パパと呼ばないで
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『パパと呼ばないで』(パパとよばないで)は、1972年10月4日から1973年9月19日まで、日本テレビ系列で放送された全40話のホームドラマである。石立鉄男&ユニオン映画シリーズの3作目に当たる。
放送データ
- 放送期間:1972年10月4日 - 1973年9月19日
- 放送時間:毎週水曜日 20:00 - 20:55
- 放送回数:全40回
- 放送形態:16ミリフイルム・カラー作品(撮影は35ミリフィルム、放送時16ミリフィルム)・本放送時のみ16ミリシネテープ音声つき(再放送時からは光学音声)
あらすじ
独身男の安武右京は亡くなった姉の子、橋本千春を引き取り、中央区佃の米屋・井上精米店の2階に下宿を始める。子供の扱いがわからず、とまどう安武だったが、次第に情が通い、千春はかけがえのない存在になっていく。
キャスト
レギュラー
- 安武右京:石立鉄男
- 気楽な独身男性。だったが、姉の死去により姪・千春を引き取り、米屋の2階に下宿することになる。28歳、石油会社・八方石油のサラリーマン。幼くして両親を失い、姉・豊子に育てられた。千春をチー坊と呼ぶ。イカが好物。
- 橋本千春:杉田かおる
- 5歳で母を亡くし、親戚中に疎まれたが、叔父の右京に引き取られ、ある事件(第2話)をきっかけに右京をパパと呼ぶようになる。チーちゃんと呼ばれ、近所の人からかわいがられる。
- 井上精太郎:大坂志郎
- 井上時枝:三崎千恵子
- 米屋のおかみさん。性格は精太郎とは正反対。親代わりとなり、千春をかわいがる。
- 井上園子:松尾嘉代
- 米屋の長女。気が強い。美容師で“オオカミカット”が得意。右京としょっちゅう喧嘩になる。
- 井上和子:有吉ひとみ
- 米屋の次女。おでん屋・若松で働く。ひっそりと右京に思いをよせている。
- 井上昇:小林文彦
- 米屋の長男。姉2人にいじめられ、よく頭を叩かれる。右京を兄と慕っている。
- 金造:花沢徳衛
- 魚屋・魚敏の親父で精太郎と幼馴染で将棋仲間。気のいい下町の親父である。鳥が苦手。
- 治子:富士真奈美(のちの冨士眞奈美)
- 金造の娘。出戻り。右京を狙って、あの手この手で気を引かせようとする。
ゲスト
- 内田:江守徹
- 右京の同僚(既婚)。悪友ながら、右京の一番の理解者である。
- 村松係長:近藤洋介
- 右京の上司、エリートサラリーマン。独身。園子に求婚するが失恋する。
- 山崎課長:福岡正剛
- 右京の上司。やや口やかましい。
- 中島ユキ:田島令子
- 右京の会社のエレベータガール。右京が恋し、思い通じながらも千春が懐かず、諦める。
- 大町宏子:望月真理子
- 千春が大好きな幼稚園の担任先生。右京がユキと失恋の後、恋したが、既に婚約者がいた。
- 早苗:早瀬久美
- 右京と千春が引っ越した先のアパートの隣人。
- 由美:井上れい子
- 和子が働いているおでん屋・若松の若女将。和子とは高校時代の同級生でバレー部仲間。
- 良一:森下哲夫
- 若松の板前。由美と恋仲になる。
- 鉄平:浅若芳太郎
- 由美の叔父。良一の師匠。時々、若松を手伝っている。江戸っ子で精太郎、金造の友人。
- 美容院のマダム:寺島信子
- 園子が勤める美容院・チェリーのマダム。一度は辞めた園子の腕を買い、再度雇う。
- 丸山:丸山修
- 不動産屋の主人。息子の秀雄が千春と同じ幼稚園に通う。
- 丸山光枝:塩沢とき
- 不動産屋の妻。口やかましく、時枝が大の苦手としている。
- 平野:桜井センリ
- 治子の元亭主。ギャンブル好きだったため治子に愛想をつかされた。復縁を迫るが断られる。
- 田中そね:浦辺粂子
- 精太郎の母。猫嫌い。極端な掃除好き。宝くじで100万円を当てた。
