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| ユニットコスト=<br /> '''787-8:''' 1億8,520万[[アメリカ合衆国ドル|USドル]](2010年)<br /> '''787-9:''' 2億1,810万USドル(2010年)
 
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'''ボーイング787 ドリームライナー'''({{lang|en|'''Boeing 787 Dreamliner'''}})は、[[アメリカ合衆国]]の[[ボーイング]]社が開発・製造し、[[ボーイング757]]・[[ボーイング767|767]]・[[ボーイング777|777]]の一部を後継する、次世代中型ジェット[[旅客機]]。
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'''ボーイング787 ドリームライナー'''({{lang|en|'''Boeing 787 Dreamliner'''}})
 
 
中型機としては長い[[航続距離]]が特長で、従来の大型機による長い飛行距離も本シリーズの就航で直行が可能とされ、需要がさほど見込めず大型機では採算収支が厳しい長距離航空路線も開設が可能となった。
 
 
 
本項では以下、ボーイング製の旅客機について「ボーイング」の表記を省略して数字のみで表記する。例として「ボーイング777」は「777」とする。
 
 
 
==名称 ==
 
愛称の「ドリームライナー」は、公募後に2003年6月の[[パリ航空ショー]]期間中に発表された。研究段階では'''Y2'''、開発段階では'''7E7'''と称され<ref>Eは効率のEfficiencyによるが、ボーイング社は「単に "'''E'''ight" の頭文字」とした。</ref><ref name="787_flyingredef">{{cite book |author=Norris, G.; Thomas, G.; Wagner, M. and Forbes Smith, C. |title=Boeing 787 Dreamliner – Flying Redefined |publisher=Aerospace Technical Publications International |year=2005 |isbn=0-9752341-2-9}}</ref>、[[2005年]][[1月28日]]([[シアトル]]時間)に従来の命名方式を踏襲した'''787'''に変更された<ref>{{Cite web |author= |date=2005-1-28 |url=http://www.boeing.com/news/releases/2005/q1/nr_050128g.html |title=Boeing Gives the 7E7 Dreamliner a Model Designation |publisher=Boeing |language=英語 |accessdate=2012-11-24}}</ref>。777に次いで開発されたことから「787」の名称が予想されていた。
 
 
 
==開発経緯 ==
 
[[1995年]]に就航開始した777に次ぐ機種の開発を検討していたボーイングは、将来必要な旅客機は[[音速]]に近い[[遷音速]]で巡航できる高速機であると考え、[[2001年]]初めに250席前後の[[ソニック・クルーザー]]を提案した。しかし2001年9月の[[アメリカ同時多発テロ事件]]後に航空需要が低下した影響などから、運航経費の抑制を図る航空会社各社の関心を得られず、[[2002年]]末にソニック・クルーザーの開発を諦めて通常型7E7の開発に着手した。通常型7E7は、速度よりも効率を重視した767クラスの双発中型旅客機で、[[2003年]]末に航空会社への販売が社内承認された。
 
 
 
2004年4月に[[ローンチカスタマー]]として[[全日本空輸]]が50機を発注して開発が始まり呼称も787に改められた。その後、[[日本航空]]、[[ノースウエスト航空]]、[[コンチネンタル航空]]<ref>ノースウエストとコンチネンタルの発注契約は、それぞれ後継の[[デルタ航空]]と[[ユナイテッド航空]]に引き継がれている。</ref>など多数の大手航空会社が発注している。開発当初のスケジュールでは[[2007年]]7月に完成披露、8月から9月ごろに初飛行、その後に試作機6機で試験飛行を行い、[[2008年]]5月に[[連邦航空局]](FAA)の型式証明取得を予定し、取得しだい全日本空輸に引き渡す予定であった。全日本空輸は「2008年6月に国内線へ投入し、8月の[[2008年北京オリンピック|北京オリンピック]]開催時に[[東京国際空港|東京/羽田]] - [[北京首都国際空港|北京/首都]]間のチャーター便に使用する」と発表していた<ref>{{Cite web |url=http://www.business-i.jp/news/sou-page/news/200707090015a.nwc |title=米ボーイング新中型旅客機「B787」 ANA、来年6月路線投入へ |work=[[フジサンケイ ビジネスアイ]] |publisher=産経デジタル |date=2007年7月9日 |accessdate=2013-5-15 |archiveurl=https://web.archive.org/web/20070712103211/http://www.business-i.jp/news/sou-page/news/200707090015a.nwc |archivedate=2007年7月12日 |deadurldate=2017年9月 }}</ref>。
 
 
 
当初は2007年9月末に初飛行して2008年5月に引き渡す予定であったが、新素材を用いる胴体や新機軸を採用したエンジンなど多くの新設計と、開発を世界中の各社で分担したために足並みが揃わなかったことで、開発が大きく難航した。初飛行が行われたのは、当初の予定から2年以上遅れた2009年12月15日である。
 
 
 
1号機を受領予定だった全日本空輸は、北京オリンピック開催時の就航も不可能となり、就航計画の変更を余儀なくされた。受領予定だった1号試験機 - 3号試験機については、量産型に比べて機体重量が増加して本来の性能が得られないことから受領を拒否している<ref>{{cite news |title=全日空:米ボーイング787納入遅れ、賠償請求へ |url=http://mainichi.jp/select/biz/news/20080326k0000m020148000c.html |newspaper=[[毎日新聞]] |date=2008-03-26 |accessdate=2013-01-11 |archiveurl=https://web.archive.org/web/20080330231500/http://mainichi.jp/select/biz/news/20080326k0000m020148000c.html |archivedate=2008年3月30日 |deadurldate=2017年9月 }}</ref>。
 
 
 
===日本でのテスト飛行 ===
 
{{Double image aside|right|Boeing787-8 N787EX Haneda NH9851 takeoff.jpg|200|B787 1st landing at Itami .jpg|220|適合性検証(SROV)のため東京国際空港から離陸する787-8型機(2011年7月5日・N787EX)|適合検証プログラム(SROV)で大阪国際空港に初飛来した787-8型機(2011年7月5日・N787EX)}}
 
 
 
ローンチカスタマーの全日本空輸とボーイング社が、本機と日本の空港設備の適合性検証プログラム (Service Ready Operational Validation:SROV) <ref>{{Cite web|url=https://www.ana.co.jp/pr/11_0709/11-ana-boeing-0704.html|title=ボーイングとANA、日本で787の検証プログラム(SROV)を開始|accessdate=2017-12-19|author=ANA広報室|authorlink= |coauthors=ボーイング ジャパン|date=2011-07-04|work=ANAグループ企業情報 プレスリリース|publisher=[[ANAホールディングス]]株式会社|language=ja}}</ref>を実施するため、2011年7月3日に全日本空輸の塗装を施された登録記号N787EXの787-8型機が[[羽田空港 (大田区)|羽田]]の[[東京国際空港]]へ初来日した<ref>{{cite news|title=ボーイング:新世代旅客機787が羽田空港に到着|newspaper=毎日新聞|date=2011-07-03 |url=http://mainichi.jp/norimai/air/graph/20110703ANA787/|accessdate=2011-07-05|archiveurl=https://web.archive.org/web/20110704060249/http://mainichi.jp/norimai/air/graph/20110703ANA787/|archivedate=2011年7月4日|deadurldate=2017年9月}}</ref>。7月5日から10日まで羽田と[[中部国際空港|中部]]、[[大阪国際空港|伊丹]]、[[関西国際空港|関西]]、[[岡山空港|岡山]]、[[広島空港|広島]]の各空港を往復し、[[搭乗橋]]の接続や給油など実際の就航を想定して試験した<ref>{{cite news|title=大阪空港に最新鋭787 反った主翼、ファン多数|agency=共同通信|newspaper=47NEWS|date=2011-07-05|url=http://www.47news.jp/CN/201107/CN2011070501000247.html|accessdate=2011-07-05}}</ref>。
 
 
 
2011年9月25日に、全日本空輸は[[ボーイング・エバレット工場|ボーイングのエバレット工場]]で初号機の引き渡しを受けて26日に祝賀式典を行った<ref>{{Cite press release|title=ボーイング787 ANAへの初号機納入日が決定|url=https://www.ana.co.jp/pr/11-0709/11-ana-boeing-0826.html|accessdate=2017-12-19|author=ANA広報室|authorlink= |coauthors=ボーイング ジャパン|date=2011-08-26|work=ANAグループ企業情報 プレスリリース|publisher=[[ANAホールディングス]]株式会社|language=ja}}</ref>。
 
 
 
