熊本都市バス
熊本都市バス株式会社(くまもととしバス)は、熊本県熊本市中央区に本社を置き、主に熊本市の南部周中心部のバス路線を運行しているバス事業者である。資本金9,900万円。略称は都市バス。
Contents
概要
熊本市交通局のバス事業を移譲するための受け皿会社として、熊本市内にバス路線を持つ九州産交バス・熊本電気鉄道・熊本バスの共同出資により2007年(平成19年)12月25日に設立。2009年(平成21年)4月1日から、熊本市営バス本山車庫と同車庫の担当路線・所属車両すべてを面的移譲として譲り受け、運行を開始した。
車体塗装は白を基調に熊本を象徴する地下水の青、銀杏(イチョウ)の黄、熊本城のイラストを配したデザインへ変更されている。運行開始後しばらくの間は、熊本市営バスの車体塗装のまま「熊本市営」の標記を「都市バス」に変更して使用しているが、順次塗り替えられている。熊本市営バス時代には前面に動物のイラストを描いた板を掲出していたが、熊本都市バスでは「都市バス」と表示された板に差し替えられている。自社導入車両(主に中古車両)にはこの板は掲出されない。なお、2012年4月からは、都市バスの車体塗装に変更された車両についてはこの板を省略し、熊本市交通局塗装のままの車両のみ掲出されている。
路線移譲後も運賃や本数、バス停留所の位置などに変更は無い。熊本市営バスから熊本都市バスに移管された区間については、有効期間内は熊本市営バスの定期券での利用が可能であるほか、熊本市営バスと熊本都市バスの重複区間では双方の定期券の相互利用を認めている。熊本市交通局が発行していた市電・市バス1日(2日)乗車券は熊本都市バスでも使用可能であった。なお、2010年(平成22年)4月1日より熊本県内バス事業者共通フリー乗車券のわくわく1dayパス・わくわく2dayパスが発売開始されたことにより市電・市バス1日乗車券の発売が終了。1日(2日)乗車券は年度単位となっている為、既に消滅している。
2015年4月1日に熊本市営バスの残る全路線が引き継がれた[1]。
車内放送については、基本的には市営バスと同じものを当初より使用している。そのため、公共施設の案内や駅名の英語案内も都市バスでそのまま使用されている。ただし、交通局前バス停については、市営では「交通局前、ウェルパルくまもと、あいぱるくまもと前」であったのに対し、都市バスでは単に「交通局前」へと置き換えられている。車内放送は、市営バスが2003年頃に音声合成に移行した際の車載システムと同じものを使用してきたが、自社導入車のうちナンバープレートが900番台になって以降に導入された車両は、レシップの音声合成システムを使用した車内放送が標準仕様となっている(ただし、市営バスが導入した車両については、たとえ900番台でも従来型の車載器が搭載されている)。レシップの音声システムの声は、長崎バスや京都市営バスなどで使用されているHOYAの音声合成ソフト「Voice Text」のMISAKIだが、1005と1061のみSAYAKA。この2台のみ運賃表示器や放送開始時のチャイムなども他と異なる。
熊本市は、熊本都市圏のバス網再編をめぐり、都市バスを中心として2014年度から各事業者と協議に入っていくことを2014年2月に発表したが、そのなかで、他社と競合している都市バスの路線については、市営バスからの移譲完了後(2015年4月1日以降)に、順次他社への再移譲を進めていくことを明らかにしている[2]。
設立理由
- 熊本市交通局は経営に無駄が多く、民間移譲することでその無駄を省き、黒字路線へと転換させる狙いがある。
- バスなどの公共交通機関の利用者が年々減ってきており、そのため熊本市・熊本都市圏のバス路線再編を行うこととなった。その一環として、熊本市の民営バス3社が共同出資して本会社を設立し、熊本市営バス本山車庫とその路線を譲り受けて運行を開始することとなった。
沿革
- 2007年(平成19年)12月25日 - 設立。
- 2009年(平成21年)
- 2010年(平成22年)4月1日 - 熊本市営バスの大江城西線・子飼渡瀬(わたるぜ)線・上熊本車庫線(一部)を譲受。
