YOSAKOIソーラン祭り

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YOSAKOIソーラン祭り
YOSAKOI Soran Festival
通称・略称 よさこい
正式名称 YOSAKOIソーラン祭り
開催時期 6月上旬
初回開催 1992年
会場 大通公園西8丁目会場
大通南北パレード会場ほか
主催 YOSAKOIソーラン祭り組織委員会
札幌市
札幌観光協会
札幌商工会議所
共催 北海道新聞社
札幌テレビ放送
テレビ北海道
北海道テレビ放送
後援 北海道
NHK札幌放送局
北海道教育委員会
札幌市教育委員会
来場者数 187万5000人 (2014年)
公式サイト

YOSAKOIソーラン祭り(よさこいソーランまつり)とは、YOSAKOIソーラン祭り組織委員会が主催する毎年6月上旬に北海道札幌市で行われるイベント

概要

北海道では、6月上旬のこの時期は「さっぽろ雪まつり」のような北海道外からの観光客を呼び込む大きなイベントや観光材料が少ない一方で、本州以南では梅雨入りにあたるため避暑地を求め北海道に来る人々がいる。6月上旬にYOSAKOIソーラン祭りを開催することにより、さらに観光客を呼び込み、観光収入が増加するなど一定の経済効果を生んでいる。

歴史

北海道大学の学生だった長谷川岳(現・参議院議員)が大学2年の時、母親がガンを患い、兄が医師として勤める高知県の病院へ入院したため、看病のために訪れた際、本場のよさこい祭りに接しその躍動感に感動[1]、「こうした光景を北海道でも見られたら…」と、1991年12月、学生仲間を募り5名で「YOSAKOIソーラン祭り実行委員会」を発足[2][3] させ、高知県の「よさこい祭り」と北海道の「ソーラン節」を融合させた「YOSAKOIソーラン祭り」として企画・立案し、誕生したものである。

1992年6月に「街は舞台だ! 日本は変わる」を合言葉に、道内16大学の実行委員会150名で第1回YOSAKOIソーラン祭りを開催[2]。当初は参加10チーム、参加者1,000人、3会場という規模だった。1996年に運営主体がYOSAKOIソーラン祭り実行委員会からYOSAKOIソーラン祭り普及振興会に変わり[3]、1998年には祭りの大規模化に伴い運営主体はYOSAKOIソーラン祭り組織委員会に移行したが[3]、メインステージである大通西8丁目会場、飛び入り参加型ステージのワオドリスクエアおよび大通公園のパレード広場については現在も企画・運営が北海道大学はじめ道内の大学生による学生実行委員会によって行われている。

その後年々、参加者や観客動員数ともYOSAKOIソーラン祭りの規模も成長拡大していく一方で、後述するような批判などが噴出し始めている。2000年に開催期間中の大通公園内の臨時ゴミ箱から爆発物が爆発し数名の負傷者を出す事件が発生し、これを機に警備が強化された。事件発生により第9回YOSAKOIソーラン祭りのファイナルコンテストが中止になった。

参加チーム数が408チームと過去最多を記録した2001年以降、色々策を講じているものの参加チーム数があまり伸びず減少傾向である。2010年は観客動員数が218万1000人と過去最高の動員を記録し、その後は200万人前後で推移している。[4][5]

