ヒューマン・メタボローム・テクノロジーズ

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ヒューマン・メタボローム・テクノロジーズ株式会社は、日本バイオベンチャー企業の一つ。世界で唯一CE-MS(キャピラリー電気泳動-質量分析計)によるメタボローム受託解析を提供している。略称はHMT

概要

ヒューマン・メタボローム・テクノロジーズは、慶應義塾大学先端生命科学研究所所長の冨田勝および教授の曽我朋義によって設立された慶應義塾が初めて出資したベンチャー企業[1]。主な事業内容はCE-MSによるメタボロームの受託解析である。

2013年12月24日東証マザーズに上場した[2][3][4]

大うつ病性障害(うつ病)の診断に役立つバイオマーカーを発見し、実用化を図るため試薬メーカーと診断キットを開発中である[5]

沿革

2002年、創業者の一人である曽我朋義(慶應義塾大学先端生命科学研究所教授)が、メタボロームを短時間で一斉に測定する分析技術、キャピラリー電気泳動-質量分析(CE-MS)法を開発した。メタボローム測定で従来から利用されていたGC-MS法やLC-MS法は特定の代謝物質だけしか分析できない、あるいは分析処理が煩雑といった課題があったが、曽我により開発されたCE-MSによるメタボローム測定法は、イオン性の代謝物質を一度に千種類以上、約30分で測定することができる。この新技術を幅広い分野で実用化するため2003年7月、ヒューマン・メタボローム・テクノロジーズが設立された。

  • 2003年7月1日 - 設立。
  • 2004年
    • 1月 - ミツカングループ本社と共同研究契約を締結。
    • 6月 - 味の素株式会社と共同研究契約を締結。
  • 2005年
  • 2006年
    • 1月 - 山形しあわせ銀行振興基金より、しあわせ産業賞受賞。
    • 5月 - 米Agilent Technologies社と「Agilent-HMT CE-TOFMSメタボロームソリューションシステム」の販売を開始。
  • 2007年
    • 4月 - 慶應義塾大学との共同研究 大腸菌オーム解析の論文がサイエンス誌に掲載[6]
    • 6月 - 枯草菌の胞子形成期における集団不均一性のメカニズムを解明[7]
    • 9月 - 無料測定キャンペーンを展開。メタボローム技術への門戸を広げる。
    • 12月 - 史上最大級のメタボロームマップにより微生物飢餓応答の仕組みを解明[8]
  • 2008年
    • 2月 - 代表取締役社長に菅野隆二をアジレント・テクノロジーより招聘。
    • 3月 - 「タンパク質リン酸化ディスプレイ法の開発」が科学技術振興機構(JST)育成研究として採択。
    • 5月 - 「遺伝子産物の機能同定方法及び結合物質同定方法」が特許庁の特許原簿に登録。
    • 6月 - 米Agilent Technologies社と「Agilent-HMT CE-TOFMSメタボロームソリューションシステム」の新製品を発売。
    • 8月 - 創立5周年を記念し地元鶴岡の児童を対象とした「こども科学実験教室」の実施を開始。
  • 2009年
  • 2010年
    • 4月 - 新エネルギー・産業技術総合開発機構による次世代戦略技術実用化開発助成事業に「うつ病血液マーカーを用いた臨床検査キットの開発」が採択。朝日新聞(2011年5月21日)によれば「うつ病患者は、血漿(けっしょう)中の「エタノールアミンリン酸」の濃度が低いことを見つけた。」と2011年5月22日に日本生物学的精神医学会で発表する[9][10]
    • 7月 - 東北経済産業局による「平成22年度中小企業等の研究開発力向上及び実用化推進のための支援事業」の助成先として採択。
    • 9月 - 「タンパク質のプロテオーム定量分析方法及び装置」が特許庁の特許原簿に登録。
  • 2011年
    • 2月 - 「うつ病のバイオマーカー、うつ病のバイオマーカーの測定法、コンピュータープログラム、及び記憶媒体」が国際公開。
    • 2月 - 高脂血症マーカーの発見とそのメカニズムを解明[11]
    • 3月 - 東京事務所を中央区八丁堀へ移転。
    • 6月 - 「大腸癌のバイオマーカー、および、大腸癌のバイオマーカーの測定法」が国内公開。
    • 7月 - 株式会社マンダムとの共同研究により、腋臭のタイプに影響すると考えられる成分を発見しニオイタイプのパターン化に成功。
  • 2012年
    • 1月 - 協同乳業株式会社等との共同研究により、腸内常在菌が産生する物質の全貌を明らかに[12]
    • 2月 - 東北経済産業局による平成23年度3次予算「震災復興技術イノベーション創出実証研究事業」に採択。
    • 5月 - がん代謝に関する解説論文がサイエンス誌に掲載[13]
    • 7月 - 高速液体クロマトグラフィー-飛行時間型質量分析装置による受託解析サービスを開始。
    • 8月 - キャピラリー電気泳動-三重四重極型質量分析装置を用いたメタボローム解析サービス「シー・スコープ」を発売。
    • 11月 - マサチューセッツ州ケンブリッジに米国法人Human Metabolome Technologies America, Inc.を設立。
  • 2013年
    • 4月 - 協同乳業株式会社等との共同研究により、腸内常在菌が大脳代謝系に影響を与えていることを明らかに[14]
    • 10月 - 「うつ病のバイオマーカー、うつ病のバイオマーカーの測定法、コンピュータープログラム、及び記憶媒体」が日本において特許登録。
    • 12月24日 - 東証マザーズに上場。
  • 2015年
    • 2月20日 - 特許登録した血液バイオマーカー使用し、鬱病か否かを検査する委託契約を東横恵愛病院(川崎市)及び、保健科学研究所(横浜市)と締結[15]
  • 2016年

