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株式会社トーア紡コーポレーション(トーアぼうコーポレーション 英語: Toabo Corporation)は、繊維メーカーである。繊維製品製造業・ウール事業・半導体生産事業・不動産賃貸業などの事業を多角化経営をしている。平成期に国内の主力工場だった大垣工場などを閉鎖して、1990年代から2000年代にかけて中華人民共和国に生産拠点を移して、2010年代にベトナムに生産拠点を移した。東亜紡織株式会社や、トーア紡マテリアル株式会社などの企業を傘下にもつ持株会社である。
Contents
沿革
- 1922年(大正11年) - 資本金400万円で岩井勝次郎が設立した岩井商店系に岩井財閥の(現在の総合商社双日)が支援した企業として東亜紡織株式会社の前身である「中央毛糸紡績株式会社」が設立される。
- 1923年(大正12年)- 岐阜県大垣市に大垣工場が建設される。梳毛糸の製造が開始される。
- 1929年(昭和4年)に大阪証券取引所で取引を開始した。
- 1934年(昭和9年)- 三重県三重郡楠村に楠村長の岡田武兵衛によって誘致されて楠工場が建設される。梳毛糸の製造が開始される。同年4月に四日市市の四日市コンビナート付近の三重郡日永村泊地区に四日市工場が建設される。
- 1940年(昭和15年)- 東京市に事務所を開設する。
- 1941年(昭和16年)- 「中央毛糸紡績株式会社」と「錦華毛糸株式会社」が合併して、「東亜紡織株式会社」を設立する。
- 1943年(昭和18年)- 名古屋営業所が設置される。
- 1944年(昭和19年) - 「関西紡織株式会社」など9社を合併する。4月に 四日市工場が名古屋陸軍造兵廠に借り上げられる。
- 1946年(昭和21年 )- 梳毛糸及び毛織物の製造を開始する。
- 1948年(昭和23年)12月- 陸軍製絨廠四日市支廠が払い下げられて、泊工場と改称して、操業を開始する。
- 戦後の1949年(昭和24年)5月14日に、東京証券取引所・大阪証券取引所・名古屋証券取引所の3つの市場に上場した。
- 1951年(昭和26年)12月に 大垣工場の復元が完了して、大垣工場の操業が開始する。
- 1962年(昭和37年)- 泊工場でタフテッドカーペットの製造を開始する。
- 1963年(昭和38年)- 泊工場でポリプロビレン綿の製造を開始する。
- 1967年(昭和42年)- 泊工場でニードルパンチカーペットの製造を開始する。
- 1972年(昭和47年)- 泊工場に織編部門を整備した。
- 1983年(昭和58年)- 三重郡楠町の東亜紡織楠工場などの他工場から大垣工場に紡績設備を集約した。
- 1985年(昭和60年)- 3月東京営業所を東京支店に昇格させる。泊工場から楠工場にインテリア関係の設備と産業資材関係の設備を移設した。
- ショッピングセンターのパワーシティ四日市(現・イオンタウン四日市泊)として東亜紡織泊工場用地の不動産売却をして、泊工場から楠工場に繊維生産設備を移転して「トーア紡マテリアル株式会社」となった。
- 1986年(昭和61年)- トーア紡第2ビルを淡路町三丁目2番8号に建設する。株式会社「トーア自動車学校」を設立する。
- 1989年(平成元年)- 新たに医薬品事業と半導体事業に進出して半導体事業部を発足させる。
- 1991年(平成3年)-呼称を東亜紡織からトーア紡に変更する。
- 1992年(平成4年)- 創業70周年を迎える。
- 1994年(平成6年)- 株式会社「トーアレディース」と株式会社「トーアアパレル」を設立する。
- 1995年(平成7年)- 3月に佐賀県三田川にゴルフ練習場の「ゴルフガーデン三田川」をオープンさせる。不動産事業部が賃貸契約で売却した紡績工場跡地に「パワーシティ四日市」と「泉大津ロードサイドショップ」を建設する。中華人民共和国で「無錫東亜毛紡織有限公司」を設立する。
- 1997年(平成9年)- ウールエコサイクルプロジェクトを発足させる。「大阪新薬株式会社」に資本参加する。
- 1998年(平成10年)-大垣工場の紡績部門の14400錘の機械を休止して、楠工場・宮崎工場・中華人民共和国の無錫東亜毛紡織の3カ所に集約化した。各工場で生産品種を住み分ける効率化を実施した。トーア紡の宮崎トーアの生産能力を半減して、大垣工場のトップ染め、染色、織布を休止した。