2011年からは一般公募により採用された新公式ロゴマークを使用している。

年表

凡例

  • 太字は過去最高
年/回次 参加チーム 観客動員数 会場数 主な出来事
人数 観客数 前年比
1992年 第1回 10 01,000人 0,200,000人 03会場 第1回YOSAKOIソーラン祭りが開幕、運営主体をYOSAKOIソーラン祭り学生実行委員会とする。
1993年 第2回 26 02,500人 0,440,000人 +54.5% 06会場
1994年 第3回 25 03,000人 0,580,000人 +24.1% 06会場
1995年 第4回 48 04,800人 0,760,000人 +23.7% 07会場
1996年 第5回 108 10,000人 1,070,000人 +29.0% 12会場 運営主体をYOSAKOIソーラン祭り普及振興会に移行
1997年 第6回 183 19,000人 1,380,000人 +22.5% 16会場
1998年 第7回 280 29,000人 1,800,000人 +23.3% 22会場 運営主体をYOSAKOIソーラン組織委員会に移行
1999年 第8回 333 34,000人 1,935,000人 +7.0% 30会場
2000年 第9回 375 38,000人 1,825,000人 -6.0% 30会場 開催期間中に大通会場にて爆破事件が発生によりファイナルステージ中止
2001年 第10回 408 41,000人 2,013,000人 +9.3% 33会場 参加チーム数の最多記録
2002年 第11回 344 44,000人 1,510,000人 -33.3% 27会場
2003年 第12回 330 44,000人 2,020,000人 +25.2% 25会場
2004年 第13回 333 43,000人 2,080,000人 +2.9% 25会場
2005年 第14回 334 43,000人 2,141,000人 +2.8% 27会場
2006年 第15回 350 45,000人 1,864,000人 -14.8% 31会場
2007年 第16回 341 43,000人 2,165,000人 +13.9% 30会場
2008年 第17回 330 33,000人 2,024,000人 -7.0% 28会場
2009年 第18回 316 33,000人 1,787,000人 -13.3% 25会場
2010年 第19回 304 30,000人 2,181,000人 +18.1% 27会場 1996年まで使用した旧ロゴを暫定的に使用、観客動員数の最高記録
2011年 第20回 284 28,000人 2,003,000人 -8.9% 20会場 公募による新公式ロゴマークを採用
2012年 第21回 271 27,000人 1,983,000人 -1.0% 19会場
2013年 第22回 271 27,000人 2,063,000人 +3.9% 21会場
2014年 第23回 270 27,000人 1,875,000人 -9.1% 21会場 U-40大会を新設
2015年 第24回 270 27,000人 1,987,000人 +6.0% 20会場
2016年 第25回 280 28,000人 2,054,000人 +3.4% 20会場
2017年 第26回 274 27,000人 1,883,000人 -8.1% 18会場
2018年 第27回 276 27,000人 1,929,000人 +3.4% 19会場

内容

演舞する曲(曲調は自由)の全てあるいはどこかにソーラン節のフレーズを入れた曲に合わせて鳴子(使い方やデザインは自由)や扇子、大旗などを持って踊る[6]。チーム編成は踊りを構成する人(踊り子・楽器演奏者・旗・幕などの持ち手、道具運搬スタッフのこと)の150人以内(U-40は39人以下)で、あいさつ、前口上、前準備などを含めて4分30秒以内で披露する(演舞曲の目安は4分以内)[6]

形式はステージ形式、パレード形式(進行型・静止型)の2つの形式に分けられる[6]。ステージ形式は限られたスペースで踊り、パレード形式(進行型)は道路を利用して100m前進して踊り、パレード形式(静止型)は進まず踊る[6]。パレード形式には各チームの音響設備を積んだ地方車(じかたしゃ)が登場する[6]。地方車をレンタルするチームがいたり、自作で地方車を持ってくるチームもいる[6]

開催日程(2018年現在)

毎年6月上旬の5日間で開催され、必ず第2日曜日が最終日になるよう調整されている。初日はオープニングに続いて初日を希望した札幌市内チームが大通公園西8丁目ステージ会場で演舞を披露。ワオドリソーランもこの日から開催される。2日目はオープニングに続いて2日目を希望した札幌市内チームが大通公園西8丁目会場で演舞を披露。3日目に前年に行われたファイナル、セミファイナル審査で入賞した各チームとジュニア大会で入賞した各チームがソーランナイトに登場する[7]。また、すすきの会場でも演舞が披露される。4日目は引き続き各チームが市内各会場と大通公園西8丁目会場に登場し、大通南北パレード会場では一次審査が行われ審査希望チームが登場し演舞を披露。一番街・丸井今井前会場ではU-40大会の一次審査、大通南北パレード会場で行惚れるサタデーナイトパレードには前年に行われた大賞受賞チームと準大賞チーム、全国の祭りで活躍するチーム及び携帯投票で選出された1チームの計13チームが登場。最終日は市内各会場で行われ、一番街・丸井今井前会場でジュニア大会の審査、わくわくホリデーホールではU-40大会の二次審査、一次審査員賞演舞会では各ブロック3位になったチームがサッポロガーデンパーク会場にて演舞を披露する。大通公園西8丁目ステージ会場ではファイナルステージ1部(セミファイナル及びジュニアファイナル)とファイナルステージ2部(ファイナルのステージ審査及び一部受賞チームの演舞披露)が行われ、大通南北パレード会場では北コースにてファイナルパレード(パレード審査)、南コースではお祭りパレードが行われる[8]

