「竹林寺 (高知市)」の版間の差分
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2018/8/11/ (土) 21:18時点における最新版
竹林寺 | |
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所在地 | 高知県高知市五台山3577番地 |
位置 |
北緯33度32分47.8秒 東経133度34分38.9秒 |
山号 | 五台山 |
宗派 | 真言宗智山派 |
本尊 | 文殊菩薩 |
創建年 | (伝)724年 |
開基 | (伝)行基 |
正式名 | 五台山 金色院 竹林寺 |
別称 | 竹林密寺 |
札所等 | 四国八十八箇所31番 |
文化財 |
本堂・木造文殊菩薩及侍者像5躯、木造大威徳明王像ほか(重要文化財) 客殿、梵鐘、文殊菩薩座像懸仏(県文化財) 庭園(名勝) |
公式HP | 五台山竹林寺 四国霊場三十一番札所 |
地図 |
高知市における位置 |
竹林寺(ちくりんじ)は、高知県高知市五台山にある真言宗智山派の寺院。山号は五台山(ごだいさん)。院号は金色院(こんじきいん)。本尊は文殊菩薩。
切戸文殊、安倍文殊とともに日本三文殊の一つに数えられる。四国八十八箇所霊場第三十一番札所。当霊場のうち文殊菩薩を本尊とするのは本寺だけである。
本尊真言:おん あらはしゃのう
ご詠歌:南無文殊 三世の仏の 母と聞く 吾も子なれば 乳こそほしけれ
歴史
寺伝によれば、神亀元年(724年)に聖武天皇が唐の五台山で文殊菩薩に拝する夢を見た。天皇は行基に五台山に似た山を捜すように命じたところ、この地が霊地であると感得し栴檀の木に文殊菩薩像を刻み、山上に堂宇を建立して安置したという。その後、大同年間(806 - 810年)に空海(弘法大師)が滞在、瑜伽行法を修法し、荒廃した堂塔を修復したと伝えられる。
実際の創建年代等について不詳である。中世以降は武家の信仰も厚く寺運も隆盛し、1318年(文保2年)には臨済宗の僧夢窓疎石もこの寺に滞在している。その後、寛永年間(1624年 - 1644年)空鏡によって再興された。江戸時代には土佐国における真言宗の触頭を勤める寺院のひとつであった。また、本尊の文殊菩薩の出開帳を江戸や大坂で行っている。
境内
- 上段
- 本堂(文殊堂)
- 大師堂 - 寛永21年(1644年)山内忠義によって建立。大師像を拝観できる。
- 五重塔 - 昭和55年(1980年)再建、高さ31.2m、間口4.8m、総檜造。
- 一言地蔵
- 歓喜天堂(聖天)
- 五智如来石像
- 稲荷社・子安地蔵祠・粟島明神祠
- 船岡堂 - 奥の院
- めぐりのもり - 最近整備されたもので、三つの池が点在した中に仏陀像や水掛地蔵石像があり、その中の小径を散策できる。
- 善財童子像 - 平成26年本尊開帳を記念し造顕。
- 接待所 - 文殊菩薩像あり
- 中段
- 日吉神社
- 下段
- 山門 - 入母屋造楼門、金剛力士(仁王)像を安置。
- 客殿(書院) - 大日如来像が拝観できる。
- 庭園 - 名勝の池泉観賞式庭園
- 虚空蔵菩薩堂
- 宝物館 - 後述の多数の重要文化財の仏像を拝観できる。
- 鐘楼
少し石段を上がって山門の手前を右に進むと右側に鐘楼・宝物館があり、左側に虚空蔵菩薩堂があり、その先正面に納経所があり、見学のできる客殿と庭園の入口がある。戻って山門をくぐり参道を進み石段を上り詰めるとブロンズ製の善財童子像が立っていて、その上の高台に五重塔が聳え、左手に大師堂があり、右に進むと本堂が建つ。本堂の手前を左に行くとブッダドームがあり、その周辺が「めぐりのもり」である。その右の丘に稲荷社・子安地蔵祠・粟島明神祠があり、さらに奥まで進むと奥の院とされている船岡堂がある。本堂の右手を奥に進むと歓喜天堂があり、大師堂の右裏手に、一言地蔵がある。
- 宿坊:なし
- 駐車場:本坊下の植物園前に100台、大型5台。また、船岡堂の裏から外の車道脇に約10台。いずれも無料。
文化財
- 名勝(国指定)
- 重要文化財(国指定)
- 本堂
- 入母屋造、杮(こけら)葺き。桁行・梁間とも5間(「間」は長さの単位ではなく、柱間の数を表す)。扉に桟唐戸を用い、垂木を扇垂木とし、組物は二手先の詰組とするなど、細部には禅宗様建築の意匠が用いられている。内部は中央の方三間を内陣、その前方を内陣、両脇を脇陣、後方を後陣とする。内陣には本尊文殊菩薩像を安置する厨子を置き、内外陣の境には蔀(しとみ)を入れる。建立年代は、同じ高知県内の土佐国分寺金堂との比較から、室町時代と推定されている。[1][2]
- 書院 - 江戸時代後期・文化13年(1816年)建立、玄関は切妻造り、車寄せは唐破風造り、主屋は入母屋造り。藩主参詣の際の接待殿として造営[3]。2017年指定[4][5]。
- 木造文殊菩薩及侍者像 5躯
- 獅子上の蓮華座に座す文殊菩薩像と4躯の侍者像からなる。文殊菩薩像は楠の一木造、彩色、像高60.4cm、平安時代後期。善財童子 (76.0cm)、優填王 (75.4cm)、仏陀波利三蔵 (76.8cm)、最勝老人 (77.3cm) の侍者像4躯は栴檀の一木造、平安時代後期。文殊菩薩像は50年に一度開扉の秘仏で、1983年に特別開扉があり、その後2014年の春秋に開帳された。なお、文殊菩薩の台座の獅子像は二体あり、平安時代後期の獅子像は、侍者像4体と宝物館に安置され常時拝観でき、江戸時代に奉納された獅子像は秘仏文殊菩薩像と共に本堂宮殿内に納められている。[6]
