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|注記 = <references group="注"/>註1: 香港、マカオを含まない。<br/>註2: 中華人民共和国と、面積順位第3位とされるがアメリカ合衆国の面積は非常に近く、それぞれの国土の定義によっては、順位が入れ替わることがある。
 
}}
 
}}
{{中華圏の事物
 
|タイトル=中華人民共和国
 
|簡体字=中华人民共和国
 
|繁体字=中華人民共和國
 
|ピン音=Zhōnghuá Rénmín Gònghéguó
 
|注音符号=ㄓㄨㄥㄏㄨㄚˊ ㄖㄣˊㄇㄧㄣˊ ㄍㄨㄥˋㄏㄜˊㄍㄨㄛˊ
 
|カタカナ=チョンホワ ジェンミン コンホークオ
 
|広東語ピン音=Zung1Waa4 Jan4Man4 Gung6Wo4Gwok3
 
|広東語発音=ツンワー ヤンマン コンウォークオック
 
|ひらがな=ちゅうかじんみんきょうわこく
 
|英文=People's Republic of China
 
}}
 
'''中華人民共和国'''(ちゅうかじんみんきょうわこく、{{lang-zh-hans|中华人民共和国}}、{{lang-zh-tw|中華人民共和國}}、{{lang-en|People's Republic of China, PRC}})、通称'''[[中国]]'''(ちゅうごく、{{lang-en|China}})は、[[東アジア]]に位置する主権国家である。
 
  
中華人民共和国は、13億8千万人以上の人口で[[国の人口順リスト|世界一人口が多い国]]である。中華人民共和国は、首都[[北京市]]を政庁所在地とする[[中国共産党]]により統治される[[ヘゲモニー政党制]]である<ref name="Walton2001">{{Cite book |last=Walton |first=Greg |coauthors=International Centre for Human Rights and Democratic Development |title=China's golden shield: Corporations and the development of surveillance technology in the People's Republic of China |publisher=Rights & Democracy |year=2001 |page=5 |chapter=Executive Summary |isbn=978-2-922084-42-9 |url=http://books.google.com/?id=S9rP0A2q14UC&lpg=PA4&dq=single-party%20%22people's%20republic%20of%20china%23&pg=PA5#v=onepage&q=%22single-party%20state%22}}</ref>。
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'''中華人民共和国'''(ちゅうかじんみんきょうわこく、{{lang-zh-hans|中华人民共和国}}、{{lang-zh-tw|中華人民共和國}}、{{lang-en|People's Republic of China, PRC}})、通称'''[[中国]]'''(ちゅうごく、{{lang-en|China}}
  
== 概要 ==
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アジア大陸の東部にある国。[[中国共産党]]が指導する社会主義国。
1949年以前に[[中国大陸]]全土において、正当な施政権を有していた[[中華民国]]・[[中国国民党]]をソビエト社会主義共和国連邦の支援を受けて、破った[[中国共産党]]により、[[1949年]][[10月1日]]に北京市にて建国された。同国は、22[[w:Provinces of China|省級行政区]]、5[[w:Autonomous regions of China|自治区]]、北京市・[[天津市]]・[[上海市]]・[[重慶市]]の4[[直轄市 (中華人民共和国)|直轄市]]、大部分が自治的な[[香港]]・[[マカオ]]の2[[特別行政区]]によって構成される。
 
  
同国は、今日では[[台湾]]として一般に知られ、分離した政治的実体である[[中華民国]]により統治される[[台湾地区]]の領有をも主張する。この主張には、[[台湾省 (中華人民共和国) |台湾省]]として[[台湾の地理|台湾島]]を、[[福建省]]の一部として[[金門県]]及び[[馬祖島]]を、[[海南省]]の一部として[[南シナ海]]で中華民国が支配する島嶼を各々含む([[台湾問題]])<ref>{{cite web|url=http://history.cultural-china.com/en/34History7320.html|title=Chinese Civil War|publisher=Cultural-China.com|quote=To this day, since no armistice or peace treaty has ever been signed, there is controversy as to whether the Civil War has legally ended.|accessdate=16 June 2013|archiveurl=https://web.archive.org/web/20130912132339/http://history.cultural-china.com/en/34History7320.html|archivedate=2013年9月12日|deadlinkdate=2017年9月}}</ref>。
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東は太平洋北西部の縁海に接し,西はアジア大陸中部の[[パミール高原]]に及ぶ。また北はロシアの[[シベリア]],南は東南アジアのベトナムやミャンマーに接する。22省,5自治区と,ペキン直轄市,[[テンチン(天津)直轄市]][[シャンハイ(上海)直轄市]][[チョンチン(重慶)直轄市]]の 4直轄市に分かれる。
  
計測方法によるが、[[国の面積順リスト|陸地面積では世界第2位]]<ref name="listofcountriesoftheworld.com">{{cite web |url=http://www.listofcountriesoftheworld.com/area-land.html |title=Countries of the world ordered by land area|publisher=Listofcountriesoftheworld.com |accessdate=27 April 2010}}</ref>、[[国の面積順リスト|総面積では世界第3位又は第4位]]である。同国の地形は、乾燥した北の[[w: Mongolian-Manchurian grassland|森林ステップ]]、[[ゴビ砂漠]]、[[タクラマカン砂漠]]から、多湿な南の[[亜熱帯]]の森林まで広大かつ多様である。[[ヒマラヤ山脈]][[カラコルム山脈]][[パミール高原]][[天山山脈]]により、同国は[[南アジア|南]]及び[[中央アジア]]から切り離されている。[[長さ順の川の一覧|長さ世界第3位]][[長江]]及び[[長さ順の川の一覧|同世界第6位]][[黄河]]は、[[チベット高原]]から人口密度の高い東の沿岸地域に流れ、古代には[[黄河文明]][[長江文明]]を興してきた。同国の[[太平洋]]に沿った海岸線は14,500kmの長さで、[[渤海 (海域)|渤海]][[黄海]][[東シナ海]][[南シナ海]]に囲まれている。
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[[タイワン(台湾)]][[中国国民党]]政府の統治下にある。地形は標高によって三つに区分できる。最も高いのは南西部を占める[[チベット高原]]で,平均標高は 4000mをこえる。次いで標高 1000~2000mの高原,盆地,山地がある。北西部の[[タリム(塔里木)盆地]][[ジュンガル盆地]],北部を東西に延びる[[内モンゴル(蒙古)高原]],中部に南北に並ぶ[[ホワントー(黄土)高原]][[チンリン(秦嶺)山地]][[ユンクイ(雲貴)高原]]である。[[スーチョワン(四川)盆地]]はこの中部山間にあるが,標高 300~600mである。その東に平均標高 500m以下の山地,丘陵と,標高 200m以下の平原がある。北から[[トンペイ(東北)平原]][[ホワン(黄)河]]の沖積地を中心とする[[ホワペイ(華北)平原]][[チャン(長)江]]中・下流平原,[[トンナン(東南)丘陵]]で,海岸には大小の[[三角州]]が連なっている。年平均気温は熱帯の[[ハイナン(海南)島]]では 25℃,亜寒帯の[[ヘイロンチヤン(黒竜江)省]]では-5℃である。年降水量は南部の沿海では 1500mmをこえるが,内陸のタリム盆地では 50mm以下である。冬季は南北の温度差が大きいが,[[季節風]]が卓越しているために夏季は全般に高温となり,降水も夏季に多い。チンリン山地と[[ホワイ(淮)河]]を結ぶ線は 1月の平均気温が 0℃で,中国の植生を南北に分ける。以北はコムギを中心とする畑作地域で,以南は水稲を中心とし,二期作や[[二毛作]]が普及している。内モンゴル高原とチベット高原は牧畜を主産業とし,ジュンガル盆地とタリム盆地では牧畜と灌漑農業が行なわれる。地下資源の開発と工業化も進み,多くの省に重工業都市や総合工業都市が生まれ,旧来の鉱山や新しく開発された鉱山を中心に新興工業都市も建設された。
  
中国は、繁栄及び衰退の繰り返しだと考えられる過去2000年間の大部分で世界最大かつ最も複雑な経済を有した<ref>{{cite web|url=http://www.eric.ed.gov/ERICWebPortal/custom/portlets/recordDetails/detailmini.jsp?_nfpb=true&_&ERICExtSearch_SearchValue_0=ED460052&ERICExtSearch_SearchType_0=no&accno=ED460052|last=Dahlman|first= Carl J|last2= Aubert|first2=Jean-Eric |title=China and the Knowledge Economy: Seizing the 21st Century. WBI Development Studies. World Bank Publications. |publisher=Institute of Education Sciences |accessdate=26 July 2014}}</ref><ref>{{PDF|[https://web.archive.org/web/20131212092013/http://browse.oecdbookshop.org/oecd/pdfs/product/4107091e.pdf Angus Maddison. Chinese Economic Performance in the Long Run. Development Centre Studies. Accessed 2007. p.29]}}(2013年12月12日時点の[[インターネットアーカイブ|アーカイブ]])</ref>。1978年における[[改革開放]]の導入以来、外資流入の勢いが増してゆき、産業構造が政策から転換して、中国は[[w: List of countries by real GDP growth rate|世界で最も成長率が高い]]主要経済大国の1つになった([[#経済]])。2016年時点で、同国は[[国の国内総生産順リスト (為替レート)|名目GDP]]及び貿易輸入額のいずれにおいても世界第2位であり(2014年には[[国際通貨基金]]・[[世界銀行]]・[[CIAワールドファクトブック]]によると購買力平価は世界最大のGDPとなった<ref name="china1" /><ref name="china2" /><ref name="china3" />)、[[国の国内総生産順リスト (購買力平価)|購買力平価GDP]]と貿易輸出額は世界一位である<ref name="ChinaBiggestTrader">{{cite news|url=http://www.telegraph.co.uk/finance/economics/9860518/China-trade-now-bigger-than-US.html|title=China trade now bigger than US|work=Daily Telegraph|date=10 February 2013|accessdate=15 February 2013|location=London|first=Garry|last=White}}</ref>。同国は[[核保有国の一覧|核保有国]]に認められ、[[w: List of countries by military expenditures |世界第2位の防衛予算]]で[[w: List of countries by number of military and paramilitary personnel |世界最大の常備軍]]を有する。中華人民共和国は1971年以来[[国際連合]]加盟国であり、中華民国の後任として[[国際連合安全保障理事会|安全保障理事会]][[国際連合安全保障理事会常任理事国|常任理事国]]である。中国は多数の公式及び非公式の多国間機構加盟国であり、[[世界貿易機関|WTO]]、[[アジア太平洋経済協力|APEC]]、[[BRICs]]、[[上海協力機構]]、[[w:Bangladesh–China–India–Myanmar Forum for Regional Cooperation|BCIM]]、[[G20]]がこれに該当する。中国はアジアの[[地域大国]]であり、多数の解説者により[[w:Potential superpowers|潜在的な超大国]]として特徴付けられてきた<ref>{{cite web |url=http://www.carnegieendowment.org/events/index.cfm?fa=eventDetail&id=851&prog=zch |title=From Rural Transformation to Global Integration: The Environmental and Social Impacts of China's Rise to Superpower |last=Muldavin |first=Joshua |date=9 February 2006 |publisher=Carnegie Endowment for International Peace |accessdate=17 January 2010 }}</ref><ref name="ChinaFuture">{{cite news|url=http://www.bbc.co.uk/news/magazine-19995218|title=A Point Of View: What kind of superpower could China be?|publisher=BBC|date=19 October 2012|accessdate=21 October 2012}}</ref>。なお2017年7月現在、[[中華人民共和国の世界遺産]]は[[イタリア]]についで52件ある。国内には[[文化遺産 (世界遺産)|文化遺産]]が22件、[[自然遺産 (世界遺産)|自然遺産]]が4件、[[複合遺産 (世界遺産)|複合遺産]]が4件存在する。
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また各県,各郷政府ごとに,農業の発展を支える小型工場や農畜産物の加工工場の建設が進んだ。1978年に打ち出された[[改革と開放]]政策のもと,近代化と外資の導入がはかられ,近年ではコンピュータや電気機器,衣服,化学などの工業が盛ん([[社会主義市場経済論]]
  
== 国名 ==
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2010年には[[国内総生産]] GDPが日本を上回り,アメリカ合衆国に次ぐ世界第2位の経済大国となった。定期航空路が全省都を結ぶ。住民は 90%以上を占める[[漢民族]]と 50以上の少数民族からなる。モンゴル族,[[ホイ(回)族]],チベット族,[[ウイグル]]族,[[チワン(壮)族]]の自治区があるほか,各省にも少数民族の自治州や自治県が設けられる。仏教,キリスト教,イスラム教のほか,民間宗教や伝統信仰の信者がいるが,無宗教も多い。([[中国史]])
現在の公式国名は、中華人民共和国 ({{Lang-zh-Hans|中华人民共和国}}; {{ピン音|Zhōnghuá Rénmín Gònghéguó}}) {{Audio|Zh-Zhonghua renmin gongheguo.ogg|発音}}である。一般国名は、[[中国]] ({{Lang-zh-Hans|中国}}; {{ピン音|Zhōngguó}}) 及び[[中華]] ({{Lang-zh-Hans|中华}}; {{ピン音|Zhōnghuá}}) である。
 
 
 
「中国」という言葉は、単数形にも複数形にも使われ[[19世紀]]まで国全体の名称としては用いられておらず、紀元前6世紀の[[書経]]を始め様々な古文書に登場し、[[秦|中華帝国]]以前の時代には[[華夏族]]を[[四夷]]と区別するため、文化的概念として頻繁に用いられた。
 
 
 
[[支那]]は[[帝国主義]]のイメージと結びついて侮蔑的な呼称であるが、その原型が古くから印欧語族の諸国で用いられてきた。したがって派生形が多く残っている。たとえば英名の"China"は、[[サンスクリット|サンスクリット語]]の''[[w:Chinas|Cīna]]'' ({{lang|sa|चीन}}) を由来とする[[ペルシア語]]の''Chīn'' ({{lang|fa|چین}})が由来と考えられる<ref name="AmHer">"[http://dictionary.reference.com/browse/China?qsrc=2888 China]". ''The American Heritage Dictionary of the English Language'' (2000). Boston and New York: Houghton-Mifflin.</ref>。"China"という言葉は、[[ポルトガル]]の探検家[[w:Duarte Barbosa|Duarte Barbosa]]の日誌において1516年に初めて記録された<ref>"China". ''Oxford English Dictionary'' (1989). ISBN 0-19-957315-8.<br />
 
''[http://books.google.com.vn/books?id=edzW9fuOF-cC&pg=PA211&dq=#v=onepage&q=%22Very%20Great%20Kingdom%20of%20China%22&f=false The Book of Duarte Barbosa]'' (chapter title "The Very Great Kingdom of China"). ISBN 81-206-0451-2. In the [http://purl.pt/435/ Portuguese original], the chapter is titled "O Grande Reino da China".</ref>。1555年、同日誌は[[イングランド]]において翻訳及び出版された<ref>[[w:Richard Eden|Eden, Richard]] (1555). ''Decades of the New World'': "The great China whose kyng is thought the greatest prince in the world."<br />{{cite book | title=Western Views of China and the Far East, Volume 1 | publisher=Asian Research Service | year=1984 | page=34 |first=Henry Allen |last=Myers}}</ref>。17世紀に[[マルティノ・マルティニ]]により提唱された伝統的理論では、''Cīna''は[[周]]において中国最西の国である"Qin" ([[秦]]) が由来である<ref name="Martini">Martino, Martin, ''Novus Atlas Sinensis'', Vienna 1655, Preface, p. 2.</ref>。また、''Cīna''は[[マハーバーラタ]] (紀元前5世紀) 及び[[マヌ法典]] (紀元前2世紀) を含む初期の[[ヒンドゥー教]]の聖典において用いられていた<ref>{{cite book|title=The Clash of Empires: the invention of China in modern world making|last=Liu|first=Lydia He|publisher=[[w:Harvard University Press|Harvard University Press]]|year=2009|pages=77–78|isbn=9780674040298|quote=[[w:Patrick Olivelle|Olivelle]]'s evidence affirms that ''cīna'' is related to the Qin dynasty but leaves the precise nature of that linkage open to speculation.}}</ref><ref>Wade, Geoff. "[http://www.sino-platonic.org/complete/spp188_yelang_china.pdf The Polity of Yelang and the Origin of the Name 'China']". ''[[w:Sino-Platonic Papers|Sino-Platonic Papers]]'', No. 188, May 2009, p. 20.</ref>。
 
 
 
== 歴史 ==
 
{{中国の歴史}}
 
=== 中華民国からの連続 ===
 
古代から続く[[中国の歴史]]は文化と経済の両面から中華人民共和国のあり方を規定している。1900年前後の[[清]]王朝・[[中華民国]]並存時代は[[外資]]が西欧近代化を推進した。19世紀末は[[露清銀行]]や[[インドシナ銀行]]が進出してきたが、20世紀に入ると[[門戸開放政策]]によってアメリカ資本も参入してきた。このアメリカ資本とは例えば[[第一次世界大戦]]中やってきたフランク・ヴァンダーリップ([[:en:Frank A. Vanderlip|Frank A. Vanderlip]])や[[JPモルガン]]のAIC(American International Corporation)であるとか、大戦直後上陸した[[アメリカン・インターナショナル・グループ]]である。一方、[[四大家族]]が中華民国と中華人民共和国を政治と経済の中枢で関係させ、アメリカのチャイナ・ロビーが台湾に働きかけた。今日の中華人民共和国がグローバル化した背景である。
 
 
 
[[1930年代]]から日中戦争を挟んで断続的に行われていた[[国共内戦]]において、[[毛沢東]]の率いる[[中国共産党]]が[[アメリカ合衆国|アメリカ]]からの援助を打ち切られた[[中国国民党]]に対して勝利をおさめ、[[1949年]]に中華人民共和国を樹立、翌年までに[[台湾]]および[[福建省]]の一部島嶼を除く中華民国の統治地域を制圧した。なお、[[中国国民党|国民党]]政府は進駐中であった[[台湾島]]に追われるかたちで政府機能を移転、その後も台湾島とこれらの島嶼地域は現在中華民国政府の実効支配下にある。
 
 
 
=== 毛沢東時代 ===
 
{{Main|中華人民共和国の歴史}}
 
[[File:Mao proclaiming the establishment of the PRC in 1949.jpg|thumb|1949年、[[天安門]]にて中華人民共和国の建国を宣言する[[毛沢東]]]]
 
中華人民共和国は、国家指導者の指導理論や政策などによって、'''毛沢東時代'''([[1949年]] - [[1978年]])と'''鄧小平時代'''以降(1978年 - )の2つの時代に分類することができる。
 
 
 
