ヴォルテラ積分方程式

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数学におけるヴォルテラ積分方程式(ヴォルテラせきぶんほうていしき、: Volterra integral equation)とは、積分方程式の一つの特別な形である。その形状により第一種と第二種に分かれる。

線型の第一種ヴォルテラ積分方程式は

[math] f(t) = \int_a^t K(t,s)\,x(s)\,ds[/math]

で与えられる。ここで ƒ は与えられた関数であり、x は求めるべき未知関数である。線型の第二種ヴォルテラ積分方程式は

[math] x(t) = f(t) + \int_a^t K(t,s)x(s)\,ds [/math]

で与えられる。

作用素論およびフレドホルム理論において、上式と対応する方程式はヴォルテラ作用素と呼ばれる。

線型のヴォルテラ積分方程式が

[math] x(t) = f(t) + \int_{t_0}^t K(t-s)x(s)\,ds. [/math]

で与えられるなら、それは畳み込み方程式である。この時、積分の中の関数 [math] K [/math]と呼ばれる。このような方程式は、ラプラス変換の手法を用いることにより解析することが出来る。

ヴォルテラ積分方程式はヴィト・ヴォルテラにより導入され、エミール・ピカールの指導のもと、トライアン・ラレスクEnglish版の1908年の学位論文「Sur les équations de Volterra」において研究された。ラレスクはその後、1911年に積分方程式に関する初の著書を執筆した。

ヴォルテラ積分方程式は、人口学や、粘弾性物質の研究、保険数学に現れる再生方程式などへと応用されている。

参考文献