各賞

以下の賞が与えられる[9]

  • YOSAKOIソーラン大賞 (ファイナル総合1位のチーム)
  • 準YOSAKOIソーラン大賞 (ファイナル総合2・3位のチーム)
  • 優秀賞 (ファイナル総合4~11位のチーム)
  • セミファイナル1位 (セミファイナル1位のチーム)
  • セミファイナル優秀賞 (セミファイナル2~11位のチーム)
  • U-40大賞 (U-40大会二次審査1位のチーム)
  • 準U-40大賞 (U-40大会二次審査2位のチーム)
  • U-40優秀賞 (U-40大会二次審査3~10位のチーム)
  • ジュニア大賞 (ジュニアファイナル1位のチーム)
  • ジュニア準大賞 (ジュニアファイナル2位のチーム)
  • ジュニア優秀賞 (ジュニアファイナル3~5位のチーム)
  • 一次審査員賞 (各ブロック3位のうちセミファイナルの携帯投票で出場できたチーム以外の9チーム)
  • 新人賞 (初出場から3年以内のチームのうち一次審査でファイナルかセミファイナルに出場したチーム以外かつ得点上位2チーム)
  • 敢闘賞 (各ブロック4位以下のうち心に残った10チーム)
  • 地方車賞 (地方車を使用しているチームの中からデザインに創意工夫がみられ、チームの特色(独自性)を上手く表現している数チーム)
  • 奨励賞 (YOSAKOIソーラン祭りに参加したチームの中から数チーム)
  • 北海道知事特別賞 (地域活性化などに貢献している札幌市以外でかつ北海道内の8回以上参加している2チーム)

市内各会場(2018年現在)

メイン会場は大通公園西8丁目会場で、特設ステージを設けオープニングやセミファイナル、ファイナルが行われ、大通南北パレード会場では一次審査やファイナルパレードが行われている。その他にも札幌市内で多数の会場で行われている。

  • 大通公園西8丁目会場 - 札幌市中央区大通西8丁目
  • 大通南北パレード会場 - 札幌市中央区大通西5-7丁目及び9-10丁目 南コース、北コース
  • ワオドリスクエア会場 - 札幌市中央区大通西7丁目
  • Kanamoto presents YOSAKOIソーラン ファンビレッジ会場 - 札幌市中央区大通西10丁目
  • 一番街 三越前会場 - 札幌市中央区南1条西3丁目
  • 一番街 丸井今井前会場 - 札幌市中央区南1条西2丁目
  • 道庁赤れんが会場 - 札幌市中央区北3条西6丁目 庁舎前
  • ファミリーマート・FUNKYすすきの会場(4条会場、5条会場) - 札幌市中央区南4-6条西3-4丁目
  • JR札幌駅南口広場会場 - 札幌市中央区北5条西4丁目 JR札幌駅南口「人の広場」
  • サッポロファクトリー会場 - 札幌市中央区北2条東4丁目
  • わくわくホリデーホール(札幌市民ホール)会場 - 札幌市中央区北1条西1丁目
  • 新琴似会場 - 札幌市北区新琴似7条6丁目 - 6条6丁目 第2横線
  • ホリデイスポーツクラブ札幌北24条会場 - 札幌市北区北24条東1丁目1-20 ホリデイスポーツクラブ札幌北24条駐車場
  • 平岸会場 - 札幌市豊平区平岸2-3条4-7丁目 国道453号線平岸街道
  • 新さっぽろ「あつこい」会場 - 札幌市厚別区厚別中央1条5丁目 札幌市厚別市民交流広場
  • ファイターズ通り会場 - 札幌市東区北9条東7丁目 - 北8条東5丁目 ファイターズ通り
  • サッポロガーデンパーク会場 - 札幌市東区北7条東9丁目
  • 白い恋人パーク会場 - 札幌市西区宮の沢2条3丁目 宮の沢白い恋人サッカー場 特設ステージ

