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ミズナギドリ目



ミズナギドリ目(ミズナギドリもく、水薙鳥目、学名 Procellariiformes)は、現生鳥類の一である。

巧みに飛翔する海鳥グループである。始新世中期ルテシアンに登場し、現在も繁栄している。

特徴

分布

世界中の海域(南極海を含む)に生息する。

形態

に沿って筒状に伸びる鼻孔を持つ。この特長により古くから他の目と区別されてきた。

生態

高い飛翔能力をもち、外洋域で生活する。

繁殖期には離島などにコロニーを作ってヒナを育てるが、それ以外の多くの時を洋上で過ごす。

そのため、人の観察が及ばず、生態がよく分かっていない種も多い。

いずれの種も少産長寿であり、1度に1つのしか産まず、平均寿命は15~25年と非常に長い。

水分は海水から摂り、の上にある鼻腺という器官を用いて余分な塩分を排出する。

系統と分類

系統樹Hackett et al. (2008)[1]より。

water birds

アビ目 Gaviiformes





ペンギン目 Sphenisciformes


ミズナギドリ目

アホウドリ科 Diomedeidae





ミズナギドリ科 Procellariidae



モグリウミツバメ科 Pelecanoididae




ウミツバメ亜科 Hydrobatinae




アシナガウミツバメ亜科 Oceanitinae





コウノトリ目 Ciconiiformes



ペリカン目 Pelecaniformesカツオドリ目 Suliformes




ミズナギドリ目は、別の形で高度に適応した海鳥であるペンギン目姉妹群である。これらは、海鳥や一部の渉禽類からなる系統である water birds に含まれる。

ミズナギドリ目は伝統的に4科に分けられてきた。しかしウミツバメ科のウミツバメ亜科とアシナガウミツバメ亜科はおそらく別系統で、これらを別科に分離する説もある。また、モグリウミツバメ科は側系統のミズナギドリ科に内包される可能性があり、ミズナギドリ科に含める説もある[2][3]

歴史

古くは Coues (1864, 1866); Huxley (1867) などにより、現在のミズナギドリ目全体がミズナギドリ科とされた。その後、Forbes (1882)ウミツバメ科 Oceanitidae を分離したのに始まり、さまざまな2–4科に分けられたが、Loomis (1923) で現在とほぼ同じ科分類となった。

Haxley はミズナギドリ科(現在のミズナギドリ目)をカモメ科 Laridaeカイツブリ科 Colymbidaeウミスズメ科 Alcidae と共に Cecomorphae に分類した。しかし Sclatter (1880) は独立した Tubinares とし、テンプレート:Taxonomist/F (1888) がミズナギドリ目 Procellariiformes と命名した。

Verheyen (1961) はモグリウミツバメ科をウミスズメ目 Alciformes(他にウミスズメ科・アビ科)に移し、ミズナギドリ目・ペンギン目・ウミスズメ目を Hygrornithes 上目にまとめた[4]

Sibley & Ahlquist (1990) はミズナギドリ目を廃し、現在の water birds 全体を拡大したコウノトリ目に含めた。現在のミズナギドリ目はミズナギドリ科1科とされ、グンカンドリ科(現在はカツオドリ目)・ペンギン科アビ科と共にミズナギドリ上科に分類された。彼らのミズナギドリ科(現在のミズナギドリ目)はアホウドリ亜科 Diomedeinae(アホウドリ科)・ミズナギドリ亜科 Procellariinae(ミズナギドリ科+モグリウミツバメ科)・ウミツバメ亜科 Hydrobatinae(ウミツバメ科)の3亜科に分けられた。

アホウドリ科 Diomedeidae
非常に大型の海鳥で、細く長い翼をもつ。最大種のワタリアホウドリ翼開長が約3.0–3.2mと長い。アホウドリマユグロアホウドリなど。
ミズナギドリ科 Procellariidae
中型の海鳥。南半球から北半球へと長距離の渡りをする種が多い。オオミズナギドリフルマカモメなど。
モグリウミツバメ科 Pelecanoididae
南半球にのみ生息する小型の海鳥。翼を使って水中を泳ぐ。
ウミツバメ科 Hydrobatidae
小型の海鳥。アシナガウミツバメコシジロウミツバメなど。

出典

  1. Hackett, S.J.; Kimball, R.T.; Reddy, S.; Bowie, R.C.K.; Braun, E.L.; Braun, M.J.; Chojnowski, J.L.; Cox, W.A. et al. (2008), “A Phylogenomic Study of Birds Reveals Their Evolutionary History”, Science 320 (5884): 1763–1768 
  2. J., Penhallurick; Wink, M. (2004), “Analysis of the taxonomy and nomenclature of the Procellariiformes based on complete nucleotide sequences of the mitochondrial cytochrom b gene”, Emu 104: 125–147, http://shearwater.nl/seabird-osteology/REFERENCES/Penhallurick_Wink_2004_procellariiform_taxonomy2.pdf 
  3. Christidis, L.; Boles, W. (2009), Systematics and Taxonomy of Australian Birds, CSIRO Publishing 
  4. Sibley, C.G.; Ahlquist, J.E. (1972), Order Procellariiformes, “A Comparative Study of the Egg White Proteins of Non-Passerine Birds”, Peabody Museum of Natural History and Department of Biology, Yale University, Bulletin 39 (New Heaven, CT)  - 1972年までの分類史は主にこの文献による

関連項目

テンプレート:現生鳥類