国道36号

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ファイル:R36(1).jpg
福住駅周辺から千歳方面を見た様子。画像正面奥に見えるのは札幌ドーム
ファイル:Kokudo36go2004-10-8.jpg
恵庭バイパス(2004年10月)

国道36号(こくどう36ごう)は、北海道札幌市から室蘭市へ至る一般国道である。道央自動車道が並走している。

車線数は一部区間を除いて4車線以上となっている。また、道央道北広島IC付近は、中央の車両通行帯が時間帯によって上り線、下り線へと変更するリバーシブルレーンを採用している。

すすきの交差点(すすきの)・ルネッサンスホテル前交差点は北海道内有数の事故多発交差点になっている[1][2]

建設は難航を極め、特に白老・千歳間で多くの犠牲者を出し、工業都市ゆえの大型車両により、事故死亡者数が長らく日本一だったこともあり、棺桶街道という不名誉な呼び名がついた時期もあった。

概要

所管

  • 札幌開発建設部
    • 札幌道路事務所:札幌市中央区北1条西3丁目(北1西3起点) - 札幌市清田区・北広島市界
    • 千歳道路事務所:札幌市清田区・北広島市界 - 千歳市・苫小牧市界
  • 室蘭開発建設部
    • 苫小牧道路事務所:千歳市・苫小牧市界 - 苫小牧市・白老町界
    • 室蘭道路事務所:苫小牧市・白老町界 - 室蘭市海岸町1丁目(終点)

歴史

北海道開拓時代の初期は鹿道と呼ばれ、札幌市立月寒小学校から札幌第一高等学校福住北海道農業研究センター付近を通り千歳市まで至る狩猟の道であった。

1873年(明治6年)に函館 - 札幌間に新道が完成。2年前の1871年(明治4年)に北海道開拓次官[注釈 2]黒田清隆に招かれて来日した米国農務局長官だったホーレス・ケプロンの献策により、函館から千歳を経由して札幌に向かう日本初の西洋式馬車道が誕生した[4]。この道は同年11月5日太政官布告第364号により、札幌本道(さっぽろほんどう)と定められた。札幌本道は函館からまで現5号、森から室蘭までは航路、室蘭から札幌まで現36号のルートをとるものであった。室蘭から札幌までは室蘭街道(むろらんかいどう)とも呼ばれた。札幌本道は1885年(明治18年)の内務省告示第6号「国道表」で国道42号「東京より札幌県に達する路線」に指定された。

1907年(明治40年)5月13日に国道42号、国道43号のルートが変更され、国道42号は現在の国道5号のルートとなった。国道43号(東京より根室県に達する路線)は青森 - 室蘭間の航路を経由して旭川第七師団に至る路線(東京より第七師団に達する路線)に変更されたが、現36号のルートをとるのは室蘭 - 苫小牧間のみで、苫小牧からは室蘭本線に並行する現在の国道234号岩見沢以北は国道12号のルートであった。この結果、苫小牧 - 札幌間は国道から外された(改正後の国道表)。

1920年(大正9年)施行の旧道路法に基づく路線認定では、旧43号がそのまま国道28号「東京市より第七師団司令部所在地(旭川区)に達する路線(乙)」となった。

1952年(昭和27年)12月4日、新道路法に基づく路線指定で、一級国道36号(北海道札幌市 - 北海道室蘭市)が指定された。1907年以前の国道42号の室蘭 - 札幌間が復活した形となった。これに先立つ同年10月から札幌・千歳間の改修による舗装工事が始まり、翌1953年(昭和28年)11月2日に34.5キロメートルの工事が完了した[5]。この区間は道幅7.5 m・最高設計速度75 km/h という高規格道路基準で建設され、約13カ月間の突貫工事ぶりに由来し、弾丸道路(だんがんどうろ)と呼ばれた[5][6][注釈 3]

元々は、千歳空港真駒内に置かれていた占領軍キャンプを結ぶ道で、舗装整備もされていなかったために、車両が通れば砂埃が巻き上げられ、冬季は凍結して春先に溶解して泥濘路になるという有様であった[8][9]。改修工事が行われた際に、当時コンクリート舗装が主流だった時代としては珍しく、アスファルト舗装が採用され、日本の舗装の歴史上で特筆するべき点となった[5][9]。アスファルト舗装を採用した背景にはメンテナンスの容易さとコスト低減、北海道の舗装道路において悩みの種となっていた「凍上」(厳しい寒さによって地中の水分が凍って地面を盛り上げる現象。雪解け時に舗装を破損させる要因となっていた)対策が背景にあった[10]。舗装下の凍土対策として、火山灰を抑制剤として使用し、工期短縮のため大規模な機械を取り入れて、細かな工区割りで作業が行われるという当時としては画期的だった方式で工事が実行され、寒冷地での道路建設のモデルケースにもなった[8][9]。最初は軍用道路と非難を浴びながらの工事だったが、道路が完成し一級国道36号が開通した時には新聞の見出しに「弾丸道路」がうたわれ、完成後は一般車両の通行が大部分を占めるようになり、道内の産業・経済の発展に貢献する道路となった[8]