過去に使用された会場

YOSAKOIソーラン大賞・準大賞受賞チーム

回次 開催年 回数 大賞チーム名 所在地 出場数 準大賞チーム名
第1回 1992年 セントラルグループよさこい踊り子隊 高知県高知市 1回 STVどさんこワイド&道短
第2回 1993年 北海道ガス 札幌市中央区 ヤーレンソーラン積丹町
第3回 1994年 平岸天神 札幌市豊平区 2回
第4回 1995年 2 3回 JAL極楽とんぼ
第5回 1996年 JAL極楽とんぼ 札幌市 2回 平岸天神, a la collette?4プラ
第6回 1997年 a la collette!?4プラ 札幌市中央区 2回 平岸天神,三石なるこ会
第7回 1998年 3 平岸天神 札幌市豊平区 6回 パスキー&北海道医療大学
第8回 1999年 4 7回 三石なるこ会
第9回 2000年

ファイナルコンテスト中止(後述)

第10回 2001年 パスキー&北海道医療大学 当別町 7回 石狩流星海
第11回 2002年 三石なるこ会 三石町 9回 平岸天神, 舞DoCoMo
第12回 2003年 5 平岸天神 札幌市豊平区 11回 新琴似天舞龍神, 三石なるこ会
第13回 2004年 新琴似天舞龍神 札幌市北区 9回 平岸天神, パスキー&北海道医療大学
第14回 2005年 2 10回 乱舞童, 三石なるこ会
第15回 2006年 3 11回 平岸天神, 夢想漣えさし
第16回 2007年 4 12回 平岸天神, VOGUE038
第17回 2008年 6 平岸天神 札幌市豊平区 16回 新琴似天舞龍神, 旭川 北の大地
第18回 2009年 7 17回 新琴似天舞龍神, VOGUE038
第19回 2010年 夢想漣えさし 枝幸町 14回 新琴似天舞龍神, 平岸天神
第20回 2011年 2 15回 粋-IKI-北海学園大学, The 日本海&北國新聞
第21回 2012年 8 平岸天神 札幌市豊平区 20回 江別まっことえぇ&北海道情報大学, 夢想漣えさし
第22回 2013年 粋-IKI-北海学園大学 札幌市豊平区 17回 平岸天神, 北海道大学 "縁"
第23回 2014年 3 夢想漣えさし 枝幸町 18回 北海道大学 "縁", 粋-IKI-北海学園大学
第24回 2015年 9 平岸天神 札幌市豊平区 23回 REDA舞神楽, 夢想漣えさし
第25回 2016年 笑゛ 愛知県犬山市 4回 REDA舞神楽, 新琴似天舞龍神
第26回 2017年 10 平岸天神 札幌市豊平区 25回 粋~IKI~北海学園大学, 夢想漣えさし
第27回 2018年 4 夢想漣えさし 枝幸町 22回 新琴似天舞龍神, 平岸天神

