サミル・ナスリ

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サミル・ナスリSamir Nasri, 1987年6月26日 - )は、フランスブーシュ=デュ=ローヌ県マルセイユ出身のサッカー選手。ポジションはミッドフィールダー。元サッカーフランス代表で現在は無所属。

経歴

クラブ

マルセイユ

2004年UEFA U-17欧州選手権にフランス代表として出場。決勝では勝ち越しゴールをあげるなど、優勝に貢献し脚光を浴びる。同年、ユース期から所属していたオリンピック・マルセイユと3年間のプロ契約を結び、9月12日のFCソショー戦でリーグ・アンデビュー。11月にフィリップ・トルシエが監督に就任するとレギュラーに抜擢される[1]。チームは不振を極め、トルシエも2005年5月に解任されるが、ナスリはその後もマルセイユの司令塔として4シーズンに渡ってプレーした[2]

アーセナル

2008年7月11日、1200万ポンドの移籍金でプレミアリーグアーセナルFCに移籍[3]8月16日の開幕戦ウェストブロムウィッチ・アルビオン戦でプレミアリーグデビューを果たし、開始わずか4分で初ゴールを記録[4]。このシーズンは主に左サイドハーフを務め、6ゴール2アシストを記録した[5][6]。2009-10シーズンは夏のキャンプ中に右腓骨を骨折しシーズン序盤戦を欠場したが、10月に復帰すると安定した活躍を見せ、34試合に出場した[7]。3年目の2010-11シーズンは自己最多の10得点を決めた。

マンチェスター・シティ

2011年8月24日、4年契約でマンチェスター・シティFCへ移籍[8]。移籍金は2500万ポンド。8月28日トッテナム・ホットスパーFC戦では3アシストを決めた[9]。 シティでは毎年のようにやってくる大物たちにポジションを脅かされ続け、時にはスタメンを失うこともあったが、シルバとの相性の良さやシルバ不在時には貴重な閃きを持った存在として存在感を示した。

13-14シーズンのプレミアリーグ最終節ウェストハム・ユナイテッド戦、この試合勝てば優勝が決まるという大一番では、先制となるミドルシュートを決めた。

14-15シーズンのCLグループリーグ最終節のASローマ戦では、点が入らなければ敗退という厳しい状況の後半、ドリブルでマークをずらし強烈なミドルシュートをたたき込み、大逆転での突破に導いた。

セビージャ

2016年8月31日、移籍期間最終日でセビージャFCにレンタル移籍が発表された。

セビージャ在籍中の2016年12月、滞在先のアメリカでビタミンを主原料とした栄養剤500mlの静脈注射を行ったが、世界アンチ・ドーピング機関は摂取量は6時間あたりで50mlと定めており、ナスリの使用理由も例外条項には当てはまらなかったことから、欧州サッカー連盟(以下、UEFA)はセビージャの申請を却下して2年間の出場停止処分を決定したが、ナスリ側がスポーツ仲裁裁判所に提訴したため、2018年2月まで係争中となる。

シーズン終了後、セビージャは完全移籍に必要な移籍金2500万ユーロとナスリの高額な年俸を負担出来ず、完全移籍オプションを行使しなかったことから、マンチェスター・シティへ復帰した。

アンタルヤスポル

2017年8月21日、トルコのアンタルヤスポルに移籍[10]。契約期間は2年間。しかし満足な出場機会を得られず、2018年1月31日に双方合意の上で契約解除、わずか5ヵ月で退団した。

ドーピング違反による出場停止

新たな移籍先にはFCポルトUDラス・パルマスが浮上していたが、2018年2月、係争中であったセビージャ在籍時代の静脈注射についてナスリ側が提訴していたスポーツ裁判所は当初、UEFAが提示した2年間の出場停止処分を軽減した6ヵ月間が妥当との見解を示し、これを受けたUEFAによってドーピング違反により6ヶ月間の出場停止処分を科された[11]

代表

2007年3月28日の国際親善試合オーストリア戦でフランス代表デビュー。フリーキックからカリム・ベンゼマの決勝点をアシストし勝利に貢献した。同年6月6日ジョージア戦で代表初得点を記録[12]。同年、リーグ・アン若手年間最優秀賞を受賞した[13]EURO2008では最年少メンバー(20歳)として代表入りするが、途中交代での2試合出場にとどまった[6]

