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Contents
概要
かつては、年間生産量約70万トンの石炭産業で栄え、ピーク時の1948年には約46,000人の人口を記録。その後、石炭産業の衰退により減少した[1]。
1981年(昭和56年)以降、長らく人口が1万人に満たない唯一の市だった。同じ空知管内の2012年10月に三笠市[2]、2013年6月に夕張市が人口1万人を割り込んだため唯一ではなくなったものの、2007年11月には北海道の町制施行基準である人口5千人を、2014年には4千人も割り、日本一人口の少ない市である[3]。
近年はかもい岳国際スキー場・市営かもい岳温泉など、観光開発に力を入れている。しかし、2009年度には財政健全化団体に指定されるなど、厳しい財政状況に立たされている。なお、財政再建団体への指定は免れている。
市名の「歌志内」はアイヌ語の「オタ・ウシ・ナイ」(砂浜・についている・川)に由来する。なお、これを意訳した地名が「砂川」である。市内を流れる「ペンケウタシュナイ(上歌志内)川」がこれに該当する。 現在はスイスのチロルをイメージした街造りをしている。
地理
歌志内市は、北海道空知総合振興局管内のほぼ中央に位置する。市のシンボル的存在である神威岳をはじめ、重畳たる夕張山地の山々が連なる。西流して石狩川にそそぐペンケウタシュナイ川が市街地を貫流して大きな沢をつくっている。市域は主に山岳・森林地帯である。東は芦別市、西は砂川市、南は空知郡上砂川町、北は赤平市に接している。
- 山: 神威岳、西山
- 河川: ペンケウタシュナイ川、歌志内中の沢川、上歌川
歴史
歌志内の市域はかつてアイヌの居住および狩猟の地だったと考えられており、神威岳もアイヌ語のカムイヌプリ(熊や狼など野獣の多い山の意)から命名されている。19世紀初頭には西蝦夷地の上カバタ場所に属し、1831年(天保2年)以降はイシカリ場所に属した。市域は松前藩領から天領、松前藩復領、再び天領を経て、1859年(安政6年)以降は庄内藩の警護地となって明治維新を迎えた。
- アイヌが暮らしている。
- 1831年(天保2年):松前藩イシカリ場所となる。
- 1869年(明治2年):石狩国空知郡に属す
- 1890年(明治23年):滝川村から当市域を含めた奈江村(現砂川市)が分離新設される(歌志内開基)。北海道炭礦鉄道空知採炭所(空知炭鉱)開坑
- 1891年(明治24年)7月5日:北海道炭礦鉄道により鉄道(後の歌志内線)が開通、歌志内駅開業。北海道炭礦鉄道神威炭鉱開坑
- 1896年(明治29年)10月21日:神威駅開業
- 1897年(明治30年)7月1日:歌志内村(現歌志内市・赤平市・芦別市)、奈江村(現砂川市)より分立。空知炭鉱倶楽部の開館。
- 1900年(明治33年)6月1日:芦別村(現芦別市)分立。歌志内神社の創建。
- 1906年(明治39年)4月1日:二級町村制施行「歌志内村」
- 1911年(明治44年):住友石炭鉱業奔別炭鉱(後の新歌志内炭鉱)開坑
- 1919年(大正8年)4月1日:一級町村制施行「歌志内村」
- 1922年(大正11年)4月1日:二級町村赤平村(現赤平市)分立。
- 1940年(昭和15年)4月1日:町制施行「歌志内町」
- 1941年:町内に9字成立(本町、東光、上歌、歌神、神威、中村、文珠、新歌、西山)
- 1948年(昭和23年)7月:人口がピークを迎える(46171人)[1]
- 1949年(昭和24年)1月1日:町域の一部(西山の一部、文珠の一部)が上砂川町町域の一部として分立
- 1951年(昭和26年):歌志内町消防本部開設
- 1953年(昭和28年):住友石炭鉱業新歌志内炭鉱閉山
- 1958年(昭和33年):市制施行「歌志内市」
- 1963年(昭和38年):北海道炭礦鉄道神威炭鉱閉山
- 1971年(昭和46年):住友石炭鉱業歌志内鉱業所閉山
- 1973年(昭和48年):かもい岳温泉開湯。
- 1981年(昭和56年):人口が1万人を割る[4]。
- 1988年(昭和63年):住友石炭鉱業上歌志内鉱業所閉山、歌志内線廃止
- 1995年(平成7年):北海道炭礦汽船空知炭鉱閉山(空知炭田群炭山消滅)
- 2003年(平成15年):中空知地域合併協議会設置
- 2004年(平成16年):中空知地域合併協議会解散