2011年9月28日に、本機種の初号機で登録記号JA801Aの全日本空輸仕向け1号機がロールアウトから4年越しで羽田空港に到着し、10月12日から同月23日にかけて乗員慣熟飛行を行った<ref>[http://www.ana.co.jp/promotion/b787/info/archive.html#13 ボーイング787 乗員慣熟飛行ダイヤについて] - 全日本空輸 ボーイング787スペシャルサイト 2011年10月11日</ref>。{{-}}
 
 
 
==引き渡し、就航 ==
 
[[File:All Nippon Airways Boeing 787-8 Dreamliner JA801A OKJ.jpg|thumb|right|250px|岡山空港に着陸する787-8型機(2011年10月16日・JA801A)]]
 
2011年10月26日、全日本空輸が[[成田国際空港|成田]] - [[香港国際空港|香港]]間で、787として世界初の商業運航を行った。11月1日、羽田 - 岡山・広島線で国内線定期便運航を開始した。全日本空輸では1・2号機については特別塗装を施し、3号機以降は通常塗装とするが、787であることをよりわかりやすくするため、機体前方に巨大[[ロゴタイプ|ロゴ]]「787」をペイントすることになった<ref group="注">[http://www.ana.co.jp/pr/11-1012/11a-140.html ボーイング787の通常塗装機に‘787’ペイント] - 全日本空輸プレスリリース 2011年12月27日。通常塗装に型式名を大書する事例(機体後部の登録記号と併記するものは除く)は、同社の[[ボーイング777#777-200(772A)|777-200]]以来となる(777-200の導入当初は1 - 3号機の垂直尾翼に「ANA」の代わりに「777」と表記していた)。</ref>。
 
 
 
ただし、2014年2月以降に受領する機体は「787」のロゴはペイントされていない<ref group="注">機体番号:JA825Aからは通常塗装かつロゴ表記は2013年に制定されたタグラインを加えた「ANA(日の丸) Inspiration of JAPAN」となった。</ref>。
 
 
 
2012年1月14日、全日本空輸は、羽田 - [[北京首都国際空港|北京]]線で国際線定期便運航を開始した。使用されたのは前述の3号機(JA805A;長距離国際線用)である。同社は2012年夏期より国内線専用機(座席仕様2クラス制:プレミアムクラス12席・普通席323席、計335席)の導入を開始している。国内線専用機の導入が進むと同時に、羽田 - [[福岡空港|福岡]]・[[鹿児島空港|鹿児島]]線、羽田 - [[熊本空港|熊本]]線にも順次投入され、2012年秋から羽田 - [[新千歳空港|札幌]]線にも就航した<ref>[https://www.ana.co.jp/pr/ ボーイング787の国内線専用機の導入について] - 全日本空輸プレスリリース 2012年1月18日</ref>。
 
[[File:Japan Airlines Boeing 787-846 Dreamliner Kustov.jpg|thumb|right|250px|[[ドモジェドヴォ国際空港|モスクワ・ドモジェドヴォ国際空港]]に到着した、日本航空の787-8型機(2012年5月17日・JA826J)]]
 
 
 
2012年4月22日、日本航空は新規開設となる成田 - [[ジェネラル・エドワード・ローレンス・ローガン国際空港|ボストン]]線に787-8(JA822J)を就航させた<ref>[http://press.jal.co.jp/ja/release/201105/001802.html 成田=ボストン線の新規開設について] - 日本航空プレスリリース 2011年5月27日</ref>。これは日本航空にとって787の初就航路線となった。成田とボストン間の直行便は史上初のことであった。日本航空は当分の間は787の特性を最大限に生かせる国際線のみに就航させる予定であると発表している。
 
 
 
2012年5月1日、日本航空は成田 - [[インディラ・ガンディー国際空港|ニューデリー]]線での運航を開始し、同月7日に[[ドモジェドヴォ空港|モスクワ]]線と羽田 - 北京線での運航も開始した。
 
 
 
2013年1月4日、ユナイテッド航空は[[ロサンゼルス国際空港|ロサンゼルス]] - 成田線に日本国外の航空会社としては初めて日本への路線に787を就航させた<ref>[http://response.jp/article/2013/01/09/188417.html ユナイテッド航空、国際線に787ドリームライナーを初就航、成田〜LA間に導入] レスポンス(2013年1月9日)</ref>。
 
 
 
2013年1月16日、[[LOTポーランド航空]]は[[ワルシャワ・フレデリック・ショパン空港|ワルシャワ]] - シカゴ線で787の運航を開始したが、この日に全世界的に787の運航停止が決定したため、同路線は就航日に往路のみの運航となり、復路は欠航となった。
 
 
 
2013年5月以降、ボーイングによるバッテリーユニット改修の目処がつき、製作し滞留していた納入待ちであった多数の機体を納入して引き渡している。
 
 
 
[[2013年]]5月23日に[[中国民用航空局]](CAAC)は長く先送りしていた787の中国国内における運航を許可し、製造済みで納入が遅れていた中国仕向け機が納入開始される見込みとなった。認可についてCAACは、運航許可の先送りと後述のバッテリートラブルの関係を含めて詳細を発表していない。
 
 
 
2013年5月30日、[[トムソン航空]]はバッテリートラブルによる運航停止、再開後、遅れていた同社および[[イギリス]]の航空会社に対する初号機を受領、翌5月31日に2号機を受領し、同年7月8日に就航予定となっている。
 
 
 
2013年5月31日、[[中国南方航空]]はトムソン航空に続き同社および[[中華人民共和国]]に対する初号機を受領、6月2日に[[広州白雲国際空港|広州]] - 北京線で就航させた。
 
 
 
2013年6月27日、[[ブリティッシュ・エアウェイズ]]がロールス・ロイス社製トレント1000を装備した初号機を受領した。
 
 
 
2016年4月27日、通算400号機目にあたる機体番号9V-OFEの787-8を[[スクート]]に引き渡したことを発表した<ref>[http://www.boeingblogs.com/randy/archives/2016/04/400_deliveries.html]</ref>。
 
 
 
2017年2月22日、[[大韓航空]]が初号機である787-9の機体番号:HL8081を受領し、2月24日に韓国へ到着する。ファーストクラス6席、プレステージ(ビジネス)クラス18席、エコノミークラス245席の計269席で構成された機体で、3月7日から韓国国内で運航を開始し、6月ごろからトロント、マドリード、ロサンゼルスなどの長距離路線で運航する予定<ref>[https://www.koreanair.com/global/ja/about/news.html]</ref>としている。当年中に更に4機、2019年までに更に5機の合計10機を導入する計画である。
 
 
 
2018年2月22日、[[シンガポール航空]]が、シンガポール~パース線に787-10を投入すると発表したが<ref>http://www.singaporeair.com/ja_JP/jp/media-centre/press-release/article/?q=en_UK/2018/January-March/ne0818-180222</ref>、2018年に同社が日本へ就航してから50周年の節目を迎えるため、シンガポール - [[関西国際空港|関西空港]]線のうち1往復(SQ618/SQ619)への導入に正式決定となった<ref>[http://www.aviationwire.jp/archives/144933]</ref>。同路線の運行開始は2018年5月3日を予定しており、その後パース線の他に[[東京国際空港|東京]]・[[中部国際空港|セントレア]]・[[福岡空港|福岡]]線の一部へ2018年内の導入が計画されている。
 
 
 
==機体 ==
 
中型の[[ワイドボディ機]]で、ナローボディの757やセミワイドボディの767、および777の一部の後継機と位置づけられている。特にターゲットとなる767より、航続距離や巡航速度は大幅に上回るとともに、燃費も向上している。[[東レ]]製の[[炭素繊維]]を使用した[[炭素繊維強化プラスチック]](カーボン)等の[[複合材料]]の使用比率が約50%{{refnest|group="注"|757・767で3%、777で11%の使用比率<ref>{{Cite journal |和書 |author= |title= |year=2009 |publisher=イカロス出版 |journal=月刊エアライン |issue=2009年1月号 |page= }}</ref>}}であり、残り半分が複合材料に適さないエンジン等なので、実質機体は完全に複合材料化されたといえる。
 
 
 
===概要 ===
 
胴体は767、あるいは[[エアバスA330]]クラスより太く、客室の座席配列は[[エコノミークラス]]で2-4-2の8[[アブレスト]]が基本であるが、3-3-3の9アブレストでも従来の旅客機、737や747の[[エコノミークラス]]とほぼ同等の座席幅を確保でき、[[日本航空]]を除く航空会社は9アブレスト仕様で発注、運行している。この太い胴体のため、床下貨物室に[[コンテナ#航空貨物用コンテナ|LD-3コンテナ]]を2個並列に搭載可能である(床下にLD-3が並列搭載できないことは、A300やA330と比較した時に767の重大な欠点であった)。
 