事業内容

  • バイオマーカー事業
    • 探索受託
    • 特許化しライセンス
    • 診断分野での応用
  • メタボローム解析事業

顧客から試料を受け取り、試料中の代謝物質を分析しレポートする。

  • メタボロミクスキット事業

アジレント・テクノロジー製CE-(Q)TOF MSを購入の顧客を対象にインハウスメタボロミクスをサポートする。

関連会社

連結子会社

  • Human Metabolome Technologies America, Inc. (米国ボストン市
  • HMTバイオメディカル株式会社(神奈川県横浜市)

脚注

  1. 日経産業新聞 Editor’s Choice (2014年4月10日). “社員の「うつ」、血液で見抜く 早期発見へ”. 日本経済新聞. http://www.nikkei.com/article/DGXNZO69636370Z00C14A4X11000/ . 2014閲覧. 
  2. 新規上場会社概要 (PDF)”. 株式会社東京証券取引所 (2013年11月22日). . 2013閲覧.
  3. “鶴岡のHMTが東証マザーズ上場へ 慶大先端研発のバイオベンチャー”. 山形新聞. (2013年11月23日). http://yamagata-np.jp/news/201311/23/kj_2013112300545.php . 2013閲覧. 
  4. “〔株式マーケットアイ〕新興株市場は軟調、個人の税対策売り続く”. ロイターニュース. (2013年12月24日). http://jp.reuters.com/article/jpmarket/idJPL3N0K30ZH20131224?pageNumber=1&virtualBrandChannel=0 . 2013閲覧. 
  5. “<Eパーソン>血液でうつ病診断へ HMT 菅野隆二社長”. 河北新報. (2015年8月6日). http://www.kahoku.co.jp/tohokunews/201508/20150806_12065.html . 2015閲覧. 
  6. Ishii N, Nakahigashi K, Baba T, Robert M, Soga T, Kanai A, Hirasawa T, Naba M, Hirai K, Hoque A, Ho PY, Kakazu Y, Sugawara K, Igarashi S, Harada S, Masuda T, Sugiyama N, Togashi T, Hasegawa M, Takai Y, Yugi K, Arakawa K, Iwata N, Toya Y, Nakayama Y, Nishioka T, Shimizu K, Mori H, Tomita M. (2007). “Multiple high-throughput analyses monitor the response of E. coli to perturbations.”. Science 316 (5824): 593-7. PMID 17379776. 
  7. Morohashi M, Ohashi Y, Tani S, Ishii K, Itaya M, Nanamiya H, Kawamura F, Tomita M, Soga T. (2007). “Model-based definition of population heterogeneity and its effects on metabolism in sporulating Bacillus subtilis.”. J Biochem. 142 (2): 183-91. PMID 17545249. 
  8. Ohashi Y, Hirayama A, Ishikawa T, Nakamura S, Shimizu K, Ueno Y, Tomita M, Soga T. (2008). “Depiction of metabolome changes in histidine-starved Escherichia coli by CE-TOFMS.”. Mol Biosyst. 4 (2): 135-47. PMID 18213407. 
