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雨などにより2次的に引き起こされる場合、火山灰が山体周辺に降り積もった後に[[豪雨]]などにより流下する場合([[昭和28年西日本水害|1953年の阿蘇山]]、[[長野県西部地震|1984年の御嶽山]]、[[平成25年台風第26号|2013年の伊豆大島]]<ref>{{Cite journal|和書 |doi=10.5575/geosoc.2014.0022 |author=山元孝広、川辺禎久 |title=伊豆大島2013年ラハールの堆積学的特徴:ラハール堆積物の粒度組成による分類 |journal=地質学雑誌 |publisher=[[日本地質学会]] |volume=120 |date=2014 |issue=7 |pages=233-245}}</ref>ほか事例多数)もラハールと呼ぶ([[日本]]では[[土石流]]と呼んでいる)。
 
雨などにより2次的に引き起こされる場合、火山灰が山体周辺に降り積もった後に[[豪雨]]などにより流下する場合([[昭和28年西日本水害|1953年の阿蘇山]]、[[長野県西部地震|1984年の御嶽山]]、[[平成25年台風第26号|2013年の伊豆大島]]<ref>{{Cite journal|和書 |doi=10.5575/geosoc.2014.0022 |author=山元孝広、川辺禎久 |title=伊豆大島2013年ラハールの堆積学的特徴:ラハール堆積物の粒度組成による分類 |journal=地質学雑誌 |publisher=[[日本地質学会]] |volume=120 |date=2014 |issue=7 |pages=233-245}}</ref>ほか事例多数)もラハールと呼ぶ([[日本]]では[[土石流]]と呼んでいる)。
 
== 歴史に残る事例 ==
 
* インドネシアのケルート山
 
** [[1586年]] - 死者1万人
 
** [[1872年]] - 死者200人
 
** 1919年[[5月20日]] - 火口湖の水がラハールとなり、麓の村を直撃。死者5,100名。
 
** [[1966年]] - 死者282人。
 
* [[1640年]] - [[北海道駒ヶ岳]]<ref>[http://ci.nii.ac.jp/naid/110002998446 吉本充宏:北海道駒ヶ岳火山 1640 年山体崩壊に伴う火砕物重力流堆積物] 日本火山学会講演予稿集 2001(2), 146, 2001-10-01</ref>死者約700名。
 
* [[1783年]]([[天明]]3年)[[浅間山]]
 
* [[1888年]](明治21年)[[磐梯山]] - [[火山噴出物|噴出物]](噴煙柱)に水分が多量に含まれていたため発生<ref>{{Cite journal|和書 |id={{hdl|10097/41091}} |author=紺谷和生、谷口宏充 |title=磐梯山1888年噴火によるサージ堆積物と被災記録 |journal=東北アジア研究 |publisher=[[東北大学]]東北アジア研究センター |date=2004 |issue=8 |pages=71-90 |issn=1343-9332}}</ref>。
 
* [[1926年]](大正15年)[[5月24日]]、[[北海道]]の[[十勝岳]] - 噴火で山頂付近の雪が融解し、泥流が発生した。死者144人<ref>{{PDFlink|[http://www.bousai.go.jp/kyoiku/kyokun/kyoukunnokeishou/pdf/kouhou042_20-21.pdf 1926年十勝岳泥流災] }} - [[内閣府]]  「災害教訓の継承に関する専門調査会」</ref><ref>[https://www.jstage.jst.go.jp/article/prohe1975/33/0/33_0_361/_article/-char/ja 宮本邦明、鈴木宏、山下伸太郎、水山高久、「十勝岳大正15年 (1926年) 泥流の再現計算」] 水理講演会論文集 33巻 (1989) p.361-366, {{doi|10.2208/prohe1975.33.361}}
 
