操作

ニューヨーク証券取引所

テンプレート:Infobox exchange ニューヨーク証券取引所(ニューヨークしょうけんとりひきじょ、英語: New York Stock Exchange, NYSE)は、アメリカ合衆国ニューヨークにある世界最大の証券取引所である[1]。通称「ビッグ・ボード(Big Board)」。

組織

2018年5月25日、バンカメ出身のステイシー・カニンガム(Stacey Cunningham)が社長に就任した。女性がトップになるのは初めて[2]

大陸間取引

2005年4月20日、電子証券取引所を運営するアーキペラゴ・ホールディングス社(Archipelago Holdings Inc.、AX)の買収計画が発表され、証券取引委員会(SEC)がこれを承認したことを受け、NYSEは66億ドルを投じてAXを買収。手続を2006年3月7日に終了させた上で持株会社「NYSEグループ」を設立、翌3月8日にNYSEに株式を上場した。これによりNYSEは、213年間に及ぶ非営利会員組織としての歴史に幕を下ろし、NYSEグループ傘下の株式会社として再出発した。

2006年6月1日、証券取引所運営会社ユーロネクストとの合併を発表。2007年4月4日、監督官庁や株主の承認を経て、新会社NYSEユーロネクストが発足した。

2013年には、インターコンチネンタル取引所 (en) の一員となった。

2017年10月、インターコンチネンタル取引所がロイヤル・バンク・オブ・スコットランドからユーロクリア株4%を買収しようと具体的な交渉を詰めていることが報じられた[3]。ニューヨーク証券取引所を起源とするDTCC(Depository Trust & Clearing Corporation)は事実上の国際証券集中保管機関として稼動してきた。ユーロクリアへの資本参加を打診しているということは、DTCCの手に余る事態が生じているということである。アーカNYSE Arca)で上場投資信託(ETF)のマーケットメイク制度が未完成なのである。2018年5月ドッド・フランク法の改正と「ボルカールール2.0」の採択が行われ、大銀行とその傘下のシャドー・バンキング・システムがマーケットメイク制度に参加しやすくなる。

ETFとアーカ

ETFマーケットメイクをめぐる問題は、ETFとアーカの歴史から説明される。パシフィック証券取引所(Pacific Exchange)は現物株式と上場オプション市場を運営していたが、1980年代から出来高のシェアを失った。そこでパシフィックはETFマーケットメイクの試験的運営を証券取引委員会に登録申請した。これは1997年9月に恒久的な制度として承認された。パシフィックは2007年7月、アーキペラゴに電子取引システムを提供させ、自らは自主規制機能を担うという提携を発表した。2005年1月、アーキペラゴ・ホールディングスがパシフィックを完全買収、上場オプションとETF込み現物株式のマーケットメイカーとなった。[4]

2006年発足したNYSEユーロネクストは、2008年1月アメリカン証券取引所(アメックス)を買収した。アメックスはナスダックの発展にともない取引シェアを失っており、打開策として1993年1月にステート・ストリートSPDRというETFを上場させ、他のETFに対しても上場を誘致していた。NYSEユーロネクストのアメックス買収はETF市場の取得を目的の一つとしていたので、NYSEユーロネクストは自社上場のETFとアメックス上場のそれを集約してアーカへ移管した。また、2005年7月にバークレイズ・グローバル・インベスターズ(現ブラックロック)が19銘柄、2008年8月にバンガード(Vanguard)が34銘柄、同年12月にステート・ストリートが75銘柄のETFをアーカへ移管、世界金融危機下でマーケットメイク等の合理化に成功した。[4]

危機でもETF設定累計額は上昇をやめなかった。2013年6月、アーカはETFマーケットメイカーにスポンサー(大銀行や機関投資家)をつける制度(EIP)の試験的運営を申請した。バンガードが利益相反の問題を指摘したものの、証券取引委員会は承認した。2017年4月の報告書は、試験結果を示すにはデータが不足していると述べた。試験はスポンサーがいなくなったので中断された。[4]

ボルカールール2.0で試験は再開される見込みである。

日本はETFマーケットメイクが未熟なので、ずっと日銀がETFを買い入れてきている。もしアメリカでEIPが制度化されて、日本へ輸入された場合は、日銀がシャドー・バンキング・システムに供給した流動性が、マーケットメイクのスポンサーという形で日本のETF市場をさらに機関化することになる。