 
 
客室は従来より天井が20cm高くなっている。面積比で767の約1.2倍、777の約1.3倍、A350の1.65倍の大型の窓が採用され、窓側でなくとも外の景色を見ることができるという。窓はシェードがなく、代わりに[[クロミズム#エレクトロクロミズム|エレクトロクロミズム]]を使った電子カーテンを使用し、乗客各自が窓の透過光量を調節することになる。この電子シェードは、一番暗いときでも透明度が5%あるため、少し外の景色を楽しめる。客室内は[[発光ダイオード|LED]]光により、様々な電色が調整できる。<ref>{{cite news |title=Onboard with Boeing's Dreamliner 787 |url=http://corporateportal.ppg.com/PPG/FeaturedContent/ |newspaper=PPG Aerospace |date=2005-12-15 |accessdate=2013-01-11 |archiveurl=https://web.archive.org/web/20070317110033/http://corporateportal.ppg.com/PPG/FeaturedContent/ |archivedate=2007年3月17日 |deadurldate=2017年9月 }}</ref>その一方で、この電子カーテンはGPSの電波をまったく通さないため、GPSログをとったり、現在位置を知ることはできなくなってしまった。トイレは、日本航空の主導で、TOTO株式会社、株式会社ジャムコ、ボーイング社との共同開発による、日本で一般に普及している[[温水洗浄便座]]がオプションとして採用され<ref>[http://www.jal.co.jp/787/story/#/07/ JALx787 プロジェクトストーリー No.7]</ref>、全日本空輸もこれを国際線用機に採用した。
 
 
 
[[主翼]]はじめ、機体に複合材料を使用しているが、これによって腐食性等の問題が解決され、777では[[旅客機のコックピット|コックピット]]のみへのオプション装備だった[[加湿器]]が、初めてキャビンに標準搭載される。「気体フィルター」と呼ばれる技術を使用した新型フィルターを搭載することにより、従来の[[HEPA|HEPAフィルター]]では除去できなかった気体分子も除去できるようになった。これにより、少なくとも乾燥が原因で発生する健康上の<!-- ? -->症状は半減するとしている。
 
 
 
コックピットは、777のような[[液晶ディスプレイ|LCD]]を多用した[[グラスコックピット]]を進化させたものになり、従来機では機械式であったFMSもLCDに表示され、777から採用されているCCD(Cursor Control Device)等を介して操作できる。主計器ではないが、[[ヘッドアップディスプレイ]](HUD)も装備されている。[[旅客機のコックピット#EFB|エレクトロニック・フライトバッグ(EFB)]]も標準装備される。開発当初、パイロット用酸素マスクは欧米人向けの形になっていたが、全日本空輸の要請により、東洋人の顔つきに合わせたマスクも作られることになった<ref>{{Cite web |url=http://www.ana.co.jp/promotion/b787/history/#35|title=「ワーキング・トゥゲザー」プログラムの真意 |work=We Fly 1st.787 |publisher=全日本空輸 |date= |accessdate=2012-11-24}}</ref>。
 
 
 
[[補助動力装置]](APU)の始動と非常時の[[バックアップ]]用途に[[ジーエス・ユアサ コーポレーション]]製[[リチウムイオン電池]]を民間航空機で初採用<ref>{{cite press release |title=米ボーイングの次世代主力旅客機「787」向けリチウムイオン電池システムを受注 |publisher=[[ジーエス・ユアサ コーポレーション]] |date=2005-6-23 |url=http://www.gs-yuasa.com/jp/nr_pdf/20050623.htm |accessdate=2013-5-3}}</ref><ref group="注">機体後方の電気室内にあるAPU用リチウムイオンバッテリー。英メギット傘下のセキュラプレーン・テクノロジー製造、電池本体はGSユアサ製造。セルとバッテリーが75Ah、公称電圧はセルが3.7V、バッテリーが29.6V。</ref>{{refnest|group="注"|[[マサチューセッツ工科大学]]教授・ドナルド・サドウェイ(材料化学)は、発火しやすい有機電解質を含むリチウムイオン電池ではなく[[ニッケル水素電池]]を採用すべきだったとする。特に発熱の多い電池を冷却無しに高密度で実装しているため熱の逃げ場がなくなっているのに、コンピュータ制御で飛行の安全を確保できるという考え方に疑問を呈している<ref>{{cite news |title=787問題でボーイングに与えられた2つの選択肢 |author= |newspaper=日本経済新聞 |date=2013-1-31 |url=http://www.nikkei.com/article/DGXNASFK2902F_Z20C13A1000000/ |accessdate=2013-05-02}}</ref>。}}。
 
 
 
<gallery widths="180px" heights="150px">
 
File:Boeing 787 cabin LED lights1.jpg|787の客室内の大きな窓と、LED光による電色調整の様子(右と左)
 
File:ANA Boeing 787-8 JA801A window.jpg|電子カーテンを最も暗くした窓(左)と最も明るくした窓(右)
 
File:ANA Boeing 787-8 Dreamliner cabin LED show.jpg|787-8のキャビン(ANA),LED照明によって虹のような配色をすることも可能。
 
File:787-flight-deck.jpg|787のコックピット。LCDはやや大型化<!--何に比して?-->されている
 
File:The nose of Boeing 787-8 HS-TQB.jpg|787の機首部分。コックピットの窓が開閉しないため、緊急脱出用ハッチが機体右側(副操縦士席の上)に装備されている。
 
</gallery>
 
{{-}}
 
 
 
===性能 ===
 
巡航速度は[[マッハ数|マッハ]]0.85となり、マッハ0.80の767、マッハ0.83程度のA330、[[エアバスA340|A340]]より長距離路線での所要時間が短縮されるとされる。
 
 
 
航続距離は基本型の787-8での航続距離は最大で8,500[[海里]](15,700km)、[[ロサンゼルス]]から[[ロンドン]]、あるいは[[ニューヨーク]]から[[東京都|東京]]路線をカバーするのに十分であり、東京から[[ヨハネスブルグ]]へノンストップで飛ぶことも可能である。機種性能として[[ETOPS]]-330の取得が可能である<ref>当初はETOPS-180の取得が可能であったが、[[2014年]]5月にFAAからETOPS-330の認定を受けた</ref>。
 
 
 
767と比較すると燃費は20%向上するとされている。これはCruise FlapsやSpoiler Droopなどによる空力改善・複合材(炭素繊維素材)の多用による軽量化・エンジンの燃費の改善・これらの相乗効果によるものだという。軽量化によって最大旅客数も若干増加している。
 
 
 
787-9では、垂直尾翼のハイブリッド層流制御機構などにより、さらなる低燃費を追求している。{{-}}
 
 
 
===エンジン ===
 
[[File:B787-2139.jpg|thumb|250px|ロールス・ロイス トレント1000]]
 
エンジンは[[ロールス・ロイス・ホールディングス]]製'''[[ロールス・ロイス トレント|トレント1000]]'''と[[GE・アビエーション|ゼネラル・エレクトリック]]の'''[[ゼネラル・エレクトリック GEnx|GEnx]]'''が用意されている。これらのエンジンも国際共同開発である。電気接続のインターフェースを標準化したため、これら2種類のエンジンの交換が可能とされており、将来の技術進歩により高性能エンジンが開発された際に異なるメーカーのエンジンと取り替えることが可能になった。
 
 
 
エンジン始動と発電の両方を行うスタータジェネレータを採用し、従来ブリードエアとスタータタービンにより行っていたエンジン始動の電動化、エアコンや翼縁解氷装置などもブリードエアを使わず電気化する(エンジンナセル(エンジンポッド)の防氷については、他の機種同様にブリードエアを使用)などにより、エンジンコンプレッサからの抽気(ブリード)をほとんど廃止することで燃費向上を図ることができたとされる<ref>{{Cite news |url=http://www.designnewsjapan.com/magazine/2007/07cover_07.html |title=B787スペシャルレポート第1回 空力の電動化がエンジンの進化を加速する |newspaper=design news japan |publisher=リード・ビジネス・インフォメーション |date=2007年7月 |archiveurl=https://web.archive.org/web/20070927203902/http://www.designnewsjapan.com/magazine/2007/07cover_07.html |archivedate=2007年9月27日 |deadurldate=2017年9月 }}</ref>。
 
 
 