- 松木頼子:野村昭子
- 銚子に住む右京の叔母。精太郎、金造の幼馴染み。右京の将来を考え、千春を引き取ろうとする。
- 橋本豊子:長内美那子(第1話-) / 北林早苗(第26話以降)
- 千春の母で右京の姉。未婚の母として千春を身ごもり、親戚中から縁を切られたのちに幼い千春を残して急死した。
- 橋本:松山英太郎
- 千春の父親。千春が右京になついた頃に右京と面会し、「千春のことをよろしく頼む」と言い残し去る。
スタッフ
- 企画:小坂敬(日本テレビ)
- プロデューサー:吉川斌(よしかわ あきら)(日本テレビ)、上野徹(ユニオン映画)
- 脚本:松木ひろし、向田邦子(矢田陽子名義も)、山本邦彦、葉村彰子、窪田篤人
- 音楽:大野雄二
- 撮影:岩佐一泉
- 照明:藤林甲
- 美術:佐谷晃能 (東京テレビアート)
- 編集:西島豊
- 録音:片桐登司美
- 助監督:荒木功(ユニオン映画)
- 色彩計測:東原三郎
- 記録:桑原みどり
- タイトル:土屋昭雄、豊島弘尚
- 選曲:鈴木清司(フィルム上はノン・クレジット)
- 装飾:高津装飾
- 衣裳:東京衣裳
- 編集・現像:東洋現像所(フィルムクレジット上は「東洋現像」と表記)
- アフレコ・ダビング・ネガ録音(リレコーディング)・シネテープ作成:映広音響
- プロデューサー補:山本剛正(ユニオン映画)
- 衣装協力:ピノチオこども服、KANTO
- 監督(演出):千野皓司、平山晃生、田中知己
- 製作:ユニオン映画
主題歌
放映リスト
話数 | 放映日 | サブタイトル | 監督 | 脚本 | ゲスト |
---|---|---|---|---|---|
1 | 1972年 10.4 |
きっと立派に育てて見せる | 千野皓司 | 松木ひろし | 野村昭子 大谷朗 丸岡将一郎 岡本富士太 瀬能礼子 |
2 | 10.11 | あたしとどっちが好き? | |||
3 | 10.18 | やっぱり他人? | 平山晃生 | 向田邦子 | |
4 | 10.25 | 子連れデイト | |||
5 | 11.1 | 突然の誕生日 | 千野皓司 | 窪田篤人 | |
6 | 11.8 | 母親がやって来た! | |||
7 | 11.15 | 性教育騒動! | 平山晃生 | 向田邦子 | |
8 | 11.22 | カモメがとりもつ縁かいな? | |||
9 | 11.29 | ただ今2対2 | 千野皓司 | 山本邦彦・葉村彰子 | |
10 | 12.6 | ママがほしい! | 葉村彰子 | ||
11 | 12.13 | ネコふんじゃった | 平山晃生 | 向田邦子 | 福田豊土、小沢弘子 |
12 | 12.20 | チーちゃんの秘密 | 山本邦彦・葉村彰子 | 野村昭子 | |
13 | 12.27 | 忘れていた婚約 | 窪田篤人 | 多々良純 | |
14 | 1973年 1.10 |
パパ出世してね | 山本邦彦・葉村彰子 | 大泉滉 | |
15 | 1.17 | とんだ人助け | 千野皓司 | 向田邦子 | 真屋順子、楠トシエ、太田淑子 |
16 | 1.24 | 生みの親育ての親 | 平山晃生 | 山本邦彦・葉村彰子 | 松山英太郎 |
17 | 1.31 | 発車オーライ! | 千野皓司 | 窪田篤人 | |
18 | 2.7 | 聞いてくれるなおっかさん | 平山晃生 | 山本邦彦・葉村彰子 | 津山登志子、三遊亭笑遊 |
19 | 2.14 | 嫁にはやれません! | 千野皓司 | 窪田篤人 | 早瀬久美 |
20 | 2.21 | 粉雪の舞うひな祭り | 早瀬久美 | ||
21 | 2.28 | おばあちゃんはネコ嫌い | 平山晃生 | 山本邦彦・葉村彰子 | 浦辺粂子 |