- 2011年(平成23年)
- 2012年(平成24年)
- 2013年(平成25年)4月1日 - 熊本市営バス小峯営業所が運行する秋津健軍線・健軍長嶺線・東町団地線(全て)を譲受。
- 2014年(平成26年)4月1日 - 熊本市営バス小峯営業所が運行する渡鹿長嶺線(全て)を譲受。
- 2015年(平成27年)4月1日
- 熊本市営バス小峯営業所が運行する小峯京塚線(全て)を譲受。
- 熊本地域振興ICカード(くまモンのIC CARD)導入、運用開始。
- 2016年(平成28年)10月 - 国立病院シャトルバス[5]運行開始。
路線
元々、熊本市営バスが運行していた路線を受け継いでいる。
熊本都市バス路線一覧
本山営業所担当
第一環状線 | 駅1・駅2 | 熊本駅前 - 新町 - 上熊本駅 - 子飼橋 - 大江渡鹿 - 大学病院前 - 熊本駅前 |
中央環状線 | 駅3・駅4 | 熊本駅前 - 大学病院前 - 尚絅校前 - 大江渡鹿 - 県立劇場前 - 南熊本駅前 - 田崎橋 - 熊本駅前 |
長溝団地線 | 南5・鹿2 | 変電所前(大江六丁目) - 交通センター - 長溝団地 - 烏ヶ江終点 |
八王寺環状線 | 東1・南1 | 交通センター - 下通筋 - 大学病院前 - 南熊本駅前 - 八王寺 - 出水中学前 - 水前寺公園前 - 交通センター |
子飼渡瀬線 | 子2 | 交通センター - 子飼橋 - 水前寺鳥居前 - 画図橋 - 烏ヶ江終点 |
子3 | 交通センター - 子飼橋 - 水前寺鳥居前 - セイラタウン - 鳥ヶ江終点 | |
本山車庫線 | 系統番号なし | 交通センター - 呉服町 - 熊本駅前 - 本山営業所 |
交通センター - 日銀前 - 迎宝町 - 本山営業所 |
上熊本営業所担当
池田京町線 | 京2 | 交通センター - 京町本丁 - 富尾団地 |
花園柿原線 | 壺1 | 交通センター - 壷井橋 - 県立体育館前 - 本妙寺前 - 花園 - 柿原公民館前 |
大江城西線 | 新1・鹿1 | 水前寺駅北口 - 県立劇場前 - 交通センター - 城西校北 |
上熊本車庫線 | 壺3 | 交通センター - 壷井橋 - 県立体育館前 - 上熊本駅前 - 上熊本営業所 |
島3 | 交通センター - 段山 - 上熊本駅前 - 上熊本営業所 |
小峯営業所担当
小峯京塚線 | 味4 | 蓮台寺→交通センター - 水前寺駅前 - 京塚 - 小峯営業所 - 小峯 - 三山荘 |
西1 | 三山荘 - 小峯営業所 - 京塚 - 競輪場前 - 水前寺駅前 - 交通センター - 熊本駅前 - 蓮台寺 | |
味5 | 交通センター - 水前寺駅前 - 京塚 - 東稜高校前 - 小峯 | |
味6 | 交通センター - 水前寺駅前 - 京塚 - 小峯営業所 - 戸島神社 - 東部交流センター - 三山荘 | |
秋津健軍線 | (健8・健9) | 秋津小楠記念館前 - 小峯営業所 |
県5・県6 | 交通センター - 水前寺公園前 - 県庁前 - 市民病院前 - 動植物園前 - 若葉校前 - 秋津小楠記念館 | |
池田健軍線 | 京2・県7 | 若葉校 - 県庁前 - 市役所前 - 京町本丁 - NTT研修センター - 富尾団地 |
健軍長嶺線 | 健1 | 託麻まちづくりセンター-長嶺団地 - 日赤病院前 - 新外入口 - 東町団地 - 健軍電停前 - 若葉校前 |
長嶺団地 - 日赤病院前 - 新外入口 - 東町団地 - 健軍電停前 - 健軍神社前 - 新外入口 - 日赤病院前 - 長嶺団地 | ||
健3 | 長嶺団地 - 日赤病院前 - 新外入口 - 健軍神社前 - 健軍電停前 - 東町団地 - 新外入口 - 日赤病院前 - 長嶺団地 | |
東町団地線 | 東3 | 交通センター - 水前寺公園前 - 熊商前 - 動植物園入口 - 健軍電停前 - 東町団地 - 小峯営業所 |
熊本駅県庁線 | 県4・駅5 | 熊本駅前 - 大学病院前 - 尚絅校前 - 水前寺公園前 - 県庁前 - 京塚 - 小峯営業所 |