チーム運営費

1チームの年間運営費は一般に500万円前後(1人当たり5-10万円)とされている。これには、衣装代(資金的に潤沢なチームによってはデザイナーへの依頼料や業者への縫製依頼費用、メイクアップ依頼料など)、作曲・振り付けなどの依頼料、保険代、祭り参加費、練習場所の利用料、車両費用などが含まれていることが多く、このほかにも市内各会場間の移動交通費などが必要となる。その他、札幌市以外のチームは札幌市までの交通費、遠距離であれば滞在宿泊費などが別途必要であり、札幌市内や都市部のチームと比較すると、郡部のチームほど諸条件面での地域間格差が大きなハンディキャップとして存在するが、運営側の組織委員会からの補助はない。チームは、個人負担やバザー収益、協賛団体を募っての補助、各種イベントでの踊り披露によるギャラなどにより運営・参加資金を捻出している。なお、チーム参加費は体験参加の子供チームの場合は無料で、スポンサーがついているチームは25万円となっている。参加すると日当がもらえるお祭りが多い中「参加したい人がお金を払う」お祭りは稀だが、高知のよさこい祭りを始めとしていわゆるYOSAKOI型の祭はこの形式である。

イベントの中継

祭り期間中、道内のテレビ局は特別番組を編成してYOSAKOIを取り上げる。一番放送回数、時間共に長く、毎年北海道内の民放で力を入れているのが札幌テレビ放送(STV)であり、ゲストを招いての生放送や、過去には同局の生放送が日本テレビ系列で全国生放送された。第16回(2007年)では札幌地区の瞬間視聴率が20%を超えた特番もある[10]。現在も生放送ではないものの、日本テレビ系列の道外局で特別番組をネットする事がある。

しかし、平均視聴率自体は第16回(2007年)の13.2%以降、第17回(2008年)の10.8%、第18回(2009年)の8.4%と毎年減少し続けている。このため、共催団体だった新聞社や放送局の参加が減少していき、2008年にはFMノースウェーブ(2007年のみ)が撤退、2009年には読売新聞北海道支社、エフエム北海道(AIR-G')、STVラジオ2010年には北海道放送(HBC)と北海道文化放送(UHB)[4]2011年には北海道テレビ放送(HTB:2014年復帰)が共催団体から撤退しており[11]、2013年現在は北海道新聞社、札幌テレビ放送(STV)、テレビ北海道(TVh)の3社のみとなっている。

さらに、最終日のファイナルコンテストは2009年まで、北海道テレビ放送(HTB)制作により、HTBでの道内放送に加えてBS朝日を通じ全国に生中継されていたが、2010年はテレビ朝日系列が2010 FIFAワールドカップ中継を設定して放送枠がなくなったため、テレビ北海道(TVh)の制作により、TVhでの道内放送に加えてBSジャパンを通じ全国放送された。その後、全国放送も20周年を迎える2011年からは行われなくなった。

2012年も、NHK札幌放送局が長年にわたって『北海道クローズアップ』と『北スペシャル』枠を使って放送してきた、「北スペシャル拡大版YOSAKOIソーランナイト」が放送されないことになったが、これは当日にロンドンオリンピック代表選考会を兼ねた『第96回日本陸上競技選手権大会』初日を全国生放送するための措置でそれ以降、NHKでソーランナイトを中継する事はなかった。さらに、HTBもイチオシ!内での3日目の四番街会場中継が2016年からは放送されなくなった。

現在はテレビを通じて中継放送するのはSTV(4日目日中(2016年は最終日に放送)、ファイナルステージのダイジェスト)とTVh(ファイナルステージ)[12]のみで、かつてのように道内の全放送局が一斉に祭りを長時間にわたって中継放送する事は無くなっている。

その一方で2013年から2015年までニコニコ生放送でファイナルステージ及びお祭りパレードの公式での生配信を実施し(2015年はお祭りパレードに代わりファイナルパレードの生配信を行った)、2014年2015年はニコニコチャンネルのYOSAKOIソーラン祭りチャンネルで大通8丁目会場の全日程全演舞(ファイナルステージを除く)の生配信がされ、同年からはBS11デジタルでサタデーナイトパレードを生中継していたが、2016年以降は放送されなくなった。2016年からはYouTubeのSTV公式チャンネルで大通8丁目会場の全日程全演舞が生配信されているが、2018年はファイナルステージのみ配信されない代わりにHuluでファイナルステージの模様が生配信される。

