け負った江戸商人、渡辺友以は天領と仙台藩の境にあった難所を拡幅し、長良川で使用されていた小舟(小鵜飼船)を導入したことにより舟運を可能にした。その後、1671年には幕府の依頼により河村瑞賢がさらなる河川改修を行っている[3]元禄時代以降は、福島から丸森までは小型船で、丸森で荷を移し替えて下流へは大型船による運行という棲み分けができた。明治時代に入ると、さらに河道改修が行われ、丸森で乗り換えは要するものの蒸気船が運行されるようになった。明治17年当時の運行会社である逢隈川汽船会舎のチラシによれば、朝6時に福島を出発し、藤場(岩沼)で乗合馬車に乗り換え、夕方6時に仙台に着く行程が設定されていた。同区間には、陸路で馬車が運行されており競合相手となっていたが、いずれも東北本線が開通すると姿を消した[4]

また、江戸時代に阿武隈川河口から名取川河口の間に木曳堀と呼ばれる水路が開削され、物流に用いられた。阿武隈川や白石川流域で伐採された木材が、木曳堀を経由して仙台の城下郊外まで運搬されたのだろうと推測されている[5][6]。明治時代に、木曳堀を含めて仙台湾沿岸の運河整備が行われ、貞山運河、東名運河、北上運河が完成し、阿武隈川はこれらの運河群を通じて、松島湾の塩竈や、鳴瀬川北上川と結ばれることになった[7]。1960年代後半、仙台港の建設のために貞山運河の一部が埋め立てられたため、現在、阿武隈川から貞山運河で通じているのは七北田川河口部までである[8]


阿武隈川水系の主要河川

福島県
宮城県
  • 内川
  • 雉子尾川
  • 小田川
  • 半田川
  • 高倉川
  • 白石川
    • 大深沢川
    • 河原子沢川
    • 松川(福島県の松川とは別)
    • 荒川(福島県の荒川とは別)

橋梁

脚注

  1. 国土交通大臣一級河川として指定した区間は、左岸が福島県西白河郡西郷村大字鶴生字江森山3番地先、右岸が福島県西白河郡西郷村大字真船字寺下3番のイ地先から河口まである。そのうち、福島県の管理区間は、岩瀬郡鏡石町と西白河郡矢吹町境から左岸が須賀川市大字前田川字滝下、右岸が石川郡玉川村大字滝崎までで、国の管理区間は、須賀川市前田川字深田22番の1地先の国道橋から宮城県河口までである。
  2. カゲロウが大発生する模様は、1985年8月29日に『NHK特集』で「カゲロウ大発生 〜'85秋・阿武隈川異変〜」と題して放送された。
  3. 亘理町『亘理町史』p283
  4. 岩沼市『岩沼市史』p723
  5. 『仙台市史』通史編3(近世1)328-330頁。
  6. 『岩沼市史』717頁。
  7. 『仙台市史』通史編6(近代1)104頁。
  8. 『仙台市史』特別編9(地域史)197頁。

参考文献

  • 岩沼市史編纂委員会 『岩沼市史』 岩沼市、1984年。
  • 仙台市史編さん委員会 『仙台市史』通史編3(近世1) 仙台市、2001年。
  • 仙台市史編さん委員会 『仙台市史』特別編9(地域史) 仙台市、2014年。

関連項目

外部リンク