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ジラース


ジラースは、特撮テレビドラマウルトラマン』や『レッドマン』に登場する架空の怪獣。別名はエリ巻恐竜[1][2][3][4][5][注釈 1]。英字表記はJIRASS[10]GIRAS[1]JIRAHS[3]など。

『ウルトラマン』に登場するジラース

『ウルトラマン』第10話「謎の恐竜基地」に登場。

元々はネス湖に生息していた恐竜の生き残りで、首の周りに大きな襟巻き状の皮膜を持つ。「モンスター博士」の異名を持つ中村博士(正体はネス湖で行方不明になった二階堂教授)によって日本へ運ばれ、北山湖[注釈 3]で秘密裏に15年間飼育された結果、怪獣化した個体である。その際における体質変化に伴い、口から熱線[4][7][5][注釈 4]を吐けるようになっている[注釈 5]。普段は北山湖の底に潜み、餌を与えられる夜にのみ姿を現していたが、釣り人が魚を大量に捕ろうと撒いたカーバイドに刺激されて姿を現す。

二階堂教授としての正体を表した中村博士を踏み潰し、ウルトラマンに戦闘を挑むも襟巻きをもぎ取られ、闘牛士が持つ赤い布のように襟巻きをひらつかせたウルトラマンへ突進してはかわされた果てに、すれ違いざまのウルトラ霞斬りで急所を突かれ、吐血して絶命する。中村博士もジラースの亡骸にすがりながら息絶えた。

  • スーツアクター:中島春雄[1][8][11]
  • 命名は脚本家の金城哲夫沖縄方言で「次郎叔父さん」を意味する「ジラースー(次郎主)」からとった[12]
  • 台本では襟巻を剥がされると戦意が喪失するという描写がなされていた[11]

ゴジラとの関係

着ぐるみ東宝ゴジラシリーズで使用されたゴジラのスーツを流用したもの[13][7][11]。襟巻きを付け、腹部、頭部、背びれを黄色くペイントした以外は目立った改変がない[注釈 6]。特にウルトラマンとの戦闘で襟巻きを失った姿はゴジラのイメージをほぼそのまま残しており[7]、デザインを担当した成田亨も「ゴジラに襟巻をつけた」と称している[14]。鳴き声もまたゴジラの音源を早回ししたものであり、演じたスーツアクターも当時のゴジラと同じ中島春雄であった。

頭部は『怪獣大戦争』、胴体は『モスラ対ゴジラ』のゴジラから改造された『ウルトラQ』のゴメスを経て、再びゴジラの意匠へ改修されたものを使用している[8][11]。『怪獣大戦争』の撮影後、『モスゴジ』のゴジラの胴体に『怪獣大戦争』のゴジラの頭部を取り付けたものが上野の赤札堂で展示され、これが原型となった[15]。その後みたびゴジラとして改修され、『ゴジラ・エビラ・モスラ 南海の大決闘』に使用された[16]

戦闘中に襟巻きを剥ぎ取られる演出について、監督の満田かずほは「改造前の状態で東宝に返却する必要があったため、劇中で意図的にゴジラへ戻した」と語っている[17]。『ウルトラ怪獣列伝』では、その容姿から映像作品での再登場は難しいものと推測している[7]

『レッドマン』に登場するジラース

レッドマン』第13話、第15話、第16話、第61話、第70話、第75話、第100話、第103話、第106話、第110話に登場。着ぐるみは、玩具メーカーブルマァクの販売促進用に制作されたものを使用している[18]。体色は緑色(腹の部分が剥げている)で、手足の指は5本。

  • 第13話:バルタン星人と共にレッドマンを挟み撃ちにしようとするが、避けられて激突して倒れる。
  • 第15話:単身でレッドマンと戦うが、レッドアローで倒される。
  • 第16話:バルタン星人に操られてレッドマンと戦うが、巴投げで倒される。
  • 第61話:単身でレッドマンと戦うが、レッドキックで倒される。
  • 第70話:エレキングに加勢してレッドマンと戦うが、レッドアローを刺されて倒される。
  • 第75話:イカルス星人と共にレッドマンと戦うが、レッドナイフを刺されて倒される。
  • 第100話:レッドキラーと共にレッドマンと戦うが、レッドキックで倒される。
  • 第103話:グドンと共にレッドマンと戦うが、レッドフォールで倒される。
  • 第106話でグドン、レッドキラー、ペギラと共にレッドマンと戦うが、レッドアローで倒される。
  • 第110話:グドンと共にレッドマンと戦うが、レッドナイフで倒される。

