ユニオン映画
ユニオン映画株式会社(ユニオンえいが)は、放送番組、映画、舞台演劇等々のコンテンツ製作、コンテンツ事業展開を主な事業内容とする日本の企業である。日本テレビの関連会社を経て、第一興商の子会社。
Contents
概要
日本テレビの関連会社として、レコード会社の日本クラウンと日本テレビの共同出資で1970年2月10日に設立された[1]。1978年当時は日本テレビが3000万円を出資して23%の5万株を保有する筆頭株主で、その他に大日本印刷と電通がそれぞれ4万株、クラウンレコードが3万株を保有した。会長にはクラウンレコード設立者で若築建設(当時の若松築港会社)の有田一壽、社長には日活を追われた元日活専務の江守清樹郎が就任[2][3]。有田一壽の人脈で設立時には出光興産も出資して2万株を保有していた[4]。
日活の江守清樹郎の他、内紛で東映を退社した今田智憲は有田の誘いで取締役に迎えられ[5]、大映を出て日映事件に関わった竹内源三郎も東映を経て社長を務めるなど、映画会社の出資は受けていなかったが映画人が経営に参加。事業目的には劇場映画の製作も掲げられた[1][6]。
主要株主だった日本テレビからは、野崎一元(野崎元晴)が社長に[7][8]、松本紀彦[2]や小坂元敬が専務を務め、日本テレビの番組を中心に制作していたが[1]、後に株式売却により日本テレビとの資本関係を解消[9]。大株主の日本クラウンが第一興商の資本系列下に入り、ユニオン映画も第一興商グループ入りし、2004年3月現在には日本クラウンが15万1千株で筆頭株主、続いて第一興商が14万株、電通が4万株の株主構成に[10]、2009年には株主5名のうち、第一興商が29万株で筆頭株主に電通が4万株という構成で[11]、第一興商の子会社となっている[12]。
1970年代に人気になった作品には『気になる嫁さん』『パパと呼ばないで』『雑居時代』『気まぐれ天使』など石立鉄男主演の一連のホームコメディドラマ(石立ドラマシリーズ)や[13][14][15][16]、『俺たちの旅』[17][18][19]、『ゆうひが丘の総理大臣』などの中村雅俊主演の青春ドラマがある。
また『子連れ狼』『伝七捕物帳』、火曜8時の里見浩太朗主演シリーズなど日本テレビの時代劇路線を担い[1][20]、東映や松竹など9社からなる時代劇コンテンツ推進協議会の一員となっている[21]。時代劇では、1985年の『忠臣蔵』に始まる大晦日放送の日本テレビ長時間時代劇(年末時代劇スペシャル)はNHKの『紅白歌合戦』に視聴率で民放が一矢報いたとして大いに話題になった[22][23]。
一方では『火曜サスペンス劇場』など現代劇も手掛けてきた[1]。フィルムによるテレビ映画などテレビドラマ制作を中心に据えていたが、徐々にスタジオVTR番組も増やして『笑点』『日曜ビッグスペシャル』『火曜ゴールデンワイド』などバラエティー番組の制作も手掛けている[1][2]。
沿革
- 1970年2月設立
- 2006年ネクスト・プロデュースを吸収合併
製作作品
テレビドラマ
日本テレビ
- 素晴らしきサーカス野郎
- 火曜サスペンス劇場
- カネボウヒューマンスペシャル
- 付添人のうた(制作協力)
- 生誕100年記念 松本清張ドラマスペシャル
- 連続ドラマ
ほか
TBS
- 月曜ゴールデン
- 万引きGメン・二階堂雪
- 美食カメラマン星井裕の事件簿
- 警視庁機動捜査隊216
- 捜査指揮官 水城さや
- 鑑識捜査官 亀田万武夫の臨場ファイル
- 月曜ドラマスペシャル
ほか
フジテレビ
- 金曜エンタティメント
- モデルハウス
- キャリア探偵日菜子の調査ファイル
- 金曜プレステージ
- スペシャルドラマ
- 連続ドラマ
- 大捜査線(全30話)
テレビ朝日
- 土曜ワイド劇場
- タクシードライバーの推理日誌26
- 警視庁特捜刑事の妻
ほか
テレビ東京
ほか
関西テレビ
- 連続ドラマ
- 彼(全11話)
- 直木賞作家サスペンス
- 三角波
ほか
読売テレビ
- 連続ドラマ
ほか
※当時子会社のネクスト・プロデュース作品を含む
時代劇
- 年末時代劇スペシャル(日本テレビ)
- 時代劇スペシャル(フジテレビ)
- はぐれ狼
- 狐がくれた赤ん坊
- 連続時代劇(日本テレビ)
- めくらのお市(全25話)[24][25]
- 怪奇十三夜(全13話)
- 青空浪人
- 姫君捕物帳
- 子連れ狼(全79話) 第2話「乞胸お雪」は欠番扱いで、公式ホームページでも抹消されている。理由は公表されていない。
- 長七郎江戸日記(全218話)
- 新五捕物帳(全196話)
- 伝七捕物帳(全160話)
- 八百八町夢日記(全68話)
