アサヒグループホールディングス

アサヒグループホールディングス株式会社（英: Asahi Group Holdings,Ltd.）はアサヒビール、アサヒ飲料、アサヒグループ食品などを傘下に持つ持株会社である。

コーポレート・スローガンは「その感動を、わかちあう。」。

概要

日本の大手ビールメーカー4社（アサヒ・キリン・サッポロ・サントリー）の内、サッポロが2003年（平成15年）、キリンが2007年（平成19年）、サントリーが2009年（平成21年）にそれぞれ純粋持株会社制に移行し、その中でアサヒは最後まで事業持株会社を堅持していた。しかし社会情勢の変化により、大手4社の内、2010年（平成22年）8月、アサヒが最後に純粋持株会社制度になることを公表した。そして、2011年7月1日付で旧法人の「アサヒビール株式会社」が商号を「アサヒグループホールディングス株式会社」と変更し、旧アサヒビール社の現業全般を会社分割によって設立された新法人の「アサヒビール株式会社」（2010年8月、旧法人の「アサヒグループホールディングス株式会社」として設立）に移譲させた。

事業子会社はビールなどの酒類を製造・販売する（新）アサヒビール株式会社や清涼飲料水の製造・販売を行うアサヒ飲料とエルビー、食品・健康食品・医薬品の製造・販売を行うアサヒグループ食品、機能性食品や飼料の製造・販売を行うアサヒカルピスウェルネスの5社からなる。

白水会や住友グループ広報委員会のメンバーではないが、創業が大阪な事と一時期住友銀行（三井住友銀行）から経営再建のため経営陣を送り込まれた関係上、住友グループの企業として扱われる事が多い^[1]。かつて業績が悪く銀行からの支援が必要不可欠であったため三代目から六代目社長まで住友銀行出向者が勤めたが業績が回復してからは生え抜きが社長を務めている。

沿革

※具体的な沿革・歴史についてはアサヒビールの項を参照。

1889年（明治22年）11月 - 鳥井駒吉、松本重太郎らによりアサヒグループの源流となる「大阪麦酒会社」を設立。
1891年（明治24年）10月 - 大阪府三島郡吹田村（現在の吹田市）に「吹田村醸造所」（現在のアサヒビール吹田工場）竣工。
1892年（明治25年）5月 - 「アサヒビール」発売。
1906年（明治39年）3月 - 大阪麦酒・日本麦酒・札幌麦酒の3社合同により「大日本麦酒株式会社」を設立。
1949年（昭和24年）9月1日 - 過度経済力集中排除法及び企業再建整備法の適用を受けた大日本麦酒株式会社の決定整備計画に基づき、「朝日麦酒株式会社」設立。初代社長は山本為三郎。本店所在地は東京都中央区。
1954年（昭和29年）8月 - ニッカウヰスキー株式会社に資本参加。
1986年（昭和61年）3月 - 住友銀行から樋口廣太郎が社長に就任。
1987年（昭和62年）3月 - 日本初の辛口ビール「アサヒスーパードライ」発売。
1989年（昭和64年）1月1日 - 商号を「朝日麦酒株式会社」から「（旧）アサヒビール株式会社」に変更。
1990年（平成2年）9月1日 - アサヒビール飲料設立。
1992年（平成4年）3月 - アサヒビール食品設立。
1994年（平成6年）3月 - アサヒビール薬品設立。
1996年（平成8年）7月1日 - アサヒビール飲料がアサヒビール飲料製造・北陸アサヒビール飲料製造と合併して「アサヒ飲料株式会社」に商号を変更。
2001年（平成13年）4月1日 - ニッカウヰスキーを完全子会社化。
2002年（平成14年）7月1日 - アサヒビール食品とアサヒビール薬品が合併、アサヒビール薬品を存続会社として「アサヒフードアンドヘルスケア株式会社」発足。
2004年（平成16年）7月 - 沖縄県のビールメーカー・オリオンビール株式会社と包括的業務提携。
2008年（平成20年）6月 - 広島県福山市の加工食品メーカー・天野実業株式会社と業務・資本提携。
2010年（平成22年）8月10日 - 持株会社移行の準備会社として「（旧）アサヒグループホールディングス株式会社」設立。
2011年（平成23年）
- 7月1日 - 持株会社移行により、「アサヒグループホールディングス」に商号を変更。（旧）アサヒビールの現業全般を会社分割により（旧）アサヒグループホールディングス株式会社（同日、アサヒビール株式会社に商号変更）に移譲。
- 11月11日 - マレーシアのペルマニス社の株式買収手続を完了
2012年（平成24年）
- 1月31日 - オーストラリアのマウンテンH2O社の株式買収手続きを完了
- 10月1日 - 味の素からカルピスの全株を取得しグループ化。株式購入額920億円と配当金270億円を合わせ買収総額は約1200億円^[2]。
2015年（平成26年）
- 7月1日 - 事業再編に向け、100%子会社としてアサヒカルピスウェルネスを設立、アサヒグループ内のアサヒフードアンドヘルスケア、和光堂、天野実業の食品事業3社は共同株式移転で3社の共同親会社としてアサヒグループ100%子会社のアサヒグループ食品を設立した^[3]。
2016年（平成27年）
- 1月1日 - 子会社の（旧）カルピスのうち国内飲料・乳製品事業をカルピス子会社のカルピスフーズサービスへ、機能性食品・飼料事業をアサヒカルピスウェルネスへ継承させ、海外飲料事業・研究組織機能などをグループ本体へ移管し、（旧）カルピスをアサヒ飲料へ吸収合併。カルピスフーズサービスは（新）カルピスに商号変更し、アサヒ飲料の完全子会社となる^[3]。
- 1月1日 - 子会社の食品事業3社の営業・マーケティング・研究開発・SCM・管理などの部門をアサヒグループ食品へ吸収分割により移管。食品事業3社はアサヒグループ食品の製造子会社として存続する^[3]。
- 2月11日 - アサヒグループは英SABミラーが保有する欧州のビラ・ペローニ、ロイヤル・グロールシュ、ミーンタイム（English版）、英ミラーブランドの4事業の買収で基本合意したと発表した^[4]^[5]。買収金額は約3297億円。
- 12月13日 - アンハイザー・ブッシュ・インベブより旧SABミラーの保有する東欧5か国（チェコ、ポーランド、ルーマニア、スロバキア、ハンガリー）のピルスナー・ウルケルなどの事業を8883億円で買収。日本のビール会社のビール事業買収としては過去最大^[6]。
2017年（平成29年）
- 7月1日 - アサヒグループ食品がアサヒフードアンドヘルスケア、和光堂、天野実業の製造子会社3社を吸収合併、アサヒグループ食品が存続会社となり、「Asahi」「WAKODO」「アマノフーズ」などの旧3社のブランドは存続。