クラブでの活躍から2010 FIFAワールドカップも代表入りが期待されたが、予選からほとんど起用されることがなく、本戦の代表候補30人にも選出されなかった[14]。これはナスリにEURO2008においてチームの和を乱した過去があったことから、レイモン・ドメネク監督の信頼を得られなかったためといわれている[14]

2010年ローラン・ブランが代表監督に就任すると、再び代表に呼ばれるようになる。EURO2012では予選からレギュラーの位置を確保。本戦においてもグループリーグ初戦のイングランド戦で同点ゴールを決める活躍を見せたが、決勝トーナメント1回戦でスペインに敗退。試合後には記者に対して暴言を吐くという騒動を起こした[15]

2014 FIFAワールドカップではメンバーに漏れ、8月9日に代表引退を表明した[16]。その際、フランスサッカー連盟ディディエ・デシャンフランス代表監督を批判した。デシャンはワールドカップのメンバーにナスリを選ばなかった理由について、ナスリが控えに回ると不満を漏らす事によって、チームの雰囲気が乱れる事を懸念したためだと明かしている[17]

人物

主にトップ下やサイドハーフとしてプレーする攻撃型ミッドフィールダー。17歳でオリンピック・マルセイユのレギュラーに、19歳でフランス代表に選出された。ボールコントロール、テクニックに優れ、ハードワークを厭わないプレースタイルはアーセン・ベンゲルから高い評価を得た[18][19]。そのプレーはもとより、両親がアルジェリア移民、マルセイユ出身など共通項が多いことからジネディーヌ・ジダンと比較されることが多く、「ジダン2世」と呼ばれる[20][21]が、本人の憧れはロベール・ピレス[18]

ジダンの後継者と評される一方で、ピッチ内外で批判を受ける行動を見せることも少なくない。2008年8月30日ニューカッスル・ユナイテッドFC戦ではジョーイ・バートンから強烈なスライディングタックルを受けたことに憤り、報復するような形でバートンを後ろから倒してイエローカードを受けた。この試合を最後にニューカッスルの監督を辞任したケヴィン・キーガンは、ナスリの行為を痛烈に批判した[22]。また、EURO2012においては初戦のイングランド戦でゴールを決めた際にレキップ誌の記者に対して「黙れ」というジェスチャーをして物議を醸したうえ、スペイン戦でチームが敗退した後にも記者に暴言を吐き、フランスサッカー連盟の会長から苦言を呈された[23]。この問題はメディアに大きく取り上げられ、事件後にレキップ誌が行った読者アンケートでは、56%がナスリのフランス代表からの追放を望んでいるという結果が出た[24]

個人成績

クラブ

年度 所属クラブ 背番号 リーグ リーグ カップ UEFA主催 期間合計
出場 得点 出場 得点 出場 得点 出場 得点
2004-05 オリンピック・マルセイユ 22 リーグ・アン 24 1 0 0 0 0 24 1
2005-06 30 1 0 0 14 1 44 2
2006-07 37 3 1 0 6 0 44 3
2007-08 30 6 2 0 8 0 40 6
2008-09 アーセナルFC 8 プレミアリーグ 29 6 5 0 10 1 44 7
2009-10 26 2 2 0 6 3 34 5
2010-11 30 10 8 3 8 2 46 15
2011-12 1 0 0 0 0 0 1 0
マンチェスター・シティFC 19 30 5 5 1 10 0 45 6
2012-13 8 28 2 4 2 6 1 38 5
2013-14 34 7 5 3 7 1 46 11
2014-15 24 2 3 0 6 1 33 3
2015-16 12 2 0 0 1 0 13 2
通算 335 47 35 9 82 10 452 66

代表

2012年6月11日現在[25]
代表国 出場 得点 アシスト
2007 テンプレート:Fb 7 2 1
2008 7 0 1
2009 1 0 0
2010 4 0 0
2011 8 1 1
2012 5 1 1
2013 3 1 0
通算 38 5 4

代表での得点

# 開催日 開催地 対戦国 スコア 結果 大会
1 2007年6月6日 フランスの旗オセールスタッド・ドゥ・アベー・デシャン テンプレート:GEOf 1–0 1–0 UEFA EURO 2008予選
2 2007年11月16日 フランスの旗サン・ドニスタッド・ド・フランス テンプレート:MARf 2–1 2–2 親善試合
3 2011年10月11日 フランスの旗サン・ドニ、スタッド・ド・フランス テンプレート:BIHf 1–1 1–1 UEFA EURO 2012予選
4 2012年6月10日 ウクライナの旗ドネツィクドンバス・アリーナ イングランドの旗 イングランド 1–1 1–1 UEFA EURO 2012
5 2013年9月10日 ベラルーシの旗ホメリ、セントラル・スタジアム テンプレート:BLRf 2–3 2–4 2014 FIFAワールドカップ予選

