グレーゾーン

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グレーゾーンとは、物事の中間領域・あいまい領域の事を指す俗語和製英語である。

概要

日本語として古くから「白黒つかない」「白黒はっきりさせる」のような慣用句が存在する。グレーゾーンとは、そんな白でも無い黒でもない曖昧な状態をグレー灰色)と喩え、どちらとも付かない状態のことを指す。場合によっては「黒(白)に近いグレー」という言い方もし、通常は白が合法・適切を意味することが多い。

狭義には、法の未整備などを原因として、法的に合法()であるか違法()であるか難しい脱法行為の事例を指す。また、違法である場合でも罰則規定が無いことや拡大解釈、法を遵守した方がかえって弊害が出るなどの理由によって、事実上平然と行われている例もグレーゾーンであるといえる。

事例

  • 自衛隊 -憲法学者の間では違憲とする見解が多数派となっている。一方で、一般人を対象としたアンケートでは合憲とする意見が多く、認識が乖離している。
  • 安全保障 - 「純然たる平時でも有事でもない幅広い状況」をグレーゾーン事態と呼ぶ。2014年防衛白書において正式に定義された。
  • パチンコ - 三店方式と呼ばれる換金方式が、別々の経営主体であるという建前にあるため、ただちに違法とは言えないが、換金行為が実質賭博となっているという疑義もあり、グレーゾーンとされる。
  • プライズゲーム - 風営法では、ゲームセンターなどについて「その営業に関し、遊技の結果に応じて賞品を提供してはならない。」(第23条第2項)と定めており、クレーンゲームなどのプライズゲームの結果によって景品を提供することはこれに該当する。そこで、解釈運用基準は業界の自主規制を追認する形で、小売価格が800円以下のものは上記の景品には当たらないとしている。然し、小売価格という基準は非常に曖昧であり、実態としては仕入れ価格などを用いて運用されることが多い。但し、小売価格の立証が困難なため立件されることはまずない。また、そもそも風営法の適用を受けないプライズゲーム(本屋や旅館の一角に設置されただけでゲームセンターとまでは言えない場合)はこれらの規制を受けないため、ゲーム機などの高額景品を用いたものが多いとされる。ところが、その設置規模は様々であり、一概に風営法の適用を受けないとはされない。
  • ソープランド - 客と従業員が性交して金銭の受け渡しがあり、管理売春で売春防止法にあたるのではないかいう疑義もあるが、当事者同士の自由恋愛で性交が行われているという建前があるため、グレーゾーンとされる。
  • (オンレート)フリー雀荘 - 麻雀でお金を賭ける事は少額であっても賭博罪が成立するため禁止されているが、一般的なフリー雀荘では最終的な得点状況により、点3・点5・点10などレートが乗っている=お金を賭けているのが実情である(ただし、逮捕される事は珍しい)。なお、近年増加している全くお金を賭けないノーレート雀荘や、健康マージャンについては問題ない。同様の例として、同僚間で野球賭博を行った事例などがあるが、胴元の有無や金額などによっては立件されることもある。
  • グレーゾーン金利 - 利息制限法の利率と出資法の利率の間にある金利のことで、利息制限法を越える金利については法的に無効であるものの、出資法を越えない金利については「債務者が任意に払ったこと」として罰則規定が無いことから、こう呼ばれる。
  • 手形割引の割引率 - 満期未到来の受取手形を銀行に売却することにより資金調達を行うことを手形割引という。この際、銀行は満期までの金利分を手形代金から割り引いて支払う。一般にこの取引は手形の売買であるとされるが、実質的な効能は融資である。この対立は利息制限法の適用に関わり、売買であれば利息制限法の適用を受けないことになってしまう。然し、その実態を考慮して学説では利息制限法を準用する方向で解決を試みているものも多く、その準用の程度などについても議論がある。
  • 株主優待 - 一定株数以上を持つ株主のみに対して、株数と必ずしも比例しない形で行われることが多く、会社法株主平等原則に違反する可能性がある。これについて学説の多くは擁護を試みているが、未だに統一的かつ確定的な結論は出ていない状況にあり、現行法の改正がない限りグレーゾーンから脱することはできないと思われる。
  • 個人間のカーシェア - 個人間で車の貸し借りをし共同所有による維持費という形でお金を得いている。車の金額設定によっては維持費以上に稼ぐことも可能。運輸支局は違法と言っているが、実際に維持費以上にお金を得ているのかもわからない上に、個人間でのやり取りなので行政が介入しようとしても車の所有者が共同所有でその分の対価だと言えば深入り出来ない為調査等も行われない。脱法レンタカー。
  • 家庭における体罰 - かつて慣習として認められていた部分ではあり2018年時点ではそれ自体を禁止する法律はないが、現在では児童虐待が非常に問題視されており、感情的に腹が立って叩いたり大声で怒鳴りつけたりすると虐待になる可能性が高くなっている。また、正当なしつけのつもりであっても怪我をさせたりうつ病にさせたりすると傷害罪脅迫罪になる可能性がある。厚生労働省では「愛の鞭ゼロ作戦」キャンペーンを展開しており、体罰や暴言をしないよう呼びかけている。[1]

関連項目