ラーオダメイア
ラーオダメイア(古希: Λαοδάμεια, Lāodameia, ラテン語: Laodamia)は、ギリシア神話の女性である。ラテン語ではラオダミーア。長母音を省略してラオダメイア、ラオダミアとも表記される。同名の女性が複数おり、
の他、アルクマイオーンの娘、アミュークラースの娘などが知られている。
Contents
ベレロポーンの娘
この女性は、リュキア王イオバテースの娘ピロノエーと英雄ベレロポーンの娘で、イーサンドロス、ヒッポロコスと兄弟。ゼウスに愛されてサルペードーンの母になったが、女神アルテミスに射殺されたという。 テンプレート:シーシュポスの系図
アカストスの娘
この女性はイオールコス王アカストスとアステュダメイアの娘で、イーピクロスの子プローテシラーオスの妻。
ラーオダメイアはプローテシラーオスと結婚したが、夫はすぐにトロイア戦争に出兵することになり、そして早々に戦死してしまった。この死の原因は、新居の建設にさいし、神々に犠牲を供えることを怠ったためであるという。
ラーオダメイアは夫が死んだと聞いても忘れることが出来ず、夫にそっくりな像を作って交わった。憐れに思った神々はヘルメースに命じてプローテシラーオスを冥府から連れ戻してやった。ラーオダメイアは夫がトロイアから無事生還したと思って喜んだが、冥府に戻されたとき絶望して自ら死んだ。
またラーオダメイアは夫の訃報を聞いたとき、神々に願って3時間だけ夫と話をすることを許されたともいわれる。しかし3時間がたつと夫は再び冥府に戻された。ラーオダメイアは悲しみに耐えられず、夫にそっくりな青銅の像を作って自室に運び、神々の祭祀に見せかけて供物を供えながら、密かに像を抱きしめたり、キスしたりしていた。しかしその様子を使用人に見られ、人々を偽っていたことが露見し、父アカストスは娘のためを思って青銅の像を燃やしたが、ラーオダメイアはその火に飛び込んで焼け死んだという。
参考文献
- アポロドーロス『ギリシア神話』高津春繁訳、岩波文庫(1953年)
- ヒュギーヌス『ギリシャ神話集』松田治・青山照男訳、講談社学術文庫(2005年)
- 高津春繁『ギリシア・ローマ神話辞典』、岩波書店(1960年)