外見からもわかる、エンジンナセル後端のギザギザのシェブロンパターンは、「[[シェブロン (航空)|シェブロンノズル]]」と呼びファン流と燃焼ガス流を混合して騒音を低下させる効果を狙ったものである。
 
 
 
ローンチカスタマーの全日本空輸はロールスロイス製エンジンを選択した<ref>{{Cite web| url= https://www.ana.co.jp/pr/04-1012/04-127.html|title = 次世代中型機「7E7シリーズ」のエンジンを「Trent 1000」に決定(全日本空輸公式サイト内プレスリリース)|accessdate = 2010-11-14}}</ref>が、ボーイングの旅客機でアメリカ製以外のエンジンを搭載した仕様によるローンチは、過去に757の事例があるのみである<ref>イカロス出版『旅客機型式シリーズ2 ハイテク・ツイン・ジェット Boeing757&767』p60</ref>。
 
 
 
===国際共同事業の推進 ===
 
787は機体の70%近くを海外メーカーを含めた約70社に開発させる国際共同事業である。これによって開発費を分散して負担できるとともに、世界中の最高技術を結集した機体になるとしている。参加企業は下請けを含めると世界で900社におよぶ。[[イタリア]]、[[イギリス]]、[[フランス]]、[[カナダ]]、[[オーストラリア]]、[[大韓民国|韓国]]、[[中華人民共和国]]といった国々が分担生産に参加しており、[[日本]]からも[[三菱重工業]]を始めとして数十社が参加している。ボーイング社外で製造された大型機体部品やエンジン等を最終組立工場に搬送するため、[[ボーイング747-400#747-400LCF型|貨物型の747を改造した専用の輸送機]]が用いられており、日本では部品の生産工場が「[[アジアNo.1航空宇宙産業クラスター形成特区]]」(国指定国際戦略総合特区)<ref name="tokku">{{Cite web  |url = http://www.kantei.go.jp/jp/singi/tiiki/sogotoc/toc_ichiran/toc_page/k5_koukuuutyuu.html |title = アジアNo.1航空宇宙産業クラスター形成特区 - 地方創生推進事務局  |publisher = [[内閣府]]  |accessdate = 2016-09-03 }}</ref>である愛知県・岐阜県を中心としたエリアに存在するため[[中部国際空港]]に定期的に飛来している<ref>[http://www.gizmodo.jp/2007/05/post_1534.html ボーイングの次世代旅客機は、レゴのように組み立てられる] : Gizmodo Japan([[ギズモード|ギズモード・ジャパン]]</ref><ref name="doc">{{Cite press release | title = ~ボーイング787型機部位保管庫~ 「ドリームリフター・オペレーションズ・センター」を新設 | publisher = [[中部国際空港]] | date = 2012-04-13 | url = http://www.centrair.jp/corporate/release/__icsFiles/afieldfile/2012/12/08/20120413.pdf | accessdate = 2016-08-27 }}</ref>。
 
 
 
三菱重工業は747X計画時の[[2000年]]5月にボーイングとの包括提携を実現しており、機体製造における優位性を持っている。[[1994年]]に重要部分の日本担当が決定しており、三菱は海外企業として初めて[[主翼]]を担当(三菱が開発した[[炭素繊維]][[複合材料]]は、[[F-2 (航空機)|F-2戦闘機]]の共同開発に際して[[航空機]]に初めて使用された。この時、アメリカ側も炭素系複合材の研究を行っていたものの、三菱側が開発した複合材の方が優秀であると評価を受けたため、三菱は主翼の製造の権利を勝ち取っている)、[[川崎重工業]]が主翼と中胴の結合部と中央翼、[[富士重工業]]がセンターボックスと主翼フェアリングに内定していた。計画は747Xからソニック・クルーザーを経て787となり、三菱が主翼、川崎が前方胴体・主翼固定後縁・主脚格納庫、富士が中央翼・主脚格納庫の組立てと中央翼との結合を担当している。エンジンでも、トレント1000に川崎、GEnxに[[IHI]]、両エンジンに三菱([[三菱重工業名古屋誘導推進システム製作所|名誘]])が参加している。
 
 
 
機体重量比の半分以上に日本が得意分野とする炭素繊維複合材料(1機あたり炭素繊維複合材料で35t以上、炭素繊維で23t以上)が採用されており、世界最大のPAN系炭素繊維メーカーである[[東レ]]は、ボーイングと一次構造材料向けに2006年から[[2021年]]までの16年間の長期供給契約に調印し、使用される炭素繊維材料の全量を供給する<ref>{{Cite web |author=岡村勝弘 |date=2009-02-16 |url=http://bizmakoto.jp/makoto/articles/0902/16/news015.html |title=ボーイングはなぜ東レと炭素繊維の独占供給契約を結んだのか-デルタモデルで検証する |work=Business Media 誠 |publisher=ITmedia |accessdate=2012-11-24}}</ref>。
 
 
 
ボーイング787の大型部品をアメリカ等の工場へ空輸する際は、[[ボーイング747-400#改修型|ボーイング747ドリームリフター]]が使用される。
 
 
 
==派生型 ==
 
[[File:Boeing 787 size comparison.svg|thumb|upright=1|
 
ボーイング787-8('''黒太字''')(の比較黒い輪郭付き)[[ボーイング777|ボーイング777-300]](<span style="background:#d3d3d3">グレー</span>)、[[ボーイング767|767-300]](<span style="background:#00ced1">ティール</span>)、[[ボーイング737|737-800]](<span style="color:#fff; background:#4040ff;">青</span>)。|alt=Diagrams of outlines of three different aircraft imposed over one another.]]
 
 
 
2014年時点で、787は3つの派生型を売り込んでいる。
 
 
 
[[ICAO機種コード一覧|ICAO機種コード]]は、787-8 および 787-9 がそれぞれ"B788" および "B789"である。<ref name=ICAOcode>{{cite web |url=http://www.icao.int/publications/DOC8643/ |title=ICAO Document 8643 |publisher=International Civil Aviation Organization |accessdate=December 10, 2011}}</ref>
 
 
 
; 787-3 : 航続距離3,500海里(6,500km)、交通量が多い路線を的にした296座席(2クラス制)の短距離型である。発注は全日本空輸と日本航空のみで事実上日本専用モデルと化していたが、開発スケジュールの遅延から発注は787-8に振り替えられて2014年7月現在で787-3の発注数は0機である。2014年時点で製造が中断されているが、発注する航空会社が現れれば製造を再開する見通しである。
 
; 787-8 : 座席数223座席(3クラス制)であり航続距離8,200海里(15,200km)の787型機の基本型で、最初に開発されたモデルでもある。2007年7月8日にロールアウト<ref>{{Cite press release |title=ボーイング787ドリームライナー &#8764;ANA向け初号機の最終組み立てを開始&#8764; |publisher=全日本空輸 |date=2009-6-28 |url=http://www.ana.co.jp/pr/09-0406/09-ana-boeing0618.html |accessdate=2012-11-24}}</ref>し、同年9月末に初飛行する予定であったが、前記の通り初飛行は1年以上遅れ、結果として全日本空輸に初号機が引き渡されたのは3年以上遅れた2011年9月だった。
 
; 787-9 : 胴体延長の座席数259座席(3クラス制)である。2013年7月27日にロールアウトし、2013年9月に初飛行<ref>{{Cite news |title=Major Assembly Begins For Boeing 787-9 |author= |url=http://www.aviationweek.com/Article.aspx?id=/article-xml/awx_09_05_2012_p0-492185.xml |agency= |newspaper=Aviation Week |publisher=McGraw-Hill |date=2012-9-5 |accessdate=2012-11-24 |language=英語}}</ref>した。空気抵抗軽減システムの{{lang|en|Hybrid Laminar-Flow Control (HLFC)}}<ref>[http://www.businessnewsline.com/biztech/201407250203060000.html B787-8とB787-9では何が異なるのか? 新たに追加されていた層流制御システム] - BusinessNewsline</ref>や離陸後にギアを早い段階で格納するために浮揚後ギアドアーを自動的に開く{{lang|en|Early Doors Operation (EDO)}}<ref>[[エアライン (雑誌)|エアライン]] 2014年10月号 29ページ</ref>などを搭載している。ローンチカスタマーは[[ニュージーランド航空]]で初号機のZK-NZEを2014年7月9日に受領<ref>{{Cite press release|url=http://www.airnewzealand.jp/press-release-2014-air-new-zealand-first-airline-to-take-delivery-of-the-boeing-787-9|title=ニュージーランド航空 世界最初の787-9型機を受領|publisher=ニュージーランド航空|language=日本語|date=2014-7-9|accessdate=2014-8-12}}</ref>し、全日本空輸は初号機のJA830Aを同年7月27日に受領した<ref>{{Cite press release|url=https://www.ana.co.jp/pr/14_0709/14-030.html|title=ANA、日本で初めてボーイング787-9型機を受領|publisher=全日本空輸|date=2014-7-24|accessdate=2014-8-12}}</ref>。世界初の787-9型定期便運航は[[全日本空輸]]で、東京 - 福岡線で2014年8月7日から運航を開始した<ref>{{Cite press release|url=https://www.ana.co.jp/pr/14_0709/14-036.html|title=ボーイング787-9型機が世界初の定期便運航を開始!|publisher=全日本空輸|date=2014-7-31|accessdate=2014-8-12}}</ref><ref>{{Cite news|url=http://www.aviationwire.jp/archives/42850|title=787-9が世界初就航 ANA篠辺社長「お肌にやさしい飛行機」|newspaper=Aviation Wire|publisher=旭技研|date=2014-8-7|accessdate=2014-8-12}}</ref>。
 