  9. 岡崎明子 (2011年5月21日). “血液でうつ病診断、簡便な検査法開発 リン酸濃度を測定”. 朝日新聞 (朝日新聞社). http://www.asahi.com/health/news/TKY201105200691.html . 2011閲覧.. "うつ病患者は、血漿(けっしょう)中の「エタノールアミンリン酸」の濃度が低いことを見つけた。" 
  10. “「うつ病の血液診断」の光と陰 会社の健康診断に「うつ病」の項目が入ったら”. 日経ビジネスオンライン. (2011年9月16日). http://business.nikkeibp.co.jp/article/opinion/20110913/222622/ . 2013閲覧. 
  11. Ooga T, Sato H, Nagashima A, Sasaki K, Tomita M, Soga T, Ohashi Y. (2011). “Metabolomic anatomy of an animal model revealing homeostatic imbalances in dyslipidaemia.”. Mol Biosyst. 7 (4): 1217-23. PMID 21258713. 
  12. Matsumoto M, Kibe R, Ooga T, Aiba Y, Kurihara S, Sawaki E, Koga Y, Benno Y. (2012). “Impact of Intestinal Microbiota on Intestinal Luminal Metabolome”. Sci. Rep. 2: 233. PMID 17379776. http://www.nature.com/srep/2012/120125/srep00233/full/srep00233.html. 
  13. Tomita M, Kami K. (2012). “Cancer. Systems biology, metabolomics, and cancer metabolism.”. Science. 336 (6084): 990-1. PMID 22628644. http://www.sciencemag.org/content/336/6084/990.summary. 
  14. Matsumoto M, Kibe R, Ooga T, Aiba Y, Sawaki E, Koga Y, Benno Y. (2012). “Cerebral low-molecular metabolites influenced by intestinal microbiota: a pilot study.”. Front Syst Neurosci. 7: 9. PMID 23630473. http://www.frontiersin.org/Systems_Neuroscience/10.3389/fnsys.2013.00009/full. 
  15. “うつ病、血液分析から診断 鶴岡のHMTが開発”. 河北新報. (2015年2月21日). http://www.kahoku.co.jp/tohokunews/201502/20150221_52034.html . 2015閲覧. 
  16. “ヒューマン・メタボローム・テクノロジーズ、子会社設立”. M&A Times. (2015年12月10日). http://ma-times.jp/24834.html . 2016閲覧. 
  17. “うつ病指標、早期実用化へ 鶴岡HMTがエムスリーと業務提携”. 山形新聞. (2016年5月25日). http://www.yamagata-np.jp/news/201605/25/kj_2016052500559.php . 2016閲覧. 
  18. “ヒューマン・メタボローム・テクノロジーズ、エムスリーと資本業務提携”. M&A Times. (2016年5月24日). http://ma-times.jp/35617.html . 2016閲覧. 

参考文献

外部リンク