香港国際空港

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香港国際空港
各種表記
繁体字 香港國際機場
簡体字 香港国际机场
拼音 Xiānggǎng Guójì Jīchǎng
ラテン字 Syang1 gang3 Gwo2 ji4 Ji1 chang3
発音: シィァンガングゥォジージーチャン(普通話)
ヒョンコンクォックツァイケイチョン(広東語)
広東語拼音 Hoeng1gong2 Gwok3zai3 Gei1coeng4
英文 Hong Kong International Airport
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香港国際空港(ホンコンこくさいくうこう、香港國際機場Hong Kong International Airport)は、香港にある国際空港である。現地では後述の啓徳空港と区別する意味もあってかチェクラップコク国際空港赤鱲角國際機場Chek Lap Kok International Airport)とも呼ばれる。かつての啓徳空港の正式名称とそれに割り当てられていたIATA空港コードのHKGとICAO空港コードのVHHHを継承した。

サービス

e-Channel (e-道)

e-Channel」と呼ばれる自動ゲート(旅客自助出入境検査系統)が設置されている[1]。指紋を事前登録することで、機械による審査で入出境することができる。香港身分証を所持する香港居住者(外国人含む)向けのサービスであるが、マカオの永住者、香港国際空港を経由し過去12ヶ月に3回以上香港を訪れた旅客、航空会社のマイレージサービスの上級会員も申請利用することが出来る。2014年9月時点において香港国際空港の他に、落馬洲(香港入境のみ)、落馬洲支線、羅湖、深圳灣、文錦渡、中國客運碼頭、港澳客輪碼頭、啓徳郵輪碼頭でも利用可能であるが、香港居住権を持たない中国人以外の外国人が登録申請出来るのは香港国際空港での入境時のみである。

HKIA Frequent Visitor Card

香港国際空港を経由し過去12ヶ月に3回以上香港を訪れた旅客は 「HKIA Frequent Visitor Card(中:香港國際機場訪港常客證)」とよばれるカードを申請することができた[2]。しかし、e-Channel (e-道) の普及により、新規申請は中止されている。

このカードを取得すると、香港空港における入境審査および出境審査において、HKIA Frequent Visitor Card保持者専用レーンに並んで中華人民共和国香港行政区へ出入域することができた。レーンの付近には空港職員が認識端末を持って待機しており、カードを職員にスキャンしてもらったあと専用レーンを通過する。入国・出国のスタンプは通常の審査と同じくパスポートに押印されていた。

航空旅客出国税、空港建設費

12歳以上のすべての出国者に対し、120HKDが徴収される[3]。ほか、空港建設費として出発客からは90-180HKD、乗り継ぎ客からは70-180HKDが徴収される[注 1][4]。 共に、航空券発券時に徴収される。

ラウンジ

ユナイテッド航空タイ国際航空シンガポール航空ブリティッシュ・エアウェイズなどの主な乗り入れ航空会社はファーストクラスビジネスクラスの乗客、マイレージ上級会員などのためのラウンジを運営しており、特に香港国際空港をベースにするキャセイパシフィック航空は、「ザ・ウイング」と「ザ・ピア」の2つのラウンジを運営しており、世界有数のカウンターの長さを持つバーや、スパなどの様々なサービスを用意している。

また複数の航空会社共同のラウンジやクレジットカード会社の上級会員向けラウンジ、航空会社や利用クラスに関わらず有料で利用できるラウンジ(Plaza Premium Lounge)も複数設けられている。

国際線から国際線への乗り継ぎ

 中国国内に所在する国際空港に於いては、中国の出入国に関する法令により、たとえ国際線同士相互の乗り継ぎであっても一旦中国の入国・出国審査を受ける必要があるが[注 2]、当空港に於いては、当空港が所在する香港自体が中国への返還後一定期間にわたり中国本土と異なる行政・法律・経済制度の維持が認められていること(一国二制度)等を背景に、中国国内に所在する国際空港としては例外的に、入国・出国審査を別途受けること無く、所定の保安検査を受けるだけで国際線同士相互で乗り継ぐことが原則可能となっている《乗り継ぎ便への搭乗手続き(チェックイン)が未済の旅客のために乗り継ぎカウンター[注 3]も別途用意されている》[注 4]

滑走路

滑走路は、オープン・パラレルで海側(07L/25R, 3800 m)と陸側(07R/25L, 3800 m)とに2本が整備されており、両滑走路両端にILSが設置されている。啓徳空港(現在閉港)における13側からの着陸(通称:香港カーブ)あるいは31側からの離陸とは違い、両滑走路両端とも先に発着に支障となるような障害物は特になく、パイロットの負担は軽減された。 運用は原則として海側の滑走路で着陸機、陸側の滑走路で離陸機の処理が行われている。ただし、例外として貨物専用機は陸側の滑走路で発着の処理が行われる。これは貨物専用スポットおよび貨物専用ターミナルが陸側滑走路から更に陸側に位置していることから、安全面で配慮したものである。もし海側の滑走路で貨物専用機の着陸を処理すると、貨物専用ターミナルに行くために陸側の滑走路を跨ぐことになり、離陸機との交錯が起きる(最悪の場合は衝突事故も起こり得る)からである。