沿革

ニューヨーク証券取引所はロンドン証券取引所に次いで古い歴史を有する証券取引所である[5]

相場の形成

株価指標は「ダウ工業株30種平均」(Dow Jones Industrial Average)と呼ばれ、ダウ・ジョーンズ社(Dow Jones & Company)によって発表される。ただし、NASDAQ公開のマイクロソフトインテルのように、非NYSE上場企業銘柄もダウ平均を構成している。この指標の動向が全世界の相場展開に反映される。

この他、構成銘柄が少ないダウ平均に対して、より市況を反映するよう1970年代中頃に開発された「NYSE Composite Index」がある。NYSE自身が独自に算出しており、構成銘柄はすべてNYSE上場企業である。

機械化されたNYSEだが、オークション制度も併存し、立会場が使われている。立会時間は、祝祭日を除くから金曜東部時間9:30 - 16:00の「一場制」であり[8]、日本などのような「前場」・「後場」といった区分は無い。

メインの建物は、ウォール・ストリートエクスチェンジ・プレイスの角、ブロード・ストリート18番地に位置している。立会場はメインの建物に隣接するウォール・ストリート11番地のビル内にあり、21のトレーディング・ルームからなる。かつて、メインの建物からエクスチェンジ・プレイスを挟んで向かいにあるブロード・ストリート30番地の建物内にあったトレーディング・ルームは2007年2月に閉鎖された。18 ブロード・ストリートと11 ウォール・ストリートの建物は1978年にアメリカ合衆国国定歴史建造物に登録された[9][10][11][12]

20世紀において、ニューヨーク証券取引所のアイコン的存在として知られていたのが、取引開始時と終了時に打ち鳴らされる発会の鐘(Opening bell)と納会の鐘(Closing bell)である。立会人が立会人席から作動させると、鐘が9回連続で打ち鳴らされ、場内に取引開始や終了を告げる。立会人は、企業人や各界の著名人が招かれるのが常であり、外部の人間としては1956年に10歳の少年がクイズ番組の賞品として発会の鐘を鳴らしたのが最初であるという。[13]

日本企業の上場

ファイル:NYSE opening bell.jpg
ニューヨーク証券取引所で開始を告げる鐘を鳴らす、ドナルド・L・エバンズ商務長官(2003年4月23日)
ファイル:NYSE127.jpg
ニューヨーク証券取引所の立会場(2008年8月)

世界一上場審査が厳しいとされ[14]上場企業数は約2,300社。そのうち外国企業は約460社(47の国・地域)が上場している。日本経済新聞マーケット総合面に、100前後の海外主要企業とともに毎週火曜日から土曜日に1日遅れの株価が掲載される。

日本三大証券取引所とは異なり、企業規模などによる市場指定(第一部・第二部など)は行ってはいない。大規模企業の上場が多く、日本企業では1970年ソニーが上場して以来、2016年12月現在13社が上場している。また、シンボルコード(別称:ティッカー)と呼ばれる、各企業を表す1~4桁のアルファベットがNYSE内の証券コードとして用いられる[14]

上場中

(2016年12月現在)

No. 社名 ティッカーシンボル
外部リンク
上場年月日
1 ソニー SNE 1970年9月17日
2 本田技研工業 HMC 1977年2月11日
3 京セラ KYO 1980年5月23日
4 三菱UFJフィナンシャル・グループ MTU 1989年9月19日
(当時は三菱銀行)
5 日本電信電話 NTT 1994年9月29日
6 オリックス IX 1998年9月16日
7 トヨタ自動車 TM 1999年9月29日
8 キヤノン CAJ 2000年9月14日
9 野村ホールディングス NMR 2001年12月17日
10 NTTドコモ DCM 2002年3月1日
11 みずほフィナンシャルグループ MFG 2006年11月8日
12 三井住友フィナンシャルグループ SMFG 2010年11月1日
13 LINE LN 2016年7月14日

過去に上場

(2016年12月現在)