22 | 3.7 | ハッピー・バースデー | 向田邦子 | 柴田侊彦 | |
23 | 3.14 | ブルー・カナリヤ | 田中知己 | ケーシー高峰 | |
24 | 3.21 | 悩める乙女上京! | 千野皓司 | 矢田陽子 | ビーバー |
25 | 3.28 | 訳ありそうな家庭教師 | 平山晃生 | 山本邦彦・葉村彰子 | 岸部シロー、上岡紘子 |
26 | 4.4 | ママが生きてた! | 千野皓司 | 松木ひろし | 北林早苗、坊屋三郎 |
27 | 4.11 | 男は度胸? | 平山晃生 | 森本レオ | |
28 | 4.18 | 園子の縁談 | 千野皓司 | 葉村彰子 | 浦辺粂子、早瀬久美、沢井孝子 |
29 | 5.2 | 赤ちゃん生んじゃう! | 平山晃生 | 向田邦子 | 蔵悦子、山口譲 |
30 | 5.9 | 愛してるよ | 千野皓司 | 窪田篤人 | 桜井センリ |
31 | 5.30 | ママなんかほしくない | 渡辺篤 | ||
32 | 6.13 | 運命は皮肉 | 平山晃生 | 松木ひろし | 林隆三、植田峻 |
33 | 6.20 | 父親3人組 | 向田邦子 | 水沢有美 | |
34 | 6.27 | ラブレター事件 | 田辺靖雄、水野哲、斉藤こず恵 | ||
35 | 7.25 | とんだ情操教育 | 田中知己 | 西岡慶子、武智豊子 | |
36 | 8.1 | 千春を引取ります | 平山晃生 | 窪田篤人 | 松山英太郎、伊藤るり子 |
37 | 8.8 | 千春の陰謀 | 松山英太郎 | ||
38 | 8.22 | 長い間お世話になりました | |||
39 | 9.5 | 新婚旅行やりなおし | 向田邦子 | 津村秀祐、高石侑民子 | |
40 | 9.19 | 人生航路の出発点 | 千野皓司 | 窪田篤人 |
エピソード
- 幼稚園児との設定である千春を演じた杉田かおるは、当時小学2年生だった。
- 劇中で千春は猫(ニャロメ)を飼うが千晴を演じた杉田かおるは猫が苦手だったため、第21話で猫が逃げるエピソードが製作された。
- 日本酒メーカーの月桂冠がスポンサーだったため、劇中ではバーでもビールやウイスキーではなく日本酒が出された。
- 第9話で右京と内田が、第10話で清太郎たちが会食した“どぜう伊せ喜”は、江東区高橋に実在する1887年(明治20年)創業の老舗である。
- 第10話の劇中で廃止された都電として登場する都電高橋線(23系統)は、実際に1972年(昭和47年)11月12日付で廃止された。
- 第18話で昇が訪れる佃煮屋“天安”は、中央区佃に実在する1837年(天保8年)創業の老舗である。
- 第22話で右京が歌った「オバQえかきうた」は『新オバケのQ太郎』(1971年)のエンディング・テーマである。第15話にゲスト出演した太田淑子は同作で正太の声を演じている。
- 第24話の脚本の矢田陽子は「やだよう!」をもじった向田邦子のペンネームである。
- 第29話で園子が千春を連れて訪れる“飯野病院”は、東京・調布市に実在する病院でロケ撮影を行った。1997年に全面的に建て替えられたため当時の面影はない。
- 第31話の若松で流れる音楽は、当時のヒット曲「赤とんぼの唄」(あのねのね)である。
反響
平均視聴率は11パーセント前後であったが、再放送が繰り返されたことにより人気を獲得した。
日本テレビ系 水曜20時台 (1972年10月4日 - 1973年9月19日) |
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前番組 | 番組名 | 次番組 |
パパと呼ばないで
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