歴代経営者

創業者　　鳥井駒吉
初代　　　山本為三郎
二代目　　中島正義
三代目　　高橋吉隆
四代目　　延命直松
五代目　　村井勉
六代目　　樋口廣太郎
七代目　　瀬戸雄三
八代目　　福地茂雄
九代目　　池田弘一
十代目　　荻田伍
十一代目　泉谷直木
十二代目　小路明善

グループ会社

事業子会社

アサヒビール - ビールなどの酒類製造・販売
アサヒ飲料 - 清涼飲料水の製造・販売
エルビー - 清涼飲料水の製造・販売
アサヒグループ食品 - 食品、健康食品、医薬品などの製造・販売
アサヒカルピスウェルネス - 健康・機能性食品や飼育用生菌剤などの製造・販売

機能子会社

アサヒビールグループ

アサヒロジ - 物流会社
- エービーカーゴ東日本
- エービーカーゴ西日本
ニッカウヰスキー - 洋酒・焼酎などの製造
- 北海道ニッカサービス
- 仙台ニッカサービス
- サントネージュワイン
- さつま司酒造
エノテカ
アサヒフードクリエイト
なだ万
アサヒドラフトマーケティング
沖縄アサヒ販売
アサヒビールコミュニケーションズ
アサヒビールモルト
アサヒグループエンジニアリング
アサヒビールフィード

アサヒ飲料グループ

カルピス - 乳製品の製造・販売と清涼飲料水の製造
アサヒ飲料販売 - 自動販売機部門
アサヒオリオン飲料 - 沖縄県のアサヒ飲料自動販売機管理会社
アサヒみどり販売 - 福岡県のアサヒ飲料自動販売機管理会社
ミチノク
富士山仙水