[[毛沢東]]時代の中華人民共和国は、社会の[[共産主義]]化を推進した。中華人民共和国の建国後、毛沢東は[[毛沢東思想]]に基づき、中国共産党を軸にした世界革命路線を推進した。[[1951年]]にはソ連から[[旅順港]]・[[大連港]]・[[南満州鉄道]]が返還される<ref name="jmsdfsc">[http://www.mod.go.jp/msdf/navcol/SSG/topics-column/col-016.html 防衛駐在官の見た中国 (その8)-旅順港 日本と中国、そしてロシア-] 海上自衛隊幹部学校 2011/12/09</ref>。[[1952年]]には[[朝鮮戦争]]に介入し、韓国軍と、アメリカ軍を主体とする[[国連軍]]を阻止した。このような力は必ずしも政治だけのものではなかった。[[三反五反運動]]が体制を浄化することに成功したことも忘れてはならない。中華人民共和国は、毛沢東の指導の下で[[大躍進政策]]と[[核開発]]を行った。[[1959年のチベット蜂起]]を鎮圧し、[[1962年]]には[[インド]]と武力衝突した([[中印国境紛争]])。
 
 
 
1949年の中華人民共和国成立後、「[[向ソ一辺倒]]」の下で中ソ両国は友好関係を保っていたが、[[1956年]]の[[ニキータ・フルシチョフ|フルシチョフ]]第一書記による[[スターリン批判]]後、[[西側諸国]]との[[平和共存]]路線を図るソ連と[[自由主義]]世界との妥協を拒否する中華人民共和国との間で[[中ソ対立]]が生じ、中国を支持した[[エンヴェル・ホッジャ]]が指導する[[アルバニア]]と共にソ連から世界の共産主義運動の主導権を奪おうとし、[[1969年]]には両国の国境地帯に位置した[[珍宝島]]/[[ダマンスキー島]]を巡って[[中ソ国境紛争]]が勃発した。また、内政では大躍進政策の失敗によって失脚していた毛沢東が、[[1966年]]より経済の立て直しを巡る対立から[[文化大革命|プロレタリア文化大革命]](文革)を発動し、官僚化した中国共産党を打倒しようと呼びかけた毛沢東の訴えに[[紅衛兵]]が呼応したため、「[[造反有理]]」、「[[革命無罪]]」の呼号の下、宗教関係者などの「[[反革命]]」派と目された人々の多くがつるし上げや[[殺害]]を受け、国内は内乱状態となった。[[内モンゴル]]の先住民族に対しては[[内モンゴル人民革命党粛清事件]]などの粛清を行った<ref name="sakurai20080619">{{cite web
 
|url = http://yoshiko-sakurai.jp/index.php/2008/06/19/%E3%80%8C%E2%80%9C%E3%83%A2%E3%83%B3%E3%82%B4%E3%83%AB%E4%BA%BA%E3%82%B8%E3%82%A7%E3%83%8E%E3%82%B5%E3%82%A4%E3%83%89-%E5%AE%9F%E9%8C%B2%E2%80%9D%E3%80%8D/
 
|title = 「“モンゴル人ジェノサイド 実録”」
 
|work = [[週刊新潮]]2008年6月19日号
 
|publisher = [[櫻井よしこ]]
 
|author = [[櫻井よしこ]]
 
|date = 2008年06月19日
 
|accessdate = 2010-12-31
 
}}</ref>。
 
 
 
外交では[[1971年]]の第26回[[国際連合総会]]にて採択された[[アルバニア決議]]の結果、それまで国際連合常任理事国だった中華民国に代わって[[国際連合安全保障理事会理事国の一覧|国連安全保障理事会常任理事国]]となった。また、ソ連との関係では[[中ソ対立]]が継続していたため、[[1972年]][[2月21日]]の[[リチャード・ニクソン]]大統領[[ニクソン大統領の中国訪問|訪中]]を契機にソビエトと対立するアメリカ合衆国との関係が緩和され、同年[[9月29日]]には[[日本]]の[[田中角栄]]首相と[[日中国交正常化]]を果たし、ソ連の影響から離れて[[資本主義]]諸国との関係を改善した。以後、西側諸国から経済支援を受け、国際社会に強い影響力を持つことに成功した。[[1974年]]には[[南シナ海]]に侵攻し、当時の[[南ベトナム]]支配下の[[西沙諸島]]を占領した([[西沙諸島の戦い]])。文化大革命は[[1976年]]の毛沢東の死と共に終結した。その後、「[[二つのすべて]]」を掲げた[[華国鋒]]が毛沢東の後を継いだが、[[1978年]]12月の[[中国共産党第十一期中央委員会第三回全体会議|第11期3中全会]]で[[トウ小平|鄧小平]]が実権を掌握した。
 
 
 
=== 鄧小平時代 ===
 
1978年より始まる鄧小平時代以降の中華人民共和国は、[[トウ小平理論|鄧小平理論]]に基づいて政治体制は[[中国共産党]]による一党体制を堅持しつつも、[[市場経済]]導入などの経済開放政策を取り、中華人民共和国の近代化を進めた({{仮リンク|中国特色社会主義|zh|中国特色社会主义|label=中国特色社会主義}})。[[中ソ対立]]の文脈の中で、[[1978年]]12月に[[カンボジア・ベトナム戦争]]によって[[カンプチア救国民族統一戦線]]と[[ベトナム人民軍]]が[[民主カンボジア|民主カンプチア]]に侵攻し、[[1979年]]1月に中国が支援する[[カンボジア]]の[[ポル・ポト]]政権を打倒すると、[[1979年]]2月には親中派の民主カンプチアを打倒した親ソ派の[[ベトナム]]に侵攻した([[中越戦争]])。その後もソ連派のベトナムとの関係は悪く、[[1984年]]には再びベトナムと[[中越国境紛争]]を戦い、[[1988年]]にベトナム支配下の[[ジョンソン南礁]]を制圧した([[南沙諸島海戦]])。
 
 
 
1980年代以来の経済の[[改革開放]]の進展により、「[[世界の工場]]」と呼ばれるほど経済が急成長した。一方、急激な経済成長とともに貧富差の拡大や環境破壊が問題となっている。また政府は、中華人民共和国の分裂を促すような動きや、共産党の一党体制を維持する上で脅威となる動きに対しては強硬な姿勢を取り続けている。[[1989年]]の[[六四天安門事件]]での対応などはその一例である。当時の[[ソビエト連邦]](ソ連)では[[ミハイル・ゴルバチョフ]]書記長による[[ペレストロイカ]]により、経済の自由化のみならず、政治の自由化まで推し進められようとされていたが、鄧小平の自由化は、経済に限定されていた。[[1985年]]にゴルバチョフが北京を訪れた際、世界はゴルバチョフを賞賛するとともに、鄧小平の改革開放路線を中途半端なものとして批判した。この空気は、国内にもくすぶり、共産党員の中にも「政治開放が必要」との声も上がるほどであったが、その延長線上で民主化要求の大規模な政治運動である[[六四天安門事件]]が起こる。なお、[[フランス]]流学歴のある鄧小平は、[[包玉剛]]を通じて[[香港上海銀行]]と関係していた。
 
 
 
=== 江沢民から胡錦濤 ===
 
{{main|天安門事件|改革開放|北京オリンピック|上海万博}}
 
天安門事件から[[江沢民]]が台頭した。1992年、それまで「従業員と企業が保険料を社会統括基金に全額上納していた」年金制度を改め、上納先に個人口座が加えられた<ref name=pension>蒋 小青、坂口 正之 「中国における公的年金制度の史的展開 1950年〜1991年を中心に」 大阪市立大学生活科学部紀要 47, 171-182, 1999</ref>。1998年に[[投資信託]]制度が開始された<ref name=nomura>孫 錫寧 「中国資産運用会社の業務拡大」 Financial Information Technology Focus 2008年8月 14-15頁</ref>。2001年に国内の[[投資顧問会社|資産運用会社]]は社会保障基金の運用管理業務を認められた<ref name=nomura />。2002年、中国は適格海外機関投資家に対して上海・深圳市場でのA株売買を認めた。2005年、資産運用会社は企業年金の運用管理業を認められた<ref name=nomura />。2006年、適格海外機関投資家の国内証券市場投資がルール化された。2007-8年、資産運用会社は投信運用管理業務と一般法人投資顧問業を認められた<ref name=nomura />。2009年現在、適格海外機関投資家のトップ10は、首位から[[UBS]]、[[シティグループ]]、[[フォルティスグループ]]、[[クレディ・スイス]]、[[日興アセットマネジメント]]、[[ドイツ銀行]]、[[モルガン・スタンレー]]、[[HSBC]]、[[野村證券]]、[[INGグループ]]である<ref>[[国際金融公社|IFC]], ''Sustainable Investment in China 2009'', Sep. 2009, p.57.</ref>。全部で85機関が認定されており(同年7月現在)、[[アビバ (保険会社)|アビバ]]のような保険会社もふくまれている。中国の人口、すなわち年金市場は、国家支配を脱却したまでは良かったが、適格海外機関投資家をふくむ資産運用会社が大衆貯蓄を[[シャドー・バンキング・システム]]に振り向ける構造へ変わった。人口の[[高齢化]]は企業の抱える年金債務を増やしたので、官民挙げて[[一人っ子政策]]を緩和し保険料収入の増加に努めている。
 
 
 
=== 習近平の時代 ===
 
{{main|アジアインフラ投資銀行|一帶一路|上海ディズニーランド|米中貿易戦争 (2018年)}}
 
 
 
== 地理 ==
 
=== 国土の外観 ===
 
[[File:China 100.78713E 35.63718N.jpg|thumb|250px|中国の地形を示す合成衛星画像]]
 
{{Main|中華人民共和国の地理}}
 
中華人民共和国は[[アジア大陸]]の東部、[[太平洋]]の西海岸に位置し、国土は9,634,057km²と[[ロシア]]と[[カナダ]]に次ぐ面積であり、世界第3の大きさである<ref>水面積の統計上の処理の方法によっては[[アメリカ合衆国]]の面積の方がわずかに中華人民共和国を上回るとされることもある。</ref>。領土は北は[[漠河]]以北の[[アムール川|黒竜江(アムール川)]]の中軸線から、南は[[南沙諸島]]の一部まで。東は黒竜江と[[ウスリー川]]の合流する地点から、西は[[パミール高原]]まで広がっている。主要河川として[[黄河]]や[[長江]]があり、それぞれ[[黄河文明]]、[[長江文明]]を育んだ自然の恵みでもある。陸地の国境線は2万2800キロで、東は[[朝鮮民主主義人民共和国]]、北は[[モンゴル国|モンゴル]]、北東は[[ロシア]]、北西は[[カザフスタン]]、[[キルギス|キルギスタン]]、[[タジキスタン]]、西と南西は[[アフガニスタン]]、[[パキスタン]]、[[インド]]、[[ネパール]]、[[ブータン]]、南は[[ミャンマー]]、[[ラオス]]、[[ベトナム]]と接している。
 
 
 
東部と東南部は[[大韓民国|韓国]]、[[日本]]、[[フィリピン]]、[[ブルネイ]]、[[マレーシア]]、[[インドネシア]]と海を挟んで接している。海岸線は約1万8000キロで、中国大陸の東部は[[渤海 (海域)|渤海]]、[[黄海]]、[[東シナ海]]に、南部は[[南シナ海]]に臨んでいる。海域には5,400の島が点在する。これらの島嶼では[[南沙諸島]]や[[西沙諸島]]、[[台湾]]、フィリピンのミスチーフ環礁、マレーシアのラヤンラヤン島の領有権も主張している。その一部は既に武力支配され、周辺国から反感を買い警戒されている。島嶼以外では[[チベット]]、[[ウイグル]]の独立問題の他、[[インド]]の[[アクサイチン]]、[[アルナーチャル・プラデーシュ州]]の領有も主張している。
 
 
 
=== 交通機関 ===
 
[[中国の交通]]は運河と海路を長大な歴史にわたり活用し発展してきた。満州は現代史の一定期間だけ自転車天国だったかもしれないが、中国全体の交通事情をそのように想像するのは大きな誤解となる。[[中華人民共和国の鉄道]]の一部は列強による中国分割の途中に敷設されたものがある。国有化されても影響は残るものである。それは[[ロシア]]の鉄道にフランス資本が注入されたケースに共通する。中国にもフランス資本は直接・間接に導入された。自動車道も鉄道沿線に網を張った。[[中国の国道]]は経済格差を反映し東部で密に整備されている。[[中華人民共和国の高速道路]]は外資がなだれこんだ2003年から整備が進んだ。
 
 
 
 
 
=== チベット自治区・青海省その他のチベット東部 ===
 
{{出典の明記|date=2018年2月|section=1}}
 
{{See|チベット#チベット問題}}
 
[[中華民国の歴史|民国期(1912年-1949年)]]のチベットは、[[アムド地方]]<small>(=[[青海省]],[[甘粛省]]の西南部など )</small>を抑える[[馬歩芳|馬一族]]の[[回族]]政権、[[カム地方]]の東部<small>(=[[西康省]])</small>を抑える[[劉文輝]]政権、中央チベット<small>(=[[西蔵]],ウー・ツアン地方と[[カム地方]]西部)</small>を抑える[[ガンデンポタン]]などが割拠する状況であった。馬歩芳は[[人民解放軍]]に逐われて1949年8月に地盤の[[甘粛]]・[[青海]]を放棄し、[[重慶]]・[[香港]]経由でサウジアラビアに亡命、劉文輝は、「建国」後の1949年12月に中華人民共和国に投降した。
 
 
 
[[1950年]]に中国政府は[[人民解放軍]]を中央チベットに向けて派兵、[[チャムド戦役]]を経て同年中にカム地方西部を制圧、翌[[1951年]]、残るウーツァン地方も制圧、ガンデンポタンとの間にいわゆる「[[十七ヶ条協定]]」を締結(「[[西蔵和平解放]]」)、この協定のもと、ガンデンポタンは「西蔵地方政府」と位置付けられた。
 
 
 
この協定では、「西蔵には改革を強制しない」と規定されていたが、「西蔵」の外部(=ガンデンポタンの管轄外)に設置された[[青海省]]・[[甘粛省]]の[[甘南州]]・[[四川省]]の[[ガパ州]](=[[アムド]]地方)、四川省の[[カンゼ州]]・雲南省の[[デチェン州]](=[[カム地方]]の東部)などでは「民主改革」とよばれる土地制度をはじめとする各種の社会制度改革が1955年より開始された。世襲の領主制、一部名望家による大規模な土地所有、牧畜群所有などに対する改革は民衆の歓迎をうけたが、寺院財産に手が付けられるに及び中国統治への反感は一挙にたかまり、1956年より、アムド地方・カム地方における一斉蜂起がはじまった。この蜂起により、中国の統治機構は一時的に青海省その他のチベット東部地方各地から一層されたが、中国人民解放軍による反撃がただちに開始され、チベット東部地方の旧指導層や民衆は、難民となって、ガンデンポタンのもとまだ平穏をたもっていた「西蔵」に逃げ込んだ。
 
 
 
[[1959年]]に「農奴制革」に反発したチベット人貴族・僧侶「農奴制革」が蜂起(=「[[チベット動乱]]」)した。しかし中国軍の強力な反撃により弾圧され、[[ダライ・ラマ14世]]は多数の元貴族と共にインドへ脱出して、亡命政府を樹立した。現在[[ダライ・ラマ]]率いる[[ガンデンポタン|チベット亡命政府]]が中国共産党に対して[[チベット]]の独立を要求している。
 
[[2008年]]3月14日には、チベット自治区[[ラサ市|ラサ]]で、中国政府に対する僧侶を含む多数の一般市民の抗議行動が激化し、中心部の商店街から出火、武装警察([[中国人民武装警察部隊]])などが鎮圧に当たり多数の死傷者が出た。チベット亡命政府によると確認されただけで死者は少なくとも80人はいると発表された<ref>{{cite news
 
|title = チベット暴動での死者数は80人・負傷者は72人=亡命政府
 
|newspaper = ロイター
 
|date = 2008-03-16
 
|url = http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPJAPAN-30849620080316
 
|accessdate = 2011-02-28
 
}}</ref>。それと同時に世界各国の中国大使館前でも中国政府への抗議活動が繰り広げられた<ref>{{cite news
 
|title = チベット暴動:欧州各国で抗議行動
 
|newspaper = 毎日新聞
 
|date = 2008-03-17
 
|url = http://mainichi.jp/select/world/asia/news/20080317k0000e030060000c.html
 
|archiveurl = http://megalodon.jp/2008-0317-1922-14/mainichi.jp/select/world/asia/news/20080317k0000e030060000c.html
 
|archivedate = 2008-03-17
 
}}</ref>。
 
{{clear}}
 
 
 
アメリカの[[バラク・オバマ]]大統領は、チベット仏教の最高指導者の一つである[[ダライ・ラマ14世]]と4回にわたって会談を行っており、2016年6月15日には中国外務省がチベットの分離独立を後押しするダライ・ラマ14世の主張に正統性を与えかねないとしてアメリカ政府を厳しく批判した<ref>[http://www.cnn.co.jp/world/35084381.html オバマ米大統領、ダライ・ラマと会談 中国が抗議] - CNN 2016年6月16日</ref>。6月26日には、[[レディ・ガガ]]がダライ・ラマ14世と意見交換をし、中国政府は不快感を表明した<ref>[http://www.asahi.com/articles/ASJ6X5WYWJ6XUHBI02D.html 中国、レディー・ガガさんに不快感 ダライ・ラマと対談] - 朝日新聞 2016年6月28日</ref>。
 
 
 
=== 新疆ウイグル自治区 ===
 
{{Main|東トルキスタン独立運動}}
 
[[新疆ウイグル自治区]]([[東トルキスタン]])の分離・独立を目指す組織勢力が国内外に多数存在しており、[[アメリカ合衆国|アメリカ]]で[[東トルキスタン亡命政府]]を樹立するなど活動を行なっている。[[2009年ウイグル騒乱]]では、約200人の住民([[新華社]]によると主に[[漢族]])が殺害された<ref>[https://web.archive.org/web/20091005041212/http://news.xinhuanet.com/english/2009-07/18/content_11727782.htm Xinjiang riot hits regional anti-terror nerve](2009年10月5日時点の[[インターネットアーカイブ|アーカイブ]]) - 新華網 2009年7月18日</ref><ref name="shink">[http://business.nikkeibp.co.jp/welcome/welcome.html?http%3A%2F%2Fbusiness.nikkeibp.co.jp%2Fatcl%2Freport%2F15%2F224217%2F070100008%2F 中国の「テロとの戦い」は国際社会の支持を得るか] - 日経BP 2015年7月3日</ref>。ウイグル独立団体の主張によると、2014年7月に発生した暴動でも、ウイグル人が大量に殺害されている<ref>[http://www.sankei.com/world/news/140806/wor1408060007-n1.html 新疆暴動、死者「2千人以上」か 米放送伝える] - 産経新聞 2014年8月6日</ref>当局は情報統制を敷いており事件の真相は不明だが、当局側は59人の射殺を認めている<ref>[http://www.nikkei.com/article/DGXLASGM06025_W4A800C1FF1000/ 新疆暴動「治安当局が2000人殺害」、亡命ウイグル団体主張 ] - 日本経済新聞 2014年8月6日</ref><ref name="shink"/>。2015年12月1日には、政府系メディアなどが対ウイグル族政策で批判的記事を書いた外国人記者に対して個人攻撃をおこなったことについて、中国外国人記者会が深い懸念を表明した<ref>[http://www.nikkei.com/article/DGXLASGM01H6V_R01C15A2FF2000/ 仏記者への個人攻撃「懸念」 中国外国人記者会 ] - 日本経済新聞 2015年12月1日</ref>(12月26日には、この外国人記者が国外退去処分となった<ref>[http://www.asahi.com/articles/ASHDT7GBWHDTUHBI034.html 中国、政策批判の仏誌記者に記者証発給せず 国外退去へ] - 朝日新聞 2015年12月26日</ref>)。
 