また、2023年までの完成を目標に海側滑走路の近隣を埋め立てて第3滑走路の建設が進められている[10][11]。193億ドルという莫大な事業費が見込まれているが、完成後は年間旅客1億人・発着回数62万回と世界有数の規模を収容できる予定という[11]

空港へのアクセス

かつての啓徳空港は、市街地にあった事から交通アクセスに優れた空港であったが、新しい空港は市街地から遠く離れた場所に新設される為、出来る限りアクセス時間を短縮し、旅客の不便を軽減する様に整備された。

鉄道

最寄りは機場駅であり、機場駅と香港駅MTR中環駅に直結)を青衣駅九龍駅経由で結ぶ機場快線(エアポート・エクスプレス、機場快綫が運行されており、機場 - 香港間の所要時間は約24分、10分間隔で運転されている。

ランタオ島北部から青衣駅にかけての走行路線はMTR東涌線と共通だが、東涌線は空港には乗り入れておらず、途中で分岐する。なお、到着ロビーから鉄道駅の間には階段などの段差はなく、荷物を持ったまま円滑に移動することが可能である。

また、機場快線の利用者は、香港駅、九龍駅のチェックインカウンターで当空港出発便のチェックインを行うことが出来、その際に受託手荷物を併せて申し込むことも可能である。但しピーチ[12]など当該チェックイン・サービスを提供していない航空会社も存在する。

バス

香港島や九龍、新界へ空港バスが運行されており、所要時間は香港島だと1時間程度、九龍だと40分程度、新界だと30分から1時間30分程度(行き先によって変わる)である。梅窩など、ランタオ島内行きの一般バスもある。またS系統のバスに乗車すると約20分程でMTR東涌駅へ行くことができ、そこから東涌線で市内にいくことも可能である。

中国大陸方面のバスも運行されており、ターミナル2の地上階から出発する。

タクシー

香港のタクシーは運行地区別に車体の色が分かれている(香港島九龍地区と、新界のうち葵青区荃湾区ランタオ島域を除く)は、ランタオ島内は、前述以外の新界は)ため、利用者は、目的地に応じたタクシー乗り場から乗車することになる。なお、それぞれの運行地区からであれば、香港国際空港へは全てのタクシーが行くことができる(香港の交通#タクシー参照)。所要時間は中環だと40分程度、九龍だと30分程度、新界だと25分から50分程度。

なお、広東語が話せない旅行客を対象に、追加料金を多く徴収したり、到着後にメーターを切るなどの方法で料金を誤魔化すドライバーが増えているため、香港国際空港において乗車する際は、タクシー協会の係員がナンバーを控えたカードを乗客に渡すようになっている。

高速船

ファイル:SkyPier -01.jpg
スカイピア(2012年3月31日)

空港に隣接した海天客運埠頭(スカイピア)からTurboJET珠江客運などによってマカオや中華人民共和国本土を結ぶ高速船が就航している。現在はマカオ(アウター・ハーバー・フェリーターミナル、タイパ・フェリーターミナル)、珠海(九州港)、中山(中山港)、東莞(虎門港)、深圳(福永港、蛇口クルーズセンター)、広州(南沙港)へそれぞれ運航している[13]

高速船利用の場合は香港に出入国せず、直接マカオや中華人民共和国本土にて出入国することになる。このため、船との乗り継ぎは香港国際空港の出国および入国審査場を通らないでの利用となり、香港へ出入国すると利用ができず、また、空港出迎えなどの目的での利用もできない[13]

空港からのチェックイン(乗船手続き)は出航1時間前に締め切られるが、飛行機で預け入れ手荷物が無い場合は30分前まで可能である。なお、受託手荷物は船会社職員が代理で受け取り船内に運ばれる[14][15]。チェックイン後、APMでスカイピアへ行き、乗船する[16]

マカオや中華人民共和国本土から乗船する場合は、船の出航1時間前で且つ飛行機が出発する3時間前までに乗船チェックインすることが求められる[14]。この場合、乗船する港に於いて出国審査も受けることになる。スカイピアに着くと各航空会社のチェックインカウンターがあり、そこでチェックインを行った後、セキュリティチェックを受ける。航空券購入時に香港空港の利用税を支払っている場合は、セキュリティチェック後の払い戻しカウンターでチェックイン時に受け取った退税票と引き換えに現金で払い戻しを受けることができる。スカイピアからはAPMで直接空港ターミナルビルの出発ロビーに向かう[16]

