コープランド–エルデシュ定数

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コープランド–エルデシュ定数(コープランド–エルデシュていすう、:Copeland–Erdős constant)とは、数学定数のひとつで 0.235711131719232931…、すなわち一の位が 0 で小数第1位からは素数が小さい方から順に現れる実数である。コープランドエルデシュにちなんで命名された。

数学的性質

1946年に、コープランドとエルデシュは、この数が十進正規数であることを示した[1]。これより、無理数であること、すなわち循環しない小数であることも分かる。ハーディとライトの『数論入門』には、コープランド-エルデシュ定数が無理数であることの直接の証明として、算術級数定理を用いたものと、ベルトランの仮説を用いたものが紹介されている[2]。以下、定数が有理数と仮定し、循環節の長さを s として矛盾を導く。

  • 算術級数定理より、初項 1 で公差 10s+1算術級数を考えると、0 がs桁以上連続する素数は無数に存在する。これは明らかに仮定に反する。
  • ベルトランの仮説より、5 × 10n−1 と 10n の間に素数が存在するから、任意の自然数 n に対してn桁の素数が存在する。s > 1の場合 、十分大きな m > 1 に対してms桁の素数が定数の循環部分に現れるはずであるが、仮定よりその素数はs桁毎の繰り返しとなる。そのような数は合成数であるから矛盾である。s=1の場合も、素数であり合成数である数の存在が示される。

また、以下の式で表すことができる。ここに p(n) は n 番目の素数、[math]\lfloor x \rfloor[/math]床関数を表す。

[math]\sum_{n=1}^\infty p(n) 10^{-\left(n + \sum\limits_{k=1}^n \lfloor\log_{10}{p(k)}\rfloor\right)}.[/math]

連分数展開は、[0; 4, 4, 8, 16, 18, 5, 1, …](オンライン整数列大辞典の数列 A30168)である。

関連項目

参考文献

  1. Copeland, A. H. and Erdős, P. "Note on normal numbers." Bull. Amer. Math. Soc., 52, 857–860, 1946.
  2. Hardy, G. H. and Wright, E. M. "An introduction to the theory of numbers." Fifth edition. The Clarendon Press, Oxford University Press, New York, 1979.(邦訳の第一分冊 ISBN 4431708480)

外部リンク