- 1999年(平成11年)- 不動産事業部が賃貸契約で売却した紡績工場跡地に山梨県中巨摩郡にショッピングセンター「クレッセ甲西」と大阪府泉大津市にクレッセ「泉大津ショッピングセンター」を建設する。
- 2000年(平成12年)-9月に青森県西津軽郡に「株式会社レーベン」を設立する。同年12月に三重県三重郡楠町に「トーアテック株式会社」を設立する。
- 2001年(平成13年)- 合繊設備を楠工場に集約する。
- 2002年(平成14年) 大阪新薬株式会社を100%子会社化する。
- 2003年(平成15年) - 純粋持株会社として株式会社トーア紡コーポレーションを設立する。各事業部は事業会社として傘下企業となる。不動産事業として四日市の泊工場の用地を商業施設に転用して、岐阜県大垣市の大垣工場の用地を住宅地として不動産会社に売却して、愛知県の大府工場と近畿地方の泉大津工場・甲西工場など紡績工場の跡地を商業施設や住宅団地として売却した。
- 2004年(平成16年)-大垣工場の跡地と東亜紡織に社宅跡地を不動産企業の大和ハウス工業株式会社に新興住宅団地のルーチェ南一色の南側の住宅開発用地として売却する。
- 2005年(平成17年)- 5月に 中華人民共和国で保税区企業間の貿易を行う「颯進貿易有限公司」を中華人民共和国上海市に設立する。大阪工場がISO14001:1996の認証を取得する。中華人民共和国に「張家港東鹿毛紡織有限公司」を設立する。
- 2006年(平成18年)- 7月に中華人民共和国で工程用特種紡織品の生産、加工などを行う「広州東富井特種紡織品有限公司」を設立する。東亜紡織株式会社主体で「グリーンウールラベル会」を発足させる。中華人民共和国に「常熟青亜紡織有限公司」を設立する。楠工場の不織布部門がISO9001:2000の認証を取得する。
- 2007年(平成19年)- 中華人民共和国に 「常熟東博紡織有限公司」を設立する。
- 2008年(平成20年)- 中華人民共和国の「広州東富井」を増資する。300万usドルから資本金600万usドルとなる。
- 2009年(平成21年)- 中華人民共和国の 「武漢光谷微電子股有限公司」に資本参加する。中華人民共和国の「江陰万達外貿進出口有限公司」に資本参加する。中華人民共和国の「無錫東亜毛紡織有限公司」を100%子会社化する。
- 2010年(平成22年)- 三重県四日市市楠町の 楠工場を「四日市工場」に改名する。中華人民共和国の「無錫東亜毛紡織有限公司」を「無錫東亜紡織有限公司」に改名する。NC WORKS(アメリカ合衆国)に資本参加する。
- 2013年(平成25年)- 本社を大阪市中央区瓦町から中央区城見の大阪ビジネスパークにあるクリスタルタワーへ移転する。
主な傘下企業
日本国内
- 株式会社トーア自動車学校 - 自動車教習所経営(三重校が三重県多気郡明和町大字上村に立地。湖西校。岐阜校(売却)
- 株式会社トーアアパレル- 学生服と企業ユニフォームの製造、毛織物製造 (佐賀県神埼郡吉野ヶ里町吉田 に立地)
- 大阪新薬株式会社 - 薬品製造(山口県山陽小野田市東高泊横土手に立地)
- 株式会社有明ユニフォーム - 毛織物製造(佐賀県杵島郡白石町戸ケ里に立地)
- 有限会社千代田トーア - 毛織物製造(佐賀県神埼市千代田町下西に立地)
- トーア興発株式会社 - ゴルフ練習場経営(大阪府大阪市中央区城見一丁目に立地)
- 東肥前商業開発株式会社 - ボウリング場経営(佐賀県神埼郡吉野ヶ里町吉田に立地)
- 東亜紡織株式会社 - 毛糸販売、毛織物販売(津島事務所 が愛知県愛西市立田町前田面に立地)
- トーアニット株式会社 - 毛糸販売、ニット製品の販売、毛織物の販売とサービス(岡山県真庭市古見に立地)
トーア紡マテリアル株式会社
- 東亜紡織楠工場時代
- 東亜紡織楠工場は工業立村を目指す三重郡楠町長の岡田武兵衛が誘致した繊維企業の工場である。1953年(昭和28年)に男性従業員が268人。女性従業員が1941人。臨時工が65人。従業員の合計が2274人の大工場であった。
- 1958年(昭和33年)から合織繊維を生産している。
- 現在の工場の名称はトーア紡マテリアル四日市工場である。三重県四日市市の楠地区南川に化学繊維を生産している。従業員は135人である。[1]