; 787-10 : 座席数290席のさらなる胴体延長型である。エアバス社の[[エアバスA350 XWB|A350-900]]に対抗するために計画された機体<ref name=atw_20051223>{{Cite news |url=http://atwonline.com/aircraftenginescomponents/news/boeing-bullish-787-10-dreamliner-production-0309 |title=Boeing bullish on 787-10, Dreamliner production |author=Thomas, G. |date=December 23, 2005 |work=Air Transport World |publisher=ATW Media Group |accessdate=September 2, 2011 |language=英語}}</ref>である。ボーイングでは[[ボーイング777#777-200ER(772B)|777-200ER]]と競合している。2013年6月の[[パリ航空ショー]]で正式ローンチが発表された<ref>[http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPTJE95H00J20130619 米ボーイング 、787型機大型版を正式ローンチ] (2013年6月19日 ロイター通信)</ref>。[[サウスカロライナ州]]ノースチャールストン工場のみで製造する<ref>[http://www.aviationwire.jp/archives/42327 ボーイング、787-10最終組立はサウスカロライナ 17年開始 By Yusuke KOHASE] 2014年7月31日 10:45</ref>。最初に受領したのは[[シンガポール航空]]で、2018年3月25日に初号機(機体番号:9V-SCA)を受領。同年5月3日より、シンガポール - 関西線で就航を開始した。その後、5月19日からはシンガポール - 成田線にも就航している。シンガポールー中部線もB777から B787-10に変える方針が出されている。また、当社はA350を保有しており、アジア圏でA350が就航している都市の中で需要が見込める路線(787-10はA350-900よりも座席数が多い)を787-10に変える方針も出されている。
 
: 2015年1月に全日本空輸が同型機を3機発注したことで、787-10のローンチカスタマーとなっている[[ユナイテッド航空]]に続き-8・-9・-10の3タイプを導入することになった<ref>[http://boeing.mediaroom.com/index.php?s=20295&item=129332 Boeing Announces ANA’s Commitment to Become Newest 787-10 Customer]</ref>。
 
 
 
※ボーイング787の貨物専用機の開発計画は具体化していないが、787-8旅客型による貨物専用便は羽田 - [[佐賀空港|佐賀]]・[[那覇空港|那覇]]間で全日本空輸が運航している<ref>{{Cite web|url=http://www.ana.co.jp/cargo/ja/dom/air_info/timetable/pdf/night.pdf|title=ANA Cargo 深夜貨物定期便時刻表|format=PDF|publisher=全日本空輸|accessdate=2014-8-12|archiveurl=https://web.archive.org/web/20140425112436/http://www.ana.co.jp/cargo/ja/dom/air_info/timetable/pdf/night.pdf|archivedate=2014年4月25日|deadurldate=2017年9月}}</ref>。
 
<gallery widths="180px" heights="150px">
 
File:Dreamliner rendering 787-3.jpg|787-3(計画段階のイメージ図)
 
File:Boeing 787-8 N45905 United Airlines (9078767019).jpg|787-8
 
File:ANA Boeing 787-9 JA830A.jpg|787-9
 
File:Dreamliner render 787-10.jpg|787-10(イメージ図)
 
</gallery>
 
 
 
==仕様 ==
 
''出典'':ボーイング社Webサイト<ref>[http://www.newairplane.com/787/innovativeFeatures/Performance/ Performance], www.newairplane.com{{En icon}} {{webarchive|url=https://web.archive.org/web/20090307142424/http://www.newairplane.com/787/innovativefeatures/performance/ |date=2009年3月7日 }}</ref>.
 
 
 
<small>787-10の仕様は一部推定値を含み、787全体も開発が完了しておらず仕様変更の可能性がある。</small>
 
{| class="wikitable" style="font-size:80%; text-align:center;"
 
|-
 
!style="background-color:#ddd;"|項目\機種
 
!style="background-color:#dff;"|787-3<br />(開発中断)
 
!style="background-color:#dff;"|787-8
 
!style="background-color:#dff;"|787-9
 
!style="background-color:#dff;"|787-10
 
!style="background-color:#dff;"|[[ボーイング767|767-300ER]]<br />(参考)
 
!style="background-color:#dff;"|[[ボーイング767|767-400ER]]<br />(参考)
 
!style="background-color:#dff;"|[[ボーイング777|777-200ER]]<br />(参考)
 
|-
 
!全長
 
|colspan="2"|56.7m
 
|62.8m
 
|68.3m
 
|54.9m
 
|61.4m
 
|63.7m
 
|-
 
!全幅
 
|52.0m
 
|colspan="3"|60.1m
 
|47.6m
 
|51.9m
 
|60.9m
 
|-
 
!全高
 
|colspan="4"|16.9m
 
|15.8m
 
|16.8m
 
|18.5m
 
|-
 
!胴体最大幅
 
|colspan="4"|5.74m
 
|colspan="2"|5.03m
 
|6.19m
 
|-
 
!客室最大幅
 
|colspan="4"|5.49m
 
|colspan="2"|4.70m
 
|5.86m
 
|-
 
!最大離陸重量
 
|170,000[[キログラム|kg]]
 
|219,540kg
 
|244,940kg
 
|不明
 
|186,880kg
 
|204,120kg
 
|297,560kg
 
|-
 
!座席数
 
|290 - 330<br>(2クラス)
 
|210 - 250<br>(3クラス)
 
|250 - 290<br>(3クラス)
 
|約300<br>(3クラス)
 
|218<br>(3クラス)
 
|245<br>(3クラス)
 
|301<br>(3クラス)
 
|-
 
!座席数<br>導入例
 
| -
 
|'''ANA国内線'''<br>335(12+323)<br />'''ANA国際線'''<br>169(46+21+102)<br />240(42+198)<br />'''JAL国際線'''<br>161(38+35+88)
 
|'''ANA国内線'''<br>395(18+377)<br />'''ANA国際線'''<br>215(48+21+146)<br />'''JAL国際線'''<br>195(44+35+116)<br />203(52+35+116)
 
| -
 
| -
 
| -
 
| -
 
|-
 
!貨物量
 
|colspan="3"|16[[トン|t]]
 
|不明
 
|10t
 
|&nbsp;
 
|&nbsp;
 
|-
 
!エンジン
 
|colspan="4"|[[GE・アビエーション|GE]] GEnx<br />[[ロールス・ロイス・ホールディングス|RR]] Trent 1000
 
|GE CF6-80C2<br />[[プラットアンドホイットニー|P&W]] PW4062<br />または<br />RR RB211-524H
 
|GE CF6-80C2<br />P&W PW4062
 
|GE GE90-94B<br />P&W PW4090<br />または<br />RR Trent 895
 
|-
 
!巡航マッハ数
 
|colspan="4"|[[マッハ|M]]0.85
 
|colspan="2"|M0.80
 
|M0.84
 
|-
 
!航続距離<sup><nowiki>*</nowiki>1</sup>
 
|5,650km
 
|15,200km
 
|15,750km
 
|11,910km
 
|11,306km
 
|10,454km
 
|14,316km
 
|-
 
!最大巡航高度
 
|colspan="6"|13,000m
 
|&nbsp;
 
|-
 
!最大燃料容量
 
|48,600[[リットル|L]]
 
|colspan="2"|127,000L
 
|不明
 
|colspan="2"|90,770L
 
|171,160L
 
|-
 
!離陸滑走距離
 
|
 
|3,100m
 
|2,900m
 
|
 
|2,530m
 
|3,109m
 
|3,380m
 
|-
 
!着陸滑走距離
 
|colspan="7"|1,730m
 
|-
 
!初飛行
 
|未定
 
|[[2009年]]
 
|[[2013年]]
 
|[[2017年]]
 
|[[1986年]]
 
|[[2000年]]
 
|[[1997年]]
 
|}
 
* <nowiki>*</nowiki>1:最大積載(旅客および貨物)時
 
 
 