アサヒグループ食品グループ

アサヒフードアンドヘルスケア
和光堂
天野実業
日本エフディ
和光食品工業
アサヒフィールドマーケティング

海外現地法人

朝日啤酒(中国)投資有限公司（中国、北京市）
- 煙台啤酒青島朝日有限公司（中国、山東省）
- 深圳青島啤酒朝日有限公司（中国、広東省）
北京啤酒朝日有限公司（中国、北京市）
青島啤酒股份有限公司（中国）
康師傅飲品控股有限公司（中国） - 康師傅控股有限公司との合弁会社
山東朝日緑源農業高新技術有限公司（中国、山東省莱陽市）
- 山東朝日緑源乳業有限公司（同上）
ロッテアサヒ酒類（韓国）
三商朝日股份有限公司（台湾）
Permanis Sdn. Bhd（マレーシア）
Etika Dairies Sdn. Bhd（同上）
PT Asahi Indofood Beverage Makmur（インドネシア）
PT Indofood Asahi Sukses Beverage（同上）
Asahi Holdings (Australia) Pty Ltd（オーストラリア）
- Mountain H2O Pty Ltd（同上）
Schweppes Australia Pty Ltd（同上）
Asahi Beverages Australia Pty Ltd. （同上）
The Better Drinks Co Pty Ltd（同上）
Asahi Premium Beverages Pty Ltd（同上）
The Better Drinks Co Limited（ニュージーランド）
Independent Liquor (NZ) Limited（ニュージーランド）
Asahi Beer U.S.A.,Inc.（カナダ、バンクーバー）
Independent Distillers USA Inc（アメリカ）
Independent Distillers (Canada) Limited（カナダ）
Buckinghamshire Golf Co., Ltd.（イギリス） - ゴルフ場
台灣可爾必思股份有限公司（台湾）
PT CALPIS INDONESIA（インドネシア）
CALPIS OSOTSPA CO., LTD.（タイ）
CALPIS VIETNAM CO., LTD.（ベトナム）
CALPIS BEVERAGE U.S.A., INC.
可尓必思（上海）商貿有限公司
CALPIS AMERICA, INC.

その他の事業会社

アサヒプロマネジメント
アサヒビジネスソリューションズ

提携・友好会社

オリオンビール - アサヒグループHDのグループ紹介には記載されていないが、提携関係にあるので便宜上記述する。
- ホテルロイヤルオリオン
- オリオン嵐山ゴルフ倶楽部
- オリオンサポート

代表される商品

アサヒビール

アサヒスーパードライ
クリアアサヒ
ブラックニッカクリアブレンド（ニッカウヰスキー）
スーパーニッカ（ニッカウヰスキー）
竹鶴（ニッカウヰスキー）

アサヒ飲料

WONDA
三ツ矢サイダー
ウィルキンソン
十六茶
バヤリース
ウェルチ
カルピス（乳酸菌飲料）
カルピスウォーター
カルピスソーダ

アサヒグループ食品

エビオス
ミンティア
1本満足バー
シッカロール
フリーズドライ味噌汁

注・出典

注釈

出典

↑ 4大金融グループの関連企業 - 現代労働問題研究会の公式サイト・労働通信内のページ。
↑ “アサヒ、カルピスの買収を完了　味の素から920億円で”. 産経新聞 (産経新聞社). (2012年10月1日)
↑ ^3.0 ^3.1 ^3.2 “国内の事業基盤強化を目指し、飲料事業と食品事業再編”. アサヒグループホールディングス. (2015年6月3日) . 2016閲覧.
↑ “アサヒが欧州ビールブランド買収で基本合意、海外市場強化狙う” (2016年2月11日). . 2016閲覧.
↑ “欧州ビール事業取得（子会社化）に関する最終提案書の提出に関するお知らせ” (2016年2月11日). . 2016閲覧.
↑ 東欧ビール事業買収合意国内市場縮小で海外加速毎日新聞 2016年12月13日

外部リンク

[1] 4大金融グループの関連企業 - 現代労働問題研究会の公式サイト・労働通信内のページ。

[.E7.94.A3.E7.B5.8C.E6.96.B0.E8.81.9E-2] “アサヒ、カルピスの買収を完了　味の素から920億円で”. 産経新聞 (産経新聞社). (2012年10月1日)

[restructure2015-3] 3.0 ^3.1 ^3.2 “国内の事業基盤強化を目指し、飲料事業と食品事業再編”. アサヒグループホールディングス. (2015年6月3日) . 2016閲覧.

[4] “アサヒが欧州ビールブランド買収で基本合意、海外市場強化狙う” (2016年2月11日). . 2016閲覧.

[5] “欧州ビール事業取得（子会社化）に関する最終提案書の提出に関するお知らせ” (2016年2月11日). . 2016閲覧.

[6] 東欧ビール事業買収合意国内市場縮小で海外加速毎日新聞 2016年12月13日

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[3]

[4]

[5]

[6]

アサヒグループホールディングス

Contents

概要

沿革

歴代経営者

グループ会社

事業子会社

機能子会社

アサヒビールグループ

アサヒ飲料グループ

アサヒグループ食品グループ

海外現地法人

その他の事業会社

提携・友好会社

代表される商品

注・出典

注釈

出典

関連項目

外部リンク

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