- 2006年(平成18年):砂川市(事務局)・歌志内市・奈井江町・上砂川町・浦臼町の2市3町地域づくり懇談会が発足。合併に向けての財政シミュレーションを作成、検討し、財政格差等解消を国・道へ要望する。
- 2007年(平成19年)
- 3月:市内唯一の高校、北海道歌志内高等学校閉校。
- 11月:人口が5000人を割る。
- 2008年(平成20年) 2市3町の合併に必要とする十分な財政支援が得られないため、2市3町地域づくり懇談会が解散。
- 2014年(平成25年)3月:人口が4千人を割る[1][3]。
行政
市役所が市域の東寄りに設置されている。2市3町地域づくり懇談会解散後、新たな連携、事務の共同化について検討中。
歴代首長
歌志内村(1897年 - 1940年)
- 初代戸長 加藤尚友三郎(1897年7月 - 1898年11月)
- 二代戸長 三上良知(1898年11月 - 1899年7月)
- 三代戸長 松谷栄太郎(1899年7月 - 1899年10月)
- 四代戸長 茅野一治(1899年10月 - 1903年6月)
- 五代戸長 立野峻太郎(1903年6月 - 1906年3月)
- 初代村長 立野峻太郎(1906年4月 - 1906年8月)
- 二代村長 黒沢作弥(1906年8月 - 1909年4月)
- 三代村長 朝倉鴻一(1909年7月 - 1939年6月)
- 四代村長 阿部秀雄(1939年7月 - 1940年6月)
歌志内町(1940年 - 1958年)
- 初代町長 阿部秀雄(1940年7月 - 1946年2月)
- 二代町長 本多繁吉(1946年2月 - 1946年11月)
- 三代町長 大西光雄(1947年4月 - 1956年10月)
- 四代町長 加藤正雄(1956年11月 - 1958年6月)
歌志内市(1958年 - )
- 初代市長 加藤正雄(1958年7月 - 1974年10月)
- 二代市長 齊藤譲一(1974年11月 - 1980年9月)※在職のまま逝去
- 三代市長 森永大(1980年10月 - 1988年10月)
- 四代市長 堀内日出男(1988年10月 - 1992年10月)
- 五代市長 河原敬(1992年10月 - 2004年10月)
- 六代市長 泉谷和美(2004年10月 - 2012年10月)
- 七代市長 村上隆興(2012年10月 - 現職)
ヤミ起債問題
2006年(平成18年)6月、旧産炭地の夕張市、芦別市、三笠市、赤平市、歌志内市、上砂川町の6市町による「空知産炭地域総合発展基金」からの不適切な長期借り入れ(ヤミ起債)が発覚。この問題により借入額の一括償還を余儀なくされ、歌志内市は隣接する上砂川町と共に財政再建団体への転落が取り沙汰された。救済策として基金の一部(旧基金)が取り崩し可能となり、第三セクター(振興公社)へ健康の村施設を売却し、施設購入に対する補助金として旧基金を活用し償還財源を確保したため、ヤミ起債問題は解決した。
財政
平成22年度決算による財政状況
- 住基人口 4,425人
- 標準財政規模 24億4,805万8千円
- 財政力指数 0.12 (類似団体平均0.46) - 非常に悪い。
- 経常収支比率 84.2%(類似団体平均89.0%) - 類似団体平均を下回り、財政の弾力性が高まっている。
- 実質収支比率 6.7%(類似団体平均5.8%)
- 実質単年度収支 3億5,007万3千円 - 標準財政規模の14.3%の黒字額。
- 地方債現在高 49億4,069万円(人口1人当たり111万6,540円)
- 普通会計歳入合計 48億1,977万3千円
- 地方税 2億5,485万5千円(構成比 5.3%)
- 地方交付税 26億5,616万8千円(構成比 55.1%) - 歳入の50%以上を交付税に依存。
- 地方債 2億7,401万4千円(構成比 5.7%)
- 普通会計歳出合計 45億6,851万円
- 人件費 9億8,158万8千円(構成比 21.5%)
- うち職員給 5億7,003万円(構成比 12.5%)
- 扶助費 6億8,175万4千円(構成比 14.9%)
- 公債費 7億8,766万4千円(構成比 17.2%)
- 人件費 9億8,158万8千円(構成比 21.5%)
基金の状況
- 1財政調整基金 8億7,000万円
- 2減債基金 0円
- 3その他特定目的基金 2,345万3千円
- 合計 8億9,345万3千円(人口1人当たり20万1,910円)
定員管理の適正度(平成22年度)
- 人口1,000人当たり職員数 23.73人(類似団体平均9.50人) - 類似団体平均の2.5倍。人口に比べて職員数が過剰である。