==受注状況 ==
 
{{Main article|en:List of Boeing 787 orders and deliveries}}
 
 
 
{| class="wikitable" style="margin:1em 1em 1em 300; border:1px #aaa solid; font-size:95%; background:#fbf8db;"
 
|+ボーイング787の<br>発注機数と納入機数<br><small>(2018年6月末現在)</small><ref>{{Cite web|url=http://www.boeing.com/commercial/#/orders-deliveries|title=Boeing: Commercial|accessdate=2018-08-02|website=www.boeing.com}}</ref><ref>{{Cite web|url=http://active.boeing.com/commercial/orders/displaystandardreport.cfm?cboCurrentModel=787&optReportType=AllModels&cboAllModel=787&ViewReportF=View+Report|title=787 Model Summary|accessdate=2018-8-2|publisher=Boeing}}</ref>
 
|- style="font-weight:bold; background:#ccddff; padding:0.4em;"
 
|  ||受注||納入
 
|残
 
|-
 
|787-8||413||353
 
|90
 
|-
 
|787-9||763||349
 
|414
 
|-
 
|787-10||171||6
 
|165
 
|-
 
|'''合計'''||'''1377'''||'''708'''
 
|'''669'''
 
|-
 
|}
 
 
 
==事故・故障 ==
 
試験飛行中の火災などのほかに、2011年11月の就航当日より機材トラブルによる遅延や運休がたびたび見られた<ref>{{Cite news |url=http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/120905/dst12090522490012-n1.htm |title=油圧系統トラブルか 全日空の最新鋭ボーイング787、白煙上げ欠航 |newspaper=MSN産経ニュース |publisher=産経デジタル |date=2012年9月5日 |archiveurl=https://web.archive.org/web/20120906231403/http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/120905/dst12090522490012-n1.htm |archivedate=2012年9月6日 |deadurldate=2017年9月 }}</ref><ref>[http://www.kahoku.co.jp/news/2013/01/2013010901001435.htm 全日空787も燃料漏れ起こす 昨年10月、山口宇部空港]{{リンク切れ|date=2013年5月}} - 河北新報 2013年1月9日</ref>。2013年に入り、ブレーキの不具合<ref>[http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPTYE90803Q20130109 ANA山口発のB787型機が欠航、ブレーキ制御システムに不具合]- ロイター 2013年1月09日 </ref>、バッテリーからの出火<ref name="msn130108">{{cite news |title=日航新鋭機から出火 米ボストンの空港で駐機中 |author= |newspaper=MSN産経ニュース |date=2013-1-8 |url=http://sankei.jp.msn.com/world/news/130108/amr13010807330002-n1.htm  |accessdate=2013-05-02}}</ref>、燃料漏れ<ref>[http://www.jiji.com/jc/c?g=soc_30&k=2013011300117 日航787また燃料漏れ=ボストンと同じ機体-バルブ開閉不具合か・成田空港] - [[時事通信]] 2013年1月13日</ref>、潤滑油漏れ<ref>{{cite news |title=全日空機が宮崎空港で油漏れ 787、到着後に発見 |agency=共同通信 |newspaper=47NEWS |date=2013-1-11 |url=http://www.47news.jp/CN/201301/CN2013011101001758.html |accessdate=2013-05-02}}</ref>などのトラブルが相次いだ。バッテリーからの出火事故では、連邦航空局 (FAA) が耐空性改善命令を発行し、[[1979年]]の[[マクドネル・ダグラス DC-10]]以来の<ref name="bbc130117">{{cite news |title=Dreamliner: Boeing 787 planes grounded on safety fears |author= |newspaper=[[英国放送協会|BBC]] |date=2013-1-17 |url=http://www.bbc.co.uk/news/business-21054089 |accessdate=2013-05-25 |language=英語}}</ref>、運航中の同型機すべてが世界中で運航停止になるという事態となった。改修されたバッテリーシステムは、2013年4月25日にFAAと欧州航空安全局 (EASA) が、4月26日に国交省航空局が承認した。4月27日、エチオピア航空が運航停止後、世界で初めて商業運航を[[ボレ国際空港|アディスアベバ]]発[[ジョモ・ケニヤッタ国際空港|ナイロビ]]行きで再開した。運航再開後は、2014年1月14日に日本航空の機体から白煙が発生し、機材を変更するトラブルが発生した<ref>{{cite news|url=http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/140115/dst14011500330000-n1.htm |title=日航のB787から白煙、バッテリー発熱か 成田で出発準備中 |newspaper=MSN産経ニュース |date=2014-1-15 |accessdate=2014-1-15}}</ref>。2014年3月8日 ([[協定世界時|UTC]]) に右エンジンの油圧の圧力と、油圧が低下し、[[ホノルル国際空港]]に左側のエンジンだけで緊急着陸した<ref>{{citeweb|url=http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20140309-00000021-asahi-soci|title=日航機、ホノルルに緊急着陸B787型エンジン故障か|publisher=[[朝日新聞]]|date=2014-03-09|accessdate=2014-03-10 }}</ref>。
 
{{see also|ボーイング787のバッテリー問題}}
 
 
 
2013年7月12日、エチオピア航空の機体で[[ロンドン・ヒースロー国際空港]]に到着し全電源を落とした数時間後に火災が発生。[[航空事故調査局 (イギリス)|英国航空事故調査局]] (AAIB) は、先のバッテリー出火事故との関連性を否定<ref>{{cite news|url=http://news.tv-asahi.co.jp/news_international/articles/000008729.html |title=ロンドンのB787型機出火原因“バッテリー無関係” |newspaper=ANNニュース |date=2013-7-14}}</ref>、[[ハネウェル]]社製の航空機用救命無線機 (ELT) が出火原因となった可能性が高いとの報告書を公表し、FAAなど各国航空当局に対して耐空性が確認されるまでは問題のELTの電源を切る通達を出すよう勧告した<ref>{{cite news|url=http://news.tv-asahi.co.jp/news_international/articles/000008990.html |title=緊急用無線機が原因か ボーイング787型機出火 |newspaper=ANNニュース |date=2013-7-19}}</ref>。これを受けFAA、JCAB、EASAそれぞれの当局は当該ELTについて、点検または取り下ろしのいずれかの措置を求める通告を発表している。
 
 
 
787の一部機体が使用しているGEnx-1Bエンジンについて、2013年7月31日に[[ロシア]]の航空貨物会社で運航中に着氷が発生、同系列のGEnx-2B67エンジンが4基中2基停止し、このうち3基で高圧コンプレッサーに破損が発見された。ロシア連邦航空局 (Rosaviatsia) からの安全勧告を受けたボーイング社は787でGEnx-1Bエンジンを採用している航空会社に向けた[[飛行規程]]の改定を行い、「高度30,000フィート以上の雲中を飛行する際、飛行経路上に[[積乱雲]]など活発な雲域がある場合は、その周囲約90キロメートル以内の飛行を禁止する」という通知を出した。同エンジンを選定している日本航空でも「安定的な運航を提供する」として、2013年11月25日出発便から、季節ごとに気象状況などを考慮して機材変更を行っている<ref>[http://flyteam.jp/news/article/29258 JAL、787のGEnxエンジン搭載機の飛行規定改訂 一部路線の機材変更]</ref>。
 
 
 
2015年4月30日、連邦航空局(FAA)は787の電源制御システムのソフトウェアに問題があり、248日間継続してシステムを稼働させ続けた場合、突然電源が喪失し機体制御が失われる恐れがあるとして、定期的に当該システムの再起動を行うよう国内各航空会社に通達を出した<ref>{{cite news|url=http://www.jiji.com/jc/zc?k=201505/2015050100206&g=int |title=787、電気系統遮断を=米連邦航空局が命令 |newspaper=時事ドットコム |date=2015-5-1}}</ref>。
 
 
 
この後、2015年末までに各社に具体的な対応策が発表され、これについてボーイング社は引き渡し済みの機体も、すでにすべて所定の安全性が確保されているとしている。<ref>{{cite news|url=http://www.jiji.com/jc/zc?k=201505/2015112300206&g=int |title=787、電気系統遮断改善措置発表=米連邦航空局と合意したボーイング社は量産体制に影響はないと発表|newspaper=時事ドットコム |date=2015-11-23}}</ref>。
 
