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正式名称 オランダ王国 Koninkrijk der Nederlanden<br>
 
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人口 1680万2000(2013推計)<br>
 
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首都 アムステルダム<br>
 
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正式名称 オランダ王国 Koninkrijk der Nederlanden。
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ヨーロッパ北西部の国。
  
ヨーロッパ北西部の国。行政府と議会などはハーグに,王宮はユトレヒト州のスーストダイク([[スースト]])にある。
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行政府と議会などは[[ハーグ]]に,王宮は[[ユトレヒト州]]のスーストダイク([[スースト]])にある。東は[[ドイツ]],南は[[ベルギー]]に接し,西および北は[[北海]]に面し,国内は 12の州に分かれている。ほかに海外の自治領として[[アルバ]],[[キュラソー]],[[シントマールテン]]をもつ。
 
 
東はドイツ,南はベルギーに接し,西および北は北海に面し,国内は 12の州に分かれている。ほかに海外の自治領としてアルバ,キュラソー,シントマールテンをもつ。南東部のリンブルフ州に中生代の岩石からなる丘陵地帯(323m)があるほかは,全体に低平で,国土の 4分の1以上は海面より低く,多くの砂丘や堤防により海水の浸入を防いでいる。南部および東部には,氷堆石丘や泥炭地を交えた砂質土の地帯がある。東部中央の氷堆石丘地帯は厚い森林で覆われているが,北東部の泥炭地帯では開発が進んで耕地や放牧地が多い。南西部はライン川とマース川の沖積地で,沼沢地も多く,集落や耕地は自然堤防上に立地する。北海沿岸部は,砂丘や堤防を連ねて干拓が進められている,いわゆるポルダー地帯である。
 
  
気候は海洋の影響を受けて温暖で,平均気温は冬でも氷点前後,夏は約 21℃であるが,天候はきわめて不安定で,晴天日数は年間約 25日にすぎない。西ないし南西の風が卓越し,沿岸部では強風に見舞われることが多い。オランダは人口密度が高いことで知られるが,1950年代中頃からは人口の都市集中も激しく,都市人口率は 90%近くに達している。公用語はオランダ語。キリスト教のプロテスタントが全人口の約 20%,カトリックが約 30%を占める。
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ロッテルダム,ハーグ,ライデン,アムステルダム,ユトレヒトなどの都市を含む半環状の地帯は,酪農地帯を取り囲んで,人口,産業の集中の著しい一大都市圏を形成しており,「ラントスタット」と呼ばれている。国土の 70%近くが農用地で,酪農と畜産,果樹とチューリップやクロッカスなどの園芸農業に特色がある。工業化は,天然資源の産出がないため遅れたが,19世紀中頃から農産物加工,造船,織物,製紙などの伝統的工業の近代化に努め,さらに電気機器,機械などの部門が加わった。20世紀に入り,リンブルフ炭田の開発により製鉄,金属工業が発達,さらに第2次世界大戦後は,石油精製,石油化学,航空機製造などの近代工業も著しく伸び,工業製品の輸出は多い。
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南東部の[[リンブルフ州]]に[[中生代]]の岩石からなる丘陵地帯(323m)があるほかは,全体に低平で,国土の 4分の1以上は海面より低く,多くの砂丘や堤防により海水の浸入を防いでいる。南部および東部には,氷堆石丘や[[泥炭地]]を交えた砂質土の地帯がある。東部中央の氷堆石丘地帯は厚い森林で覆われているが,北東部の泥炭地帯では開発が進んで耕地や放牧地が多い。南西部は[[ライン川]]とマース川の沖積地で,沼沢地も多く,集落や耕地は自然堤防上に立地する。北海沿岸部は,砂丘や堤防を連ねて干拓が進められている,いわゆる[[ポルダー]]地帯である。気候は海洋の影響を受けて温暖で,平均気温は冬でも氷点前後,夏は約 21℃であるが,天候はきわめて不安定で,晴天日数は年間約 25日にすぎない。西ないし南西の風が卓越し,沿岸部では強風に見舞われることが多い。
  