No. 社名 ティッカーシンボル 上場年月日 上場廃止年月日
1 パイオニア PIO 1976年 2006年1月
2 TDK TDK 1982年 2009年4月
3 日立製作所 HIT 1982年4月14日 2012年4月27日
4 パナソニック PC 1971年9月 2013年4月
5 クボタ KUB 1976年11月9日
(当時は久保田鉄工)
2013年7月16日
6 コナミホールディングス KNM 2002年9月30日
(当時はコナミ)
2015年4月24日
7 アドバンテスト ATE 2001年9月17日 2016年4月22日
8 日本電産 NJ 2001年9月27日 2016年5月2日

1998年以降、毎年1社以上の日本企業が上場していたが、2002年のコナミを最後に4年余りなかった。この背景には、2002年7月に制定された米国の上場企業会計改革および投資家保護法(通称SOX法)がある。 エンロンワールドコムの不正会計事件を受けて制定された同法は、米国企業のみならず米国の証券取引所に上場する外国企業にも厳正なコーポレート・ガバナンスを求めており、この対応に多くの費用と時間を強いられるため、上場が敬遠されていた。

これをクリアしたみずほフィナンシャルグループは、公的資金の完済を果たしたこともあり、日本企業としては4年ぶりにNYSE上場を果たした。みずほ社長の前田晃伸は、SOX法への対応に100億円を費やしたと上場直後のインタビューで語っている。

さらに、NYSEでは日本の大手企業に上場の話を持ちかけており、景気の回復もあってさらに数社の上場が噂されている。一方、イトーヨーカ堂(現在では持株会社セブン&アイ・ホールディングスの完全子会社。当時アメリカ国内で株式・ADRを発行しており、IYGという証券コード名までNYSEから提示されていた)のように誘いを断った企業もある。また、1976年から株式を上場していたパイオニアは、2006年1月下旬に「株式事務の合理化」を理由にNYSEでの上場を廃止した。同様に1982年から株式を上場していたTDKも、「取扱高が少なく、上場を続ける経済的合理性が薄くなった」ことを理由に2009年4月下旬に上場を廃止した。1971年から株式を上場していた古参のパナソニックも、業績悪化に伴うコスト削減の一環として2013年4月下旬に上場を廃止した。

関連項目

脚注

  1. 戸松信博『日本人が知らなかった海外投資 米国株』翔泳社、2012年、176頁
  2. NY証券取引所のトップに女性、創業226年で初”. CNN Japan (2018年5月24日). . 2018閲覧.
  3. skynews, "New York Stock Exchange owner to buy RBS stake in Euroclear", Sunday 22 October 2017, By Mark Kleinman, Retrieved Tuesday 13 March 2018
  4. 4.0 4.1 4.2 岡田功太 「米国ETFのマーケットメイカー制度と日本への示唆」 資本市場 (386), 52-59, 2017-10
  5. 5.0 5.1 新保博彦『日米コーポレート・ガバナンスの歴史的展開』中央経済社、2006年、77頁
  6. Securities and Exchange Commision, Report of Special Study of Securities Markets, U.S.government printing office, 1963, Part.2. p.876. ChartⅧ h and i
  7. Anthony Schlesinger, "The Third Market, Challenge to the New York Stock Exchange", Southwestern Law Journal, Vol.20, 1966, p.640.
  8. 23:30 - 6:00(日本時間夏時間(3月の第2日曜日 - 11月の第1日曜日)は1時間早い
  9. National Park Service, National Historic Landmarks Survey, New York , Retrieved May 31, 2007.
  10. 引用エラー: 無効な <ref> タグです。 「nhlsum」という名前の引用句に対するテキストが指定されていません
  11. George R. Adams (1977年3月). “[[[:テンプレート:NHLS url]] New York Stock Exchange National Register of Historic Places Inventory-Nomination (1MB PDF)] (PDF)”. National Park Service. . January 30, 2008閲覧.
  12. [[[:テンプレート:NHLS url]] National Register of Historic Places Inventory-Nomination (1MB PDF)] (PDF)”. National Park Service (1983年). . January 30, 2008閲覧.
  13. History of the Bell
  14. 14.0 14.1 そもそも米国株とは? マネックス証券 2016年12月23日閲覧

外部リンク