その他

  • 帰ってきたウルトラマン』第12話では、MATの射撃訓練の的にジラースのものがある。
  • ウルトラ怪獣大百科』では、ナレーションが「このジラースが最後の1匹とは思えない」と、第1作の『ゴジラ』における山根博士の台詞と同様の意図の発言をしている。
  • ウルトラマンマックス』の放送前に行われた「伝説の怪獣人気投票」では、第9位にランクインしている[19]
  • ウルトラマンメビウス』第21話では、怪獣墓場に漂っている姿が描かれている。
  • 映画『大怪獣バトル ウルトラ銀河伝説 THE MOVIE』では、ベリュドラの右腕を構成する怪獣の1体となっている[20]
  • SmaSTATION!!』2009年12月19日放送分で「ウルトラマン 9のヒミツ」と題した特集が組まれた際、ゴジラからジラースに改造されたことが紹介された。
  • ウルトラゾーン』では、第8話のアイキャッチでペヤングソースやきそば似のカップ麺を湯切りした際、麺を半分こぼしてしまう姿が描かれている[21]。また、第15話の特撮ドラマ「東京ジュラ紀(後編)」では、秘宝「アカンバロの瞳」の効果によって「ジラースに似ているが襟巻きのない怪獣」[22]が東京に出現したことが登場人物の口から語られる。
  • 漫画『ウルトラマンSTORY 0』では、ジェロニモンに蘇生された再生怪獣の1体として登場。
  • 『大怪獣バトル』の拡張第1弾に技カードとして登場。スキルは本編で岩を光線で狙撃した「早打ちの技術」。
  • 小説『ウルトラマンF』ではジラースの骨格を人工細胞と金属材料で覆い原子力モーターを動力源とした、レプリカジラースがインペイシャントによって造られた。
  • ライブステージ
    • ウルトラマンフェスティバル'97』ライブステージ第1部では、キリエロイドの配下の怪獣として登場。光の妖精ファーラを処刑するためにグドンと共に出現する。最後はウルトラマンの八つ裂き光輪で襟巻きを取られたところへ、スペシウム光線を受けて倒される。
    • 2014年、大阪開催の『三大特撮ヒーローフェスティバル』のスペシャルステージにて、ショーの冒頭にウルトラマンと戦う怪獣として登場し、テレビと同様の「エリマキを剥ぎ取られ、ゴジラ同然の姿となる」という演出まで再現された。

過去の映像を流用しての登場

いずれも映像は『ウルトラマン』第10話の流用。

『ウルトラマン』第39話
ゼットンに倒されたウルトラマンの走馬灯の中に登場。
甦れ!ウルトラマン
怪獣総進撃を予期したハヤタの回想シーンに登場。
ウルトラマンティガ
第49話のEDに登場。
ウルトラマンボーイのウルころ
第79話「ペットは大恐竜!?」に登場。

脚注

注釈

  1. 資料によってはえりまき恐竜[6]エリ巻き恐竜[7][8]と表記している。またえりまき怪獣[9][10]と記述しているものもある。
  2. 資料によってはネス湖のみを記述している[4][5]
  3. 佐賀県に実在する同名の湖とは別。
  4. 『ウルトラマン白書』では怪光線[10]、『ウルトラ怪獣大全集』では放電光線[6]、『ウルトラマン ベストブック』では白熱光[1]、『ウルトラマン大辞典』では破壊光線[2]、『ウルトラマン画報 上巻』では白熱光線[3]と記述している。
  5. 『ウルトラマン ベストブック』では威嚇用であったものと推測している[1]
  6. 第10話監督の満田かずほは、カラー放送を意識した配色であることを証言している[11]