1965年(昭和40年)4月1日、道路法改正によって一級・二級の別がなくなり一般国道36号となった。1967年(昭和42年)頃は、千歳市美々から登別市鷲別町までの一部区間で、制限速度が70km/hに設定されていた[11]

路線状況

バイパス

道路名・名称

  • 室蘭街道
  • 室蘭国道
  • 札幌駅前通(札幌市内)
  • 月寒通(札幌市内)
  • 美沢錦岡通(苫小牧市内)
  • 明野南通(苫小牧市内)
  • 大通(苫小牧市内)
  • 苫小牧白老通(苫小牧市内)

重複区間

  • 国道235号:苫小牧市沼ノ端 - 室蘭市海岸町1丁目、終点

道路施設

橋梁

  • 豊平橋
  • 月寒橋
  • 島松沢橋
  • 恵み野こ線橋
  • 恵庭大橋
  • 戸磯こ線橋
  • 千歳橋
  • 中野跨線橋
  • 苫小牧橋(竣工1966年)
  • 白老大橋
  • 竹浦橋(2017年9月の台風第18号により被災し架け替え[12]
  • 登泉橋(竣工2010年)
  • 幌別橋
  • 鷲別橋
  • 輪西高架橋[13]
  • 入江高架橋

トンネル

  • 汐見トンネル(上り167 m、下り165 m)
  • 御崎トンネル(上り374 m、下り370 m)

道の駅

トラックステーション

  • 苫小牧TS(苫小牧市)[14]

地理

通過する自治体

接続する路線

石狩振興局

札幌市中央区
札幌市豊平区
札幌市清田区
北広島市
恵庭市
千歳市

胆振総合振興局

苫小牧市
白老郡白老町
登別市
室蘭市

脚注

注釈

  1. 1.0 1.1 1.2 1.3 1.4 1.5 2015年4月1日現在
  2. のちに北海道開拓長官となる。
  3. 舗装される以前の悪路に代わり、弾丸のように速く走れるということから「弾丸道路」と呼ばれたという説もあるが、突貫工事で舗装道路へ改修して完成させたことから「弾丸道路」よばれるようになったというのが定説となっている[7]

出典

  1. すすきの交差点”. 日本損害保険協会. . 2014閲覧.
  2. ルネッサンスホテル前交差点”. 日本損害保険協会. . 2014閲覧.
  3. 3.0 3.1 3.2 3.3 3.4 3.5 表26 一般国道の路線別、都道府県別道路現況 (PDF)”. 道路統計年報2016. 国土交通省道路局. p. 4. . 2017閲覧.
  4. ロム・インターナショナル(編) 2005, p. 158.
  5. 5.0 5.1 5.2 国道36号 札幌千歳間道路(通称弾丸道路)建設物語 (PDF)”. 北の交差点 Vol.14 AUTUMN-WINTER 2003. 北海道道路管理技術センター. . 2014閲覧.
  6. ロム・インターナショナル(編) 2005, pp. 53–54.
  7. 浅井建爾 2015, p. 87.
  8. 8.0 8.1 8.2 ロム・インターナショナル(編) 2005, p. 54.
  9. 9.0 9.1 9.2 浅井建爾 2015, p. 86.
  10. "北海道スタンダードが全国へ それは弾丸道路から始まった",かいはつグラフ2011年1月号(北海道開発局Web広報誌)
  11. 北海道開発局『北海道における道路交通の現状について』、1967年1月
  12. 国道36号竹浦橋、橋桁の亀裂拡大 橋脚2基などの撤去作業へ-白老 苫小牧民報(2017年12月23日)2018年1月5日閲覧
  13. 松島哲郎、山際祐司、前田公治. “長期供用を経た自動車専用道路『室蘭新道』の維持管理 -建設から40年を経過した耐候性鋼材の劣化状況と近年の予防的修繕で得られた知見- (PDF)”. 室蘭開発建設部. p. 2. . 2014閲覧.
  14. トラックステーション・リスト”. 全日本トラック協会. . 2014閲覧.
  15. 上り線(室蘭方向)のみ直接接続している。

参考文献

  • 浅井建爾 『日本の道路がわかる辞典』 日本実業出版社、2015-10-10、初版。ISBN 978-4-534-05318-3。
  • ロム・インターナショナル(編) 『道路地図 びっくり!博学知識』 河出書房新社〈KAWADE夢文庫〉、2005-02-01。ISBN 4-309-49566-4。

関連項目

外部リンク

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