評判、問題、事件

公式ロゴの使用をめぐる問題

YOSAKOIソーラン祭りのロゴ1992年(第1回)から1996年(第5回)までは創始者・長谷川が手書きしたものを元に製作したものが使用されていたが、1997年(第7回)から書家・渾彩秀(こん・さいしゅう)によってデザインされた公式ロゴが製作・採用された。この商標権は長谷川が所有しており、これを組織委員会に無償で貸与する形がとられてきたが、その後長谷川は衆院選に出馬するなど、政治活動を展開し始めたことから2010年(平成22年)1月、この無償貸与が公職選挙法で禁止されている寄付行為に抵触することが指摘された。そこで長谷川側は有償で貸与する契約を結ぶことなどを提案したが、これに対し組織委側は「ロゴは公共財として管理されるべきもの。個人の私有財であってはならない」との理由で権利譲渡を求め譲渡金600万円を提示したが、これに対し長谷川側は「譲渡するにしてもこの金額では適正価格とはいえず、やはり寄付とみなされて公選法に抵触する可能性があるため有償貸与にしたい」と回答し、交渉は決裂。YOSAKOIソーラン祭り組織委への無償貸与は中止され、2010年の第19回では暫定的に1996年まで使用された旧ロゴが採用された[13]

翌年2011年に第20回大会を記念し、ロゴマークのリニューアルが決定する。“市民参加型”という祭りの観点からデザインの一般公募が実施され、海外参加を含む1,336点の中から札幌市在住のクリエイティブディレクター・今井貴詞のイラストが採用、ソーラン節を象徴するモチーフとして「カモメ」、そして「家族」をイメージしたキャラクターが新しい公式ロゴマークとされ現在に至る。[14][15]

公式ロゴと商標権をめぐる長谷川との軋轢が表面化したことや、長谷川が2010年に参院選に当選し、政界に進出したことなどを契機に新体制の組織委員会は創始者である長谷川と事実上決別しており、長谷川が公式ホームページの運営やWEB関連事業を担うために設立した「株式会社yosanet」との契約も打ち切られた。会社自体は活動を停止し、既に整理されている。

アンケート調査による評価

共催企業でもある北海道新聞2007年6月9日付で報じた「YOSAKOI好き? それとも嫌い?」というアンケート調査によって分かったのが、YOSAKOIソーラン祭りを敬遠する人が53.6%と過半数に達していたということである[16]。年代別では50代の60.7%と60代以上の75.7%が「好き」と答える一方で、20代から40代の60%台が「嫌い」と答え、年代によって祭りに対する評価が大きく分かれる結果となった。自由回答では「好き」と答えた人々は踊りから伝わる感動、祭りの盛り上がり、衣装と音楽の素晴らしさを評価の理由に挙げたのに対し、「嫌い」と答えた人々はコンテスト化や商業化、一部参加団体のセミプロ化、騒音や衣装に対する嫌悪感、出場者のマナーの悪さなどの理由が挙げられた[17]。これにより実行委員会は各チームの代表者にルールを徹底するよう呼び掛けた[16]

批判と抗議

組織や運営態勢の整備、透明性、商業主義的な運営、さらには創始者の手法について、かつてBrain News Networkが“「YOSAKOIソーラン祭り」腐敗の源泉”と題した12回の連載を組んだ[18]。のちに組織委員会が「写真肖像権の侵害」を理由に抗議を行い、 BNN側はこの要求を受け入れて記事を取り下げている。

