「夕刊フジ」の版間の差分

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ファイル:Shinkansen and Himeji Station M9 56.jpg
駅売店に陳列される夕刊フジを含む販売用新聞各紙

夕刊フジ(ゆうかんフジ)は、産業経済新聞社が発行している日本の夕刊紙関東近畿での即売が中心。発行日は原則日曜日と祝日を除く毎日(但し年末年始は12月29日元日付け「新春特別号」を刊行し、12月30日1月3日休刊)。日本新聞協会加盟。

歴史

1969年2月25日に日本初の駅売りタブロイド判夕刊紙として創刊。創刊翌年(1970年)に産業経済新聞社から子会社として分離されたフジ新聞社へ発行元を移行したが、1987年サンケイスポーツ新聞社と共に産経新聞社と再度合併。日本で唯一の、全国紙を発行元とするタブロイド紙である[1]

新聞名はフジテレビジョンから由来する。創刊当初から見出しにオレンジ(橙)色を採用したことから「オレンジ色のニクい奴」というキャッチコピーが付いた。2015年現在は1面に「オレンジ世代 応援宣言」のキャッチコピーが付いている。 題字のデザインはグラフィック・デザイナーの杉山高子によるもの[2]。オレンジ色に抜きの題字は、2006年9月5日号(9月4日発行)から消滅した。

創刊当時は、産経新聞東京本社産経新聞大阪本社から精鋭が集められ、エース級のライターが集結した。創刊号の1面を飾ったのは当時参議院議員だった石原慎太郎で、見出しは「慎太郎新党躍り出る」(青嵐会のこと)。

2008年10月2日号(10月1日発行)から、1部売りが120円から130円に、2014年4月2日号(4月1日発行)からは130円から140円に値上げした(後者は消費税増税の影響)。

構成の傾向

産業経済新聞社によれば「ビジネスマンに強い」新聞[3]ロス疑惑に関する東京高等裁判所の1998年の判決によれば、夕刊フジは「通勤途上の会社員などを対象として、専ら読者の関心をひくように見出し等を工夫し、主に興味本位の内容の記事を掲載している」[4]

最終版(C版)では東京証券取引所の終値を掲載していた。また、中国株についての連載もある。

日付は終面題字部以外、欄外において全て(平成19年2月1日)のように元号のみ表記していたが東京版のみ2007年2月1日以降は西暦(元号)に変更し、記事中では原則として元号表記から西暦表記に改められ、止むを得ない場合に限り「西暦(元号)」表記を行うようになった。なお、関西版では2007年2月以降も元号表記を継続していたが、同年10月1日から東京と同じく「西暦(元号)」表記に変更された。ただし、連載コラムでは元号のみで表記しているものもある。また、当日ではなく、翌日の日付で発刊していることも特徴である(そのため、現実には存在しない昭和64年1月8日で表記された[5]紙面が存在する)。また東京版では欄外の日付は細く、関西版では太くなる。天気は東京版ではマークで、関西版では字で掲載している。2008年4月から1面にPOSコードバーコード)が表記されている。

印刷工程

夕刊フジは、東京本社版は原則として産経新聞印刷江東工場(東京都江東区)で印刷し、大阪本社版は産経新聞印刷大淀工場(大阪市北区)で印刷しているが、東京都心で販売される分の一部のみ、2010年8月まで大手町読売新聞東京本社の工場で印刷していた[6]。これはできる限り締切を遅らせることによって、前述の東京証券取引所の終値などの記事の掲載を可能にするための措置であった。

なお、2009年10月1日付から産経新聞本体が九州・山口特別版を創刊させたが、当面夕刊フジは九州版(山口・沖縄含む)の現地発行はせず、大阪本社C版の福岡市内及び北九州市内の一部向けの駅売りのみの発売が継続される。

テレビ放送

2006年1月23日から2009年3月30日まで、平日19:30から20:00(再放送21:00から21:30、23:30から24:00)に、モバHO!(モバイル放送)で、「夕刊フジTV」が放映された。この番組は夕刊フジの編集スタッフがその日の最終版の紙面をもとにしたニュース解説を雑談仕立てで展開するもの。ゲストとしてグラビアアイドルや取材現場の記者が登場することもあった。

連載コラムの執筆者

  • 4コママンガ
  • 長編マンガ

番組表

東京版

フルサイズ
ハーフサイズ(フルサイズ局の上)
ハーフサイズ(BS-TBS・BSジャパン・BSフジの上)
  • WOWOW(プライム・ライブ・シネマ)
ハーフサイズ(フルサイズの端)
上から順。ほとんどの新聞の例に倣えば周波数順のため文化放送が頭に来るはずが、資本関係からかニッポン放送が先。なお、その他のNHK・TBS・RFと全FM局は掲載されない。文化放送の下には凡例表がある。

大阪版

フルサイズ
ハーフサイズ(フルサイズ局の上)
クオーターサイズ(衛星の左隣)
※土曜日に限り衛星はカットされる代わりにKBS京都サンテレビジョンNHKラジオ第1放送ABCラジオMBSラジオFM802も掲載。(以上の各局は以前は平日にも掲載されていたが、紙面スペースの関係で割愛され、ラジオにいたっては2011年7月より産経が直接関係するラジオ大阪のみになった)