{{clear}}
 
 
 
2015年7月9日、 [[タイ王国|タイ]]政府が中国からの保護を求めて2014年3月に入国した300人以上のウイグル人のうち約100人を中国に[[強制送還]]したことが国際問題となった。保護を求めたウイグル人は、タイや[[マレーシア]]などを経由してトルコへ渡ることを目指しており、国連はタイ政府の対応を非難<ref>[http://jp.wsj.com/articles/SB11807971170009143901604581099112564228834 タイ、ウイグル族100人を中国送還 トルコではデモ発生] - WSJ 2015年7月10日</ref>。[[亡命]]したウイグル人が多く暮らす[[トルコ]]では、[[イスタンブール]]で抗議デモが発生した。また、米国政府は中国に対して「国際的な人権基準に基づいて適切に対応するよう求める」と牽制した<ref>[http://megalodon.jp/2015-0710-2132-23/www3.nhk.or.jp/news/html/20150710/k10010145741000.html 米 ウイグル族強制送還でタイ政府を非難] - nhk 2015年7月10日</ref>。また、[[エジプト]]でもウイグル族の中国への強制送還が相次いでることも問題となっている<ref>{{Cite news|url= https://mainichi.jp/articles/20170722/k00/00m/030/097000c |title=ウイグル族の拘束相次ぐ 中国の要請か|work= [[毎日新聞]]|date=2017-07-21|accessdate=2017-08-17}}</ref>。
 
 
 
== 政治==
 
{{Main|中華人民共和国の政治|中華人民共和国法}}
 
=== 国家の統治体制 ===
 
{{Main|中華人民共和国憲法}}
 
[[File:Great Hall Of The People At Night.JPG|thumb|[[全国人民代表大会]]議事堂である北京市の[[人民大会堂]]]]
 
憲法より上位の存在である[[中国共産党]]と憲法を拠り所とするその[[衛星政党]](「民主党派」)以外の政党は認められておらず、国民には結党の自由がない。
 
{{Main|中華人民共和国の政党一覧}}
 
 
 
[[立法府|立法機関]]として[[全国人民代表大会]]が置かれ、[[行政機関]]として、[[中華人民共和国国務院|国務院]]が、[[司法]]機関として、[[最高人民法院]]と[[最高人民検察院]]が存在する。法律上は全国人民代表大会に権限が集中する。この他に衛星政党や各団体、各界の代表なども参加する[[中国人民政治協商会議]]が存在するが、「国政助言機関」<ref>[http://www.china-embassy.or.jp/jpn/zt/2017NLHJP/t1442890.htm 政協第12期全国委第5回会議は3日から13日まで 王国慶報道官]([[駐日中華人民共和国大使館]] 2017年3月3日)</ref>であって法律の制定権などは持っていない。[[権力分立|三権分立]]の相互抑制メカニズムは存在しない([[民主集中制]])。
 
 
 
{{See also|全国人民代表大会|中華人民共和国国務院|中華人民共和国中央軍事委員会}}
 
 
 
実際には国政を動かすのは中国共産党であり、共産党の最高指導集団である[[中国共産党中央政治局常務委員会|中央政治局常務委員会]]が権力を掌握する構造となっている。最近では[[法治主義|法治]]を重視する政策の下、一定の役割を果すようになってきている。
 
 
 
[[File:Xi jinping and Li keqiang.jpg|300px|thumb|習近平主席と李克強総理]]
 
2017年10月現在の最高指導グループである[[中国共産党中央政治局常務委員会#第19期中央政治局常務委員(2017年10月)|第19期]]の[[中国共産党中央政治局常務委員会|中国共産党中央政治局常務委員]]は以下の通り。
 
# [[習近平]] - 序列第1位 [[中国共産党中央委員会総書記|党総書記]]、[[中華人民共和国主席|国家主席]]、[[中国共産党中央軍事委員会主席|党中央軍事委員会主席]]、[[中華人民共和国中央軍事委員会|国家軍事委員会主席]]、[[:zh:中共中央国家安全委员会|中央国家安全委員会(zh)]]主席
 
# [[李克強]] - 序列第2位 [[国務院総理]](首相)、[[:zh:中共中央国家安全委员会|中央国家安全委員会(zh)]]副主席
 
# [[栗戦書]] - 序列第3位 [[全国人民代表大会|全人代常務委員長]]、[[:zh:中共中央国家安全委员会|中央国家安全委員会(zh)]]副主席
 
# [[汪洋|汪  洋]] - 序列第4位 [[中国人民政治協商会議|全国政協主席]]
 
# [[王滬寧]] - 序列第5位 [[中国共産党中央書記処|党中央書記処]]書記
 
# [[趙楽際]] - 序列第6位 [[中国共産党中央規律検査委員会|党中央規律検査委員会]]書記
 
# [[韓正|韓  正]] - 序列第7位 [[国務院副総理]](副首相)
 
# [[王岐山]] - 序列第8位 [[中華人民共和国副主席|国家副主席]]
 
{{See also|中華人民共和国の最高指導者一覧|中国共産党中央委員会総書記}}
 
 
 
=== 一国二制度 ===
 
[[File:Hong Kong Night Skyline non-HDR.jpg|thumb|[[中国]]の[[国際金融中心]][[香港]]]]
 
{{Main|香港の政治#一国二制度|マカオの政治}}
 
[[1997年]]に[[イギリス]]統治から返還された[[香港]]、[[1999年]]に[[ポルトガル]]統治から返還された[[マカオ]]は、[[一国二制度]](一国両制)の下、特別行政区として高度な自治権を有する。[[香港基本法]]により、高度な自治、独自の行政、経済および法制度を持ち、本土の法律は一部を除いて適用されない。[[間接選挙|間接]]選挙であるが、[[香港行政長官|行政長官]]選挙が行われ、[[香港立法会|立法会]]では一部議員を[[直接選挙]]で選出している。さらに、参加資格を[[主権]][[国家]]に限定していない[[国際組織]]への加盟や国際会議への参加も可能である。
 
 
 
=== 地方行政区分 ===
 
{{Main|中国行政区分の面積一覧|中華人民共和国の都市}}
 
2017年現在、[[中華人民共和国の行政区分]]は[[台湾省]]を含む23の省、5つの[[自治区]]、4つの[[直轄市]]、及び2つの特別行政区から成る。中国政府は地方政府独自の旗を禁止しており特別行政区の香港、マカオを除き独自の旗を持っていない。<ref>{{Cite book|和書|ref=|author=[[刈安望]]|editor=|title=世界地方旗図鑑|url=|edition=初版第一刷|series=|date=2015年2月10日|year=2015|publisher=[[えにし書房]]|isbn=978-4908073151|page=36|pages=|chapter=アジア編|translator=|volume=|location=|others=|origdate=|origyear=|id=|origmonth=}}</ref>
 
 
 
{|class="navbox" style="width:100%; background:none; text-align:left; valign:top;"
 
!colspan=5|<center>省</center>
 
|-
 
|
 
*[[安徽省]]
 
*[[福建省]]
 
*[[甘粛省]]
 
*[[広東省]]
 
*[[貴州省]]
 
|
 
*[[海南省]]
 
*[[河北省]]
 
*[[黒竜江省]]
 
*[[河南省]]
 
*[[湖北省]]
 
|
 
*[[湖南省]]
 
*[[江蘇省]]
 
*[[江西省]]
 
*[[吉林省]]
 
*[[遼寧省]]
 
|
 
*[[青海省]]
 
*[[陝西省]]
 
*[[山東省]]
 
*[[山西省]]
 
*[[四川省]]
 
| style="vertical-align:top;" |
 
*[[雲南省]]
 
*[[浙江省]]
 
*[[台湾省 (中華人民共和国)|台湾省]] (実効支配していない)
 
|-
 
!colspan=2|<center>自治区</center>
 
!colspan=2|<center>直轄市</center>
 
!<center>特別行政区</center>
 
|-
 
|colspan=2|
 
*[[広西チワン族自治区]]
 
*[[内モンゴル自治区]]
 
*[[寧夏回族自治区]]
 
*[[新疆ウイグル自治区]]
 
*[[チベット自治区]]
 
| colspan="2" style="vertical-align:top;" |
 
*[[北京市]]
 
*[[重慶市]]
 
*[[上海市]]
 
*[[天津市]]
 
| style="vertical-align:top;" |
 
*[[香港特別行政区]]
 
*[[マカオ特別行政区]]
 
|}
 
 
 
{{中華人民共和国の行政区分 imagemap}}{{clear}}
 
 
 
== 国家機関 ==
 
=== 警察 ===
 
[[File:ForbiddenCity MaoZedongPortrait (pixinn.net).jpg|thumb|[[毛沢東]]の肖像画が掲げられた[[天安門]]における[[中国人民武装警察部隊|中国人民武装警察部隊員]]]]
 
;公安部
 
{{Main|中華人民共和国公安部}}
 
;武装警察部隊
 
{{Main|中国人民武装警察部隊}}
 
;その他
 
* [[中国共産党中央弁公庁警衛局]] - 共産党による中国版[[シークレット・サービス]]
 
 
 
=== 情報機関 ===
 
;国家安全部
 
{{Main|中華人民共和国国家安全部}}
 
 
 
;中国人民解放軍
 
* [[中国人民解放軍総政治部]]連絡部 - 傘下組織に中国国際友好連絡会(友連会)
 
* [[中国人民解放軍総参謀部]]
 
** [[中国人民解放軍総参謀部第二部]]([[総参謀部情報部]]) - [[ヒューミント]]系の情報活動
 
** [[中国人民解放軍総参謀部第二部|中国人民解放軍総参謀部第三部]]([[総参謀部技術偵察部]]) - [[シギント]]系の情報活動
 
** [[中国人民解放軍総参謀部第四部]](総参謀部電子部) - ハッカー攻撃など
 
{{See|中国人民解放軍#人民解放軍による諜報活動}}
 
 
 
;公安部
 
* [[:zh:中华人民共和国公安部|公安部一局]](国内安全保衛局)
 
* [[:zh:公共信息网络安全监察|公安部十一局]](公共信息網絡安全監察局)
 
{{See|中国のネット検閲}}
 
 
 
;網絡警察
 
* [[:zh:网络警察|網絡警察]] - [[:en:Internet police|インターネット・ポリス]](国家安全部と公安部の合同機関)
 
{{See|中国のネット検閲}}
 
 
 
;共産党
 
* [[中国共産党中央対外連絡部]]
 
* [[中国共産党中央統一戦線工作部]]
 
* [[中国共産党中央政法委員会]]
 
** [[610弁公室]]
 
 
 
;国務院
 
* [[新華社通信]] - [[中華人民共和国国務院|国務院]]直属の[[通信社]]<!--
 
「新華社通信」はあくまで「情報機関」としてで、「諜報機関」という意味ではなく。-->
 
 
 
=== 軍 ===
 
{{Main|中国人民解放軍}}
 
<!--[[File:J-10a zhas.png|thumb|[[中国人民解放軍空軍|空軍]]の[[J-10 (航空機)|J-10]]戦闘機]]-->
 
<!--[[File:Luyang II (Type 052C) Class Destroyer.JPG|thumb|[[中国人民解放軍海軍|海軍]]の[[蘭州級駆逐艦]]]]-->
 
[[中華人民共和国憲法]]によれば、形式的には、[[中華人民共和国中央軍事委員会|国家中央軍事委員会]]は[[中国人民解放軍]](現役部隊、[[予備役]]部隊)、[[中国人民武装警察部隊]]、[[中国民兵]]など全国の武力を指導するとある。しかし現実は、[[中国共産党]]の[[中国共産党中央軍事委員会|党中央軍事委員会]]がほぼ国家中央軍事委員会のメンバーを兼ねており、実質的には中国共産党の指導の下、軍・警察を支配しており「中国共産党傘下の軍隊」となっている。
 
 
 
軍隊近代化のため、兵力20万人削減を、[[2015年]][[9月3日]]の「[[中国人民抗日戦争・世界反ファシズム戦争勝利70周年記念式典]]」で習近平が表明し、総兵力は約150万人となった。
 
 
 
[[チャイナネット]]によれば中華人民共和国には[[徴兵制度|兵役制度]]が存在しており、選抜徴兵制と呼ばれている。青年らは何らかの形で武装警察、あるいは現役の正規軍に任務につき、任務後は[[民兵]]の任務に就くことが可能である。こうした[[準軍事組織]]は150万人の武装警察、600万人の民兵があり、削減された解放軍兵士の受け皿にもなっている。
 
* [[中国人民解放軍]] - 事実上、党が所有する軍隊
 
** [[中国人民解放軍陸軍|陸軍]]
 
** [[中国人民解放軍海軍|海軍]]([[蘭州級駆逐艦]]保有)
 
*** [[中国人民解放軍海軍陸戦隊]]
 
** [[中国人民解放軍空軍|空軍]]([[J-10 (航空機)|J-10]]保有)
 
** [[中国人民解放軍ロケット軍|ロケット軍]] - [[ミサイル#対地ミサイル|戦略ミサイル]]部隊兼[[宇宙軍]]
 
** [[中国人民解放軍戦略支援部隊|戦略支援部隊]]
 
* [[中国人民武装警察部隊|武装警察部隊]] - 党所有の[[準軍事組織]]
 
* [[中国民兵]] - 党所有の[[準軍事組織]]
 
 
 
また、中華人民共和国は[[核兵器]]を保有している。
 
{{See also|中華人民共和国の大量破壊兵器}}
 
 
 
;軍事費
 
[[ストックホルム国際平和研究所]]の統計によると、2008年度の中華人民共和国の軍事費は為替レートベースで849億ドル<ref>{{Cite web
 
|last = SIPRI
 
|title = Military Expenditure and Arms Production&gt;data on military expenditure&gt;The 15 major spender countries in 2008(table)
 
|url = http://www.sipri.org/research/armaments/milex/resultoutput/15majorspenders
 
|accessdate = 2009年6月15日
 
|archiveurl=https://web.archive.org/web/20090715002736/http://www.sipri.org/research/armaments/milex/resultoutput/15majorspenders
 
|archivedate=2009-07-15
 
}}</ref>で、アメリカ合衆国に次いで世界で2位(世界シェア5.8%)であり、1999年〜2008年の10年間で194%増加した。
 
 
 
中華人民共和国の軍事費の増加をアメリカ合衆国が非難をしており、中華人民共和国は「中国の国防は防御的なものであるし、今までの歴史に他国を侵略したこともない」と覇権目的ではないと反論している<ref>2006年6月7日付 人民網日本語版</ref>。
 
 
 
中華人民共和国は[[湾岸戦争]]、[[アフガニスタン紛争 (2001年-)|アフガニスタン戦争]]、[[イラク戦争]]などで、アメリカ合衆国軍の軍事兵器や軍事システムや戦闘スタイルの革新による軍事的成果に影響されて、軍事兵器や軍事システムや戦闘スタイルの革新に力を入れている。
 
 
 
軍備近代化を印象付ける出来事として[[2007年]][[1月18日]]、中華人民共和国が過去に打ち上げ廃棄処分となっていた[[人工衛星]]を[[弾道ミサイル]]によって破壊する実験を行い成功した。この実験に対し[[アメリカ航空宇宙局]]は、宇宙開発への危険性は無いものの、[[スペースデブリ]]が発生するこの手の実験に関する懸念を表明した。[[2007年]][[2月21日]]には、国際連合の宇宙空間平和利用委員会で、宇宙空間での人工衛星破壊を禁止する法案が採択された。
 
 
 
;国防白書から核先制不使用記述の削除
 
2011年までの中国国防白書には「中国は、いつ、いかなる状況下であっても、核兵器を先制的に使用しない」と核保有国で唯一核の先制不使用を表明していたが、2013年から記述が削除された<ref>http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/37646</ref>。
 
 
 
== 国際関係 ==
 
[[File:Diplomatic relations of the People's Republic of China.svg|thumb|500px|中華人民共和国の外交関係一覧図。緑色で塗られた諸国は中華人民共和国と国交を有し、赤色で塗られた諸国とは国交を有してない。黄土色で塗られた地域は係争地。]]
 
[[中華人民共和国の国際関係]]において特筆すべきことは、同国政府が[[中華民国]]政府と同時に自らを「『[[中国]]』の正統な政府」であると主張している点である。
 
 
 
中華人民共和国は、[[冷戦]]構造の下、建国当初は完全に[[東側陣営]]に組み込まれていた([[向ソ一辺倒]])。しかし、[[1956年]]の[[スターリン批判]]後の[[中ソ対立]]で決裂した。このころの中華人民共和国は、[[アジア・アフリカ会議]]や[[非同盟運動]]に関わるなど[[第三世界]]と連携した。
 
 
 
東側諸国や第三世界の支持も集めた[[国際連合総会]]に於ける[[アルバニア決議]]によって[[国際連合安全保障理事会|国連安保理]]の常任理事国となって中華民国を国連から追放させることに成功し、さらにアルバニア決議に反対した日米にも接近して[[1972年]]の[[ニクソン大統領の中国訪問]]と[[日本国政府と中華人民共和国政府の共同声明|日中共同声明]]採択によってアメリカ合衆国と日本を始めとする[[西側諸国]]との関係の回復を果たした。
 
 
 
また、[[3つの世界論]]を掲げて冷戦下における西側諸国と東側諸国との微妙なバランスをとりつつ、「中国を代表する正当な政府は中華民国ではなく、中華人民共和国である」とする[[一つの中国]]政策を東側だけでなく、西側諸国の多くに確認させることも成功を収めた。
 
 
 
[[1978年]]から始まる[[改革開放]]路線以降、経済面での資本主義諸国との関係も強め、2001年には[[世界貿易機関]](WTO)にも加盟した。近年、APECやASEANプラス3の他、[[ロシア]]、[[中央アジア]]諸国と連携を強化し([[上海協力機構]]、SCO)、また、[[東南アジア]]諸国とも[[ASEAN自由貿易地域]]で[[自由貿易協定|FTA]]を締結、さらには中華民国ともFTAを締結するなど、経済活動を絡めた積極的な地域外交を展開している。日本に対しては[[胡錦涛]]政権は、[[対日新思考]]を打ち出した。
 
 
 
区分としては[[開発途上国]]に含まれるため、国際会議等で「開発途上国の代表」と表現されることがある。また開発途上国のため、日本などの先進国から長年に渡り膨大な開発援助を受けているが、一方で他のさらに貧しい国に対して、国際的影響力を確保することを目的として開発援助を行っている。例えば、[[アフリカ連合]]本部は中国政府の全額負担で建設された。
 
 
 
急速な経済成長を遂げ、[[中国人民解放軍]]の軍備拡張を続ける中華人民共和国に対して、周辺諸国やアメリカは警戒感を持ち([[中国脅威論]])、また、人権問題・[[台湾問題|両岸問題]]・国境問題など、中華人民共和国の国際関係は緊張をはらむ側面もある。
 
 
 
