野木町
野木町(のぎまち)は、栃木県の南の玄関口とも呼ばれ、下都賀郡に属する町である。北に位置する小山市や、南に位置する茨城県古河市との交流が盛んである。通勤率は、古河市へ18.8%、東京都特別区部へ13.1%、小山市へ12.4%(いずれも平成22年国勢調査)。
もともと農業が盛んな町であったが、東京より約60キロと比較的近い地点に位置することもあり、近年は都心方面のベッドタウン化が進んでいる。また、優良な工業地としても発展を続けている。
森昌子が町賛歌と音頭の歌唱を担当している。
Contents
地理
隣接する自治体
歴史
- 1183年(寿永2年)2月23日 - 小山朝政・小山宗政、野木宮合戦において志田義広軍を破る。
- 1806年(文化3年)2月23日 - 野木神社消失する。
- 1869年(明治2年)12月 - 野木町域が古河県に属す。
- 1871年(明治4年)11月14日 - 寒川・都賀郡が栃木県の管轄下となる。野木町域も古河県より栃木県に移管される。
- 1872年(明治5年)
- 1873年(明治6年)
- 1976年(明治9年)4月 - 友沼村を区画整理により第一大区第六小区と改める。
- 1878年(明治11年)7月22日 - 郡区町村編制法制定に伴い、栃木県都賀郡を下都賀郡と上都賀郡に分割。野木町域は下都賀郡に属す。
- 1879年(明治12年)8月16日 - 友沼村に郵便取扱事務所を置く。
- 1887年(明治20年)4月1日 - 小学校令により野木町域は十二学区二五番学区となる。
- 1889年(明治22年)4月1日 - 町村制施行に伴い友沼村、野木宿、野渡村、南赤塚村、中谷村、丸林村、潤島村、佐川野村、川田村、若林村の10ヶ村を合併し、下都賀郡野木村となる。友沼宿通り107番地(法音寺境内)に役場設置。[1][2]
- 1890年(明治23年)12月19日 - 村役場を大字丸林字茶塚に移転する。
- 1931年(昭和6年)5月16日 - 友沼郵便取扱所が開設される。
- 1934年(昭和9年)9月11日 - 野木村に電話開通する。
- 1947年(昭和22年)11月 - 野木村立野木中学校発足。
- 1963年(昭和38年)
- 1973年(昭和48年)8月20日 - 町役場を現在地に新築移転。
- 1982年(昭和57年) - 野木ローズタウン分譲開始。
- 1988年(昭和63年)10月4日 - 野木町立図書館開館。
- 1992年(平成4年)- 第1回ひまわりフェスティバル開催。
- 2004年(平成16年)2月1日 - 小山市と境界変更。
- 2016年(平成28年)5月10日 - 旧下野煉化製造会社煉瓦窯が野木町交流センター“野木ホフマン館”として開館。
江戸期には古河藩に属し、「古河の3宿」の1つ、日光街道の野木宿として発展を見た。しかし領域は古くから泥湿地であり、なかなか人口の集積は起こらなかった。東北本線(宇都宮線)の野木駅ができたのも、1963年と同線の中では歴史が浅く、かつては陸の孤島と呼ばれたほどである。
野木ローズタウンの分譲が開始された1980年代からは野木駅やローズタウンを中心に東京方面への通勤者を抱えるベッドタウンが形成されている。平成17年国勢調査に基づいたデータでは栃木県の市町村で唯一東京都市圏(都市雇用圏)に属すなど雇用の都心志向がみられる[3]。なお、平成22年国勢調査に基づいたデータでは古河都市圏に組み込まれている[4]。
変遷表
野木町町域の変遷表(※細かい境界の変遷は省略) | ||||||
---|---|---|---|---|---|---|
1868年 以前 |
明治元年 - 明治22年 | 明治22年 4月1日 |
明治22年 - 昭和64年 | 平成元年 - 現在 | 現在 | |
本野木町 | 野木宿 | 野木村 | 昭和38年1月1日 野木町 |
野木町 | 野木町 | |
新野木町 | ||||||
友沼村 | ||||||
潤島村 | ||||||
若林村 | ||||||
佐川野村 | ||||||
赤塚村 | 明治12年 南赤塚村 | |||||
中谷新田 | 明治6年 中谷村 | |||||
丸林村 | ||||||
野渡村 | ||||||
川田村 |
栃木県内の自治体で1889年の町村制施行以降において一度も市町村合併を経験していないのは現在では野木町だけである(ただし、境界変更は経験している)。
人口
野木町(に相当する地域)の人口の推移 | |
総務省統計局 国勢調査より |
- 1920年(大正9年)…7,982人
- 1925年(大正14年)…8,025人
- 1930年(昭和5年)…8,238人
- 1935年(昭和10年)…8,649人
- 1940年(昭和15年)…8,737人
- 1947年(昭和22年)…11,129人
- 1950年(昭和25年)…11,018人
- 1955年(昭和30年)…10,575人
- 1960年(昭和35年)… 9,974人
- 1965年(昭和40年)…10,339人
- 1970年(昭和45年)…11,983人
- 1975年(昭和50年)…14,015人
- 1980年(昭和55年)…16,454人
