みやこ町
みやこ町(みやこまち)は、福岡県北東部の京都(みやこ)郡に属する町。
地理
福岡県の北東部、行橋市の南西側に位置し筑豊地方と隣接する町である。旧犀川町南部は谷や山地が多く、冬場は積雪しやすいため野峠周辺にはスキー場もある。行橋市に隣接する地域や旧豊津・勝山町域は京都平野の田園地帯であり、今川や祓川が流れる。また北部はカルスト台地の平尾台となっている。地理的にも交通の要所であり、福岡〜行橋を結ぶ国道201号が東西に延びる。筑豊地方との分水嶺である仲哀峠を新仲哀トンネル(1,365m)が貫き、毎日多くの自動車が行き交う。近年は東九州自動車道(椎田道路)が整備された事により北九州〜大分へのアクセスが格段に容易となった。
山地
- 仲哀峠 (国道201号) - 筑豊地方と京築地域を結ぶ、交通の要所である。旧道沿いの仲哀公園は桜の名所として知られる。
- 味見峠 (福岡県道64号苅田採銅所線) - 仲哀峠の北に位置し、仲哀峠と同様に筑豊と京築地域を結ぶ交通の要所である。
- 大坂山(福岡県道204号)田川犀川線 - 大坂山には行橋中継局が設置されており、福岡県内のテレビ放送、FM局の中継拠点として1965年(福岡放送は1969年・TVQ九州放送は1993年)に設置された。今日でも京築地域・田川市郡にかけて電波を送信している。しかしながら、同じ町内の旧犀川町南部と豊津地区の一部では電波が届きにくいため、小規模中継局である豊津中継局で補っている地域もある。
- 平尾台 (福岡県道28号直方行橋線)(北九州市小倉南区と隣接)
- 野峠 (国道496号)(大分県境)
二級河川
- 今川
- 祓川
隣接している自治体・行政区
主要都市までの距離
歴史
みやこ町は歴史的に重要な遺跡や遺物などが数多く発見されている。豊前国の国府跡や国分寺跡も豊津地区で発見されており、豊前国の中心地だったとされている。現在、国府跡地は豊前国府跡公園として整備されている。
1866年、長州藩の第二次長州征伐により攻撃を受けた小倉藩が小倉城に火を放ち、城から撤退。のち小倉藩は藩庁を現在の旧豊津町に新設した。豊津陣屋。1871年の廃藩置県で豊津県の県庁が置かれたが、同年内に小倉県に編入され、のちに小倉県が福岡県に編入されたため福岡県内に組み入れられた。
1876年に起こった秋月の乱において戦場となった。このとき戦死した士族の墓は現在、「秋月党戦士の墓」として残っている。
近現代
- 1889年4月1日 町村制施行に伴い、現在の町域にあたる以下の町村が発足。
- 京都郡諫山村・久保村・黒田村
- 仲津郡豊津村・祓郷村・節丸村・東犀川村・西犀川村・南犀川村
- 1896年4月1日 郡制施行に伴い、京都郡・仲津郡の区域をもって改めて京都郡が発足。
- 1905年2月1日 京都郡東犀川村・西犀川村・南犀川村が対等合併。犀川村となる。
- 1943年2月11日 犀川村が町制施行。犀川町となる。
- 1943年4月10日 豊津村・節丸村が対等合併し、新村制による豊津村が発足。
- 1955年3月1日
- 豊津村・祓郷村が対等合併し町制施行。豊津町が発足。祓郷村の一部の地区は行橋市に編入。
- 諌山村・久保村・黒田村が対等合併し町制施行。勝山町が発足。
- 1956年9月30日 京都郡城井村・伊良原村を犀川町に編入。
- 2006年3月20日 豊津町・犀川町・勝山町の3町が対等合併し、みやこ町が発足。町名は郡名に因む。
市町村合併
当初2003年から行橋市と築上郡椎田町・築城町(現在は築上町)を含む6市町で法定合併協議会を設けて協議してきたが、2003年11月、旧築城町の離脱で破談となり、旧椎田町・旧築城町を除く4市町で合併勉強会を発足させるが議員定数で意見が対立したため合併勉強会は解散した。その後、京都郡3町で合併協議会を設け、新役場の位置などで協議が紛糾した事もあったが、3町での合併に至った。