=== アメリカ ===
 
{{main|米中関係}}
 
中国はアメリカを最大の[[諜報]]活動の対象としているとみられ、国家安全省の他に[[中国共産党]]や[[中国人民解放軍]]、国有企業もその活動に加わることがある。米国政府の[[国家情報会議]]のジョエル・ブレナー(Joel F. Brenner)専門官は「米国を標的として活動する140カ国ほどの諜報機関でも、中国が最も活発」と述べた。また中国のスパイ活動研究の権威として知られる[[デービッド・ワイズ]]は、軍事面でも超大国を目指す中国はアメリカを追い越すために軍事機密を標的にしていると指摘し、近年では[[F-35]]戦闘機の機密や核弾頭の軽量化技術を奪取したと述べた<ref>{{Cite news |url=http://sankei.jp.msn.com/world/news/130206/chn13020611080002-n1.htm |title=中国の最大の標的は米軍事機密 第2部インテリジェンスなき国(4) |newspaper=MSN産経ニュース |publisher=産経新聞社 |date=2013-02-06 |archiveurl=https://web.archive.org/web/20130206030045/http://sankei.jp.msn.com/world/news/130206/chn13020611080002-n1.htm |archivedate=2013-02-06}}</ref>。また、2005年7月、中国人民解放軍の[[朱成虎]]少将は、「米国が台湾海峡での武力紛争に介入し中国を攻撃した場合、中国は対米核攻撃に踏み切る用意がある」と発言した<ref>http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/37015</ref>。
 
 
 
2015年5月、中国が[[南沙諸島]]で建設中の人工島を米偵察機が偵察した<ref>[https://www.youtube.com/watch?v=9CYQnzhg7SA US plane observes from Chinese 'islands'] - AFP 2015年5月22日</ref>。この事件をめぐって、両国は2001年4月に米中両軍機が南シナ海上空で衝突して以来の緊張状態となった。米政府は、スプラトリー諸島(南沙諸島)の12海里以内に米軍機を進入させる可能性を表明しており、中国外務省は「言動を慎むよう求める。私たちは関係地域に対する監視を密にし、必要に応じて適切な措置を取る」と反発した<ref>[https://web.archive.org/web/20150522170412/http://www.sankei.com/world/news/150522/wor1505220035-n2.html 中国、米に猛反発 「言動慎め」「適切措置取る」 南シナ海監視強化に](2015年5月22日時点の[[インターネットアーカイブ|アーカイブ]]) - 産経新聞 2015年5月22日</ref>。なお、7月末に[[マレーシア航空370便墜落事故]]の残骸の一部が発見された。
 
 
 
以前は[[パナマ]]は台湾と外交関係があり中国とは国交がなかったが、中国は、米国の「裏庭」ともいわれる[[カリブ海]]に出ることを念頭に国交を樹立し、パナマ最大のマルゲリータ島港を99年租借する契約を交わした<ref>[http://www.bbc.com/japanese/40256748 パナマが台湾と断交 中国と国交樹立]</ref>。
 
 
 
=== 中華民国(台湾) ===
 
「両岸」とは[[台湾海峡]]を挟んだ[[中国本土]]と[[台湾]]の海岸を指しており、そこから「[[両岸関係史|両岸関係]]」は台湾を実効支配する[[中華民国]]と中華人民共和国との関係を指す言葉となっている([[二つの中国]])。
 
 
 
[[1946年]]から激化した[[国共内戦]]に勝利した[[中国共産党]]が[[1949年]]に中華人民共和国を中国に建国、同年中に[[国民政府]]は、日本が領有権を放棄した後に実効支配した台湾に移った。それ以来、中華人民共和国は中華民国と「中国における正統政府」の座を巡って対立し、両国共に互いの統治する地域の支配権を主張して譲らなかった([[台湾問題]])。
 
 
 
そのために、中華人民共和国政府は[[国際連合]]における「中国」代表権を求めて諸外国に外交的に働きかけた他、「中華民国政府が実効統治している台湾を中華人民共和国の領土」と見なして領有権を主張し、「台湾解放」の名の元に[[金門島]]への砲撃を度々行った。その後、冷戦下におけるアメリカとソ連の間の対立や、ソ連と中華人民共和国の対立の激化などの政治バランスの変化に伴い、中華民国が国連の「中国」代表権を喪失して国際的に孤立し、中華人民共和国も改革・開放を推進するようになると、中華人民共和国政府は「[[一国二制度]]」といった統一の枠組みの提案や「[[三通]]政策」といった穏健的な統一政策を通じて両岸関係の改善を図った。1992年には両国政府関係者が「一国共識、各自表述(「[[一つの中国]]」を共通認識とするが、解釈はそれぞれが行う)」の統一原則を確認するまでに至った。
 
 
 
だが、1990年代に入ると、中華民国では[[李登輝]][[中華民国総統]]による政治体制の民主化が進められ、それに伴い中華民国では、中華民国とは別個の「台湾」という国家を創り上げる[[台湾独立運動]](台独運動)が活発化し始めた。このような動きに対し、中華人民共和国は[[台湾総統選挙|総統選挙]]([[1996年]]から実施)における台独派([[泛緑連盟]])候補者の当選阻止を目指して[[軍事演習]]で威嚇するなど強硬姿勢をとった。しかし、いずれの選挙においても阻止するには至らなかった。
 
 
 
このことを教訓としてか、[[2005年]][[3月14日]]には中華人民共和国で[[反国家分裂法]]が成立した。この法律は中華人民共和国による中華民国の武力併合に法的根拠を与えることを名目とする。こうした経緯で、今日の中華民国と中華人民共和国の関係は、台湾問題として[[東アジア]]地域の不安定要素と見る見方も一部で存在する。中華民国にも「台独」に反対する「中国派」の人々([[泛藍連盟]])が存在している。こうした動きにおいては、[[中国国民党]]が有力な存在である。国民党党首・[[連戦]]は、[[2005年]][[4月26日]]〜[[5月3日]]にかけて中華人民共和国を訪問、共産党党首・[[胡錦濤]]と60年ぶりの国共首脳会談を実施した。
 
 
 
[[2010年]]に台湾との間で[[両岸経済協力枠組協議]](ECFA)が締結されたが、[[サービス貿易協定]]は4年後批准を拒まれた([[ひまわり学生運動]])。
 
 
 
=== 日本 ===
 
[[日中関係史]]は古代からのものであるが、現在の日本国と中華人民共和国の外交は1972年9月29日の[[日中共同声明]]に始まる。その後両国は1978年8月12日、[[日中平和友好条約]]を締結した。日本国と中華人民共和国は[[サンフランシスコ条約]]に署名していないため日中平和友好条約が両国にとってのはじめての条約締結となる。
 
 
 
両岸関係が[[シーレーン]]の安否に関わる。[[中国産食品の安全性]]は輸入量と後述の環境汚染と関係して問題となる。
 
 
 
===領土問題===
 
[[ファイル:Chuugoku gyousei kubun.png|thumb|中華人民共和国及び近隣諸国間の領土問題を示した地図]]
 
[[インド]]と[[ブータン]]を除く12カ国([[ロシア]]など)とは陸上国境の画定が完了しているものの<ref>{{cite web |url=http://www.recordchina.co.jp/group.php?groupid=39322 |title=12か国との国境画定が完了、残るはインドとブータンのみ=海上防衛の強化も進む―中国紙 |publisher=[[Record China]]|date=2010-01-31|accessdate=2016-07-12}}</ref>、島嶼部を巡っては中国の海洋進出に伴い、[[領土問題]]を複数抱えている。
 
* [[台湾本島]]・[[澎湖諸島]]・[[金門島]]・[[馬祖島]]・[[烏キュウ郷]]・[[東沙諸島]]([[中華民国]])
 
* [[尖閣諸島]]([[釣魚島]]及び其の付属島嶼)([[日本]]、中華民国)
 
* [[西沙諸島]](パラセル諸島)([[ベトナム]]、中華民国)
 
* [[南沙諸島]](スプラトリー諸島)(中華民国、[[フィリピン]]、ベトナム、[[マレーシア]]、[[ブルネイ]])
 
* [[マクマホンライン]]([[アルナーチャル・プラデーシュ州]])([[インド]])
 
* [[カシミール]]([[アクサイチン]])(インド)
 
* [[間島]]・[[蘇岩礁]](離於島)([[大韓民国|韓国]])
 
 
 
== 経済 ==
 
{{Main|中華人民共和国の経済}}
 
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| style="text-align:left; font-size:85%;" |[[国際通貨基金|IMF]]のデータに基づく、2012年時点での<br />主要経済大国の名目GDP比較図 (単位:10億米ドル)<ref>{{cite web|url=http://www.imf.org/external/pubs/ft/weo/2013/01/weodata/weorept.aspx?pr.x=81&pr.y=16&sy=2011&ey=2018&scsm=1&ssd=1&sort=country&ds=.&br=1&c=924%2C132%2C134%2C158%2C111&s=NGDPD&grp=0&a=|title=Nominal GDP comparison of China, Germany, France, Japan and USA|publisher=IMF World Economic Outlook|date=April 2013 data|accessdate=26 April 2013}}</ref>
 
|}
 
 
 
 
 
[[国際通貨基金]]の統計によると、[[2011年]]の中国の[[国内総生産|GDP]]は7兆2981億ドルであり、[[アメリカ合衆国|アメリカ]]に次ぐ世界第2位である<ref>[http://www.imf.org/external/pubs/ft/weo/2012/01/weodata/weorept.aspx?pr.x=38&pr.y=8&sy=2000&ey=2017&scsm=1&ssd=1&sort=country&ds=.&br=1&c=924&s=NGDPD%2CNGDPDPC&grp=0&a= IMF World Economic Outlook Database 2012]</ref>。[[2014年]]はIMF・世銀・CIAによると、[[購買力平価]]換算でアメリカを超えて世界最大のGDPとなり<ref name="china1">{{cite web|url=http://www.imf.org/external/pubs/ft/weo/2015/01/weodata/weorept.aspx?sy=2014&ey=2014&scsm=1&ssd=1&sort=subject&ds=.&br=1&pr1.x=65&pr1.y=8&c=512%2C668%2C914%2C672%2C612%2C946%2C614%2C137%2C311%2C962%2C213%2C674%2C911%2C676%2C193%2C548%2C122%2C556%2C912%2C678%2C313%2C181%2C419%2C867%2C513%2C682%2C316%2C684%2C913%2C273%2C124%2C868%2C339%2C921%2C638%2C948%2C514%2C943%2C218%2C686%2C963%2C688%2C616%2C518%2C223%2C728%2C516%2C558%2C918%2C138%2C748%2C196%2C618%2C278%2C624%2C692%2C522%2C694%2C622%2C142%2C156%2C449%2C626%2C564%2C628%2C565%2C228%2C283%2C924%2C853%2C233%2C288%2C632%2C293%2C636%2C566%2C634%2C964%2C238%2C182%2C662%2C453%2C960%2C968%2C423%2C922%2C935%2C714%2C128%2C862%2C611%2C135%2C321%2C716%2C243%2C456%2C248%2C722%2C469%2C942%2C253%2C718%2C642%2C724%2C643%2C576%2C939%2C936%2C644%2C961%2C819%2C813%2C172%2C199%2C132%2C733%2C646%2C184%2C648%2C524%2C915%2C361%2C134%2C362%2C652%2C364%2C174%2C732%2C328%2C366%2C258%2C734%2C656%2C144%2C654%2C146%2C336%2C463%2C263%2C528%2C268%2C923%2C532%2C738%2C944%2C578%2C176%2C537%2C534%2C742%2C536%2C866%2C429%2C369%2C433%2C744%2C178%2C186%2C436%2C925%2C136%2C869%2C343%2C746%2C158%2C926%2C439%2C466%2C916%2C112%2C664%2C111%2C826%2C298%2C542%2C927%2C967%2C846%2C443%2C299%2C917%2C582%2C544%2C474%2C941%2C754%2C446%2C698%2C666&s=PPPGDP&grp=0&a=
 
|title= Report for Selected Country Groups and Subjects (PPP valuation of country GDP)|publisher=IMF|accessdate=2015-08-02 }}
 
</ref><ref name="china2">{{cite web|author=Data |url=http://databank.worldbank.org/data/download/GDP_PPP.pdf |title="Gross domestic product 2014, PPP", World Bank, accessed on 2 July 2015|publisher=Data.worldbank.org |date=July 2, 2015|accessdate=Aug 2, 2015}}; European Union calculated by sum of individual countries.
 
</ref><ref name="china3">[https://www.cia.gov/library/publications/the-world-factbook/rankorder/2001rank.html Field listing - GDP (PPP exchange rate)], CIA</ref>、2015年には購買力平価で[[欧州連合]]を超えて世界初の20兆ドル以上のGDPに達した国となった。一方、[[2017年]]時点で一人当たりのGDPは購買力平価換算で世界平均に近い1万6676ドルであり<ref>[https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2017-06-26/OS4VCO6JIJUO01 中国の奇跡なお続く、1人当たりGDPランキングは大きく躍進へ]</ref>、為替レートベースでは同じ[[BRICs]]の[[ブラジル]]や[[ロシア]]と大差ないものになってきている<ref>Some data refers to IMF staff estimates but some are actual figures for the year 2017, made in 12 April 2017. [http://www.imf.org/external/pubs/ft/weo/2017/01/weodata/weorept.aspx?sy=2016&ey=2016&scsm=1&ssd=1&sort=country&ds=.&br=1&c=512%2C672%2C914%2C946%2C612%2C137%2C614%2C546%2C311%2C962%2C213%2C674%2C911%2C676%2C193%2C548%2C122%2C556%2C912%2C678%2C313%2C181%2C419%2C867%2C513%2C682%2C316%2C684%2C913%2C273%2C124%2C868%2C339%2C921%2C638%2C948%2C514%2C943%2C218%2C686%2C963%2C688%2C616%2C518%2C223%2C728%2C516%2C836%2C918%2C558%2C748%2C138%2C618%2C196%2C624%2C278%2C522%2C692%2C622%2C694%2C156%2C142%2C626%2C449%2C628%2C564%2C228%2C565%2C924%2C283%2C233%2C853%2C632%2C288%2C636%2C293%2C634%2C566%2C238%2C964%2C662%2C182%2C960%2C359%2C423%2C453%2C935%2C968%2C128%2C922%2C611%2C714%2C321%2C862%2C243%2C135%2C248%2C716%2C469%2C456%2C253%2C722%2C642%2C942%2C643%2C718%2C939%2C724%2C644%2C576%2C819%2C936%2C172%2C961%2C132%2C813%2C646%2C199%2C648%2C733%2C915%2C184%2C134%2C524%2C652%2C361%2C174%2C362%2C328%2C364%2C258%2C732%2C656%2C366%2C654%2C734%2C336%2C144%2C263%2C146%2C268%2C463%2C532%2C528%2C944%2C923%2C176%2C738%2C534%2C578%2C536%2C537%2C429%2C742%2C433%2C866%2C178%2C369%2C436%2C744%2C136%2C186%2C343%2C925%2C158%2C869%2C439%2C746%2C916%2C926%2C664%2C466%2C826%2C112%2C542%2C111%2C967%2C298%2C443%2C927%2C917%2C846%2C544%2C299%2C941%2C582%2C446%2C474%2C666%2C754%2C668%2C698&s=NGDPDPC&grp=0&a=&pr.x=50&pr.y=13 World Economic Outlook Database-April 2017], [[国際通貨基金|IMF]]. </ref>。億万長者は568人<ref>[http://www.cnbc.com/2016/02/24/china-has-more-billionaires-than-us-report.html China has more billionaires than US: Report - CNBC.com]</ref>で中流層は約1億900万人と何れも世界最多だが<ref>[http://www.telegraph.co.uk/finance/china-business/11929794/Chinas-middle-class-overtakes-US-as-largest-in-the-world.html China's middle class overtakes US as largest in the world]</ref>、1日2ドル未満で暮らす貧困層は1億人前後と推計されており<ref>[http://www.jfss.gr.jp/news/shibuya/20151022.htm 中国の貧困層と富裕層]</ref>、[[世界銀行]]によって[[発展途上国]]に分類されている<ref>[http://data.worldbank.org/about/country-classifications/country-and-lending-groups 世界銀行による国の分類]</ref>。人民元改革のとき[[証券化]]で生じた過剰流動性が、中国版[[シャドー・バンキング・システム]]と呼べるような金融系統を発達させた。そして実際の資金運用が、不動産や株式といった金融資産の市場価格を乱高下させたり、財源を中央政府に独占された自治体をして償還の目途が立たない地方債を発行させたり、福祉制度の破綻を救わずに宇宙産業や通信産業を振興したりしている。これら市場の混乱、地方債リスク、傾斜した産業構造といった社会問題は、預金を国外へ流出させたり、あるいは国外証券を買わせたりしており、国際経済に影響を出している<ref>三尾幸吉郎 [http://www.nli-research.co.jp/report/detail/id=54876&pno=3?site=nli 図表でみる中国経済(国際収支編)~資金流出を分析した上で人民元の行方を探る] ニッセイ基礎研究所 2017年01月24日</ref>。
 
 
 
=== 改革開放政策の成果 ===
 
[[File:Graph of Major Developing Economies by Real GDP per capita at PPP 1990-2013.png|thumb|325px|1990年から2013年までの[[国の国内総生産順リスト (一人当り購買力平価)|一人当りの購買力平価GDP]]による中国及び主要新興国。中国 (青) の急速な経済成長が顕著である<ref>{{cite web|title=World Bank World Development Indicators|url=http://data.worldbank.org/data-catalog/world-development-indicators|publisher=World Bank|accessdate=8 December 2014}}</ref>]]
 
国家成立後、[[1970年代]]中半までの経済は[[大躍進政策]]の失敗や[[文化大革命]]によって立ち遅れていた。農業を志向した社会主義経済の非効率性も経済発展の障害となっていた。このため、[[鄧小平]]の主導によって[[1978年]]に「[[改革開放]]」政策が採用され、[[社会主義市場経済]]の導入、国営企業の民営化や不採算企業の閉鎖、[[人民公社]]の廃止と[[生産責任制]]の実施、外資導入など、経済政策の方針を、[[市場経済]]原理による[[資本主義]]体制を大幅に取り入れたものに転換した。その結果、[[1980年]]代以降の経済は[[経済特区]]を中心として長年にわたり成長を持続している。特に[[香港]]へ人材が流出し、また経済格差も広がった。これを象徴するのが[[ハチソン・ワンポア]]の隆盛であった。それまで[[中国人民銀行]]によるモノバンク体制であった中国は、1984年に四大商業銀行体制([[中国銀行]]・[[中国建設銀行]]・[[中国農業銀行]]・[[中国工商銀行]])を形式上整備した。依然として国有銀行だったので、融資は中国共産党の計算で行われ、不良債権を積み上げた。これを公債市場の開放につなげるため、中央と地方の税収を分けた([[:zh:中国1994年分税制改革|中国1994年分税制改革]], 2018年3月から再統合開始)。すると歳入に占める中央政府と全自治体の割合がほぼ半々になった。この比率は現在まで維持されている。そしてこの改革以降は自治体が歳出の8割以上を負担している<ref>甘長青 「中国の経済成長減速と財政の持続可能性」 九州情報大学研究論集 (15) 2013年3月 43頁</ref>。地方債は公認の有無に関係なく発行された。現在もそれは変わらない<ref>[https://www.caixinglobal.com/2018-05-09/local-governments-given-more-options-for-issuing-bonds-101246502.html Local Governments Given More Options for Issuing Bonds], May 09, 2018</ref>。闇での発行はシャドー・バンキングによっていた。21世紀に入ると、他に経済成長の著しいブラジル、ロシア、[[インド]]、[[南アフリカ]]とともに、[[ゴールドマン・サックス]]からBRICSと呼ばれた<ref>太田2010年 148頁</ref>。[[2010年]]のGDP成長率は3年ぶりに2桁増の10.3%<ref>{{cite web
 
|url = http://www.stats.gov.cn/tjfx/jdfx/t20110120_402699441.htm
 
|title = 2010年国民経済運行態勢総体良好
 
|publisher = [[中華人民共和国国家統計局]]
 
|date = 2011-01-20
 
|accessdate = 2011-01-22
 
|archiveurl=https://web.archive.org/web/20110123155130/http://www.stats.gov.cn/tjfx/jdfx/t20110120_402699441.htm |archivedate=2011-01-23
 