- 事業内容
- 創業は、2000年(平成12年)12月8日で、設立は、2003年(平成15年)10月1日、旧東亜紡織株式会社の会社分割により、インテリア産業資材事業を承継して設立された。
- 資本金 1億円。
- 事業内容 タフトカーペット製品・ニードルパンチ製品・ロックタフト製品・ポリプロファイバー製品・タイルカーペット製品・不織布製品の製造販売事業と梳毛糸の整地を行っている。
- 本店所在地 大阪府大阪市中央区城見一丁目。
- 設備
- 不織布(設備はニードルパンチ式機3セット)
- ニードルパンチ
- ポリプロ
- 合成繊維(綿糸設備10トン)
- タフトカーペット
- ロックタフト製造設備1セット
- ホリプロファイバー
- タイルカーペット
- カールロック製造設備1セット
- 毛布の製造・販売・サービス
海外生産拠点(中華人民共和国・ベトナム)
- 毛糸(製造)
- 常熟青亜紡織有限公司
- 張家港市東亜毛紡織有限公司
- 毛糸(販売)
- 無錫東亜紡織有限公司
- 颯進上海貿易有限公司
- 毛織物(製造・販売)
- 無錫東洲紡織有限公司
- 張家港東鹿毛紡織有限公司
- 常熟東博紡織有限公司
- 自動車内装材用不織布(製造・販売)
- 広州東富井特種紡織品有限公司
- アプライアンス事業生産拠点
- 中華人民共和国の上海市
- インテリア産業資材不織布生産拠点
- 中華人民共和国の広州市
- 衣料事業生産拠点
- ベトナムのナムディン
事業所
事業内容
衣料事業
インテリア・産業資材
非繊維事業
- 四日市泊工場用地のイオンタウン四日市泊
- 大垣工場用地だった住宅団地のルーチェ南一色の南側
- 大府工場用地
- 泉大津工場用地のクレッセ泉大津ショッピングセンター
- 甲西工場用地のクレッセ甲西
- 神戸市の工場跡地のケーズHAT神戸メディカルモール
企業情報
- 平成15年度に衣料事業分野を東亜紡織株式会社(大阪府大阪市)に、インテリア産業資材事業分野をトーア紡マテリアル株式会社(三重県四日市市楠町)に、非繊維事業分野をトーア紡コーポレーションに分離した。平成17年度に中国にで税区企業間の貿易を行う颯進(上海市)貿易有限公司を設立した。平成18年度に中国で工程用特種紡織品の生産と加工事業を行う広州東富井特種紡織品有限公司を設立した。
- 子会社4社と関連会社3社でトーア紡コーポレーショングループを構成している。天然繊維業界に所属していて、毛糸製造・毛織物製造と第二次産業製品などの製造と販売をする衣料事業と、カーペット・毛布・不織布などの繊維製品の製造と販売をするインテリア産業資材事業と、半導体事業・薬品の製造と販売事業・不動産賃貸事業・自動車教習所の運営などの非繊維事業を行う。繊維業界のライバル企業との競争に勝利する為に、第10期の予算では試験研究費として5500万円を投下している。
- 昔の広告コピーは『ウールならトーア紡』だった。
- 主力の毛糸ブランドは『トーア毛糸』であるが、かつては、『アルプス毛糸』、『アトラス毛糸』だった。
- ウールマークライセンシーである。
- 毛織物など衣料用品の老舗企業である。自動車専用の内装材など産業用資材が第1のトップ収入源である。半導体関連の部材生産・不動産事業・医薬品事業にも力を入れている。
- 旧岩井財閥系企業で設立された最勝会の会員企業である一方みどり会にも参加しているため最勝会グループと三和グループの両方に属している[2][3]。
併の歴史
- 1941年(昭和16年)6月に錦華毛糸株式会社を合併。
- 1942年(昭和17年)5月に株式会社白金莫大小製造所を合併。
- 1943年(昭和18年)10月に満蒙毛織工業株式会社を合併。
- 1944年(昭和19年)2月に合資会社尾張毛糸紡績を合併。
- 1944年(昭和19年)2月に合名会社徳原毛糸紡績所、株式会社三昭起毛所、大垣毛織株式会社、昭和製絨株式会社、名古屋織物工業株式会社、関西紡織株式会社、深喜毛糸紡績株式会社、東洋紡毛工業株式会社を合併。
- 1987年(昭和62年)7月にトーア興発株式会社、株式会社湖西自動車教習所を合併。
- 1991年(平成3年)10月に太陽不動産株式会社を合併。
教育
トーア紡と関連する人物
脚注
参考文献
- 『東亜紡織70周年記念史』 1993年(平成5年)2月出版