コペルニクス的転回

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コペルニクス的転回(コペルニクスてきてんかい、: Kopernikanische Wende)とは、物事の見方が180度変わってしまう事を比喩した言葉。

概要

元々は哲学者のイマヌエル・カントが自らの哲学を評した言葉であった。

ニコラウス・コペルニクスは、それまでの常識であった地球中心説に対して、太陽中心説を唱えた天文学者である。

認識論において、人間の認識は、外部にある対象を受け入れるものだというのが、従来の哲学の常識であった。それに対して、カントは、人間は物自体を認識することはできず、人間の認識形式が現象を構成するのだと説いた。こうして、人間の認識形式自体を問う近代的な認識論が成立した。

これから派生して、物事の見方が180度変わってしまうような場合にも、この言葉が使われるようになる(パラダイム転換と同じような意味)。

なお、実際には大勢の学者がコペルニクスに先行して太陽中心説を提唱していて、コペルニクスの独創ではない。また、コペルニクス自身も天体は円運動をするという固定観念に縛られており、実際には楕円運動をしていることを発見したのはヨハネス・ケプラーであった。

参考文献

関連項目