}}{{zh icon}}</ref>となり、「'''世界第2位の経済大国'''」となった<ref>日本経済新聞 2011年1月21日</ref>。それまで極東の債券市場が日米欧金融機関の結集により整備されてきたが、2015年[[アジアインフラ投資銀行]]発足につながった。
 
 
 
=== 証券化のはじまり ===
 
建国以来、中国の金融機関は[[中国人民銀行]]だけであって、仕事も間接金融が主流であった。その本店が支店に対して強制的な指標を提示して、地方ごとに、また業界ごとに貸出額・貸出先・預金等をコントロールしていた。<ref name=aizawa>相沢幸悦 「中国の資本市場の現状及び改革の動向」 (資本市場研究会 『国際資本市場の新たな動向』 財経詳報社 1996年 第2章)</ref>
 
 
 
1965-1971年に、中国は[[モーリタニア]]、[[イエメン]]、[[カナダ]]、[[赤道ギニア]]、[[イタリア]]、[[エチオピア]]、[[チリ]]、[[ナイジェリア]]、[[クウェート]]、[[カメルーン]]、[[サンマリノ]]、[[オーストリア]]と国交を樹立し、[[国際連合]]加盟も果した<ref>三宅康之 "中国の「国交樹立外交」、1965~1971年" 愛知県立大学外国語学部紀要 地域研究・国際学編 第43号 2011年 83-111頁</ref>。翌年には[[日中共同声明]]を発した。世界の[[機関投資家]]は、当時の中国史に刻まれない高みから外堀をうめていったのである。このようなとき[[文化大革命]]が社会保険制度を破壊した。1969年、財政省が「国営企業財務管理制度における改革意見書(草案)」を公表し、国営企業における社会保険給付を一律停止して、企業が保険費用を負担するようになった<ref name=pension />。企業間で社会保険の支給格差が生じた。
 
 
 
もはや中国人民銀行だけでは資金需給の変化に対応しきれなくなった。そこで1979年に金融制度改革がスタートした。まずは同行に集中されていた各種金融機能が専門銀行に分割された([[中国工商銀行]]・[[中国農業銀行]]・[[中国建設銀行]]・[[中国銀行]]など)。中国人民銀行の支配対象がフローだけとなり、その分行は決められたフローの範囲内で間接金融を担った。1979年は[[郷鎮]]企業が[[社債]]発行を認められた。民間では闇で株式類似証書による[[直接金融]]も行われた。1981年、政府米等の購入が響き48億6600万元の赤字国債を発行した。12月に[[中国投資銀行]]が新設された。これを通じて[[世銀]]などから借款を受けた。1983年、銀行に利潤留保制度が導入された。1985年、各専門銀行が貸付計画の中に組み込まれ、そこで節約された貸付額の穴埋めとして専門銀行間の[[銀行間取引市場]]が整備された。1988年、オーバーローンを廃して、代わりに政策金利設定や公開市場操作といった方法がとられるようになった。貸付をしぶったせいで景気低迷が起こった。それまで中国の証券業は純粋に発行市場だけであったが、不況下で資本調達を可能とするため流通市場が育成されていった。1990年までに発行国債は604億元に達したが、それは半ば強制的に消化されていた。財政部からトップダウンで各自治体の企業に割り当て、各企業が社員の給料から天引きして購入させていたのである。<ref name=aizawa />
 
 
 
=== よみがえる上海租界 ===
 
[[File:Shanghaistockexchange.jpg|thumb|[[上海市]]・[[w:Lujiazui|陸家嘴]]の金融街における[[上海証券取引所]]。2011年時点で、上海市のGDPは総計30億4千万米ドルで[[域内総生産順リスト|世界第25位]]の都市である<ref>[http://www.chinadaily.com.cn/china/2012-01/20/content_14484614.htm "Shanghai's GDP grows 8.2% in 2011"]. ''China Daily''. 20 January 2012. Retrieved 15 April 2012.</ref>]]
 
1991年11月、中国人民銀行は、上海真空電子部品株式会社(1987年から民営化)が外国人向けの人民元特殊株式(いわゆるB株式)を発行することを初めて認め、これが翌年1月に発行された。額面総額は1億元(100万株)で、そのうち80%は[[サンフンカイ]]、[[ソロモン・ブラザーズ]]、[[スイス銀行コーポレイション]]が国外で販売することになった。売買・利子・売却益の計算はUSドルで行われた。1992年後半から中国経済は加熱したので、10月に国務院証券管理委員会が設置された。1993年4月、米[[証券取引委員会]]がアメリカの[[機関投資家]]に対してB株式への直接投資を許可した。同年の中国では株式上場が多く、相応の資金が吸収された。同年、中国人民銀行が全支店を直轄し金融引き締めを断行した(日本の[[高目放置]]にあたる機関化からの防衛措置)。1993年12月、第8期[[全国人民代表大会]]常務委員会第5回会議で「中華人民共和国会社法」が採択された(翌年7月施行)。外国人投資家を保護するために闇株を駆逐することになったのである。もっとも、国の受権する投資機構が保有する株式は、ちがう法律または行政法規で制限された。1994年初頭の調査によると、全国371社の株式会社を対象とした株式保有状況は、国家株が33.8%、法人化株が45.2%、個人株が19.4%、外資株が1.6%であった。<ref name=aizawa />
 
 
 
1993年9月には財政部が300億円の[[ユーロ債|ユーロ円債]]を発行していた。1994年1月1日から二重為替相場制が一本化され、4月に全国的な為替スワップ市場が上海にオープンした<ref name=aizawa />。同年のUSドル売買高は520億ドルであった。1995年2月末時点で308会員があり、22郡市がオンライン接続した。3月からは日本円の取引ができるようになった。
 
 
 
=== 世界資本の集まる工場 ===
 
香港返還までに当地の経済はダイナミズムを示した。まず本土企業が香港企業を買収し上場させるという「借殻上市」あるいは裏口上場が進んだ。1992年7月、海虹集団(現[[招商局港口控股]])が香港で上場した。これをはじめとして本土企業が次々と香港で上場するようになった。これは中国証券監督管理委員会と[[香港証券取引所]]との合意によるものである。1993年7月に[[青島ビール]]がH株上場第1号となった。翌月には[[広船国際]]、11月には[[馬鞍山鋼鉄]]が1次で上場した。2次の上場予定は往時で[[武漢鋼鉄]]、[[中国南方航空]]、[[華能国際電力]]、[[大唐国際発電]]等。このような中国化と並行し、脱英国化が進んだ。[[ジャーディン・マセソン]]の系列企業5社は機関化防衛措置が証券先物取引委員会に認められなかったので香港上場を廃止した。さらに第2上場先を[[シンガポール]]に切り替えた。[[香港上海銀行]]はロンドンへ移転した(もろに機関化)。この脱イギリス化に並行してUSドル連動化も進んだ。前節の上海真空電子部品株が一例となるが、香港の場合1994年1USドル=7.80香港ドルでリンクしていた。<ref>資本市場研究会 『国際資本市場の新たな動向』 財経詳報社 1996年 13-15頁</ref>
 
 
 
香港の中国化・脱英化・USドル連動化は、総合すると機関化である。安い人件費と膨大な人口を背景にした潜在消費需要を当て込んだ外資が中国に投入された。機関化された中国産業は、安い人件費を強みとして安価な製品[[輸出]]を拡大した。中国は「世界の工場」と呼ばれるようになった。[[世界貿易機関]](WTO)の発表によれば、[[2003年]]の対中[[直接投資]]は535億ドルとなり、[[アメリカ合衆国]]を抜いて実質的に世界最大の直接投資受入国となった([[ルクセンブルク]]の特例を除く)。輸出については、[[自由貿易協定|FTA]]相手国の日本、韓国、東南アジア諸国、アメリカなどへの輸出拡大が目覚しく、大幅な貿易黒字を記録している。一方で内陸の貧困が放置されており<ref>国全体としてはGDPは増加しているが、鄧小平による[[先富論]]の結果、沿海部が発展する一方で、内陸部の経済は大きく立ち遅れた。かつては工業の中心地であった東北も非効率的な国有企業が多く、改革開放の波に乗れず、[[長江デルタ]]や[[珠江デルタ]]の先進地域との経済格差は開く一方であった。</ref>、個人消費の割合が20世紀から低いままである。このことが、投資効率性低下や資源浪費、環境破壊そして過剰貯蓄を通じて貿易摩擦に繋がっている。2006年に入ってからは個人消費と内需による経済成長を図る方針へ転換した。しかしこれは外資の計算だったのである。3年後に労働力が不足するなどという楽観的観測もなされた<ref name="20060901nna">2006年9月1日付配信 NNA</ref>。[[世界金融危機]]がおこると理由をつけて資本が逃避するのであった。それが「[[チャイナリスク]]」であった<ref>{{cite news |url=http://sankei.jp.msn.com/economy/news/130221/biz13022111260008-n1.htm |title=食材でもチャイナリスク回避 アジア・アフリカと広がる調達先 |publisher=産経新聞 |date=2013年2月21日 |accessdate=2013年2月21日 |archiveurl=https://web.archive.org/web/20130221170702/http://sankei.jp.msn.com/economy/news/130221/biz13022111260008-n1.htm |archivedate=2013-02-21}}</ref><ref>{{cite news |url=http://sankei.jp.msn.com/economy/news/121229/biz12122912010005-n1.htm |title=【回顧・激動経済】中国リスク 「チャイナ+1」加速へ |publisher=産経新聞 |date=2012年12月26日 |accessdate=2013年2月21日 |archiveurl=https://web.archive.org/web/20121229175315/http://sankei.jp.msn.com/economy/news/121229/biz12122912010005-n1.htm |archivedate=2012年12月29日 |deadlinkdate=2017年9月 }}</ref><ref>{{cite news |url=http://sankei.jp.msn.com/life/news/130104/trd13010412400009-n1.htm |title=【25〜ニッポン未来予測(3)】「やっと中国から解放された」…インドが「世界の工場」に |publisher=産経新聞 |date=2013年1月4日 |accessdate-2013年2月21日 |archiveurl=https://web.archive.org/web/20130104042001/http://sankei.jp.msn.com/life/news/130104/trd13010412400009-n1.htm |archivedate=2013-01-04}}</ref>。著名な例では、[[多国籍企業]]の[[グーグル]]社が中国のネット検閲を理由に撤退した。外資だけでなく、国有企業に対する民間の活力が小さいという産業構造の問題もある([[国進民退]])。
 
 
 
=== 外資の津波で機関化 ===
 
[[香港返還]]の前後(1994年から2002年まで)に、政府は銀行の基本的なルールや規制を作った。銀行業の商業化をさらに進め、1997年から不良債権処理にも取り組み始めた。1998年、政府は四大商業銀行の不良債権比率を32%としていたが、実際は50%近いとみられていた。政府は同年、四大商業銀行に合計2700億元の公的資金を投入した。1999年には四大銀行の不良債権のうち1.4兆元分を不良債権の管理会社に移した。2003年以降は[[コーポレート・ガバナンス]]が見直され、銀行システムが再構築された。同年末、中国銀行と中国建設銀行に、外貨準備を活用して合計450億ドルを注入し、健全化をうながした。<ref>太田2010年 147頁</ref>
 
 
 
政府は[[2000年]]頃から[[西部大開発]]や[[:zh:振興東北老工業基地|振興東北老工業基地]]を重点政策とし、これら後発地域の開発に乗り出した。しかし、沿海部と内陸部との格差は解消されず、依然として内陸部よりも沿海部の方が経済成長率が高く、格差は拡大している。[[胡錦濤]]は格差の解消を政策目標の一つに掲げたが、目に見える成果を出せなかった。
 
 
 
2003年4月[[シティグループ]]が[[上海浦東発展銀行]]と戦略提携。2004年[[HSBC]]が[[交通銀行]]に出資した。[[2005年]]3月、[[INGグループ]]が[[北京銀行]]へ2.15億ドルを出資、19.9%を支配した。同年6月16日、[[バンカメ]]が中国建設銀行株を9%取得すると発表。同年[[7月21日]]より中国は[[管理フロート]]制と[[通貨バスケット制]]を採用した([[人民元改革]])。同年8月18日、[[ロイヤル・バンク・オブ・スコットランド]]、[[メリルリンチ]]、[[李嘉誠]]基金が中国銀行に31億ドル(10%)を出資することが明らかとなった。同年10月17日、[[ドイツ銀行]]がオッペンハイム([[:en:Sal. Oppenheim|Sal. Oppenheim]])と共同で[[首鋼集団]]から[[華夏銀行]]株2.7億ユーロ(議決権14%)を買い入れた。同年から政府は中国建設銀行などを香港市場に上場させた。2006年1月27日、[[ゴールドマン・サックス]]、[[アリアンツ]]、[[アメリカン・エキスプレス]]が中国工商銀行へ出資して、やはり10%を支配することとなった。同年10月、[[モルガン・スタンレー]]が南通銀行を買収したことを発表した。それまで南通銀行は、広東省の珠海市を地盤とする、中国銀行の完全子会社であった。2007年8月[[インテーザ・サンパオロ]]が山東省の青島市商業銀行に1.35億ドルを出資して19.9%を支配した。[[イタリア]]資本で初めて中国の銀行へ資本参加した。<ref>太田2010年 149-155頁</ref>
 
 
 
変化は華南事情や金融制度にとどまらなかった。このころ[[内モンゴル自治区]]の[[バヤンオボー鉱区]]と[[電解精錬]]に[[レアアース]]の生産元がしぼられていった。そして2006年に政府が資源保護計画を発表した。
 
 
 
=== アフリカとアセアン ===
 
世界金融危機は突然におこったのではなく、[[HSBC]]は2003年に買収したハウスホールドの[[サブプライムローン]]関連ビジネスの不振を知っていた。証券の暴落が見えているとき、アフリカの地下資源に目が行くのは当然であった。しかし、このHSBCをふくめ中国経済は[[機関投資家|機関化]]される側であったので<ref>2005年7月、アジア債券基金(Asian Bond Fund)二号が香港証券取引市場に上場した。これは二部構成の[[投資信託]]である。片方が東アジア・オセアニア中央銀行役員会議(EMEAP)8カ国地域の現地通貨建て債券(国債・政府機関債)に投資する「汎アジア債券インデックスファンド(PAIF)」であり、もう一つが同国同地域の単独国別ファンドで構成される[[ファンド・オブ・ファンズ]]である。それぞれにおよそ10億ドルが設定された。運用は民間の[[投資顧問会社]]が行っている。</ref>、アフリカに直接投資ができるほどに立場が強いわけではなかった。
 
 
 
中国は機関化に対して気前よく人民元を払い続けたので、2004年末に外貨準備高は6000億USドルを突破した<ref name=shukuwa>宿輪純一 『アジア金融システムの経済学』 日本経済新聞社 2006年 114頁</ref>。中国の為替介入は2005年だけで1000億ドルに迫る勢いで、増えた外貨準備を[[米国債]]へ向けているが(同年7月末で2400億ドル強)、実は[[国際決済銀行]]が通常業務として運用している<ref>『アジア金融システムの経済学』 115、175頁</ref>。そして、保有する外貨準備はUSドルだけでなかった。
 
 
 
2007年、[[中国国家開発銀行]]が[[バークレイズ]]へ24億ユーロを出資した。中国国家開発銀行は、バークレイズが[[ABNアムロ銀行]]を買収することができた場合に、先の出資額を最大で98億ユーロまで拡大することを約束した。バークレイズは[[帝国主義]]の時代からアフリカでのビジネスに強かったので、出資により開発銀行のアフリカ進出にバークレイズから便宜を図ってもらおうという腹であった。2007年10月25日、中国工商銀行は[[スタンダードチャータード銀行]]株を20%も取得し、役員を派遣し、業務提携を進めた。この目的は開発銀行がバークレイズへ出資したのと全く同じである。<ref>太田2010年 158-160頁</ref>
 
 
 
こういうのは出資方向と関係なく、主導権は外資が握っているのである。その証拠に[[中国民生銀行]]はサンフランシスコのUCBH([[:en:United Commercial Bank|United Commercial Bank]])を破綻時に買収しようとして[[連邦準備制度]]から断られた。
 
 
 
2008年、中国銀行はエドモンド・[[ロスチャイルド]]銀行へ20%資本参加すると発表した<ref>''Hoover's Handbook of World Business'', Reference Press, 2011, p.60. "BOC announced plans in 2008 to acquire 20% of French private bank La Compagnie Fi- nanciere Edmond de Rothschild"</ref>。
 
 
 
2009年9月、中国工商銀行はタイのACL銀行の株式公開買付を実施すると発表した。ACLはバンコクを拠点とする中堅銀行だが、大株主に[[バンコク銀行]]やタイ財務省がいる。工商銀行はバンコク銀行から19.3%を買い入れることで合意し、さらに全株取得をめざしていた。工商銀行は[[1MDB|アセアン地域での金融業務展開]]をねらっていた。<ref>太田2010年 160-161頁</ref>
 
 
 
=== シャドーバンキング問題 ===
 
[[人民元改革]]は改革というよりも、海外機関投資家の巨額取引による人民元高である。これを受けた[[為替介入]]で外貨準備は増加した。それが[[特別目的事業体]]で[[証券化]]されて、具体的には海外機関投資家の人民元を借りるときの担保になって、公共事業等に用いられた(4兆元規模のマネタリーベース機関化)<ref>烏谷一生 「構造調整に直面する中国の金融経済と国際金融政策の展開 軋む金融経済システムと対外収支の悪化の中で」 現代社会研究科論集 京都女子大学大学院現代社会研究科博士後期課程研究紀要 (10), 2016年3月 27頁</ref><ref>Hui Jin and Isabel Rial, [https://www.imf.org/external/pubs/ft/wp/2016/wp16187.pdf Regulating Local Government Financing Vehicles and Public-Private Partnerships in China], IMF, September 2016</ref><ref>柴田真一、 陳茜 『金融中国語入門』 東洋経済新報社 2014年 「地方政府は、これまで直接債券を発行したり、銀行借り入れをしたりすることはできませんでした。この規制が特別目的会社を通した不透明な資金調達を加速させたという反省もあり、2014年5月には、地方政府が直接債権を発行できる制度の創設が発表されました。」</ref>。[[世界金融危機]]の2008年7月以降は1USドル=6.83人民元あたりへ実質的に固定した(為替介入)。2008-2009年で国有商業銀行の貸出残高は4.6倍となった(17兆3200億元)。これを借りて商業銀行は[[投資銀行]]化した。有価証券投資は同期間に5.3倍となった(9兆2200億元)。欧州通貨で機関化された国内産業は資金と為替の両面から保護された。その一方で為替介入へ回る人民元は尽きていった。2010年6月19日、中国人民銀行が為替レートの弾力性を高めると発表した。再び人民元高を加速させたのである。以下は資産インフレと為替相場のもたらした惨状である。
 