歴代町長
- 白石春夫(2006年4月23日-2010年4月22日)1期
行政
町長
- 井上幸春(3期目)
- 任期:2022年4月22日
町議会
- 定数:16人
- 任期:2019年4月30日
支所・出張所
- 豊津支所(豊津)
- 犀川支所(犀川本庄)
- 城井出張所
- 伊良原出張所
警察
- 福岡県警察行橋警察署
- 犀川駐在所(さいがわ・犀川本庄442番地)
- 城井駐在所(きい・犀川木井馬場2291番1号)
- 諌山駐在所(いさやま・勝山岩熊595番5号)
- 黒田駐在所(くろだ・勝山黒田1464番5号)
- 久保駐在所(くぼ・勝山大久保2169番3号)
- 豊津駐在所(とよつ・豊津343番1号)
- 祓郷駐在所(はらいごう・呰見1742番地)
公共施設
- 文化・教育施設
- サン・グレートみやこ(勝山黒田86-1)
- 中央図書館(豊津1122-12)
- 歴史民俗博物館(豊津1122-13)
- 犀川文化会館(犀川本庄644)
- いこいの里(犀川古川50)
- 福祉施設
- 勝山保健福祉センター「ゆいの郷」(勝山上田971)
- 豊津福祉センター「すどりの里」(豊津2174-1)
- スポーツ施設
- 勝山運動公園(勝山宮原378-1)
- 勝山体育館(勝山上田976)
- 豊津陸上競技場(国分1205)
- 豊津グラウンド(豊津1113)
- 豊津体育館(豊津1099-1)
- 犀川運動公園(犀川末江500-3)
- 犀川体育館(犀川本庄641-1)
その他
選挙区
地域
人口
みやこ町(に相当する地域)の人口の推移 | |
総務省統計局 国勢調査より |
経済圏・生活圏
経済・文化面等で行橋市との結び付きが強い町で、行橋市の経済圏、生活圏に属する。市外局番は「0930」で行橋市・築上町と同一。また 北九州市への通勤・通学圏内で、2000年国勢調査では旧豊津町、犀川町、勝山町ともに北九州都市圏の10%通勤圏に属す。なお、町域が歪な形をしており、豊津地区中心部と勝山地区中心部を行き来する場合、行橋市を経由するルートが最短となる。犀川地区中心部から勝山地区中心部に行き来する最短ルートは峠道となっている(現在ではトンネルが完成している)。
地名
旧豊津町のみ「みやこ町」に続き大字を表示し、それ以外の2町は合併前の町名に合わせ大字の前に「犀川」「勝山」を冠している。
- 旧豊津町
- 彦徳(旧豊津村)
- 国分(旧豊津村)
- 豊津(旧豊津村)
- 上坂(旧節丸村→豊津村)
- 上原(旧節丸村→豊津村)
- 節丸(旧節丸村→豊津村)
- 光冨(旧節丸村→豊津村)
- 吉岡(旧節丸村→豊津村)
- 呰見(旧祓郷村)
- 綾野(旧祓郷村)
- 有久(旧祓郷村)
- 国作(旧祓郷村)
- 下原(旧祓郷村)
- 惣社(旧祓郷村)
- 田中(旧祓郷村)
- 徳政(旧祓郷村)
- 徳永(旧祓郷村)
- 犀川
- 鐙畑
- 生立
- 大熊
- 大坂
- 大村
- 上高屋
- 喜多良
- 木山
- 崎山
- 下高屋
- 末江
- 続命院
- 谷口
- 花熊
- 久富
- 古川
- 本庄
- 八ツ溝
- 柳瀬
- 山鹿
- 犬丸(旧城井村)
- 内垣(旧城井村)
- 木井馬場(旧城井村)
- 横瀬(旧城井村)
- 扇谷(旧伊良原村)
- 上伊良原(旧伊良原村)
- 下伊良原(旧伊良原村)
- 帆柱(旧伊良原村)
- 勝山
- 池田(旧諌山村)
- 岩熊(旧諌山村)
- 浦河内(旧諌山村)
- 長川(旧諌山村)
- 宮原(旧諌山村)
- 矢山(旧諌山村)
- 大久保(旧久保村)
- 松田(旧久保村)
- 上田(旧黒田村)
- 上黒田(旧黒田村)
- 下黒田(旧黒田村)
- 中黒田(旧黒田村)