タイトル

クラブ
マンチェスター・シティFC

脚注

  1. “横尾愛の「ようこそフランス・リーグへ!」”. Yahoo!スポーツナビ. (2005年1月27日). http://archive.sportsnavi.yahoo.co.jp/soccer/eusoccer/france/column/200501/at00003622.html 
  2. ““ジダン絶賛「ナスリよ、マルセイユに残れ」”. livedoor.com. (2007年4月24日). http://news.livedoor.com/article/detail/3133889/ 
  3. “アーセナル新加入のナスリ「ベンゲルのスタイルは文化だ」”. livedoor.com. (2008年7月27日). http://news.livedoor.com/article/detail/3748044/ 
  4. “Arsenal 1–0 West Brom”. BBC. (2008年8月16日). http://news.bbc.co.uk/sport1/hi/football/eng_prem/7551128.stm 
  5. “ヴェンゲル:ナスリを真ん中に移した理由”. livedoor.com. (2009年1月14日). http://news.livedoor.com/article/detail/4474010/ 
  6. 6.0 6.1 Statistics - soccernet.espn.go.com
  7. “ナスリとファビアンスキが今夜のリバプール戦に先発”. livedoor.com. (2009年10月28日). http://news.livedoor.com/article/detail/4473300/ 
  8. “Terms agreed with Manchester City for Nasri”. Arsenal.com. (2011年8月23日). http://www.arsenal.com/news/news-archive/terms-agreed-with-man-city-for-nasri 
  9. シティ、ゼコ4発でスパーズを一蹴Goal.com 2011年8月29日
  10. Samir Nasri leaves CityManchester City FC 2017年8月21日
  11. 元フランス代表ナスリ、“ドーピング”により6カ月間の出場停止処分へSoccerKING、2018年2月26日
  12. ““フランス代表の顔”ナスリ、初ゴールも「満足していない」”. livedoor.com. (2007年6月7日). http://news.livedoor.com/article/detail/3191137/ 
  13. Samir Nasri won Young Player of the Year at Sports Illustrated - sportsillustrated.cnn.com
  14. 14.0 14.1 “ヴィエラ、ベンゼマ、ナスリを外したドメネク監督の“真意”は?”. 欧州通信. (2010年5月12日). http://news.livedoor.com/article/detail/4765605/ 
  15. サッカー=ユーロ敗退したフランス代表のナスリ、記者に暴言
  16. ナスリがフランス代表引退 監督やチームに不満
  17. フランス代表との決別を宣言したナスリ 「父が監督でも復帰しない」 Goal.com 2015年10月6日
  18. 18.0 18.1 “ナスリ:「ピレスのようになりたい」”. goal.com. (2010年5月1日). http://www.goal.com/jp/news/74/%E3%82%A4%E3%83%B3%E3%82%B0%E3%83%A9%E3%83%B3%E3%83%89/2010/05/01/1903899/%E3%83%8A%E3%82%B9%E3%83%AA%E3%83%94%E3%83%AC%E3%82%B9%E3%81%AE%E3%82%88%E3%81%86%E3%81%AB%E3%81%AA%E3%82%8A%E3%81%9F%E3%81%84 
  19. Nasri agrees to join Arsenal from Marseille”. arsenal.com (2006年7月28日). . 2010年5月25日閲覧.
  20. “フランス代表の新星(1):ナスリ「ジダンと比べないで」”. livedoor.com. (2007年3月22日). http://news.livedoor.com/article/detail/3085827/ 
  21. “「ジダン2世」MFナスリが1得点”. 日刊スポーツ. (2007年11月18日). http://www.nikkansports.com/soccer/world/p-sc-tp3-20071118-284491.html 
  22. “Kevin Keegan speaks up in defence of returning Joey Barton”. telegraph.co.uk. (2008年8月30日). http://www.telegraph.co.uk/sport/football/leagues/premierleague/2653056/Kevin-Keegan-speaks-up-in-defence-of-returning-Joey-Barton-Football.html 
  23. FFF会長:「ナスリの態度は耐えられない」
  24. 記者に暴言を吐いたナスリ、2年間の出場停止処分の可能性
  25. Samir Nasri FFF Profile” (French). French Football Federation. . 2012年6月12日閲覧.

外部リンク