- 松平右近事件帳→新・松平右近(全51話/全22話)
- 銭形平次(全37話)
- 江戸の用心棒(全43話)
- さむらい探偵事件簿(全14話)
- 半七捕物帳(全18話)
- 闇を斬る!大江戸犯科帳(全22話)
- おんな浮世絵・紅之介参る!(全26話)
- 長崎犯科帳(全26話)
- 右門捕物帖(全33話)第17話「少林寺から来た凄い奴」は欠番扱いで、公式ホームページでも抹消されている。理由は公表されていない。
- ほか
- 新春ワイド時代劇(テレビ東京)
映画
- 羊のうた
- 流転の海(制作協力)
- Song for USA(制作協力)
- アイアンガール ULTIMATE WEAPON[26](2015年)
情報・バラエティ番組
- 笑点(日本テレビ)※現在も放送中
- 元祖どっきりカメラ(日本テレビ)
- 平成あっぱれテレビ(日本テレビ)
- 24時間テレビ 「愛は地球を救う」(日本テレビ)
- 天才!ヒポカンパス(フジテレビ)
- 旅の香り(テレビ朝日)
- 徳光和夫の情報スピリッツ(テレビ東京)
- 月10万円で豊かに暮らせる町&村(テレビ東京)
- 主治医が見つかる診療所(テレビ東京)
- いい旅・夢気分(テレビ東京)
- 日曜ビッグバラエティ「食いしん坊家族」(テレビ東京)
- 時代劇を10倍楽しく見る法(NHK-BS)
- 寅さん映画の世界(NHK-BS)
- 絶対に笑ってはいけない科学博士24時(日本テレビ、制作協力)
- 出川哲朗の充電させてもらえませんか?(テレビ東京)
関連項目
- 日本テレビ火曜8時枠時代劇
- 日本テレビ水曜8時枠連続ドラマ
- チャンネルNECO - 石立鉄男主演ドラマを再放送。
出典
- ↑ 1.0 1.1 1.2 1.3 1.4 1.5 石井清司『全国テレビプロダクションベスト100社』東急エージェンシー出版部、2003年、p.483
- ↑ 2.0 2.1 2.2 『大衆とともに25年 沿革史』日本テレビ放送網、1978年、pp.222、406
- ↑ 板持隆『日活映画 興亡の80年』社団法人日本映画テレビプロデューサー協会、1999年、p.118
- ↑ 「ユニオン映画社長有田一寿氏(交友抄)」『日本経済新聞』1986年9月6日付
- ↑ 大下英治『小説東映 映画三国志』徳間書店、1990年、pp.293、297
- ↑ 安倍道典『昭和思い出の記 大映テレビ独立の記録』講談社出版サービスセンター、2005年、p.213
- ↑ 志賀信夫『昭和テレビ放送史 上』早川書房、1990年、p.167
- ↑ 能村庸一『実録テレビ時代劇史 ちゃんばらクロニクル1953-1998』東京新聞出版局、1999年、p.198
- ↑ 企業集団等の概況 日本テレビ公式サイト内
- ↑ 『会社総鑑 未上場会社版 下巻 2005』日本経済新聞社、p.6427
- ↑ 『帝国データバンク会社年鑑 東日本 2010年90版』p.1997
- ↑ 決算のご報告 ECHO発行 - 第一興商 第一興商公式サイト内 2013年9月30日
- ↑ 杉田かおる、松木ひろし「石立鉄男を語ろう」『週刊現代』2012年8月16日号、p.160
- ↑ 対談泉麻人、上滝徹也「僕らが好きなあのドラマ」『週刊現代』2011年7月16日・23日合併号、p.173
- ↑ 『テレビ夢50年 番組編4 1981-1988』日本テレビ放送網、2004年、p.72
- ↑ 『大衆とともに25年 沿革史』日本テレビ放送網、1978年、p.233
- ↑ 読売新聞芸能部『テレビ番組の40年』日本放送出版協会、1994年、pp.183-186
- ↑ 岡田晋吉『青春ドラマ夢伝説 あるプロデューサーのテレビ青春日誌』日本テレビ放送網、2003年、p.134
- ↑ 『TV青春白書 僕たちの卒業アルバム』東京ニュース通信社、1995年、p.186
- ↑ 能村庸一『実録テレビ時代劇史 ちゃんばらクロニクル1953-1998』東京新聞出版局、1999年、p.434
- ↑ 『CSTVチャンネル大研究』アスペクト、1998年、p.28
- ↑ 能村庸一『実録テレビ時代劇史 ちゃんばらクロニクル1953-1998』東京新聞出版局、1999年、pp.304-306
- ↑ 岩佐陽一、大久保一光構成・執筆『日テレドラマ半世紀』日本テレビ、2005年、p.218
- ↑ “めくらのお市 - ドラマ詳細データ -”. テレビドラマデータベース. . 2018閲覧.
- ↑ “監督石井輝男 Official Web Site テレビ作品”. www.ishiipro.com. . 2018閲覧.
- ↑ アイアンガール ULTIMATE WEAPON 公式HP