 
 
==運用状況 ==
 
2017年現在(B787-8.9.10合計保有機数会社別データ:全世界「B787シリーズ」通算総受注機数=1064機)
 
: {{Flagicon|JPN}} [[全日本空輸]] : 61機(2011年9月25日 初号機受領 : 確定受注残24機)
 
: {{Flagicon|JPN}} [[日本航空]] : 34機 (2012年3月25日 初号機受領 : 確定受注残11機、2017年9月に国内専用787-8x4機を追加発注)
 
: {{Flagicon|USA}} [[ユナイテッド航空]] : 28機 (2012年9月22日 受領 : 北米大陸初の導入会社:日本路線に使用)
 
: {{Flagicon|QAT}} [[カタール航空]] : 25機 (2012年11月12日 受領 : 欧州路線に使用)
 
: {{Flagicon|IND}} [[エア・インディア]] : 21機 (2012年9月6日 受領 :英国路線および日本路線に一部使用)
 
: {{Flagicon|CHL}} [[ラン航空]] : 16機 (2012年8月31日 受領 : 大西洋横断路線、スペイン線に使用)
 
: {{Flagicon|USA}} [[アメリカン航空]] : 15機 (2015年1月28日 初号機受領 : 確定発注残27機、日本路線に使用)
 
: {{Flagicon|GBR}} [[ブリティッシュ・エアウェイズ]] : 13機 (2013年6月27日 受領 : 東アジア路線に使用)
 
: {{Flagicon|CAN}} [[エア・カナダ]] : 12機 (2014年5月18日 受領<ref>[http://boeing.mediaroom.com/index.php?s=20295&item=129074 Boeing, Air Canada Celebrate Delivery of First 787 Dreamliner for Canada] Boeing May 18, 2014</ref>)
 
: {{Flagicon|AUS}} [[ジェットスター航空]] : 11機 (2013年10月7日 受領 : 日本路線に使用)
 
: {{Flagicon|CHN}} [[中国南方航空]] : 10機 (2013年5月31日 受領 : 欧州路線に使用)
 
: {{Flagicon|ETH}} [[エチオピア航空]] : 10機 (2012年8月14日 受領 : アフリカ大陸初の導入会社、日本路線に使用)
 
: {{Flagicon|NLD}} [[KLMオランダ航空]] : 10機(2015年11月14日787-9型機受領 : エールフランスと共同発注で受注残22機)
 
: {{Flagicon|GBR}} [[トムソン航空]] : 9機 (2013年5月30日 受領 : 大西洋横断路線、カリブ海英連邦路線に使用)
 
: {{Flagicon|MEX}} [[アエロメヒコ航空]] : 9機 (2013年8月16日 受領 : 太平洋横断:日本路線に使用)
 
: {{Flagicon|KEN}} [[ケニア航空]] : 9機 (2014年4月4日 受領 : アフリカ大陸二社目の導入会社:英国路線に使用<ref>[http://flyteam.jp/news/article/33644 ケニア航空、787初号機を受領 2015年末までに9機導入]
 
FlyTeam 2014年4月5日付</ref>)
 
: {{Flagicon|POL}} [[LOTポーランド航空]] : 8機 (2012年11月11日 受領 : ユーラシア大陸横断:日本路線に使用)
 
: {{Flagicon|VNM}} [[ベトナム航空]]  : 8機 (2016年2月5日787-9型初号機受領)
 
: {{Flagicon|NOR}} [[ノルウェー・エアシャトル]] : 7機 (2013年6月28日 受領 : 長距離[[格安航空会社]]:東南アジア路線に使用)
 
: {{Flagicon|CHN}} [[海南航空]] : 7機 (2013年7月4日 受領 : [[太平洋]]横断路線北米路線に使用)
 
: {{Flagicon|CHN}} [[中国国際航空]] : 7機(2015年2月6日 初号機順次受領)
 
: {{Flagicon|NZL}} [[ニュージーランド航空]] : 6機  (2014年7月10日受領 : 日本路線に使用)
 
: {{Flagicon|GBR}} [[ヴァージン・アトランティック航空]] : 6機 (2014年10月10日受領 : 大西洋横断路線、アメリカ合衆国線に使用)
 
: {{Flagicon|KOR}} [[大韓航空]] : 5機 (2017年2月22日787-9型受領 : 計10機受領予定)
 
: {{Flagicon|BRN}} [[ロイヤルブルネイ航空]] : 4機 (2013年10月3日 受領)
 
: [[ビジネスジェット]] : 2機 (2014年2月5日以降 順次受領 : 欧州立憲君主制国家より政府専用機新規受注)
 
: {{Flagicon|BEL}} [[ジェットエアフライ]] : 1機 (2013年12月4日 受領)
 
: {{Flagicon|NLD}} [[アークフライ]] : 3機 (2014年6月5日 受領<ref>[http://boeing.mediaroom.com/index.php?s=20295&item=129093 Boeing, Arke Celebrate Delivery of Airline's First 787 Dreamliner] Boeing June 5, 2014</ref>)
 
: {{Flagicon|ISR}} [[エル・アル航空]] : 1機(2017年8月23日787-9型機受領 : リース込みで計18機受領予定)
 
: {{Flagicon|AUS}} [[カンタス航空]] : 1機(2017年9月20日787-9型機受領 : 計8機受領予定、パースーロンドン線など超長距離路線投入予定)
 
 
 
==787の展望と試験機 ==
 
787の開発開始を受けて、2005年にライバルの[[エアバス]]社は787に対抗するための機材として[[エアバスA330|A330]]に大幅に手を加えた[[エアバスA350 XWB|A350]]を発表した。発表当初の目標性能では「A350の方が航続距離、旅客数ともに増加している」とされているが、ボーイング社は「787は全く新しい旅客機のため、A330をリファインしても当機を超えることはできない」と主張した。
 
 
 
実際に、その後A350は受注数が伸び悩んだことから各航空会社にヒアリングを行った結果、2006年の[[ファーンボロー航空ショー]]でエアバス社は、A330から大きく設計変更した新機種の[[エアバスA350 XWB#A350XWBの登場|A350XWB]] (eXtra Wide Body) を立ち上げ、787に迫る受注を獲得している。
 
 
 
両社ともに将来的な航空旅客の増加を予想している点においては共通するが、その対処手法に考え方に違いがあり新型機の開発コンセプトにも影響している。エアバス社は「[[ハブ空港]]間で運用する新型大型機([[エアバスA380|A380]])を開発し、ローカルへは持ち駒豊富な自社の単通路機での乗客の振り分け」('''ハブ アンド スポーク''')を想定しているが、ボーイング社は「乗客は面倒な乗り換えを好まず、中型機による直近の空港への乗り入れを求めるようになる」('''ポイント トゥ ポイント''')と予測している。787は2011年就航当初[[ETOPS#ETOPS-120からETOPS-180|ETOPS-180]]を取得していたが、2014年5月28日にFAAから[[ETOPS#ETOPS-330|ETOPS-330]]を取得した。
 
 
 
機材のラインナップは両社とも、大型機([[ボーイング747-8|747-8]]と[[エアバスA380|A380]])中型機(787とA330)小型機(737と[[エアバスA320|A320]]など)をそれぞれ用意している。
 
 
 
==787の展示 ==
 
787のうち試験飛行機である「1号機」(ZA001)から3号機(ZA003)については2015年までに退役し、各施設に寄贈されている。[[2015年]][[6月]]に[[日本]]の[[愛知県]][[常滑市]][[中部国際空港]]に、ボーイング社より生産初号機(ZA001号機)が寄贈された。
 
*1号機(機体番号:ZA001、登録記号:N787BA):[[中部国際空港]]([[愛知県]][[常滑市]])
 