- 一般職員80人 (うち技能系労務職1人)、教育公務員2人、消防職員23人、臨時職員0人 一般職員等合計 105人
- ラスパイレス指数 86.8 (道内市町村平均96.6) - 財政健全化のため職員人件費削減にも取り組んでいる。全国で32番目、北海道で5番目に低い。
- 参考
- 一般職員等(105人)一人当たり給料月額 29万7,300円 (職員手当を含まない)
- 職員給(給料+手当)÷一般職員等(105人)=542万9千円 - 給料月額の18.3か月分。
健全化判断比率・資金不足比率
いずれも平成23年度決算~確報値。
健全化判断比率
- (全公営企業会計で資金不足額がなく、比率が算定されず)
※ 平成20年度(1年間)、 実質公債費比率(ピーク時26.8%)で財政健全化団体となった。
経済
産業
閉山後の振興策として、札幌圏・道央自動車道へアクセスを売りとした工業団地(文珠団地)を分譲中。
観光
立地企業
- ソメスサドル株式会社
- 空知炭礦株式会社
- 歌志内興産株式会社
- プラッサ(スポーツ用品会社)
金融機関
- 北門信用金庫歌志内支店
郵便局
- 歌志内郵便局
- 文珠郵便局
- 神威郵便局
※集配業務は赤平郵便局(ゆうゆう窓口は滝川郵便局の管轄)が担当
宅配便
公共機関
警察
- 赤歌警察署歌志内交番
消防
姉妹都市
福岡県山田市と姉妹都市提携を結んでいたが、2006年、山田市が合併により消滅。現在姉妹都市はない。
人口
炭鉱都市として大正時代に2万人を突破した人口は、昭和23年に最多の4万6千人を記録した。昭和40年代に入ると、閉山が相次ぎ、昭和56年には1万人を割った[4]。人口は全国の市の中で最小で、現在も減少傾向にある。 市区町村別に比較した「北海道の空き家率」で3位にランクされる[5]。
歌志内市(に相当する地域)の人口の推移 | |
総務省統計局 国勢調査より |
消滅集落
2015年国勢調査によれば、以下の集落は調査時点で人口0人の消滅集落となっている[6]。
- 歌志内市 - 字新歌,字西山
教育
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交通
鉄道
最寄り駅は砂川駅である。かつては歌志内線が通っていたが、1988年に廃止された。2007年現在は代行として、北海道中央バス焼山線が運行されている。
バス
タクシー
- 芦別圏エリアの管轄
タクシー会社
- 西出ハイヤー(歌志内営業所)
道路
名所・旧跡・観光スポット
- かもい岳国際スキー場
- 道の駅うたしないチロルの湯
- 歌志内公園
- 悲別ロマン座
- 郷土館ゆめつむぎ
- こもれびの杜記念館(旧・空知炭鉱倶楽部)
- 神威岳自然公園
歌志内を舞台にした作品
文学作品
テレビドラマ
- 『昨日、悲別で』
スポーツチーム
- かもい岳レーシングチーム - 株式会社プラッサが所有するアルペンスキーチーム。国内トップレベルの選手を輩出している。
著名な出身者
- 佐分利信(俳優)
- 笹崎僙(プロボクサー)
- 高橋揆一郎 (芥川賞作家)
- 正司歌江 (かしまし娘)
- 秋庭豊とアローナイツ(ムードコーラス)
- 若狭繁行(スキージャンプ選手)
- 石井智也(アルペンスキー選手)
- 佐々木富雄(アルペンスキー選手) - グルノーブルオリンピック出場
ゆかりの人物
その他
- ヒツジの「ホルンくん」というシンボルキャラクターが公募で誕生している。
脚注
- ↑ 1.0 1.1 1.2 “かつての4.6万人が遂に4千人切り! 全国最少市・歌志内市を訪ねてみた”. 産経新聞社. (2014年5月6日) . 2015閲覧.
- ↑ 三笠市 人口1万人割る 石炭産業の衰退で急激に減少 ― 北海道新聞
- ↑ 3.0 3.1 “北海道歌志内:人口4000人割れ 全国最少の市”. 毎日新聞社. (2014年4月7日) . 2014閲覧.
- ↑ 4.0 4.1 現在の人口
- ↑ 北海道の空き家率ランキング
- ↑ [|総務省統計局統計調査部国勢統計課] (2017-01-27) (CSV). 平成27年国勢調査小地域集計01北海道《年齢(5歳階級),男女別人口,総年齢及び平均年齢(外国人-特掲)-町丁・字等》 (Report). 総務省 . 2017閲覧..※条町区分地の一部に0人の地域がある場合でも他の同一区分地で人口がある場合は除いた。
関連項目
外部リンク
- 行政
- 観光