発行所

  • 東京本社 東京都千代田区大手町一丁目7番2号 郵便番号100-8077
  • 大阪本社 大阪市浪速区湊町二丁目1番57号 郵便番号556-8660
対象地域
  • 東京本社版:関東、甲信越、静岡県、東北
  • 大阪本社版:近畿、東海3県、北陸、中国、四国、九州(沖縄県を含む)
※宅配される版は、大阪市内ではB版。
首都圏では、産経新聞の夕刊廃止のため宅配が廃止された。
※一部地域は一日遅れで駅売店・コンビニエンスストアのみでの販売。
福岡市内では、博多駅西鉄福岡(天神)駅天神駅の売店で、関西版のC版を午後4時以降に発売している。大阪から山陽新幹線を使って発送される。また、北九州市内では小倉駅の売店で前日発行のC版が朝から販売されている。
名古屋市内では、名古屋駅金山駅などJR名鉄近鉄[7]地下鉄の売店や一部コンビニで、関西版の早版をお昼過ぎ以降に発売している。
北海道では、東京版を北海道に輸送してJR札幌駅など札幌市内の主要駅売店で朝刊扱いとして販売している。このため、東京より1日遅れの内容となっている。
※番組表などの差し替えは無し

ネット事業

1996年8月より公式ウェブサイト「ZAKZAK」を開設、日本におけるインターネット普及初期からネットでのニュース記事配信を行っている。夕刊フジの紙面からの転載だけでなく、ネット限定記事の配信も行っており、中には「ZAK THE QUEEN」や「アニメ☆声優」のような内容的に夕刊フジの紙面では見ることが希な記事も配信している。

また、2004年7月22日から2009年6月末にかけて、ファンコミュニケーションズと共同で、新聞社としては初のブログサイト「夕刊フジBLOG」を開設、コラム記事の掲載や個人ブログへの見出し配信、コメントやトラックバックで記事に対する批評や意見をうけつけるなど、様々な試みを行っていた。

捏造報道及び誤報

  • 2007年に紙上で「2ちゃんねる停止」と2ちゃんねるが閉鎖するような、根の葉もないでっち上げ記事を書いたことから管理人のひろゆきは「狼少年の寓話を彷彿とさせますよね。よい子の皆さんは真似しないようにしましょー」と怒り混じりに反論し話題となった。[8]
  • 同年に紙上でライブドア社が「ライブドア自前報道部門を廃止」と大々的に報道したが、誤報だった。しかもまったく同じ報道をした、日テレNEWS24から丸まる情報を盗用した可能性も示唆された。[9]
  • ベネッセコーポレーション社長の不倫報道で、掲載された人物がまったくの別人だったと話題になった。だがこれについては訂正も謝罪もなく、夕刊フジ側は「ベネッセ側がお詫びをしないでくれとの依頼があった」と釈明したが、ベネッセは事実無根と発表している。[10]
  • 民主政権「レーダー照射」隠蔽か 尖閣国有化前”と題する2013年2月7日付の記事で、中国海軍の艦船から自衛隊の艦船へ向けて射撃用レーダーが照射される事案は、民主党政権時代にも起きていたが、民主党はこれを国民に隠蔽していたと報じるも[11]、翌2月8日の衆議院予算委員会及び、2月27日の参議院予算委員会で防衛大臣の小野寺五典が、そのような事実はなかったと否定[12][13]。民主党からは同様の報道をした日本経済新聞に対し抗議文が出されている[14][15]

関連項目

脚注

  1. 朝日新聞・毎日新聞・読売新聞はタブロイド紙を傘下に持っていない
  2. 杉山高子さん死去、夕刊フジの題字をデザイン”. 産経ニュース (2016年7月26日). . 2016閲覧.
  3. その他の新聞・デジタル媒体:夕刊フジ | 産経新聞 媒体資料インターネット版
  4. 最判平成9年5月27日民集51巻5号2009頁
  5. 昭和64年1月7日早朝に昭和天皇崩御し、翌1月8日より元号は「平成」と改元された。
  6. 読売新聞の大手町の本社が建て替えのため、印刷工場も閉鎖されたことに伴うもの。
  7. 近鉄の売店は大半がファミリーマートになっている。
  8. 「2ちゃん」VS「夕刊フジ」 閉鎖騒動巡り全面対決
  9. 「市民ニュース廃止」 夕刊フジが誤報
  10. 夕刊フジの写真取り違え でも「お詫び記事出さないで」?
  11. “民主政権「レーダー照射」隠蔽か 尖閣国有化前  - ZAKZAK”. ZAKZAK (株式会社 産経デジタル(SANKEI DIGITAL INC.)). (2013年2月7日). http://www.zakzak.co.jp/society/politics/news/20130207/plt1302071139003-n1.htm . 2013閲覧. 
  12. “衆議院会議録情報 第183回国会 予算委員会 第3号”. 第183回国会. (2013-02-08). http://kokkai.ndl.go.jp/SENTAKU/syugiin/183/0018/18302080018003c.html 
  13. “参議院会議録情報 第183回国会 予算委員会 第7号”. 第183回国会. (2013-02-27). http://kokkai.ndl.go.jp/SENTAKU/sangiin/183/0014/18302270014007c.html 
  14. 中国レーダー照射事案の一部報道に説明・謝罪・訂正記事掲載を申し入れ 細野幹事長”. 民主党 (2013年2月8日). . 2016閲覧.
  15. 野田佳彦前代表が中国レーダー照射事案の一部報道に「事実無根」のコメント”. 民主党 (2013年2月7日). . 2016閲覧.

外部リンク