 
 
習近平総書記率いる[[習李体制|新指導部]]が発足したばかりの2012年11月、中国で最も貧しい省の一つ[[貴州省]][[畢節市]]で炭で暖をとろうとした少年5人が一酸化中毒によりゴミ箱で死亡した事件は、急速な経済成長により数億円のマンションを一棟買いするような富裕層が出現した一方で、農村部の国民が貧困にあえいでいるという格差社会の象徴と言われた<ref>[http://www.cnn.co.jp/world/35024738.html 「ごみ箱の中で少年5人が死亡、CO中毒か 中国」] - CNN.co.jp,2012年11月22日</ref><ref>[https://web.archive.org/web/20121123112900/http://sankei.jp.msn.com/world/news/121123/chn12112309360001-n1.htm 「中国の格差象徴 ゴミ箱で消えた少年5人の命」](2012年11月23日時点の[[インターネットアーカイブ|アーカイブ]]) - 産経ニュース,2012年11月23日</ref>。
 
 
 
[[華南]]等では大気や土壌における[[中国の環境問題|環境問題]]が深刻化している。そのため、国務院は[[中華人民共和国環境保護部|環境保護部]](国務院の「部」は他国政府でいう「省」に相当)を設立して、更なる環境問題への取り組みに乗り出している<ref>[https://web.archive.org/web/20080914045633/http://eco.nikkei.co.jp/column/eco-china/article.aspx?id=MMECcj000004092008 「環境保護省の組織固まる」](2008年9月14日時点の[[インターネットアーカイブ|アーカイブ]]) - 日経エコノミー,2008年9月8日</ref>。2013年初頭からは通称「[[PM2.5]]」と呼ばれる深刻な大気汚染が中国国内のみならず、日本にも影響を及ぼす事態となっている。[[中国の水供給と衛生状態]]も決してよくなかったが、先の大気汚染をきっかけに調査がすすみ、[[水銀]]の垂れ流しが日本側で指摘されるようになった<ref>染野憲治 「中国における水銀問題と中国政府の動き」 環境省 2013年9月2日</ref>。
 
 
 
2014年、[[阿里巴巴集団]]がロスチャイルドを財務アドバイザーに起用してニューヨーク証券取引所に上場した。その準備段階で[[フィデリティ・インベストメンツ]]を自社の金融仲介に参加させ、ファンドマネージャーに不当な利益をもたらした問題をロイターが大きく報じた。この投信会社は米大統領とも関係しており、米中の緊密な政治経済関係を表現した。
 
 
 
中国は[[原子力発電]]を推進しているが、作業員の質などの問題が存在する<ref>[http://gendai.ismedia.jp/articles/premium01/44966 日本の技術者が警告! 中国の「原発」は必ず大事故を起こす] - 現代ビジネス 2015年9月4日</ref>。[[インフラ]]輸出拡大を念頭に、イギリスなどとの原子力分野での協力をすすめている<ref>[http://business.nikkeibp.co.jp/atcl/opinion/15/218009/102600019/?rt=nocnt 中国第三世代原発「華龍1号」の実力] - 日経ビジネス 2015年10月28日</ref>。日本でも[[安倍晋三]]首相がイギリスとの提携を公言している。
 
 
 
世界金融危機での4兆元もの巨額の景気対策や不動産バブルもあり([[シャドー・バンキング・システム|シャドーバンキング問題]])、2015年から不良債権が前年比で50%増のペースで急増しており、[[国際通貨基金]]の発表によると230兆円に達している<ref>[http://www.zakzak.co.jp/economy/ecn-news/news/20160624/ecn1606241550001-n2.htm 【お金は知っている】深刻さを増す中国の“債務爆弾” IMF分析では中国当局データの10倍]zakzak 2016年6月24日</ref>。
 
 
 
そこで政府はデレバレッジを進めてきたが、複合企業の[[海航集団]]は影響を受けて2017年ごろから資金繰りを悪化させており、[[ドイツ銀行]]の大株主となるなど国際展開により状況の打開を試み、幹部の王健を派遣先フランスの事故で失ってしまった<ref>日経新聞電子版 「海航集団、幹部が急死 再建の行方に影響も」 2018/7/4</ref>。
 
 
 
=== 税制という投資環境 ===
 
2008年1月1日から法人税は国内企業と外資企業の基本法人税率が共に25%に統一された。税制は国際化されたのである。国税には関税、消費税、国営企業の企業所得税などがあり、地方税は営業税、地方企業の企業所得税などがある。資源税や証券印紙税から構成される「国・地方共通税」は、国と地方で税収が75%:25%に配分される。この配分比は1994年の「分税制改革」による。地方財政の窮乏は地方債の濫発、ひいてはシャドー・バンキング・システムの輸入へつながっていた。
 
 
 
主な間接税には消費税、増値税、営業税の3種類がある。消費税は特定の嗜好品や贅沢品にのみ工場出荷時か輸入時に一度だけ品目によって3%〜45%が課税され、その後の流通段階ではあらゆる商品と役務提供に対して増値税が基本税率17%が適用されて各流通段階で課税される。各流通段階ではインボイスに当たる「増値税専用領収書」によってそれまでの増値税額が控除を受けることでそれぞれの付加価値に対して課税されることになる。ただし、贅沢からは縁遠い、穀物、食用油、水道などの特定の品目への増値税には低減税率13%が適用される。営業税は交通運送業、建設業、金融保険業、郵便電気通信業、文化体育業、サービス業、不動産販売業、無形資産の譲渡に対して3%〜5%、娯楽業は5%〜20%の税率で営業利益から規定額が控除された額に課税されていた。
 
 
 
増値税は常に外税表示であり、消費税と営業税はその性質上、内税であるため、増値税が日本での消費税に相当すると理解できる。
 
2016年5月1日、中国政府は国内景気の下支えと産業高度化のため、減税規模5000億元(約8兆2000億円)超の減税を行った<ref name="nikkei20160502m7">日本経済新聞(2016年5月2日)朝刊第7面「中国、8兆円減税始動 景気の下支えや産業高度化狙う」</ref>。1994年の税制改正後、モノには増値税、サービスには営業税を課してきたが、似た2つの税金が並立してわかりにくく、モノとサービスの境目が曖昧であるため、2012年から増値税を課する対象を広げてきていた<ref name="nikkei20160502m7"/>。さらに2016年には増値税を課する対象に不動産、建設、サービスを加えて、営業税を廃止した<ref name="nikkei20160502m7"/>。不動産にあっては、これまで営業税3パーセントの税率が増値税11パーセントにかわり、金融にあっては営業税5パーセントが増値税6パーセントにかわる<ref name="nikkei20160502m7"/>。しかし、課税対象が売り上げから粗利(売上から仕入れを引いた額)にかわるため実質的な税負担は減額となる<ref name="nikkei20160502m7"/>。これまで営業税は生産、流通、販売の各段階で売り上げに課税され、取引回数が多いほど税負担が重くなり、外部取引より社内調達の方が有利になり、分業化や専門化を妨げていた<ref name="nikkei20160502m7"/>。増値税は仕入れの税負担が控除されるため、外部の専門業者による高度なサービスを利用することを促し、製造業の専門化などにつながる<ref name="nikkei20160502m7"/>。
 
 
 
香港は一国二制度が継続されており、基本的には返還以前の税制が維持されて中国本土側の税制とは異なっている<ref>監査法人トーマツ編 「アジア諸国の税法」 第四版 ISBN 4-502-91370-7</ref>。
 
 
 
ただし、本土・香港の実態経済が無差別・不可分に機関化されているのは既に書いたとおりである。
 
 
 
2018年に入ってから中国国債市場で、阿里巴巴のユエバオ(余額宝)といった海外機関投資家は、国内銀に代わって主なマージナルプレーヤーとなっている。世界的に国債が不足し国際的にレポ市場が干上がっており、投資家だけでなく[[バンク・オブ・ニューヨーク・メロン|BNYメロン]]のような清算銀行も中国へ市場を求めている。国債価格を支える税収の行方が注目される。
 
 
 
=== 宇宙開発 ===
 
{{Main|中国の宇宙開発}}
 
[[File:The Launch of Long March 3B Rocket.jpg|thumb|upright|right|[[長征3号B|長征3B]]ロケット発射の様子]]
 
 
 
1970年代以降から活発に[[長征 (ロケット)|長征ロケットシリーズ]]を開発していたが、[[1995年]]には[[長征2号|長征2号E]]による爆発事故で[[西昌衛星発射センター]]付近の地元住民6人が死亡、[[1996年]]には同発射センターより発射された[[長征3号|長征3号B]]1号機が地元の町へ飛んでいき、多数が死亡するという大惨事を招いてしまった。世界のマスコミ陣にロケットを公開発射した中での事故だったために、事故発生直後にマスコミ陣を隔離し、政府が軍を派遣し5時間の間に事故現場の証拠隠滅を計ったとされている。
 
 
 
その後の開発は順調に進み、[[2003年]]には有人宇宙船[[神舟5号]]によって[[楊利偉]]中佐を乗せ、初の有人宇宙飛行を行った。[[2008年]]の[[神舟7号]]では3人の宇宙飛行士を乗せて、ソ連、米国に続いて世界で三番目、中国としては初の宇宙空間での船外作業(飛行士1名)を行った。
 
 
 
今後の動向として、[[月]]面探査[[プロジェクト]]「'''[[嫦娥計画]]'''」や、2020年の宇宙ステーション計画等がある。
 
 
 
神舟7号が旧ソ連の[[ソユーズ]]と類似した設計が多いため、中国の宇宙開発技術はロシアから買い取った技術をベースにしていると思われるが、[[2006年]][[12月26日]]に[[ロシア連邦宇宙局]]長官[[アナトーリー・ペルミノフ]]は今後は競合相手として中国への技術供与を制限していると答えており<ref>AP通信, 2006年12月27日</ref>、現在中国は自力で宇宙開発技術を向上させている。
 
 
 
成果は[[中国における携帯電話]]サービスが充実したことに現れているが、やはり内陸部は恩恵が薄い。
 
 
 
日本の[[独立行政法人]][[宇宙航空研究開発機構]]では、中国の宇宙開発を「国家の経済発展と国民の生活水準向上に貢献することを主要な目的とする実益重視型」<ref>{{Cite web |url=http://crds.jst.go.jp/CRC/monthly-report/200809/toku_tsuji.html |title=特集・宇宙科学〜中国有人宇宙船「神舟7号」打上げに寄せて〜 |work=中国総合研究センター |publisher=独立行政法人科学技術振興機構 |date=2008-09-20 |accessdate=2016-08-07 |archiveurl=https://web.archive.org/web/20090113032850/http://crds.jst.go.jp/CRC/monthly-report/200809/toku_tsuji.html |archivedate=2009年1月13日 |deadlinkdate=2017年9月 }}</ref>と評価している。
 
 
 
== 社会問題 ==
 
=== 汚職問題 ===
 
地方政府の役人(共産党員に限らず)の腐敗や職権の濫用が多いことが問題となっている。地方政府の対応に不満を持った農民や労働者は中央政府へ訴え出たり、場合によっては暴動を起こしたりしており、大きな社会問題となっている。また、政府高官でも汚職を行った者に対しては[[死刑]]が適用・執行されており、[[2000年]]には[[成克傑]](元[[全国人民代表大会]]常務副委員長)が収賄罪で、[[2007年]]には[[:zh:郑筱萸|鄭篠萸]](元国家食品薬品監督管理局長)が収賄罪でそれぞれ死刑が執行されている。
 
 
 
改革開放が進んで以降の中国では[[アメリカ合衆国]]に負けずとも劣らない[[拝金主義]]、[[物質主義]]が進行しているという指摘が多くある。たとえば、大規模な工場を建設する際に、周囲の住民の意見には聞く耳も持たず、「金にならない」というだけで工場の存在から出るリスク(汚水、悪臭、排煙など)を無視しているケースが散見される。また、食品製造では、安全性よりコストを優先するがゆえに無視し、危険な食品であっても生産するケースもある。また、[[多国籍企業]]の下請けになっている中国企業では、従業員を過酷な労働環境かつ安い賃金で使い、末端従業員の[[過労死]]、[[過労自殺]]を引き起こしている。そういったことを本来取り締まるべきなのは政府役人だが、金によって腐敗している者も少なくない。こうした問題の深刻な実態は2010年代に入って以降、国内外の調査団体や有志の調査により表面化しつつある。
 
 
 
=== 司法問題 ===
 
{{See also|中華人民共和国における死刑}}
 
中華人民共和国の[[司法]]に関してはいくつかの問題が内外から指摘されている。[[控訴]]する権利は与えられてはいるものの実際に控訴で逆転できるパターンはわずかである。
 
 
 
テロの首謀者から汚職といった他人に暴力を振るったり生命の危機に直面させない罪などでも、死刑判決即決行に該当する。人権擁護団体[[アムネスティ・インターナショナル]]での報告によると、[[2004年]]で全世界で執行された死刑囚の数の9割以上(約3400人)が中華人民共和国であり、同団体に非難されている。最近は新たな死刑施行方法を取り入れて、薬物で麻酔した上で銃殺するケースも増えてきた。
 
 
 
特に地方の[[人民法院]]の[[裁判官]]について、質に難があるという指摘がある。[[賄賂]]を要求することも多く、断ったら会社の設備を破壊され営業不能となった上、押収品を勝手に他者に渡す、といった事例まである<ref>{{Cite news |url=http://www.yomiuri.co.jp/feature/2008ranking/article_monthly_top0404.htm |title=中国裁判官が日系企業にわいろ強要、断ったら設備破壊 |newspaper=YOMIURI ONLINE |publisher=読売新聞社 |date=2008-04-9日}}{{リンク切れ|date=2017年5月}}</ref>{{リンク切れ|date=2017年5月}}。
 
 
 
[[2013年]][[8月]]には、[[:zh:上海市高级人民法院|上海市高級人民法院]]の[[裁判官]]3名が[[売春|集団売春]]した容疑で、懲戒免職処分になった事件が起こっている<ref>[http://legal.people.com.cn/n/2013/0806/c42510-22466960.html 上海查处法官涉嫌招嫖案:3人被开除党籍、提请开除公职] - 人民日報(2013年8月7日閲覧)</ref>。
 
 
 
2015年12月、中国のグローバル企業である[[復星集団]]の会長で支配株主でもある郭広昌が当局から身柄拘束を拘束された。中国では党幹部や政府高官、国営企業のトップなど広範囲で取り締まりが強化されており、12月下旬には、言論の自由を擁護する活動家である弁護士も有罪判決を受けた<ref>[http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/45642 中国企業と国家:一段と厳しくなる締め付け] - The Economist 2015年12月25日</ref>。
 
 
 
=== 中国産食品の安全性 ===
 
{{Main|中国産食品の安全性}}
 
中国では食品の安全性の悪さが大きな社会問題になっている。
 
 
 
=== 人権・報道問題 ===
 
{{Main|中国の人権問題}}
 
[[File:2010-07-25 Guangzhou mass assembly.jpg|thumb|2010年[[広州市]]にて、[[広東語]]によるメディア現地語化支持者の抗議運動]]
 
中華人民共和国では、報道は[[新華社通信]]、[[人民日報]]、[[環球時報]]、[[中国中央電視台]]『[[新聞聯播]]』などの[[報道機関]]が[[世界]]的に知られている。改革開放以後は新聞は[[タブロイド紙]]が爆発的に増え、テレビは地方局が多数開設された([[キー局]]は中国中央電視台だけである)。そのため中国共産党の喉舌『'''御用報道機関'''』である、上記の4大報道機関の影響力は相対的に低下している。一方、新興報道機関は中小多数で熾烈な報道合戦を展開している。そのため、大衆の好奇心を刺激する論評で大衆の関心の高い事柄を報道するが、そのうち政府への批判的な報道は当局から「整頓」と呼ばれる修正を命じられることが多い。そのため、'''「上と下を見つつ報道」'''しているといわれる<ref>清水美和『中国はなぜ「反日」になったのか』(平成15年、文藝春秋、文春新書)175頁</ref>。
 
 
 
中華人民共和国政府は、[[検閲]]での情報操作([[一国二制度]]適用の[[香港]]・[[マカオ]]は除く)を行っている。共産党・政府に対して、マイナスと認識した報道を規制している。
 
 
 
[[2015年]][[9月3日]]の[[中国人民抗日戦争・世界反ファシズム戦争勝利70周年記念式典]]において、[[国際刑事裁判所]](ICC)から虐殺などの疑いで逮捕状が出ているスーダン大統領の[[オマル・アル=バシール]]が招待されることもあった<ref>[http://wedge.ismedia.jp/articles/-/5374 朴槿恵訪中と歴史トラウマ 中韓蜜月の背後にあるもの]wedge 2015年9月17日</ref>。
 
 
 
中国の憲法には第33条に「国家は人権を尊重し、保障する」と書き込まれている。[[六四天安門事件]]に対して、国際世論の風当たりが強まったことから2004年に付け加えられた。第37条には「公民の人身の自由は、侵犯を受けない」ともある。
 
 
 
=== インターネットへの検閲行為 ===
 
{{Main|金盾|中国大陸におけるWikipediaへのアクセス封鎖}}
 
中国国内では、[[インターネット]]上のウェブページで、反政府や同盟国の北朝鮮を中傷するページを閉鎖、または回線を切断させたりしていることが多い([[中国のネット検閲]])。
 
 
 
[[2004年]][[11月]]には検閲されていない違法な[[インターネットカフェ]]1600店余りを摘発し、更にはネット上で政府を非難する自国人を逮捕し[[電子メール|メール]]の文章も検閲内容として規制されている。[[Yahoo!]]などのアメリカ企業も政府の検閲に協力している。こうした企業に対しては、国際的に多くの人々が、中華人民共和国国内での言論の自由を奪っていると非難している。
 
 
 
こうしたネット文化の進展に伴い、中華人民共和国政府はネット規制システム「[[金盾]]」をバージョンアップさせた。[[Maxthon|傲游]]など検閲、規制を回避するためのシステムも一部で配布されていると見られている。
 
 
 
=== 地域格差と地方財政問題 ===
 
2018年時点で北京や上海で公立教師は平均的に月給6000元(約10万円)で、内陸部はその半分以下である。そのため、2018年4月から5月末にかけて内陸部の[[陝西省]]、[[湖南省]]、[[安徽省]]などで教師待遇の地域格差・未払賃金を理由に教師たちのデモがあったが鎮圧された。中国では都市と農村の格差が依然として問題であり、景気停滞によって地方政府の財政難が背景にあって、賃上げに対応出来ない理由がある<ref>[https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180602-00000050-mai-cn ]<中国>農村部の教師らデモ 報道容認、地方へ警告か</ref>。
 