*:2009年12月15日に初飛行した機体。[[2015年]]6月17日にボーイングから、[[主翼]]などの主要部品を生産しており787シリーズとの縁が深い[[愛知県]]および[[中部国際空港]]に寄贈されることが発表され<ref>{{Cite news |title=B787初号機、中部空港に「里帰り」…展示へ |author= |url=http://www.yomiuri.co.jp/chubu/news/20150618-OYTNT50042.html |agency= |newspaper=読売新聞 |publisher= |date=2015-6-18 |accessdate=2015-6-26 |language=日本語}}</ref>、同月22日に同空港へ飛来した<ref>{{Cite news |title=B787初号機、中部空港に「里帰り」…展示へ |author= |url=http://www.yomiuri.co.jp/national/20150623-OYT1T50011.html |agency= |newspaper=読売新聞 |publisher= |date=2015-6-23 |accessdate=2015-6-26 |language=日本語}}</ref><ref>{{Cite web  |url = http://www.boeing.com/commercial/787/#/videos/za001-flight-to-japan  |title = Boeing: 787 Dreamliner ZA001 Flight to Japan  |publisher = [[ボーイング]] |accessdate = 2016-09-19}}</ref>。[[ボーイング]]社用特別塗装を纏っている。その後しばらく[[愛知県]][[中部国際空港]]において滑走路脇に露天留置状態であったが、[[2016年]]に、新たに空港島内に建設される複合商業施設(787が製造されている[[アメリカ合衆国]][[シアトル]]の雰囲気や飲食などを再現し楽しめる施設とされている)の目玉展示物として、記念すべき787シリーズにおける世界初の生産機でもあるZA001号機が屋内展示されることが決まった。
 
*2号機(機体番号:ZA002、登録記号:N787EX):ピマ航空宇宙博物館([[アリゾナ州]][[ツーソン]])
 
*:適合性検証として日本に初飛来した機体。全日本空輸塗装。
 
*3号機(機体番号:ZA003、登録記号:N787BX):[[:en:Museum of Flight|ミュージアム・オブ・フライト]]([[ワシントン州]][[シアトル]])
 
*:2014年11月8日に記念式典が開催され、展示されている<ref>{{Cite news |ボーイング787-8 ZA003、シアトルの航空博物館に寄贈される |author= |url=http://flyteam.jp/news/article/42638 |agency= |newspaper=FlyTeam |publisher= |date=2014-11-9 |accessdate=2015-6-26 |language=日本語}}</ref>。ボーイング塗装。
 
*6号機:(機体番号:ZA006、登録記号:N787ZA)第6号機は、特別改装を終えた2014年6月に、[[メキシコ]]([[メキシコ軍]])に引き渡され、同国の[[政府専用機]]として運用が開始された。
 
  
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アメリカ合衆国の[[ボーイング]]が開発した旅客機。長距離用の中型ワイドボディ機で,燃料効率の優れたロールス=ロイス・トレント1000またはゼネラル・エレクトリックGEnx[[ターボファン・エンジン]]のどちらか 2基を装備する。胴体と主翼の半分以上に[[炭素繊維]]複合材を使用して軽量化をはかるなど,他機にはみられない大胆な技術革新を取り入れた。2003年,開発に向けて受注が始まると,旅客機としての経済性,快適性,環境性に優れ,乗客にとっては機内の空気清浄力が高まり,窓が大きく,手荷物の収納容積も大きくなって,乗り心地がよいなどの特性をうけて,多数の航空会社がこぞって予約注文を出し,受注数は原型機の試験飛行も始まらないうちから 800機をこえた。最初の発注者は日本の[[全日本空輸]]である。しかし技術の先進性に加え,世界中のメーカーに開発と製造の分担協力を依頼したため,開発作業に遅れが出て,原型 1号機が初飛行したのは当初の計画より 2年4ヵ月遅れの 2009年12月15日であった。量産開始も遅れ,1号機が全日空に引き渡されたのは 2011年9月となった。これは 2008年夏の[[北京オリンピック競技大会]]に向けた就航という計画に対して 3年以上の遅れだったが,その後の生産態勢は徐々に軌道に乗り,[[日本航空]]でも運航が始まった。標準型のボーイング787-8は 210~250席で航続距離 1万4200~1万5200km。
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==競合機種 ==
 
==競合機種 ==
 
* [[エアバス]] ''[[エアバスA330|A330]]''・[[エアバスA350 XWB|A350 XWB]]
 
* [[エアバス]] ''[[エアバスA330|A330]]''・[[エアバスA350 XWB|A350 XWB]]
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===出典 ===
 
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==関連項目 ==
 
* [[ボーイング747-400#747-400LCF型|ボーイング747-400LCF]] - 各国で製造した787の部品輸送専用機。「ドリームリフター」の愛称がある。
 
  
 
==外部リンク ==
 
==外部リンク ==
{{Commonscat|Boeing 787}}
 
 
* [http://www.newairplane.com/787 787 Dreamliner Airplane | Boeing Commercial] - ボーイング
 
* [http://www.newairplane.com/787 787 Dreamliner Airplane | Boeing Commercial] - ボーイング
* {{PDF|[https://web.archive.org/web/20030810214915/http://www.jadc.or.jp/10_AircraftD.pdf B787-3/-8/-9の概要(20頁)]}}(2003年8月10日時点の[[インターネットアーカイブ|アーカイブ]]) - 財団法人日本航空機開発協会
 
* [http://www.jal.co.jp/787/index.html JAL ボーイング787] - 日本航空
 
<!-- 出典として採用しているリンクである --><!-- ←記事中に出典として組入れて下さい -->
 
* [http://www.ana.co.jp/promotion/b787_sp/index2.html ANA ボーイング787 We Fly 1st.787] - ANA SKY WEB
 
  
 
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[[Category:ボーイング製旅客機]]
 
[[Category:ボーイング製旅客機]]

2018/9/1/ (土) 23:26時点における版

ボーイング 787 ドリームライナー

Boeing 787 N1015B ANA Airlines (28227489305).jpg

日本の旗 全日本空輸 2011年9月25日 受領
日本の旗 日本航空 2012年3月25日 受領
エチオピアの旗 エチオピア航空 2012年8月14日 受領
インドの旗 エア・インディア 2012年9月6日 受領
アメリカ合衆国の旗 ユナイテッド航空 2012年9月22日 受領
ポーランドの旗 LOTポーランド航空 2012年11月11日 受領
カタールの旗 カタール航空 2012年11月12日 受領
中華人民共和国の旗 中国南方航空 2013年5月31日 受領
中華人民共和国の旗 海南航空 2013年7月4日 受領
イギリスの旗 ブリティッシュ・エアウェイズ 2013年6月27日 受領
[[ファイル:テンプレート:Country flag alias CHL|border|25x20px|テンプレート:Country alias CHLの旗]] ラン航空 : 2012年8月31日 受領
イギリスの旗 トムソン航空 : 2013年5月30日 受領
ブルネイの旗 ロイヤルブルネイ航空 :2013年10月3日 受領
ビジネスジェット : 2014年2月5日 受領
ノルウェーの旗 ノルウェー・エアシャトル : 2013年6月28日 受領
メキシコの旗 アエロメヒコ航空 : 2013年8月16日 受領
オーストラリアの旗 ジェットスター航空 : 2013年10月7日 受領
ベルギーの旗 ジェットエアフライ : 2013年12月4日 受領
ケニアの旗 ケニア航空 : 2014年4月4日 受領
カナダの旗 エア・カナダ : 2014年5月18日 受領
オランダの旗 アークフライ : 2014年6月5日 受領
中華人民共和国の旗 中国国際航空 2015年5月20日 受領
大韓民国の旗 大韓航空 2017年2月22日 受領
シンガポールの旗 シンガポール航空2018年3月25日受領

ボーイング787 ドリームライナーBoeing 787 Dreamliner

アメリカ合衆国のボーイングが開発した旅客機。長距離用の中型ワイドボディ機で,燃料効率の優れたロールス=ロイス・トレント1000またはゼネラル・エレクトリックGEnxターボファン・エンジンのどちらか 2基を装備する。胴体と主翼の半分以上に炭素繊維複合材を使用して軽量化をはかるなど,他機にはみられない大胆な技術革新を取り入れた。2003年,開発に向けて受注が始まると,旅客機としての経済性,快適性,環境性に優れ,乗客にとっては機内の空気清浄力が高まり,窓が大きく,手荷物の収納容積も大きくなって,乗り心地がよいなどの特性をうけて,多数の航空会社がこぞって予約注文を出し,受注数は原型機の試験飛行も始まらないうちから 800機をこえた。最初の発注者は日本の全日本空輸である。しかし技術の先進性に加え,世界中のメーカーに開発と製造の分担協力を依頼したため,開発作業に遅れが出て,原型 1号機が初飛行したのは当初の計画より 2年4ヵ月遅れの 2009年12月15日であった。量産開始も遅れ,1号機が全日空に引き渡されたのは 2011年9月となった。これは 2008年夏の北京オリンピック競技大会に向けた就航という計画に対して 3年以上の遅れだったが,その後の生産態勢は徐々に軌道に乗り,日本航空でも運航が始まった。標準型のボーイング787-8は 210~250席で航続距離 1万4200~1万5200km。

競合機種

脚注

注釈

出典

外部リンク





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