- 1985年(昭和60年)…18,983人
- 1990年(平成2年) …23,676人
- 1995年(平成7年) …26,489人
- 2000年(平成12年)…26,674人
- 2005年(平成17年)…25,907人
- 2010年(平成22年)…25,720人
行政
歴代首長
- 野木町長
代 | 氏名 | 就任 | 退任 | 備考 |
---|---|---|---|---|
1 | 三橋慶作 | 1963年(昭和48年)1月1日 | 1963年(昭和38年)4月30日 | |
2 | 渡辺匠治 | 1963年(昭和38年)5月1日 | 1975年(昭和50年)4月30日 | |
3 | 岩崎清二 | 1975年(昭和50年)5月1日 | 1979年(昭和54年)4月30日 | |
4 | 舘野安雄 | 1979年(昭和54年)5月1日 | 1987年(昭和62年)4月30日 | |
5 | 金澤豊 | 1987年(昭和62年)5月1日 | 2003年(平成15年)4月30日 | |
6 | 永田元一 | 2003年(平成15年)5月1日 | 2008年(平成20年)7月16日 | |
7 | 真瀬宏子 | 2008年(平成20年)8月24日 | 現職 |
出典:『野木町史 歴史編』, p. 880、[5]
財政
年度 | 歳入 | 歳出 | 収支 |
---|---|---|---|
2001 | 6.90037 | 6.24426 | 0.65611 |
2002 | 6.81367 | 6.13373 | 0.67994 |
2003 | 7.08978 | 6.38097 | 0.70881 |
2004 | 7.60083 | 6.9363 | 0.66453 |
2005 | 7.25394 | 6.51028 | 0.74366 |
2006 | 7.91704 | 7.24642 | 0.67062 |
2007 | 6.45694 | 5.94629 | 0.51065 |
2008 | 6.3649 | 5.7929 | 0.572 |
2009 | 7.06292 | 6.67735 | 0.38557 |
2010 | 7.35847 | 6.73062 | 0.62785 |
2011 | 7.02580 | 6.43268 | 0.59312 |
2012 | 7.02997 | 6.62377 | 0.40620 |
2013 | 7.33173 | 7.06151 | 0.27022 |
2014 | 7.64420 | 7.29849 | 0.34571 |
2015 | 9.24839 | 8.82043 | 0.42797 |
年月日 | 一般会計 事業債 |
農業集落 排水事業債 |
下水道 事業債 |
水道事業債 | 町営墓地 事業債 |
野木東工業 団地周辺 開発事業債 |
総額 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
2006-09-30 | 3.7702 | 0.58444 | 3.59688 | 1.14717 | 9.09869 | ||
2007-09-30 | 4.1454 | 0.5573 | 4.21158 | 1.1609 | 10.07518 | ||
2008-09-30 | 4.10268 | 0.53294 | 4.26556 | 1.15616 | 10.05734 | ||
2009-03-31 | 4.19444 | 0.52065 | 4.32322 | 1.14416 | 10.18247 | ||
2010-03-31 | 4.25543 | 0.49735 | 4.29659 | 1.15025 | 10.19962 | ||
2011-03-31 | 3.94228 | 0.47525 | 4.11083 | 1.11284 | 0.0691 | 9.7103 | |
2012-03-31 | 4.65887 | 0.45294 | 4.11712 | 1.11749 | 0.06142 | 10.40784 | |
2013-03-31 | 4.38088 | 0.43015 | 4.28032 | 1.07369 | 0.05375 | 10.21879 | |
2014-03-31 | 4.94059 | 0.40687 | 4.28534 | 1.02757 | 0.03500 | 10.58827 | |
2015-03-31 | 5.23086 | 0.38309 | 4.23788 | 0.98171 | 0.03111 | 10.86465 | |
2016-03-31 | 6.04063 | 0.35881 | 4.23852 | 0.93710 | 0.33810 | 11.91316 |
警察
町内全域を小山警察署が管轄。
- 栃木県警小山警察署 野木交番 住所:下都賀郡野木町大字丸林383番地16
- 栃木県警小山警察署 佐川野駐在所 住所:下都賀郡野木町大字佐川野493番地4
消防
1985年4月1日より常備消防事務を小山市消防本部に委任し、同本部が町内の消防を担当している。