別団体の設立 〜 和睦へ

疑問視される祭の運営方法や年々高騰する参加費用、審査の透明性、商業主義への傾倒、一部チームのセミプロ化など、内外からの批判の中、元々よさこい祭り鳴子踊りにジャンルを超えた現代的な振り付けを導入したことで知られ、YOSAKOIソーランの振り付けにも携わり、大きな影響を与えていた振付師で「SUGA JAZZ DANCE STUDIO」主宰者・國友須賀(1953年3月22日 - 2011年6月1日)[19] を代表者に2000年に立ち上げられたプロジェクト「よさこいにっぽん(現在は独自のパフォーマンス表記として“IZANAI”を用いている)[20]」へ活動の場を移すなど、YOSAKOIソーランを離れて独自に活動を展開するグループも出始めた。北海道内でも2001年に「よさこいにっぽん北海道[21](現・IZANAI北海道[22])」が設立され、YOSAKOIソーランを離れ、趣旨に賛同したチームが参加しており、2001年からは砂川市で、地元チーム「すながわ夷」や隣接市である滝川市の「SUGA JAZZ DANCE STUDIO 滝川スタジオ」を中心に、「IZANAI」所属チームや様々な舞踊チームが集結し、ルールや形式にとらわれない独自の踊りの祭典『THE祭』[23] が、毎年7月上旬の土・日に開催されている。近年、特に組織委員会が新体制となって以降は融和の状況となっており、IZANAI選抜メンバーが「SUGA IZANAI連」の名称でYOSAKOIソーランへ参加したり、YOSAKOIソーランの有力チームが『THE祭』に客演するなどの相互交流が進んでいる。

騒音問題

祭りにおいて隣のチームの音量より更に大きい音量にしようと負けじと上げる傾向にあるため、ここ数年、YOSAKOIソーラン祭りの騒音に対して札幌市民から苦情が相次いでいた。騒音に関する市の条例はあるのだが祭りでは適用外となるために条例で定められた音量以上の騒音を発生させている。

大通会場内における爆破事件

2000年6月10日、大通公園内の臨時ゴミ置き場に捨てられた紙袋に何十本もの釘が仕込まれた爆発物が仕掛けられており、その爆発物の爆破により、ゴミ拾いをしていた実行委員会の学生スタッフ1人が釘が心臓のすぐ近くに刺さる重体となり、9人が軽傷を負った。この影響でファイナルコンテストが中止されたため、この回だけ「YOSAKOIソーラン大賞」が無い。インターネットの掲示板に事件を予告する書き込みがあったが、犯人はまだ逮捕されていない[24]。大通公園で開催される催し物の警備は、この事件をきっかけに強化された。

「第17回YOSAKOIソーラン祭り」の会場爆破を予告する葉書がSTVラジオに7通送付されたことが明らかになっている。いずれも、祭りが中止されなければ会場に時限爆弾を仕掛けることを予告していた[25]

関係団体

運営関係

主催
主管
  • YOSAKOIソーラン祭り実行委員会 (2012年-)
共催
後援
協力
  • テレビ朝日 (2007年)
  • BS朝日 (2007年)

協賛関係

特別協賛
  • JAL (-2009年)

その他

  • フジテレビ2008年放送された倉本聰脚本による「風のガーデン」は富良野を舞台として描かれた連続ドラマで、主人公の娘のルイ(黒木メイサ)がYOSAKOIソーランチーム「旭川北の大地」に所属している設定で、黒木メイサは実際に2008年の第17回YOSAKOIソーラン祭りの踊り手として出場し、ファイナルコンテストにも進出。そのシーンがドラマの一場面に登場した[26][27]
  • 南中ソーランは過去に第2回に招待参加し第4回と第11回に出場している。かつて「日本一荒れた学校」といわれた稚内市稚内南中学校の再生のために、民謡歌手伊藤多喜雄がソーラン節をアレンジして創作。
  • 北海道日本ハムファイターズの公式応援歌「GO!GO!ファイターズ」がYOSAKOIソーラン調の楽曲となっており、公式振り付けもあった。2004年以降のYOSAKOIソーランにも参加していた。
  • にっぽんど真ん中祭りはYOSAKOIソーラン祭りに参加した名古屋市の学生チームが中心となって名古屋市で開催されている祭り。通称「どまつり」

関連項目

脚注

  1. 地域クリエーターの履歴書 (PDF)”. まちおこし 地域活性化支援 地域ブランド創造チーム (株)船井総合研究所. . 2014閲覧.
  2. 2.0 2.1 長谷川岳の歴史”. 走っています。長谷川岳.jp. . 2014閲覧.
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外部リンク