なお、この当空港発着高速船との預け入れ荷物の乗り継ぎ取扱については、格安航空会社(LCC)を中心に一部の航空会社で取り扱っていないので注意を要する。例えばPeach Aviationは取扱がない[12]。乗り継ぎ取扱を行っている航空会社の一覧が当空港Webサイト内にて掲載されている[17]。飛行機で香港へ来る場合、飛行機への預け入れ荷物は入国審査後に受け取るので、提携していない会社は入国が必要だが、飛行機への預け入れ荷物が無い場合は、入国審査せずにフェリーのチケットカウンターへと向かえる。

その他の施設

第1ターミナルと第2ターミナルに直結した「リーガル・エアポートホテル」がある他、近隣には「スカイシティ・マリオット」や「ノボテル・シティゲート香港」など複数のホテルがある。

空港内には「香港エアクラフト・エンジニアリング(HAECO、中国語:香港飛機工程)」の航空機メンテナンス施設がある他、空港敷地に隣接して、キャセイパシフィック航空の機材整備施設や本社機能、訓練施設などを持つ「キャセイシティ(Cathay City:国泰城、國泰城)」が設けられている。

脚注

注釈

  1. 長距離路線、短距離路線、ファーストクラス、ビジネスクラス、エコノミークラスの利用によって料金が異なる。
  2. 日本航空(JAL)Webサイト内に掲載されている、中国の首都北京に所在する北京首都国際空港に於ける乗り継ぎ案内には「他の国際線へ乗り継ぐ場合、中国の出入国に関する法令により、必ず出入国手続きが必要です」との記載が見える[5]
  3. 乗り継ぎカウンターは到着フロア(5階)内に3カ所(E1・E2・W1)設置されており[6]、航空会社毎に振り分けられている《例えば日本航空(JAL)は「E1」、全日空(ANA)は「W1」のカウンター内に各々陣取っている》[7]。ただ、格安航空会社(LCC)を中心に乗り継ぎカウンターを持たない航空会社も存在する《ピーチ・アビエーションエアアジアなど》[7]
  4. 香港国際空港Webサイト(英語版)には、国際線同士相互の乗り継ぎについて、到着後「Departures(出発)」案内標識に従って進み、保安検査を受けた上で乗り継ぎ便の出発30分前までに(乗り継ぎ便の)搭乗口に着くように、と案内されている《乗り継ぎ便の搭乗券を所持していない旅客に対しては、航空会社毎に指定された乗り継ぎカウンターにて乗り継ぎ便の搭乗手続き(チェックイン)を済ませるよう案内されている》[8][9]

出典

  1. Automated Passenger Clearance System 香港特別行政区政府入境事務所 e-Channels(英語)
  2. HKIA Frequent Visitor Channel (英語)
  3. Air Passenger Departure Tax (APDT) - HKIA
  4. Airport Construction Fee (ACF) - HKIA
  5. 乗り継ぎのご案内~北京首都国際空港”. 空港情報~国際線. 日本航空(JAL). 2013年12月1日時点のオリジナルよりアーカイブ。. 2014閲覧.
  6. Facilities Map (PDF)”. 香港國際機場(香港国際空港). . 2014閲覧.
  7. 7.0 7.1 Airline Transfer Desks”. 香港國際機場(香港国際空港). . 2014閲覧.
  8. Transfer/Transit Procedures”. 香港國際機場(香港国際空港). . 2014閲覧.
  9. キャセイパシフィック航空を利用しての香港空港乗り継ぎ《2014年7月3日閲覧;→アーカイブ
      ※当空港到着から乗り継ぎ便搭乗口に辿り着くまでの過程が現地写真画像を交えて詳細に紹介されている
  10. 引用エラー: 無効な <ref> タグです。 「日本経済新聞20150319」という名前の引用句に対するテキストが指定されていません
  11. 11.0 11.1 “韓日中ハブ空港競争で劣勢の仁川空港”. 中央日報 (中央日報社). (2015年12月28日) 
  12. 12.0 12.1 空港ガイド(国際)~香港国際空港”. Peach Aviation. . 2014閲覧.
    ※当該ページの「入国」欄のところには「Peachでは、中国並びにマカオ行きの香港フェリー乗り継ぎサービスを行っておりません」等と、そして「出国」欄のところには「Peachは、エアポートエクスプレスの香港駅、九龍駅でのインタウン・チェックインサービス並びに荷物受託サービスは提供しておりません」等と、それぞれ記載されているのが見える
  13. 13.0 13.1 香港國際機場 / Ferry Transefer
  14. 14.0 14.1 珠江客運 / 乗船手順
  15. 香港フェリー乗り継ぎサービス~香港国際空港(空港情報)”. 日本航空(JAL). . 2014閲覧.
  16. 16.0 16.1 キャセイパシフィック / ビジネス・トラベル・アクセスガイド
  17. Ferry Transfer - Participating airlines”. 香港國際機場(香港国際空港). . 2014閲覧.

外部リンク