 
 
== 国民 ==
 
[[File:PRC Population Density.svg|thumb|2009年の中華人民共和国の人口密度を示す地図。西部の内陸部と比較し、東部の沿岸部の省は人口密度が高い。]]
 
[[File:Population and Natural Increase Rate of PRC.jpg|thumb|right|1949年から2008年の中国の人口]]
 
=== 民族 ===
 
{{出典の明記|section=1|date=2015年11月}}
 
{{Main|中華民族|中国行政区分の人口一覧|中国の少数民族}}
 
最大の民族集団は[[漢族]]で人口の92%を占め、その他の55の[[少数民族]]が残りの8%を占める。少数民族のなかでは[[チワン族]](1,600万人)、[[満族]](1,000万人)、[[回族]](900万人)、[[ミャオ族]](800万人)、[[ウイグル族]](700万人)、[[イ族]](700万人)、[[モンゴル族]](500万人)、[[チベット民族|チベット族]](500万人)、[[プイ族]](300万人)、[[朝鮮族]](200万人)が比較的大きな民族集団である。中華人民共和国では、[[漢民族]]だけでなく、これらの中華人民共和国国内に居住する[[少数民族]]を含む全ての民族を「[[中華民族]]」と規定し、中華民族は一体であるという意味合いを持たせている。
 
 
 
中華人民共和国の民族の分類は、中華人民共和国政府が実施する「[[民族区域自治|民族識別工作]]」によって決定される。また、「未識別民族」も存在している。
 
 
 
=== 人口 ===
 
中国中央政府の成立後、急激な人口増加が進んだことにより、食糧問題、エネルギー問題などが発生した。人口増加に危機感を抱いた政府は、対策として[[1979年]]から[[一人っ子政策]]を実施し、[[出生率]]の統制による人口抑制を展開した結果、[[人口増加率]]は低下した。
 
 
 
しかし一方で、[[戸籍]]上は子供を一人しか持たないようにするため、出産しても届出を行わないことによって[[黒孩子]](ヘイハイズ)と呼ばれる戸籍を持たない子供が激増したり、貧乏な農家の子供たちが[[人身売買]]のバイヤー経由で裕福な家庭に売られるなど、新たな問題が発生した。また、[[統計]]上では[[総人口]]は約13億人であるが、黒孩子や[[盲民]]と言われる浮浪民の存在のため、潜在的な人口は15億人を超えているとも言われる<ref>[[副島隆彦]]『あと5年で中国が世界を制覇する』ビジネス社 2009年</ref>。また、[[清水美和]][[東京新聞]]論説委員によると、10年ごとに行われている[[国勢調査]]では、2000年度調査は統計は13億人だったが、実際は15億人だったという。
 
また、急激な出産制限は全人口に占める若年層の割合を低下させた。そのため、将来[[少子高齢化]]が問題になると指摘されている。その状況に対し、政府は2015に行った第18期5中全会で、一人っ子政策を廃止した。
 
==== 農民工 ====
 
国内では、沿岸部など経済発展の著しい地域と、内陸部の発展に取り残された地域との[[経済格差|格差]]が拡大しているため、沿岸の都市部に[[出稼ぎ]]するために流入する農民([[民工]])が増え、その数は2017年時点で2億8652万人。2017年の農民工の平均月収は3485元(約6万131円)である<ref>[https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180505-03173268-clc_cns-cn]中国の「農民工」2.87億人に 若い世代が過半数</ref>。
 
 
 
=== 言語 ===
 
{{出典の明記|section=1|date=2015年11月}}
 
[[File:China linguistic map.jpg|thumb|1990年の中国と台湾の民族言語グループを示す地図]]
 
北中国の言語に代表される[[北方語]]を基礎として若干の改訂を加えた[[普通話]]を[[標準語]]としている。同じ[[中国語]]であっても、[[呉語]]、[[広東語|粤語]]、[[ビン語|閩語]]などの異なる[[言語]]があり、かけ離れているため、かつては北京人と広東人では会話が通じなかった。しかし、建国以来の教育および放送等の普及により、若年層には普通話を話せない者は少なくなった。更に、[[深セン市|深圳]]、[[珠海市|珠海]]などの[[経済特区]]では省外からの人口流入が激しく、広東語が解らない者が多数派になりつつある。
 
 
 
なお、イギリスの[[植民地]]であった[[香港]]では、北京語と共に[[広東語]]および[[英語]]も公用語となっている。実際現在も北京語を使用するものは少なく、その上に[[1990年代]]初頭頃迄は大陸から移住したものを除いては北京語のできる者はほとんどいなかった。[[1997年]]の主権返還をきっかけに北京語熱が高まっている。また[[澳門]]では広東語のほかに、[[ポルトガル語]]も使われる。
 
 
 
[[チベット]]、[[ウイグル]]などの各少数民族はそれぞれの固有の言語も使用しているが公用語は北京語である。政府は少数民族の言語を尊重する姿勢を示しながら、中学校以上の高等教育は原則として少数民族の言語は使用せず、北京語のみで教育を行うことや、[[ウイグル]]人に対しては子供を漢民族地域に居住させて[[北京語]]で教育することなどにより、北京語を普及させる政策を取っている。
 
{{clear}}
 
 
 
<gallery>
 
</gallery>
 
 
 
=== 教育 ===
 
{{Main|中華人民共和国の教育}}
 
[[File:Tsinghua Observatory.jpg|thumb|[[w:Chinese university ranking (Wu Shulian)|中国において一流大学]]のうちの1つである北京市の[[清華大学]]]]
 
[[File:CUHK LionsPavilion.jpg|right|thumb|香港特区の[[香港中文大学]]]]
 
[[義務教育]]期間は9年間で、一般に小学6年と日本の中学校に当たる初級中学(初中)3年(地域によって小学5年・初級中学4年)からなる。高等学校に当たる高級中学(高中)は3年。学年は9月に始まる。
 
また、2006年6月から陝西省呉起県で'''十二年義務教育'''(小学校から高校三年生まで)が実施し、2007年には広東省の珠海市、深圳市でも実施しはじまった。また、2010年10月17日には福州の馬尾区をはじめとして12年義務教育を本格的に実行させ、2012年には内モンゴル自治区では12年義務教育がすでに全自治区範囲内に普及された。それ以外は陝西省のように'''13年義務教育'''を実行している地域もある。義務教育の期間は市、區によって異なっている。<ref>http://news.xinhuanet.com/legal/2016-01/04/c_128593401.htm</ref><ref>http://henan.163.com/16/0128/09/BEDIG3P602270ILJ.html</ref><ref>http://sc.sina.com.cn/news/b/2015-10-31/detail-ifxkhcfk7468641-p6.shtml</ref>
 
 
 
[[高等教育]]に関しては、2008年時点で中国の[[大学]]進学率は23%に達し、過去最高を記録した<ref>[http://japanese.china.org.cn/life/txt/2008-11/12/content_16754234.htm 大学進学率23%、中国の高等教育が大衆化段階に]、China.org.cn</ref>。中国の学問の中心の一つとして国内外に名を知られる[[国家重点大学]]に[[北京大学]]がある。現在では、[[清華大学]]が国内のトップ大学であるとする評価が定着しており、北京大学は2番目の位置づけとなっている。清華大学は[[朱鎔基]]前総理、[[胡錦濤]]党総書記、[[習近平]]党総書記の出身校でもあり、2万5000人の学生が理学部、工学部、文学部、法学部、経済学部、経営管理学部、芸術学部などに学ぶ。
 
 
 
== 宗教 ==
 
{{Pie chart
 
|caption = 中国の宗教 <small>(CGSS's average 2012)</small><ref name="CFPS2012-013CGSS">[[w:Chinese Family Panel Studies]]'s survey of 2012. Published in ''The World Religious Cultures'' issue 2014: {{PDF|[https://web.archive.org/web/20140715015656/http://iwr.cass.cn/zjwh/201403/W020140303370398758556.pdf 卢云峰:当代中国宗教状况报告——基于CFPS(2012)调查数据]}}(2014年7月15日時点の[[インターネットアーカイブ|アーカイブ]]). p. 13, reporting the results of the Renmin University's Chinese General Social Survey (CGSS) for the years 2006, 2008, 2010 and 2011, and their average. '''Note''': according to the researchers of CFPS, only 6.3% of the Chinese are not religious in the sense of [[w:atheism|atheism]]; the others are not religious in the sense that they do not belong to an organised religion, while they pray to or worship gods and ancestors in the manner of the traditional popular religion.</ref>
 
|label1 = [[中国の民俗宗教|伝統崇拝]]、[[道教]]又は無宗教
 
|value1 = 87.4
 
|color1 = AntiqueWhite
 
|label2 = [[仏教]]
 
|value2 = 6.2
 
|color2 = Gold
 
|label3 = [[キリスト教]]
 
|value3 = 2.3
 
|color3 = DodgerBlue
 
|label4 = [[w:Chinese salvationist religions|民族信仰の宗派]]
 
|value4 = 2.2
 
|color4 = GreenYellow
 
|label5 = [[イスラム教]]
 
|value5 = 1.7
 
|color5 = Green
 
|label6 = その他の信仰
 
|value6 = 0.2
 
|color6 = HotPink
 
}}
 
[[国教]]はなく、主な宗教は[[仏教]]、[[道教]]、[[イスラム教]]、[[キリスト教]]である。
 
 
 
宗教信者は総計1億人余り、宗教活動場所85,000か所、宗教団体3,000余りといわれる。欧米では国民の多くは宗教信者であるが、現在の中華人民共和国の宗教信者数の1億人余りは総人口12億人に比して非常に少ない。これは中国大陸における宗教の歴史と中国共産党政府による宗教弾圧の影響が大きい。
 
 
 
国民の大半を占める漢人は[[現世利益]]的である。道教は漢民族固有の宗教である。信者数の統計はなく、道宮・[[道観]]([[寺院]])が1500余カ所、[[道士]]と道姑が2万5000余人といわれる。漢人は、複数の宗教の良いところをそれなりに信仰する傾向がある。改革開放以降、「紅白産業」と呼ばれる「[[冠婚葬祭|冠婚葬祭業]]」が飛躍的に発展した。
 
 
 
イスラム教は、[[回族]]、[[ウイグル族]]、[[カザフ族]]など主に少数民族の間で信仰されている。信仰者数は1,800万人、[[イマーム]][[アホン]](回教布教師)が4万余人。中華人民共和国のイスラム教徒は[[スンニー派]]に属している。今日アセアン地域やオセアニアの華僑が現代中国に大きな経済地位を占める。イスラム教は古代から中国にとり経済と切り離せない存在である。
 
 
 
=== 仏教 ===
 
{{Main|中国の仏教}}
 
[[仏教]]に関しては仏教の寺院が1万3000余カ所、僧と尼は約20万人といわれる。「漢民族仏教」、「チベット仏教(ラマ教)」、「南仏教(巴利語系)」の3種類がある。「漢民族仏教」の信徒数の統計はない。「チベット仏教」の信徒数は、チベット族やモンゴル族などの900万人、ラマ僧、尼僧は約12万人、活仏は1700余人、寺院は3000余カ所。「南仏教」はタイ族などの100万人、比丘、長老は1万人近く、寺院が1600余カ所といわれる。
 
 
 
文化大革命の時期に徹底的な弾圧を受けたチベット仏教はかなり復興したとはいえ、まだ最盛期にはほど遠く寺院数は10分の1以下に激減している。また、現在も中華人民共和国政府によるチベット仏教への弾圧は続いており、僧院には、中華人民共和国当局の「工作隊」が駐在し、強制的に、僧や尼僧に政治的・宗教的信念の「愛国再教育」を行っている<ref>[http://www.tibethouse.jp/news_release/2008/080329_report14.html 「チベット亡命政府発表 ー チベットからのレポート(14)」, ダライ・ラマ法王日本代表部事務所] (2008.3)</ref>。1996年から1998年の間に、中華人民共和国当局による「厳打」キャンペーンにより約500名の僧尼が逮捕され、約1万人が僧籍を剥奪されたといわれる<ref>[http://www.tibethouse.jp/about/information/situation/ 「現在のチベットの状況」, ダライ・ラマ法王日本代表部事務所]</ref>。[[2007年]]、中華人民共和国政府は輪廻転生を続けるとされるチベットの高僧(活仏)が転生する際、政府の許可なしの転生は認めないことを決定した(国営[[新華社通信]])<ref>{{cite web
 
|url = http://www.afpbb.com/article/life-culture/religion/2263352/2001212
 
|title = 中国政府、チベット高僧の転生に事前申請を要求
 
|publisher = [[フランス通信|AFP BB News]]
 
|accessdate = 2007年8月4日
 
}}</ref>。
 
 
 
=== 儒教 ===
 
{{Main|儒教}}
 
[[儒教]]は[[共産主義]]や[[毛沢東思想]]に真っ向から敵対するものとして[[文化大革命]]時に徹底弾圧され、[[熊十力]]などの[[新儒家]]の名士が自殺に追い込まれるなど徹底的に迫害され宗教としては事実上絶滅した。しかし、孔子生誕2555周年となった[[2004年]]以降、毎年9月28日に[[孔子]]の生誕を祝う祝典「孔子祭」が国家行事として執り行われ、『[[論語]]』を積極的に学校授業に取り入れるようになるなど儒教の再評価が進んでいる。
 
 
 
孔子の故郷の[[山東省]]の[[曲阜三孔]](孔府、孔廟、孔林)の古建築群は[[国際連合教育科学文化機関|ユネスコ]]の[[世界遺産]]に登録されている<ref>[http://www.peoplechina.com.cn/maindoc/html/guanguang/yichan/200305/yichan.htm 「孔府、孔林、孔廟 儒家思想はぐくんだ孔子の里」, 人民中国, 2003年5月号]</ref>。文化大革命期に破壊された儒教関連の史跡及び施設(夫子廟など)も近年になって修復作業が急ピッチで行われている。また、[[北京オリンピックの開会式]]では『論語』が取り上げられた。
 
 
 
=== キリスト教 ===
 
{{Main|中国のキリスト教}}
 
[[キリスト教]]のうち、[[カトリック教会]]は[[1958年]]から本来[[教皇|ローマ教皇]]だけに認められている主教・[[司祭]]ら聖職者任命を[[中国共産党]]傘下の[[中国天主教愛国会]]が任命することから中国政府の統制下にあるため、[[聖座]]([[バチカン|バチカン市国]])との国交は断絶している。
 
 
 
[[プロテスタント]]は、信徒は約1000万人、聖職者が1万8000人おり、教会堂が1万2000カ所、簡素な宗教活動の場所(会所)が2万5000カ所ある。
 
 
 
中国には、上記のほか多数の[[地下教会]]信者がいるとされており、[[ブリタニカ国際年鑑]]の最新データによると、現代の中国のキリスト教徒は、当局の監督下にある国家公認教会信徒と地下教会信徒を合わせ9100-9750万人程度と記録されている。
 
 
 
[[習近平]]政権になって以降、キリスト教への抑圧が強まっており<ref>[http://www.christiantoday.co.jp/articles/17369/20151020/china.htm 中国、宗教統制に本腰か 習近平政権成立3年迎え]クリスチャントゥデイ 2015年10月20日</ref>、2016年2月には[[浙江省]]でキリスト教教会の屋根に取り付けられた[[十字架]]を強制撤去したり、撤去に抗議する信徒を相次ぎ拘束する事件が発生した<ref>{{Cite news|url=http://news.nicovideo.jp/watch/nw2059023|title=キリスト教へ抑圧強化=弁護士に「ざんげ」迫る―十字架撤去に抗議・中国|newspaper=ニコニコニュース|agency=時事通信|publisher=ドワンゴ|date=2016-02-26|archiveurl=https://archive.is/20160227124430/http://news.nicovideo.jp/watch/nw2059023|archivedate=2016年2月27日|deadlinkdate=2017年9月}}</ref>。
 
 
 
=== その他 ===
 
チベット地域では[[ボン教]]も広く信仰されている。ただし、現在のボン教はチベット仏教の体系を広く取り入れており、一見しただけではチベット仏教との区別がつきにくいが、[[マニ車]]を反時計回りに回すなどの相違がある。
 
 
 
民間信仰には、民衆道教、シャーマン・[[シャーマニズム]]的信仰、[[アニミズム]]的信仰がある。また幾つかの[[新宗教]]が存在し、1999年7月には[[法輪功]]が[[天安門広場]]で信者の集団的焼身自殺事件を起こした([[天安門焼身自殺事件]])。同教団は政府に[[邪教]]認定され<ref>{{Cite web|url=http://www.tokyo-sports.co.jp/nonsec/65633/|title=中国狂気の宗教弾圧 靖国も"邪教"扱い|newspaper=東京スポーツ|date=2012年12月26日|accessdate=2017-04-23}}</ref>、一切の活動を禁止された。
 
 
 
== 文化 ==
 
{{Main|中華文化|中華料理|漢文学|中国文学|漢籍|中国学|中国哲学}}
 
[[File:Pekin przedstawienie tradycjnego teatru chinskiego 7.JPG|thumb|伝統的な[[京劇]]の様子]]
 
[[File:20090528 Beijing Forbidden City 7727.jpg|thumb|[[w:Chinese architecture|古典的な中国の建築様式]]を示す北京市の[[紫禁城]]]]
 
[[File:Tianjin lunch of Goubuli.jpg|thumb|[[天津市]]における伝統料理である[[餃子]]、[[包子]]、[[w:Cuisine of Tianjin#Guobacai|鍋巴菜]]]]
 
* [[中華街]]
 
=== 食文化 ===
 
{{Main|中華料理|中国茶}}
 
 
 
=== 書道 ===
 
{{Main|書道|中国の書道史}}
 
[[書聖]]として[[王羲之]]、[[顔真卿]]、[[北宋]]の[[徽宗]]帝の名が挙げられる。
 
 
 
=== 文学 ===
 
{{Main|漢文学|中国文学|漢籍|}}
 
[[漢]]から[[唐]]の[[陶淵明]]を代表とする「[[漢詩]]」・[[李白]]、[[杜甫]]、[[白居易]]を代表とする「[[近体詩|唐詩]]」、[[宋 (王朝)|宋]]の「[[詞]]」、[[元 (王朝)|元]]の「[[曲]]」、[[明]]と[[清]]の「[[小説]]」([[白話小説]]、[[武侠小説]]など)が存在する。辛亥革命後の[[20世紀]]前半には[[日本]]に留学した経験を持ち、『[[故郷 (小説)|故郷]]』、『[[阿Q正伝]]』、『[[狂人日記 (魯迅の小説)|狂人日記]]』、『[[藤野先生]]』で知られる[[魯迅]]が活躍した。また、[[毛沢東]]も『{{仮リンク|長沙 (詩)|zh|沁园春·长沙|label=長沙}}』などの漢詩を残している。
 
 
 
;代表的な中国文学の作品
 
{{See also|四大奇書|}}
 
* 『[[史記]]』
 
* 『[[三国志演義]]』
 
* 『[[水滸伝]]』
 
* 『[[紅楼夢]]』
 
* 『[[封神演義]]』
 
* 『[[金瓶梅]]』
 
* 『[[聊斎志異]]』
 
 
 