出典

  1. 1.0 1.1 1.2 1.3 1.4 1.5 1.6 1.7 ベストブック 1993, p. 88
  2. 2.0 2.1 2.2 2.3 2.4 大辞典 2001, p. 171
  3. 3.0 3.1 3.2 3.3 3.4 3.5 画報 上巻 2002, p. 38
  4. 4.0 4.1 4.2 4.3 4.4 円谷プロ全怪獣図鑑 2013, p. 14
  5. 5.0 5.1 5.2 5.3 5.4 研究読本 2014, 「ウルトラマン 怪獣・宇宙人大図鑑」
  6. 6.0 6.1 6.2 6.3 6.4 ウルトラ怪獣大全集 1984, p. 14
  7. 7.0 7.1 7.2 7.3 7.4 7.5 7.6 怪獣列伝 2008, 「変装した元祖スター怪獣 エリ巻き恐竜ジラース」
  8. 8.0 8.1 8.2 8.3 8.4 全調査報告 2012, 「CASE FILE10 謎の恐竜基地」
  9. 『怪獣図解入門』 小学館68ページ
  10. 10.0 10.1 10.2 10.3 10.4 白書 1982, 「ウルトラマン 怪獣リスト」
  11. 11.0 11.1 11.2 11.3 11.4 研究読本 2014, 「エピソードガイド第10話」
  12. 講談社『テレビマガジンヒーローグラフィックライブラリー/ウルトラマン』83頁
  13. 画報 上巻 2002, 「COLUMN13 怪獣因果関係」.
  14. 成田亨 2014, p. 81.
  15. ホビージャパン『大ゴジラ図鑑』94頁
  16. 大ウルトラマン図鑑 1996, p. 119.
  17. ウルトラマン Blu-ray BOX I SPECIAL DISC 「ウルトラマンHDリマスター版完全放送スペシャルトーク 満田かずほ×山本弘」
  18. 『超人画報 国産架空ヒーロー40年の歩み』 竹書房/イオン編、竹書房、1995-11-30、92。C0076。ISBN 4-88475-874-9。
  19. 伝説の怪獣人気投票 - ウルトラマンマックス(中部日本放送)
  20. ウルトラ銀河伝説超全集 2009, 「百体怪獣ベリュドラ完全攻略」.
  21. ウルトラゾーン完全ガイド 2012, 「ウルトラゾーンアイキャッチコレクション3」.
  22. 円谷プロ全怪獣図鑑 2013, p. 385

参考文献

  • 『不滅のヒーローウルトラマン白書』 朝日ソノラマファンタスティック・コレクション・スペシャル〉、1982-12-31、初版。雑誌コード:67897-80。
  • てれびくんデラックス愛蔵版(小学館
  • 『ウルトラマン ベストブック』 竹書房、1993-09-05。ISBN 4-88475-211-2。
  • ヤマダ・マサミ 『大ウルトラマン図鑑』 ホビージャパン、1996年。ISBN 978-4894251090。
  • 『ウルトラマン大辞典』 監修 円谷プロダクション、中経出版、2001-12-21。ISBN 4-8061-1556-8。
  • 『ウルトラマン画報 光の戦士三十五年の歩み』上巻、竹書房/ブレインナビ編、竹書房、2002-10-04。ISBN 978-4-8124-0888-9。
  • 『ウルトラ怪獣列伝 ウルトラマン・ウルトラセブン編』 ブレインナビ編著、PHP研究所PHP文庫〉、2008-08-18。ISBN 978-4-569-67071-3。
  • ウルトラゾーンオフィシャル完全ガイド』 監修 円谷プロダクション扶桑社、2012-08-11。ISBN 978-4-594-06640-6。
  • 『ウルトラマン 全調査報告』 講談社 編、講談社〈キャラクター大全〉、2012-12-20。ISBN 978-4-06-218128-0。
  • 大石真司・江口水基・島崎淳・間宮尚彦 『円谷プロ全怪獣図鑑』 小学館、2013-03-11。ISBN 9784096820742。
  • 『別冊映画秘宝ウルトラマン研究読本』 洋泉社〈洋泉社MOOK〉、2014-01-02。ISBN 978-4-8003-0262-5。
  • 成田亨 『成田亨作品集』 羽鳥書店、2014-07-19。ISBN 978-4-904702-46-8。

関連項目