</ref>。
 
* [[1953年]][[12月24日]]、[[ニュージーランド]]の[[ルアペフ山]] - 火口湖の水がラハールとなり[[鉄道橋]]を損傷、列車を巻き込んで崩落した。死者151人<ref>{{PDFlink|[http://www.ric.or.jp/profile/works/kiyou/H2205.pdf 火山泥流の発生・流下過程における土砂水理特性変化の実態解明 -2007年3月18日にニュージーランド・ルアペフ火山の火口湖決壊によって発生した火山泥流の事例-] }} - 北海道河川財団</ref>。
 
* [[1985年]][[11月13日]]、南米[[コロンビア]]の[[ネバドデルルイス火山]] - [[火砕流]]で山頂付近の氷河が融解した事で大規模な泥流が発生し、麓の[[アルメロ (コロンビア)|アルメロ市]]を壊滅させた。死者21,500人。
 
* [[1991年]]、[[フィリピン]]の[[ピナトゥボ山]] - 20世紀最大の大噴火。大量に降り積もった火山灰が[[雨季]]になる度に豪雨で流下した。
 
* 2006年11月 フィリピンの[[マヨン山]]で台風に伴い発生。死者620名、行方不明710名、倒壊家屋約9000戸の被害<ref>{{PDFlink|[http://www.stc.or.jp/17inter/file/sabo90-philippin.pdf フィリピン・マヨン火山火山泥流災害調査] }} - 砂防・地すべり技術センター</ref>。
 
* [[2010年]]、インドネシアの[[ムラピ山]]
 
  
 
== 文学 ==
 
== 文学 ==

2018/10/29/ (月) 20:56時点における最新版


 

ラハールテンプレート:Lang-idヒンディー語: लहर)とは、火山砕屑物が水により流動性を持ち重力に引かれ流動する(火砕物重力流)現象で、水と共に山の斜面を流れ下る現象である。火山泥流(かざんでいりゅう、: volcanic mud flow)と同義語として扱われているが、言葉の定義は年代や研究分野により変化をしており定まっていない[1]1919年インドネシアケルート山の噴火で初めて科学的に調査され、現地語から命名された。元来のヒンディー語での意味は波である[2]

解説

火山噴火により直接的に引き起こされる様式と、雨などにより2次的に誘発される2種類の発生様式がある。

直接的に引き起こされる場合は、火山の山頂部が積雪氷河らに覆われていた時に噴火が起こり、その高熱によって雪や氷が融解した際や、火口湖が水で満たされている時などに発生する。大量の水分を含んでいる為に流下スピードは極めて速く、時速100kmを超えることもある。

雨などにより2次的に引き起こされる場合、火山灰が山体周辺に降り積もった後に豪雨などにより流下する場合(1953年の阿蘇山1984年の御嶽山2013年の伊豆大島[3]ほか事例多数)もラハールと呼ぶ(日本では土石流と呼んでいる)。

文学

脚注

  1. 西本晴男「火山地域における火山泥流,泥流,土石流の表現方法に関する考察」、『砂防学会誌』第63巻第2号、2010年、 26-37頁、 doi:10.11475/sabo.63.2_26
  2. インドのヒンディー語では「लहर」ラハールと表記され、波という意味を持ち、海や川の波、波や水の波動、精神の波動まで含んだ大きな意味で使われる。英語のwaveとほぼ同じ意味を持つ。ヒンディー語は古くからインドなどで話される言葉であり、それが南アジア全体に広がっていき、インドネシアなどの言葉の基ともなった言葉であり、インドネシア語でも影響を受け、ヒンディー語のラハール(लहर)はインドネシア語では流動という意味になったと思われる。
  3. 山元孝広、川辺禎久「伊豆大島2013年ラハールの堆積学的特徴:ラハール堆積物の粒度組成による分類」、『地質学雑誌』第120巻第7号、日本地質学会2014年、 233-245頁、 doi:10.5575/geosoc.2014.0022

出典

外部リンク

関連項目

テンプレート:火山災害