=== 哲学 ===
 
{{Main|中国哲学}}
 
* [[中華思想]]
 
* [[諸子百家]]
 
* [[玄学]]
 
* [[朱子学]]
 
* [[陽明学]]
 
* [[考証学]]
 
* [[三民主義]]
 
* [[毛沢東思想]]
 
* [[鄧小平理論]]
 
 
 
=== 美術 ===
 
{{Main|中国美術}}
 
;絵画
 
{{Main|中国の絵画}}
 
* [[山水画]]
 
* [[花鳥画]]
 
* [[年画]]
 
 
 
;陶芸
 
{{Main|中国の陶磁器}}
 
* [[唐三彩]]
 
* [[宋磁]]([[青磁]]、[[白磁]])
 
* [[七宝]]
 
* [[万暦赤絵]]
 
* [[華南三彩]]
 
 
 
=== 大衆文化 ===
 
[[人間関係|対人関係]]に於いて「自己人」(自分の味方)、「熟人」(知り合う人)、「外人」という独特の概念が中国にあり、日本では中国人との[[国際結婚]]などでトラブルになるケースが多い。
 
[[ポルノ]]の規制は厳しく、ポルノ雑誌の類は販売されておらず、[[隠語]]を使った[[官能小説]]のみ販売している。インターネットのポルノサイトも同様で、2007年に行った反ポルノキャンペーンで44000件のサイトを取り締った<ref>[http://www.86to81.net/index.php?LangType=ja&BasePage=9&article_id=720 上海でポルノサイト4000近く閉鎖] 中日之窓 2008年01月16日 {{webarchive|url=https://web.archive.org/web/20110723000827/http://www.86to81.net/index.php?LangType=ja&BasePage=9&article_id=720 |date=2011年7月23日 }}</ref>。また、サイト運営者が終身刑になったケースもある<ref>[https://web.archive.org/web/20090113002429/http://www.afpbb.com/article/1120210 ポルノサイトの運営者に終身刑 - 中国](2009年1月13日時点の[[インターネットアーカイブ|アーカイブ]]) -  AFPBB News 2006年11月24日 10:15</ref>。[[ゲーム機|家庭用ゲーム機]]の販売も2000年から禁止されてきたが、2015年に完全に解禁され、ハードウェアでは[[ソニー・インタラクティブエンタテインメント]]と[[マイクロソフト]]が進出しているが、[[任天堂]]は進出していない。家庭用ゲームソフトの販売も、ソフトウェアメーカーが[[検閲]](中国には[[コンピュータゲームのレイティングシステム]]は存在しない)を受けた上で販売することになる<ref>[http://www.sankei.com/wired/news/150728/wir1507280003-n1.html 15年越しの夢 中国全土で家庭用ゲーム機「全面解禁」]産経ニュース 2015年7月28日</ref><ref>[https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2017-12-06/P0IVQE6S972901 任天堂がエヌビディアのゲーム機で中国に参入、マリオなど配信開始]Bloomberg 2017年12月6日</ref>。
 
 
 
=== 祝祭日 ===
 
{|class="wikitable" style="margin: auto"
 
|-
 
!日付 !! 日本語表記(括弧内は略称) !! 由来・行事 !! 休暇期間
 
|-
 
|[[1月1日]] || [[元旦]]||西暦の新年||1日
 
|-
 
|[[3月8日]] || [[国際女性デー|国際婦女節]](婦女節)||女性の社会、政治、経済等への貢献を祝う。||女性のみ半日
 
|-
 
|[[3月12日]] || 植樹節||[[孫中山]]の逝世記念日。植樹や造林活動を行う。[[1979年]]に[[全国人民代表大会]]で決定。||なし
 
|-
 
|[[5月1日]]||[[メーデー|国際労働節]](労働節)||働く人の社会及び経済への貢献を祝う。||1日
 
|-
 
|[[5月4日]] || 五四青年節(青年節)||[[1919年]]5月4日に[[五四運動|反帝国主義運動]]を行った学生を記念する。||青年(14歳以上)のみ半日
 
|-
 
|[[6月1日]] || [[子供の日|国際児童節]](児童節)||子供の福祉の促進を祝う。||子供(14歳以下)のみ1日
 
|-
 
|[[7月1日]] || 中国共産党建立記念日(建党節)||[[1921年]]7月23日の[[中国共産党]]の設立を記念する。||なし
 
|-
 
|[[8月1日]] || 中国人民解放軍建軍節(建軍節、八一建軍節)||[[1927年]]8月1日の[[南昌起義]]を記念する。||現役の軍人のみ半日
 
|-
 
|[[9月3日]] || [[対日戦勝記念日|抗日戦争勝利記念日]]||[[1945年]]9月2日[[日本]]が[[連合国 (第二次世界大戦)|連合国]]の降伏文書に調印したことを記念する。||なし
 
|-
 
|[[9月10日]] || [[教師の日|教師節]]||教師の社会への貢献を祝う。[[1985年]]1月に全国人民代表会議で設立された。現在、9月28日([[孔子]]の誕生日)に改める議論が有力。||教師及びその学生のみ半日
 
|-
 
|[[10月1日]] || 中華人民共和国[[国慶節]](国慶節)||[[1949年]]10月1日、中華人民共和国中央人民政府設立を祝う。||3日間(10月1日、10月2日、10月3日。前後の二つの週末に含まれて7日間になる1)
 
|-
 
|[[中国暦]][[1月1日 (旧暦)|1月1日]] || [[春節]]||中国暦の新年。中国暦の12月30日(前年)、1月1日、1月2日をそれぞれ除夕、年初一、年初二という。|| 7日間(中国暦の12月30日、1月1日、1月2日、1月3日、1月4日、1月5日、1月6日。既に前後の二つの週末に含まれた)
 
|-
 
|中国暦[[1月15日 (旧暦)|1月15日]] || [[元宵節]]||[[小正月]]。灯篭を観て楽しんだり、元宵(甘いスープの中に餡を包んだ餅を浮かべた食べ物)を食す。||なし
 
|-
 
|中国暦[[2月2日 (旧暦)|2月2日]] || 春農節、または[[龍擡頭]] || “龍頭説”とも呼ばれる。2月2日に龍が頭をもたげた伝説から。||なし
 
|-
 
|[[4月5日]]または[[4月4日]],[[4月6日]]|| [[清明節]]||墓参り。先祖を祭る。||1日
 
|-
 
|中国暦[[5月5日 (旧暦)|5月5日]] || [[端午節]] || [[端午の節句]]。[[屈原]]が祖国の行く末を嘆き[[汨羅江]]に身を投じたのが始まりと言われる。[[ちまき|粽]]を食べたり、[[ドラゴンボート]]レースをする。||1日
 
|-
 
|中国暦[[7月7日 (旧暦)|7月7日]] || [[七夕]] || “乞巧節”或いは“七巧節”、“七姐誕”とも呼ばれる。[[織女]]と[[牽牛]]が天の川の橋の上で会った伝説から。||なし
 
|-
 
|中国暦[[7月15日 (旧暦)|7月15日]] || 中元節||“鬼節”、“[[盂蘭盆]]節”、“七月半”とも呼ばれる(但し、“鬼節”で[[ハロウィン]]を指す場合が多い)。お盆。||なし
 
|-
 
|中国暦[[8月15日 (旧暦)|8月15日]] || [[中秋節]]||お月見。家族が集まり、月見をしたり、[[月餅]]を食べる。||1日
 
|-
 
|中国暦[[9月9日 (旧暦)|9月9日]] || [[重陽]]節 ||[[重陽]]。[[敬老の日]]。高いところに登る。||なし
 
|-
 
|中国暦[[節気]][[冬至]] || 冬節||“過冬”或いは“長至節”、“亜歳”とも呼ばれる。北部では[[餃子]]を食べることが多い。南部では[[湯円]](元宵)を食べる。||なし
 
|-
 
|中国暦[[12月8日 (旧暦)|12月8日]] || [[臘八節]]||祖先の霊を祭る。豊作、吉祥を祈る。臘八粥を飲む。||なし
 
|-
 
|中国暦[[12月23日 (旧暦)|12月23日]](北のほう、南のほうは[[12月24日 (旧暦)|12月24日]])|| [[小年]]、または[[祭竈節]]||[[かまど神#中国のかまど神|かまどの神]]を祭る。かまど王を天に送り、神様にかまど王の善悪を判断してもらう言い伝えから。||なし
 
|-
 
|中国暦[[12月30日 (旧暦)|12月30日]](或いは12月29日) || 除夕||おおみそか。年越し料理を食べたり、[[爆竹]]を鳴らす。||1日(既に春節の休暇に含まれた)
 
|-
 
|[[ヒジュラ暦]][[10月1日]] || 開斎節||“肉孜節”とも呼ばれる。[[ラマダーン]]の終わり。[[イスラム教]]の祭日||なし
 
|-
 
|ヒジュラ暦[[12月10日]] || 宰牲節||“クルバン節”とも呼ばれる。[[犠牲祭]]。巡礼の次の日。イスラム教の祭日||なし
 
|}
 
 
 
*少数民族の祝祭(例えば、上記の開斎節、宰牲節)はその地方人民政府によって制定されている。香港特別行政区の休暇期間はその関連法規に規定されている。
 
 
 
=== 中国のスポーツ ===
 
[[File:Dragon boat racing.jpg|thumb|中国の人気ある伝統的スポーツの[[ドラゴンボート]]レース。]]
 
;伝統的スポーツ
 
* [[中国武術]]([[少林拳]]、[[太極拳]]、[[洪家拳]]、[[詠春拳]]など)
 
* [[シュアイジャオ|角力]]、鍵子
 
 
 
;近代的スポーツ
 
1995年に国家プロジェクト「全民健身計画」が打ち出されたことや[[スポーツ]]の多様化に伴い中国のスポーツ市場は数年で急激に拡大し、2005年には500億ドルに、[[競技人口]]は4億人にも達した。
 
 
 
北米プロ[[バスケットボール]]リーグ[[NBA]]に所属する[[姚明]]の活躍を受け、特にバスケットボールの人気が高まり競技人口は3億人まで増加したと言われている。
 
 
 
その他には[[サッカー]]、[[バレーボール]]、[[卓球]]、[[バドミントン]]、[[体操]]、[[陸上競技]]、[[競泳]]、[[飛込競技]]、[[アーティスティックスイミング]]、[[トランポリン]]、[[射撃]]、[[重量挙げ]]、[[フィギュアスケート]]、[[ショートトラックスピードスケート]]、[[カーリング]]、[[エアリアル]]の人気も高い。近年では、国内リーグが発足されて[[ワールド・ベースボール・クラシック]]にも参加している[[野球]]や[[熊朝忠]]が世界王座についた[[ボクシング]]も人気が高まりつつある。
 
 
 
[[2008年]]8月8日から8月24日にかけて首都の北京で中国初の[[2008年北京オリンピック|北京オリンピック]]が開催された。また、2022年には同じく北京で中国初の冬季オリンピックの開催も予定されている(詳細は、[[2022年冬季オリンピック]]の項目を参照)。これは、史上初の夏・冬のオリンピックの同一都市での開催となる。
 
  
 
== 脚注 ==
 
== 脚注 ==
{{脚注ヘルプ}}
+
{{Reflist}}
{{Reflist|3}}
 
 
 
== 参考文献 ==
 
* 太田康夫 『グローバル金融攻防三十年』 日本経済新聞出版社 2010年
 
 
 
== 関連項目 ==
 
{{中華人民共和国}}
 
{{ウィキポータルリンク|中国|[[画像:National Emblem of the People's Republic of China.svg|36px|Portal:中国]]}}
 
{{ウィキプロジェクトリンク|中国|[[ファイル:National Emblem of the People's Republic of China.svg|36px]]}}
 
* [[中国関係記事の一覧]]
 
* [[中華人民共和国法]](中国法)
 
** [[中国の人権問題]]
 
** [[中国の知的財産権問題]]
 
* [[中華人民共和国におけるLGBTの権利]]
 
* [[中華文明]]
 
** [[華流]]
 
* [[中華思想]]
 
** [[中国]]
 
** [[支那]]
 
* [[中国化]]
 
* [[親中]] - [[チャイナスクール]] - [[チャイナリスク]]
 
* [[中国のネット検閲]]
 
** [[金盾]]
 
* [[中国製品の安全性問題]] - [[中国の環境問題]] - [[中国産食品の安全性]] - [[中国の水危機]]
 
* [[チベット問題]]
 
* [[台湾問題]]
 
* [[一人っ子政策]] - [[黒孩子]] - [[小皇帝]]
 
* [[蟻族]]
 
* [[太子党]] - [[上海幇]]
 
* [[中国共産主義青年団]]
 
* [[中国民主化運動]]
 
* [[天安門事件]]
 
* [[憤青]]
 
  
 
== 外部リンク ==
 
== 外部リンク ==
{{Sisterlinks|wikiquote=Category:中国人|wikisource=Category:中華人民共和国|commons=China|commonscat=China|wikinews=Category:中華人民共和国|voy=China|d=Q148}}
+
* [http://www.gov.cn/ 中華人民共和国中央人民政府] {{zh icon}}{{en icon}}
; 政府
+
* {{Wayback |url=http://www.cnta.jp/ |title=中国国家観光局 |date=20141231181903}} {{ja icon}}
:* [http://www.gov.cn/ 中華人民共和国中央人民政府] {{zh icon}}{{en icon}}
 
:* [http://www.china-embassy.or.jp/jpn/ 在日中華人民共和国大使館] {{ja icon}}{{zh icon}}
 
:* {{Twitter|ChnEmbassy_jp|中華人民共和国駐日本国大使館}}{{Ja icon}}
 
:
 
; 日本政府
 
:* [http://www.mofa.go.jp/mofaj/area/china/index.html 日本外務省 - 中華人民共和国] {{ja icon}}
 
:* [http://www.cn.emb-japan.go.jp/index_j.htm 在中国日本国大使館] {{ja icon}}{{zh icon}}
 
:
 
; 観光その他
 
:* {{Wayback |url=http://www.cnta.jp/ |title=中国国家観光局 |date=20141231181903}} {{ja icon}}
 
:* [http://www.jetro.go.jp/world/asia/cn/ JETRO - 中華人民共和国] {{ja icon}}
 
:* {{Dmoz|Regional/Asia/China}} {{en icon}}
 
:* {{CIA World Factbook link|ch|China}} {{en icon}}
 
:* {{Wikivoyage-inline|zh:中国|中華人民共和国{{zh-cn icon}}}}
 
:* {{Wikivoyage-inline|en:China|中華人民共和国{{en icon}}}}
 
:* {{Wikiatlas|the People's Republic of China}} {{en icon}}
 
:* {{OSM relation|270056}}
 
  
{{アジア}}
 
{{国連安全保障理事会理事国}}
 
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{{東アジアサミット}}
 
{{上海協力機構}}
 
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2018/8/5/ (日) 17:48時点における版

中華人民共和国
簡体字: 中华人民共和国
国の標語:なし
公用語 中国語普通話
首都 北京
最大の都市 上海市(市区人口による)
重慶市(行政人口による)

面積

総計 9,634,057km23位
水面積率 2.8%

人口

総計(2017年 13億9000万[1]人(1位
人口密度 145人/km2
GDP(自国通貨表示)

合計(2017年 82兆7211億[2]人民元
GDP (MER)

合計(2017年 12兆6872億[2]ドル(2位
GDP (PPP)

合計(2014年18兆088億[3]ドル(1位
1人あたり 13,224[3]ドル
建国

人民共和国成立1949年10月1日
通貨 人民元 (CNY)
時間帯 UTC +8(DST:なし)
ISO 3166-1 CN / CHN
ccTLD .cn
国際電話番号 86

註1: 香港、マカオを含まない。
註2: 中華人民共和国と、面積順位第3位とされるがアメリカ合衆国の面積は非常に近く、それぞれの国土の定義によっては、順位が入れ替わることがある。

中華人民共和国(ちゅうかじんみんきょうわこく、簡体字: 中华人民共和国繁体字: 中華人民共和國英語: People's Republic of China, PRC)、通称中国(ちゅうごく、英語: China

アジア大陸の東部にある国。中国共産党が指導する社会主義国。

東は太平洋北西部の縁海に接し,西はアジア大陸中部のパミール高原に及ぶ。また北はロシアのシベリア,南は東南アジアのベトナムやミャンマーに接する。22省,5自治区と,ペキン直轄市,テンチン(天津)直轄市シャンハイ(上海)直轄市チョンチン(重慶)直轄市の 4直轄市に分かれる。

タイワン(台湾)中国国民党政府の統治下にある。地形は標高によって三つに区分できる。最も高いのは南西部を占めるチベット高原で,平均標高は 4000mをこえる。次いで標高 1000~2000mの高原,盆地,山地がある。北西部のタリム(塔里木)盆地ジュンガル盆地,北部を東西に延びる内モンゴル(蒙古)高原,中部に南北に並ぶホワントー(黄土)高原チンリン(秦嶺)山地ユンクイ(雲貴)高原である。スーチョワン(四川)盆地はこの中部山間にあるが,標高 300~600mである。その東に平均標高 500m以下の山地,丘陵と,標高 200m以下の平原がある。北からトンペイ(東北)平原ホワン(黄)河の沖積地を中心とするホワペイ(華北)平原チャン(長)江中・下流平原,トンナン(東南)丘陵で,海岸には大小の三角州が連なっている。年平均気温は熱帯のハイナン(海南)島では 25℃,亜寒帯のヘイロンチヤン(黒竜江)省では-5℃である。年降水量は南部の沿海では 1500mmをこえるが,内陸のタリム盆地では 50mm以下である。冬季は南北の温度差が大きいが,季節風が卓越しているために夏季は全般に高温となり,降水も夏季に多い。チンリン山地とホワイ(淮)河を結ぶ線は 1月の平均気温が 0℃で,中国の植生を南北に分ける。以北はコムギを中心とする畑作地域で,以南は水稲を中心とし,二期作や二毛作が普及している。内モンゴル高原とチベット高原は牧畜を主産業とし,ジュンガル盆地とタリム盆地では牧畜と灌漑農業が行なわれる。地下資源の開発と工業化も進み,多くの省に重工業都市や総合工業都市が生まれ,旧来の鉱山や新しく開発された鉱山を中心に新興工業都市も建設された。

また各県,各郷政府ごとに,農業の発展を支える小型工場や農畜産物の加工工場の建設が進んだ。1978年に打ち出された改革と開放政策のもと,近代化と外資の導入がはかられ,近年ではコンピュータや電気機器,衣服,化学などの工業が盛ん(社会主義市場経済論

2010年には国内総生産 GDPが日本を上回り,アメリカ合衆国に次ぐ世界第2位の経済大国となった。定期航空路が全省都を結ぶ。住民は 90%以上を占める漢民族と 50以上の少数民族からなる。モンゴル族,ホイ(回)族,チベット族,ウイグル族,チワン(壮)族の自治区があるほか,各省にも少数民族の自治州や自治県が設けられる。仏教,キリスト教,イスラム教のほか,民間宗教や伝統信仰の信者がいるが,無宗教も多い。(中国史

脚注

外部リンク

座標: 東経103度北緯35度 東経103度35; 103 (中華人民共和国)