- 木造大威徳明王像(鎌倉時代)木造、彩色、160.0cm(数字は像高を表す。以下の各像についても同じ。)
- 木造阿弥陀如来立像(平安時代後期)木造、彩色古色、98.0cm
- 木造多聞天・増長天立像(平安時代後期)木造、素地、91.5cmと93.5cm
- 木造愛染明王坐像(鎌倉時代)木造、古色、102.0cm、
- 木造千手観音立像(鎌倉時代)檜の寄木造、古色、88.5cm
- 木造薬師如来坐像(平安時代後期)桜の一木造、素地、94.5cm
- 木造十一面観音立像(平安時代中 - 後期)檜の一木造、素地、48.8cm
- 木造釈迦如来坐像(平安時代後期)木造、古色、51.8cm
- 木造勢至菩薩立像(平安時代後期)木造、古色、106.8cm
- 木造阿弥陀如来坐像(平安時代後期 - 鎌倉時代)木造、漆箔、86.3cm
- 木造白衣観音立像(室町時代)木造、古色、100.8cm
- 木造馬頭観音立像(室町時代)木造、古色、玉眼、99.9cm
- 木造大日如来坐像(鎌倉 - 室町時代)木造、古色、63.2cm
(本尊を除いて宝物館で拝観できる)
- 県指定保護有形文化財
- 梵鐘:総高78cm、口径46cm、鋳造は弘安7年 (1284)
- 文殊菩薩座像懸仏
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大師堂
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五重塔
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船岡堂(奥の院)
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山門
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子安地蔵
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鐘楼
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書院(重要文化財)
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書院(南側広縁)
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書院と庭園
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紅葉の境内
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紅葉の石段
交通案内
- バス
- 道路
拝観
- 宝物館・庭園拝観 8:30 - 17:00 拝観料が必要
奥の院
周辺の番外霊場
- 吸江寺(ぎゅうこうじ)
- 五台山の麓にあり、竹林寺庭園を造ったと云われる夢窓疎石の庵の跡である吸江庵跡(県指定史跡)で、夢窓が2年間で去ったあとも多くの著名な門弟を輩出し土佐の中世禅寺文化の中心となった[7]。真念や寂本の遍路本にも、当寺の記述があり、また、四国遍礼名所図会(1800年調査研究)には「及郷寺」として記述されている。
- 詳しくは吸江寺を参照
- 高野寺
- 明治16年(1883年)高野山出張所として開創された。四国三十三観音霊場第13番札所。
- 詳しくは高野寺 (高知市)を参照
前後の札所
周辺
脚注
- ↑ 竹林寺本堂(高知県教育委員会文化財課)および竹林寺本堂(高知市民権・文化財課)による。
- ↑ 寺の公式サイトの本堂の説明には「寛永22年(1644年)の造営」とあるが、寛永は21年12月で改元しており、「寛永22年」は存在しない。また、西暦1644年に該当するのは寛永21年である。
- ↑ 平成28年10月1日発行 へんろ第391号
- ↑ 平成28年2月9日文部科学省告示第6号
- ↑ 国宝・重要文化財の指定について(文化庁)
- ↑ 像高は久野健編『図説 仏像巡礼辞典』(山川出版社、1992)による。以下の各像についても同じ。
- ↑ http://www.city.kochi.kochi.jp/soshiki/90/cas-pref-2400300.html
参考文献
- 四国八十八箇所霊場会編『先達教典』 2006年
- 宮崎建樹『四国遍路ひとり歩き同行二人』地図編 へんろみち保存協力会 2007年(第8版)
- 高知の文化財(高知県教育委員会文化財課)(2012年12月11日閲覧)
- 竹林寺本堂(高知県教育委員会文化財課)(2012年12月28日閲覧)
- 竹林寺本堂(高知市民権・文化財課)(2012年12月28日閲覧)
関連項目
外部リンク
- 五台山竹林寺
- 第31番札所 五台山 金色院 竹林寺(四国八十八ヶ所霊場会公式)