- 小山市消防本部 野木分署 住所:下都賀郡野木町大字丸林149
地域
町名一覧
- 大字潤島(うるうじま)
- 大字川田(かわだ)
- 大字佐川野(さがわの)
- 大字友沼(ともぬま)
- 大字中谷(なかや)
- 大字野木(のぎ)
- 大字野渡(のわた)
- 大字丸林(まるばやし)
- 大字南赤塚(みなみあかつか)
- 大字若林(わかばやし)
教育
中学校
- 野木町立野木中学校
- 野木町立野木第二中学校
小学校
- 野木町立佐川野小学校
- 野木町立新橋小学校
- 野木町立友沼小学校
- 野木町立野木小学校
- 野木町立南赤塚小学校
郵便
郵便番号は「329-01xx」が該当する。集配局は町内全域が野木郵便局の管轄となる。
郵便局
- 野木郵便局(07145)
- 野木駅東口郵便局(07314)
電話番号
町内全域が古河MAの管轄となり、市外局番は「0280」。収容局は以下のビルが該当し、市内局番は以下の通り。
- 新野木局:54、55、56、57
文化
交通
鉄道
道路
路線バス
町域内にはバス路線は存在しない。
観光
- 野木神社
- 満福寺
- 観音寺 - 中谷251番地。葛飾坂東観音霊場において巡礼の対象になっている。
- 野木町交流センター“野木ホフマン館”[7]、旧下野煉化製造会社煉瓦窯 - ホフマン窯、重要文化財
- ひまわりフェスティバル - 約4.3ha・約20万本・高さ約2メートルのひまわり。特設会場には大迷路や展望台もある[8]。
- 渡良瀬遊水地 - ラムサール条約登録湿地
野木ブランド
野木ブランド認定事業において、町に認定された製品・商品[9]。
- ひまわり油
- 銘菓ひまわり娘 - ひまわりの種を使用した菓子。
- ひまわりパイ - ひまわりの種を使用した菓子。
- ひまわりサブレー - ひまわり油を使用した菓子。
- ひまわりバーガー - ひまわりの種を使用したハンバーガー。
- ひまわりパン - ひまわりの種を使用したパン。
- ひまわりラスク - ひまわりをイメージしたラスク。
- ひまわりピッツァ - ひまわりをイメージしたピザ。
- 煉瓦サンド - 煉瓦に見立てたサンドイッチ。
- のんちゃんクッキー - 町のゆるキャラ「のぎのん」のイラストを焼印した菓子
- 栗入りどらやき - 町のゆるキャラ「のぎのん」や野木町煉瓦窯のイラストを焼印した菓子。
- のぎあかり - 町で栽培された二条大麦を使用した日本酒。
- 遊水地のよしず - 渡良瀬遊水地内のヨシを使用したすだれ。
- 野木の花火 - 大字川田に所在する田熊火工で造られた打ち上げ花火。
出身有名人
- 岩崎万次郎(政治家)
- つぶやきシロー(お笑い芸人)
- 酒井若菜(女優)
- 小島秀仁(サッカー選手・ジェフユナイテッド千葉)
- 小島聖矢(サッカー選手・タイ ウボン・UMT・ユナイテッド)
- 高木和徹(サッカー選手・ジェフユナイテッド千葉)
- 愚乱・浪花(プロレスラー)
ゆかりのある有名人
- 依田英将(北海道テレビ放送・アナウンサー)長野県生まれ、野木町育ち。
- 大沢幸広(NHK放送センター・アナウンサー)埼玉県吉川市生まれ、野木町育ち。
- 藤田雄大(熱気球競技選手、日本人初の熱気球世界選手権優勝者)千葉県生まれ、野木町育ち・在住。野木町町民栄誉賞受賞。野木町観光大使委嘱。
- 海老沼聖(柔道家(73kg級))小山市出身。かつて野木町柔道クラブに所属。
- 海老沼毅(柔道家)小山市出身。かつて野木町柔道クラブに所属。
- 海老沼匡(柔道家(66kg級))小山市出身。かつて野木町柔道クラブに所属。
- 高藤直寿(柔道家(60kg級))下野市出身。かつて野木町柔道クラブに所属。
脚注
- ↑ 角川日本地名大辞典編纂委員会『角川日本地名大辞典 9 栃木県』、角川書店、1984年 ISBN 4040010906より
- ↑ 日本加除出版株式会社編集部『全国市町村名変遷総覧』、日本加除出版、2006年、ISBN 4817813180より
- ↑ 2005年国勢調査に基づく都市雇用圏について (PDF) p. 11 - 地域経済研究会(第2回)-配付資料 経済産業省、2016年5月25日閲覧。
- ↑ 2010年版大都市雇用圏地図 - 東京大学空間情報科学研究センター、2016年5月25日閲覧。
- ↑ 70 歴代四役、議長、副議長 (PDF) p1. - 野木町公式ホームページ、2016年5月25日閲覧。
- ↑ 6.0 6.1 野木町『広報のぎ』http://www.town.nogi.lg.jp/page/page000614.html , http://www.town.nogi.lg.jp/page/page000230.html
- ↑ 野木町交流センター“野木ホフマン館” - 野木町公式ホームページ、2016年5月26日閲覧。
- ↑ 読売新聞栃木版 2017年7月29日 29面。
- ↑ 「野木ブランド」認定商品 - 野木町公式ホームページ、2016年5月26日閲覧。
参考文献
- 『野木町史 歴史編』 野木町、1989年3月1日発行。
- 『野木町の歴史』 大西政男、1983年6月1日発行。
関連項目
外部リンク