戦場カメラマン
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戦場カメラマン(せんじょうカメラマン)は、報道写真家のうち、特に戦闘や紛争の行われている地域にて戦争や戦闘員、戦争による被害、被害者などを取材するカメラマン。
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概要
20世紀中期以降、多くの国の軍隊には記録係としての従軍記者の一員として従軍カメラマンが同行することが多いが、その他フリーランスやユニオンで出版社、新聞社の依頼で戦闘地帯をカメラ・ビデオカメラで撮影し、記録・報道する写真家を総称する。ベトナム戦争では、多くの日本人カメラマンも活躍した。近年に至っては、ビデオカメラの高画質・小型軽量化ならびにインターネットを利用した画像送信技術や衛星電話の大幅な進歩により、テレビ局の仕事が急増した。彼らのほとんどはフリーランスであり、テレビ局に映像を、1秒いくらの契約で売ることが多い。
彼らの職務は常に死と隣り合わせであるため、仕事中に命を落とす者も多い。過酷で劣悪な環境に加え、睡眠不足・空腹・飢え、さらに神経を削るようなストレスに耐えるサバイバル能力を持ち、24時間危機感を保持し、自らの身の上に起こるリスクを減らす努力を常に怠らず、くわえて目の前で起こっている事実を冷静に主観を交えず客観的に伝えることができる能力が要求される。
同時に、その地域の人びとの言語・習慣・歴史・民族性などを理解し敬意を払い、学ぼうとする意欲も要求される。冷静・客観的でありながら、何よりもその根底には強い正義感・不公正に対する憎しみという、一見アンビバレンスな要素を持ち合わせていなければできない、ある意味特殊な職業である。
日本で初めての戦場カメラマン(従軍カメラマン)は、西南戦争を取材したことで有名な上野彦馬である。
関連書籍
- 『戦場カメラマンという仕事』 洋泉社、2011年。-広河隆一らの共著