正十二面体

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ファイル:Dodeca.jpg
正十二面体投影図(辺心図)

正十二面体(せいじゅうにめんたい、: regular dodecahedron)は立体の名称の1つ。空間正五角形12枚で囲んだ凸多面体

性質

  • 辺30本、頂点20個からなる。
  • 向かい合う面は平行である。
  • 正二十面体とは双対の関係にある。
  • 正多面体の一種。
  • ねじれ双五角錐の両頭頂点を切った立体の、特殊な形。
  • 正十二面体の一辺と外接立方体の一辺の比はおよそ 1 : 2.618
  • 二面角 116.56505° = arccos(−1/5)
  • 展開図の数は43380種類。

計量

面の面積 [math] A={1\over4}\sqrt{25+10\sqrt5}\,a^2[/math]
表面積 [math] S=12A=3\sqrt{25+10\sqrt5}\,a^2[/math]
体積 [math] V=\frac{1}{3}Sr={1\over4}(15+7\sqrt5)a^3[/math]
最長対角線の長さ [math] d={1\over2}{(\sqrt{15}+\sqrt{3})a}[/math]
外接球半径 [math] R=\frac{d}{2}={1\over4}{(\sqrt{15}+\sqrt{3})a}[/math]
内接球半径 [math] r=\sqrt{25+11\sqrt{5}\over40}\,a[/math]

頂点の座標

20個の頂点の標準的な座標の一つは次の通り。ここで φ黄金比 (1 + 5)/2 である。

  • (±1, ±1, ±1) (複号任意) の8個
  • (0, ±φ−1, ±φ) (複号任意) の全ての偶置換 12個

正十二面体の作り方

  • 正十二面体は、立方体から簡単に作ることのできる正多面体である。
  • 正十二面体も切稜立方体と同様、立方体の12の稜を一様に切り取って作る。それは、投影図が、直交する3方向に現れることに基づいている。投影図は100ミリの立方体から切り取る部分の寸法を示しているが、これは黄金比にあたる。
  • 切り取る三角形の赤丸の角度が切稜の角度になる。約31.7度である。

立方体から正十二面体を作る様子

発泡スチロールカッターを使って立方体から正十二面体を作る様子を示す。

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X軸まわりの切稜
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Y軸まわりの切稜
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Z軸まわりの切稜
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立方体切稜による正十二面体の完成

正十二面体の証明

ファイル:原論13-17図.gif
原論』第13巻の定理17の図

ユークリッド原論』第13巻の定理17においては、立方体の一辺を対角線の一つとする五角形のひさしをかけることによって、この五角形が等辺にして一平面上にありかつ等角であることが証明されている[1]

正十二面体をつくり,先の図形のように球によってかこみ,そして正十二面体の辺が余線分とよばれる無理線分であることを証明すること。 — 『ユークリッド原論』第13巻の定理17[2]

図に示したように、『ユークリッド原論』第13巻の定理17の説明[1]にあるギリシア文字ラテン文字に変更して述べると以下のようになる。

 先に述べた立方体の互いに垂直な二つの面 ABCD、CBEF が定められ、辺 AB,BC,CD,DA,EF,EB,FC のおのおのが G,H,K,L,M,N,O において2等分され,GK HL,MH,NO が結ばれ,NP,PG,HQ のおのおのが点 R,S,T において外中比に分けられ,RP,PS,TQ がそれらの大きい部分とされ,点 R,S,T から立方体の面に垂直に立方体の外側の方向に RU,SV,TW が立てられ,RP,PS,TQ に等しくされ,UB,BW,WC,CV,VU が結ばれたとせよ。五角形 EBWCV は等辺にして一平面上にありかつ等角であると主張する。 — 『ユークリッド原論』第13巻の定理17[3]

脚注

関連項目

参考文献

外部リンク


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