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ケクロプス

ファイル:Cécrops Meyers.png
アテーナイの初代の王ケクロプス。

ケクロプス古希: Κέκροψ, Kekrops)とはギリシア神話の人物である。主に、

の2名が知られており、いずれもアテーナイの王である。以下に説明する。

アテーナイの初代の王

このケクロプスアッティカの初代の王[1][2](2代目の王[1]とも)である。父王エレクテウスの精を受けた大地(ガイア)から生まれ、姿は下半分が蛇、上半分が人間である[1][3]エジプト出身ともいわれる。アクタイオスの娘アグラウロスとの間に、エリュシクトーンアグラウロスヘルセーパンドロソスEnglish版をもうけた。

ケクロプスの治世中に、アテーナー神とポセイドーン神がどちらかを守護神として選べと迫ったとき、知恵深く、思慮深い王は国民に相応しい贈り物を贈った方を守護神にするとした。ポセイドーンが塩水の泉を作り、アテーナーはオリーヴを植えた。国民は、アテーナーを選び、アテーナーを守護神にすることに決めた。以降アッティカ王は国の名をアッティカからアテーナイと変更したのである[注釈 1]。しかし息子のエリュシクトーンが子を残さずに若いうちに死んだため、アテーナイの王位はクラナオスに渡った。

またケクロプスの娘たちはアテーナーからエリクトニオスの入った箱を預けられたとき、中を見ることを禁じられたにもかかわらず、箱を開けて見てしまい、エリクトニオスを守っていた蛇か、あるいはアテーナーの怒りにふれて滅びたという。

エレクテウスの子

このケクロプスはアテーナイ王エレクテウスとプラークシテアーの子で、パンドーロス、メーティオーン、プロクリスクレウーサオーレイテュイアと兄弟。エウパラモスの娘メーティアドゥーサとの間にパンディーオーンをもうけた。

父エレクテウスはアテーナイとエレウシースが戦争になったとき、自分の娘を犠牲にしてエレウシースに味方したトラーキアエウモルポスを殺した。しかしこれがポセイドーンの怒りを招き、エレクテウスは滅ぼされた。このため息子のケクロプスと兄弟たちの間で王位をめぐって争いが起き、クレウーサの夫クスートスが裁定を下してケクロプスを王とした。しかし後にメーティオーンの息子たちが内乱を起し、息子のパンディーオーンはメガラへ、ケクロプス自身はエウボイア島に亡命した。 テンプレート:パンディーオーンの系図

脚注

注釈

  1. 異伝では、アッティカから崇拝を受ける権利をポセイドーンとアテーナーが争い、まずポセイドーンが自分の三叉の矛を用いてアッティカのアクロポリスの中央に泉を生じさせた。次にアテーナーがアッティカにオリーブの木を植えたが、アテーナーはケクロプスに対し、彼女が先に木を植えたと証言するよう命じた[2]。2神の争いを神々が審判することになると、ケクロプスはアテーナーに有利な証言をした。アッティカはアテーナーのものとなり、「アテナイ」と呼ばれるようになった[2][3]。ケクロプスはアテナイの王になると、アテーナーを崇拝するよう人々に勧めた[2]他、冠婚葬祭の改革や法の整備などに尽力した[2][3]

出典

  1. 1.0 1.1 1.2 土井 (2013)、222頁。
  2. 2.0 2.1 2.2 2.3 2.4 松平 (2005)、88頁。
  3. 3.0 3.1 3.2 ローズ,松村訳 (2004)、172頁。

参考文献

  • 土井裕人 「ケクロプス」『神の文化史事典』 松村一男、平藤喜久子、山田仁史編、白水社、2013-02。ISBN 978-4-560-08265-2。
  • 松平俊久 「ケクロプス」『図説ヨーロッパ怪物文化誌事典』 蔵持不三也監修、原書房、2005-03、88-89。ISBN 978-4-562-03870-1。
  • ローズ, キャロル 「ケクロプス」『世界の怪物・神獣事典』 松村一男監訳、原書房〈シリーズ・ファンタジー百科〉、2004-12、172-173。ISBN 978-4-562-03850-3。
  • 高津春繁 『ギリシア・ローマ神話辞典』 岩波書店、1960-02、120-121頁。全国書誌番号:98031558NCID BN01658789
  • 「世界のドラゴン」を追究する会 『よくわかる「世界のドラゴン」事典 - サラマンダー、応竜から、ナーガ、八岐大蛇まで』 ブレインナビ編、廣済堂出版〈広済堂文庫 セ-6-1 ヒューマン文庫〉、2007-11。ISBN 978-4-331-65421-7。

関連項目