熊本駅長嶺線 | 鹿3 | 熊本駅前 - 大学病院前 - 尚絅校前 - 大江渡鹿 - 県立劇場前 - 熊高正門前 - 保田窪入口 - 日赤病院前 - 長嶺団地 |
西1…交通センター発蓮台寺行は、本山営業所担当
小峯営業所・上熊本営業所担当
帯山線 | 県1 | 交通センター - 水前寺公園前 - 県庁西門通り - 帯山団地前 - 日赤病院前 - 長嶺団地 - 小峯営業所 |
県1・県2 | 交通センター - 水前寺公園前 - 県庁西門通り - 帯山団地前 - 鉄工団地前 - 日生病院北口 - 託麻南 | |
交通センター - 水前寺公園前 - 県庁西門通り - 帯山団地前 - 日生病院前 - 長嶺四つ角 - 託麻南 | ||
県3 | 交通センター - 水前寺公園前 - 県庁西門通り - 尾ノ上小学校前 - 日赤病院前 - 長嶺団地 | |
島崎保田窪線 | 島1・味1 | 島1/小峯営業所→長嶺団地→(熊高正門)交通センター→味1/荒尾橋→交通センター→水道町→長嶺団地→小峯営業所 |
島2・味2 | 島2/小峯営業所→長嶺団地→(水前寺駅)交通センター→味2/荒尾橋→交通センター→水道町→長嶺団地→小峯営業所 | |
昭和町線 | 上5・子5 | 上熊本駅前 - 子飼橋 - 渡瀬 - 京塚 - 昭和町(東本町) |
上熊本線 | 上1・県11 | 上熊本駅前 - 市役所前 - 県庁前 - 県会議事堂 |
上1・県12 | 上熊本駅前 - 市役所前 - 県庁前 - 市民病院前 - 動植物園西口(画図橋) | |
上4・味4 | 上熊本駅前 - 市役所前 - 水前寺駅前 - 京塚 - 県会議事堂または小峯営業所 | |
渡鹿長嶺線 | 鹿10 | 交通センター - 森都病院前 - 大江渡鹿 - 保田窪四ツ角 - 日赤病院構内 - 長嶺団地 - 長嶺小学校前 |
車両
- 車両も熊本市営バスからの譲渡がほとんどだが、譲渡後に新規登録した中古導入車両も存在する。
- 国産4メーカー(いすゞ・日野・三菱ふそう・日産ディーゼル(当時、現「UDトラックス」))すべてを使用している。純正ボディのほか、西日本車体ボディの車両もある。
- 運賃表示器はほとんどの車両に交通電業社製のデジタル方式が導入されているが、移籍車のうち、方向幕車の1005と1061には交通電業社の液晶1画面式、それ以外にはレシップ製の液晶2画面式が導入されている。整理券発行機と運賃箱は小田原機器製(整理券発行機はSAN-V型、運賃箱はRX-SB型)が導入されている。
中古車の移籍元
- 富山県南砺市
- 京王電鉄バスグループ
- 横浜市交通局
- 西東京バス
- 千葉海浜交通
- 阪急バス
- 川崎鶴見臨港バス
- 中日臨海バス
- 千葉内陸バス
- 京浜急行バス
- 立川バス
- 濃飛バス
- 東武バスウエスト
- 関東バス
- 京阪バス
- 東濃鉄道
バス営業所
脚注
- ↑ 熊本市営バス、2016年までに民間へ全面移譲 - 読売新聞、2009年6月6日
- ↑ 競合バス路線解消へ 熊本市が事業者と協議 - くまにちコム、2014年2月21日
- ↑ “~熊本城周遊バス「しろめぐりん」運行会社について~ 平成23年10月1日から熊本都市バス(株)が運行 (PDF)”. 九州産交バス (2011年8月26日). . 2011年8月26日閲覧.
- ↑ 熊本市と市内各バス事業者で構成する「熊本市におけるバス交通あり方検討協議会」の答申により全路線を当社が担当するが、実際の運行は、東区の託麻循環ルートのみ当社が運行し、他のルート(中央区を除く各区(北区・東区・南区西部・西区南部))においては最寄の運行事業者に委託する。
- ↑ 運行区間:水道町 - 交通センター - 国立病院正面玄関
関連項目
- 熊本市交通局
- 熊本市営バス小峯営業所(都市バス小峯営業所併設を2015年3月31日をもって解消)
- 熊本市営バス上熊本営業所(→現:都市バス上熊本営業所)
- 熊本市営バス本山車庫(→現:都市バス本山営業所)
- 九州産交バス
- 熊本電気鉄道
- 熊本バス
- オムニバスタウン