フェロビアル
フェロビアル(スペイン語: Ferrovial, S.A.)は、スペイン・マドリードに本拠を置く総合建設会社。ヨーロッパや南北アメリカ地域を中心に、グループ会社を通じて、高速道路などのインフラ建設から、空港などの公共施設運営・管理まで事業を展開する。マドリード証券取引所上場企業(BMAD: FER)。
沿革
1952年12月、ラファエル・デル・ピノにより、鉄道建設会社として設立された(フェロビアルは英語でRailwayの意)[1]。当初はレンフェの路線の路盤建設を行っていたが、1960年代に入ると道路や港湾、大都市でのビル建設に進出、1970年代のオイルショック以降は、メキシコやブラジルなどスペイン国外に事業を拡大した[1]。
会社は息子でマサチューセッツ工科大学運営委員のRafael del Pino Calvo-Soteloが受け継ぎ、カナダ・トロント都市圏の高速道路である407 ETRの整備・運営権を取得し1997年に開業、加えて1995年、高速道路の料金所などを管理するAgrománの株式の大半を取得、続いて同社を1998年に再編、Cintra(Concesiones de Infraestructuras de Transporte, S.A.)を設立し、フェロビアルのグループ会社とした。1999年にマドリード証券取引所に上場した[1]。2003年4月、イギリスのインフラ管理会社Amey plcを買収し傘下企業とした[2]。
- 近年の参画事業
- 407 ETR(カナダ・トロント)
- LBJ TEXpress(アメリカ合衆国・ダラス)
- Pacific Highway(オーストラリア・ニューサウスウェールズ州)
- M3 Highway, M4-M6 Highway(アイルランド)
- Autopista AP-7(スペイン・アンダルシア州)
- A22 motorway(ポルトガル・アルガルヴェ)
- ファリンドン駅改築工事(イギリス・ロンドン)
- デンバー国際空港ターミナル改築工事(アメリカ合衆国)
空港事業
フェロビアルは空港運営やコンソーシアム出資など、多様な形態で空港事業に参画している。1998年、グループ企業のFerrovial Airportsを設立し、メキシコ・カンクン国際空港などを運営するAeropuertos del Sureste de Méxicoの株式を取得した[3]。2006年、ロンドン・ヒースロー空港などを運営するイギリスの空港運営会社BAA(2012年以降はヒースロー・エアポート・ホールディングス)の株式の大半を取得[4]、その後債務圧縮のため株式を売却しているが、現在なお同社の株式の25%を保有する最大株主となっている[5]。また2014年、グラスゴー・アバディーン・サウサンプトンの空港運営に新たに参画した[6]。
脚注
- ↑ 1.0 1.1 1.2 “History” (英語). フェロビアル. . 2017閲覧.
- ↑ “Spanish firm set to buy Amey” (英語). 英国放送協会 (2003年4月16日). . 2017閲覧.
- ↑ “History of Ferrovial Airports” (英語). フェロビアル. . 2017閲覧.
- ↑ “フェロビアル、英ヒースロー空港の運営会社BAAを買収−建設業から交通インフラ運営まで多角化を推進”. 日本貿易振興機構 (2006年6月8日). . 2017閲覧.
- ↑ “Company Information” (英語). ヒースロー・エアポート・ホールディングス. . 2017閲覧.
- ↑ “英ヒースローHD、3空港の売却が完了…CEO「空港拡張の支持獲得に集中」”. レスポンス (2014年12月19日). . 2017閲覧.