オープントップバス
オープントップバスは、開放感と眺望を確保するために屋根の一部または全部を取り払ったバス。オープンカーの一種と考えられる。2階建てバスから改造された事例が多い。
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概説
1920年代まで、2階建てバスの多くは平屋根のバスの屋上にデッキと客席を設けたものであり、2階部分には元々屋根がつけられていなかった。これがオープントップバスの始まりである。現在でも一般バスの改造により製造されたものが大半である。
近年使用される例としては、眺望を売りにした貸切バスや定期観光バスに使用されるのがもっぱらであり、その構造も昔ながらのデッキ構造であったり、純粋に屋根部分のみがない(雨の時などは幌がかぶせられる構造となっている)ものなど様々である。屋根がないため、温暖な地域においては路線バスに使用される例も散見される。
このほか、優勝パレードの際に選手が乗車する際に用いられたり、車両自体をイベントのアトラクションとして使用する事例も多く見られる。変わった使用例では、ダービーステークス(エプソムダービー)で仮設の客席代わりに用いられたこともあるという。
日本におけるオープントップバス
日本においては昭和40年代にはとバスがスーパーデラックスバスを改造したオープントップバスを運行していた。
1998年には横浜市営バスが廃車直前の一般車(路線バス車両)をオープントップバスに改造し、地元プロ野球チームの横浜ベイスターズの優勝記念パレードに使用した。翌1999年には西鉄が同様の方法で改造したオープントップバスを福岡ダイエーホークスの優勝記念パレードに使用し、翌2000年のリーグ連覇の際にも使用した。これらはパレード用であり一般客の乗用に使用されたことはない。この後のプロ野球チームの優勝パレードでは特装車や「スカイバス東京」(後述)などのオープントップバスを使用するようになり、一般路線バス改造のオープントップバスは使用されなくなっている。
2000年代より日本国内各地で一般客の乗車できるオープントップバスの運行が開始されている。
- 日の丸自動車興業「スカイバス東京」 - 2004年9月10日に東京都内で運行開始。ネオプラン・スカイライナーの改造車を導入(元々は東京都交通局で観光路線バス(二階01系統)として使われていたものを購入後ドイツで改造)。定期観光バスの「スカイバス東京」と、停留所で自由に乗り降りできる「スカイホップバス」がある。オープントップバス車両の貸し出しと運行ノウハウの提供を全国各地にて行っている。京阪バスへの貸出により京都市内の定期観光バスでも運行を行っていたが、2015年以降は日の丸グループ入りした京都市の明星観光バスがスカイバス京都として定期運行を行っている。
- はとバス「オー・ソラ・ミオ」 - 2009年11月から東京都内で定期観光バスとして運行開始。ドレクメーラー・メテオールの改造車を導入。その後2011年にはバンホール・アストロメガを、2012年には三菱ふそう・エアロキングを改造した車両も追加される。
- 富士急行「KABA BUS」 - 2010年8月1日から山梨県の富士山・富士五湖などを巡る定期観光バスとして運行開始。ボルボ・アステローペの改造車。2014年3月21日限りで運行終了。
- 九州産交バス「阿蘇オープントップバス『そらめぐりん』」 - 2011年3月より運行開始。熊本県阿蘇市の阿蘇草千里と阿蘇中岳火口を結ぶシャトルバス。日野・レインボーRBを改造した車両で、小型のオープントップバスが導入されたのは日本初であった。2012年3月31日限りで運行を終了している。
- 西鉄バス「FUKUOKA OPEN TOP BUS」 - 2012年3月24日より福岡市で運行開始。途中停留所で自由に乗り降りできる。大型トラック日野・プロフィアをベースに東京特殊車体製、テクノアートリサーチデザインのボディを架装しており、改造車ではなく最初からオープントップバスとして製造された車両である。
- 中国JRバス「めいぷるスカイ」 - 2014年4月19日より広島市で運行開始。定期観光バスとして金・土・日・祝日や夏休み期間中に運行する。三菱ふそう・エアロキングの改造車。2016年の広島東洋カープ優勝パレードでは「スカイバス東京」と共にパレードに使用された。
- 近鉄バス 「OSAKA SKY VISTA」 - 2014年7月10日より夜行高速用からオープントップバスに改造された車両(三菱ふそう・エアロキング)を用いて大阪市にて定期観光バスを運行している[1]。
- 大阪バス 「御堂筋イルミ・SPECIAL TOUR」- 2014年12月1日から2015年1月18日まで実施した御堂筋イルミネーションを見るためのバスツアーに、オープントップバス(三菱ふそう・エアロエース改造)2台を投入して運行[2]。のちに、神戸市内での定期観光バスや「大阪ワンダーループ」(One Osaka ループバス推進機構主催の大阪市内周遊バス)にて使用されている。
- 南海バス・緑風観光 「大阪ワンダーループ」に、はとバスから移籍のバンホール製2階建てバス[3]を使用して運行を行っている[4]。
スカイバス東京は年齢制限がないが、それ以後に開設されたFUKUOKA OPEN TOP BUSなどでは事故防止のため3歳以下の乳幼児の乗車を禁止していることが多い。
ギャラリー
- Open-top bus in Gibraltar 2005.jpg
ジブラルタルで使用されるオープントップバス
- On Hollywood3.JPG
ハリウッドで使用されるオープントップバス
- Neoplan Centroliner 4426 Paris 0211.jpg
パリのオープントップバス
- Hato Bus 681 'O Sola Mio Aero King.jpg
はとバス「オー・ソラ・ミオ」
小雨時に運行される場合、事業者によっては乗客に雨合羽を貸与することがある。 - Sky Bus Tokyo.jpg
日の丸自動車興業「スカイバス東京」
- Fujikyu-Y0951 KABA BUS.jpg
富士急行「KABA BUS」
- Kintetsu Bus 7101 Osaka Sky Vista Aero King.jpg
近鉄バス「OSAKA SKY VISTA」(塗装変更前)
- Nishitetsu Fukuoka Open Top Bus 0010.jpg
西日本鉄道「FUKUOKA OPEN TOP BUS」
- Maple-Sky 844-2916 20150411-1.JPG
中国JRバス「めいぷるスカイ」844-2916
脚注
- ↑ バスラマ・インターナショナルNo.145 P.22 - 23、ぽると出版 2014年8月25日発行、ISBN 978-4-89980-145-0
- ↑ バスラマ・インターナショナルNo.147 P.6 - 7、ぽると出版 2014年12月27日発行、ISBN 978-4-89980-147-4
- ↑ 『バスライフ』No.5 p.6 笠倉出版社 ISBN 978-4-7730-5732-4
- ↑ “大阪観光振興、周遊バスで 市内13名所に訪日客誘う(ひと最前線)”. 日本経済新聞社 (2016年4月7日). . 2018閲覧.