- 箕田(旧黒田村)
市外局番
- 町内全域「0930」(行橋MA)
- 勝山・豊津地区「0930-3X-XXXX」
- 犀川地区「0930-4X-XXXX」
郵便番号
- 「824-xxxx」
教育・保育
高等学校
- 福岡県立育徳館高等学校(2007年に豊津高等学校から校名を改称)
中学校
小学校
- 町立
- 黒田小学校
- 久保小学校
- 諌山小学校
- 豊津小学校
- 祓郷小学校
- 節丸小学校
- 犀川小学校
- 上高屋小学校
- 柳瀬小学校
- 城井小学校
- 伊良原小学校
幼稚園
- 私立
- のびのび幼稚園
- 認定子ども園太陽の森
保育園
- 公立
- 久保保育所
- 豊津保育所
- 犀川保育所
- 私立
- いさやま保育園
- 城井保育園
- 犀川のぞみ保育園
- 飛龍保育園
- 祓郷保育所
経済・産業
- 農業が盛んである。
商業
豊津地区、犀川地区などに小規模商業地が点在する程度で商業の集積は少ない。国道201号や福岡県道58号椎田勝山線の沿道にコンビニエンスストア、飲食店、スーパーマーケットが点在する。
特産品
- 勝山米
- タケノコ
名所・史跡
- 豊津地区
- 豊前国府跡公園(豊前国の国府があったとされている。)
- 豊前国分寺三重塔
- 思永館
- 八景山自然公園
- 小笠原神社
- 犀川地区
- 勝山地区
交通
町内を走る平成筑豊鉄道(旧田川線)は、かつては筑豊炭田からの石炭の輸送を担っていた。現在は、筑豊炭田は全て閉山してしまったため、輸送量は大幅に減少している。しかし、歴史的に重要な建造物が未だに残っており、赤村境の第二石坂トンネルは九州最古の鉄道トンネルである。第二石坂トンネルは1999年に国の登録有形文化財に登録されている。
鉄道
JR日豊本線では旧勝山・犀川町からは行橋駅(行橋市)、旧豊津町からは新田原駅(行橋市)または築城駅(築上町)が最寄りである。また、平成筑豊鉄道豊津駅は隣接する行橋市矢留に位置する。
バス
かつては現在の町域の各地に西鉄バスが運行されていたが、2000年代にすべて廃止され、以下の各事業者・路線で代替されている。
- 太陽交通:行橋市とみやこ町内各地を結ぶ路線、行橋市からみやこ町を経て香春町に至る路線、築上町とみやこ町を結ぶ路線を運行している。
- さいがわミニバス:犀川駅 - 帆柱間の1路線。犀川タクシーに運行委託。旧犀川町の犀川駅とその南側の山間部の集落を結ぶ。
- 福祉バス - 運賃無料。
道路
町内には国道10号、国道496号、国道201号などの主要国道が延びており、国道10号経由で北九州市・行橋市・大分方面、国道201号経由で田川市・福岡市方面、国道496号経由で日田市方面へのアクセスが容易である。
町内にある東九州自動車道 みやこ豊津インターチェンジは2014年12月13日に開通した[1]。開通前は東九州自動車道 行橋インターチェンジ、大分自動車道 日田インターチェンジなどが最寄りICであった。
高速道路
一般国道
県道
- 主要地方道
- 一般県道
空港
みやこ町出身の著名人
- 岩垂邦彦(NEC創業者)
- 葉山嘉樹(プロレタリア文学作家)
- 堺利彦 (社会主義者・思想家・作家・小説家)
- 吉田増蔵(漢学者)
- 丸山孝彦(元幕内力士)
- 片岡功二(元プロサッカー選手)
- 柿本倫明(プロサッカー選手、松本山雅FC所属)
- 長野聡(プロサッカー選手、ギラヴァンツ北九州所属)
- 小宮豊隆(独文学者、文芸・演劇評論家)
- 永井龍雲 (シンガーソングライター)
脚注
- ↑ 東九州自動車道(行橋(ゆくはし)IC~みやこ豊津(とよつ)IC間)が平成26年12月13日(土曜)に開通します― 早期開通割引を期間限定で実施 ―(西日本高速道路 2014年10月24日)
外部リンク