オランダでは,内陸水路網の発達が顕著であるが,海運の面でも世界有数の船舶保有国である。ロッテルダムやアムステルダムが水運業の中心で,特にロッテルダム港湾地区に建設されたユーロポールトは,北西ヨーロッパで最重要の港である。ベルギー,ルクセンブルクとともにベネルックス経済同盟を結んでおり,経済的関係が深い。ヨーロッパ連合 EU,北大西洋条約機構 NATOの原加盟国。([[オランダ史]]
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オランダは人口密度が高いことで知られるが,1950年代中頃からは人口の都市集中も激しく,都市人口率は90%近くに達している。公用語は[[オランダ語]]。キリスト教のプロテスタントが全人口の約 20%,カトリックが約 30%を占める。[[ロッテルダム]],ハーグ,[[ライデン]],アムステルダム,[[ユトレヒト]]などの都市を含む半環状の地帯は,酪農地帯を取り囲んで,人口,産業の集中の著しい一大都市圏を形成しており,「ラントスタット」と呼ばれている。国土の 70%近くが農用地で,酪農と畜産,果樹と[[チューリップ]]や[[クロッカス]]などの園芸農業に特色がある。工業化は,天然資源の産出がないため遅れたが,19世紀中頃から農産物加工,造船,織物,製紙などの伝統的工業の近代化に努め,さらに電気機器,機械などの部門が加わった。
  
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20世紀に入り,[[リンブルフ炭田]]の開発により製鉄,金属工業が発達,さらに第2次世界大戦後は,石油精製,石油化学,航空機製造などの近代工業も著しく伸び,工業製品の輸出は多い。オランダでは,内陸水路網の発達が顕著であるが,海運の面でも世界有数の船舶保有国である。[[ロッテルダム]]やアムステルダム,特にロッテルダム港湾地区に建設された[[ユーロポールト]]は,北西ヨーロッパで最重要の港である。[[ベルギー]],[[ルクセンブルク]]とともに[[ベネルックス経済同盟]]を結んでおり,経済的関係が深い。[[ヨーロッパ連合]] EU,[[北大西洋条約機構]] NATOの原加盟国。([[オランダ史]])
  
 
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Holland; The Netherlands


正式名称 オランダ王国 Koninkrijk der Nederlanden
面積 4万1850km2
人口 1680万2000(2013推計)
首都 アムステルダム
正式名称 オランダ王国 Koninkrijk der Nederlanden。


ヨーロッパ北西部の国。

行政府と議会などはハーグに,王宮はユトレヒト州のスーストダイク(スースト)にある。東はドイツ,南はベルギーに接し,西および北は北海に面し,国内は 12の州に分かれている。ほかに海外の自治領としてアルバキュラソーシントマールテンをもつ。

運河沿いの風車.ゾイトホラント州,オランダ.jpg

南東部のリンブルフ州中生代の岩石からなる丘陵地帯(323m)があるほかは,全体に低平で,国土の 4分の1以上は海面より低く,多くの砂丘や堤防により海水の浸入を防いでいる。南部および東部には,氷堆石丘や泥炭地を交えた砂質土の地帯がある。東部中央の氷堆石丘地帯は厚い森林で覆われているが,北東部の泥炭地帯では開発が進んで耕地や放牧地が多い。南西部はライン川とマース川の沖積地で,沼沢地も多く,集落や耕地は自然堤防上に立地する。北海沿岸部は,砂丘や堤防を連ねて干拓が進められている,いわゆるポルダー地帯である。気候は海洋の影響を受けて温暖で,平均気温は冬でも氷点前後,夏は約 21℃であるが,天候はきわめて不安定で,晴天日数は年間約 25日にすぎない。西ないし南西の風が卓越し,沿岸部では強風に見舞われることが多い。

オランダは人口密度が高いことで知られるが,1950年代中頃からは人口の都市集中も激しく,都市人口率は90%近くに達している。公用語はオランダ語。キリスト教のプロテスタントが全人口の約 20%,カトリックが約 30%を占める。ロッテルダム,ハーグ,ライデン,アムステルダム,ユトレヒトなどの都市を含む半環状の地帯は,酪農地帯を取り囲んで,人口,産業の集中の著しい一大都市圏を形成しており,「ラントスタット」と呼ばれている。国土の 70%近くが農用地で,酪農と畜産,果樹とチューリップクロッカスなどの園芸農業に特色がある。工業化は,天然資源の産出がないため遅れたが,19世紀中頃から農産物加工,造船,織物,製紙などの伝統的工業の近代化に努め,さらに電気機器,機械などの部門が加わった。

20世紀に入り,リンブルフ炭田の開発により製鉄,金属工業が発達,さらに第2次世界大戦後は,石油精製,石油化学,航空機製造などの近代工業も著しく伸び,工業製品の輸出は多い。オランダでは,内陸水路網の発達が顕著であるが,海運の面でも世界有数の船舶保有国である。ロッテルダムやアムステルダム,特にロッテルダム港湾地区に建設されたユーロポールトは,北西ヨーロッパで最重要の港である。ベルギールクセンブルクとともにベネルックス経済同盟を結んでおり,経済的関係が深い。ヨーロッパ連合 EU,北大西洋条約機構 NATOの原加盟国。(オランダ史