KNT-CTホールディングス
KNT-CTホールディングス株式会社(KNT-CT Holdings Co., Ltd.)は、東京都千代田区に所在する日本の株式会社で、近鉄グループにおいて旅行業に係る企業を統括する持株会社(中間持株会社)である。
概要
旅行会社の近畿日本ツーリストグループを統括する純粋持株会社で、東証第一部に上場している。創業は1941年(昭和16年)10月(設立は1947年〈昭和22年〉5月)で、近畿日本ツーリストの名で1955年(昭和30年)から長年にわたり、団体旅行をはじめ、JR券、航空券、船車券の販売から個人旅行のパッケージツアーの販売、さらに企画旅行の通信販売まで行っていた大手の総合旅行会社であった。
近鉄グループの旅行事業再編により、2013年(平成25年)1月1日に旅行事業を新設の子会社に移管し持株会社に移行して社名を現在のものに変更した[1]。その際、近畿日本ツーリストの名は事業譲渡先の子会社に引き継がれた[2]が、旅行業登録(観光庁長官登録旅行業第20号)は返上せず維持している。また、JR指定旅行会社の地位もそのままである。
持株会社に移行してからは連結子会社31社、関連会社2社を擁し、団体旅行事業、個人旅行事業、メディア型旅行事業の3事業を中心にグループの経営管理を行っている。
旅行事業は、メディア型旅行事業がクラブツーリズム株式会社、団体旅行・個人旅行事業は、北海道、東北地方、首都圏、関東地方、中部地方、関西地方、中国・四国地方、九州、沖縄の各地域会社を中心に行われている。
グループの取扱高は業界3位(平成28年度)[3]。取扱高は月次で公表している[4]。
沿革
旅行会社時代
- 1941年(昭和16年)10月 - 関西急行鉄道(現:近鉄グループホールディングス)が全額出資し、大阪に有限会社関急旅行社を創業。
- 1947年(昭和22年)5月 - 株式会社に組織変更し、株式会社近畿交通社を設立。旅行斡旋業務を開始する。
- 1948年(昭和23年)3月 - 東京に日本ツーリストが開業。
- 1950年(昭和25年) - 日本ツーリスト株式会社が設立される。
- 1954年(昭和29年)10月 - 近畿交通社が近畿日本鉄道国際運輸部(IATA公認代理店)の営業を譲り受け、近畿日本航空観光株式会社に改称。
- 1955年(昭和30年)
- 4月 - 旅行斡旋業法に基づく、一般旅行斡旋業者登録(登録第20号)。
- 9月 - 日本ツーリスト株式会社と近畿日本航空観光株式会社が合併。商号を近畿日本ツーリスト株式会社に改称。(本社は大阪に置いたが、1965年に東京に移転)
- 1975年(昭和50年)7月 - 東証第二部と大証第二部に上場。(その後1977年6月に東証・大証とも第一部に指定替え)
- 2008年(平成20年)1月1日 - 個人向け店頭販売業務を子会社の株式会社ツーリストサービスに事業譲渡。(株式会社ツーリストサービスは株式会社KNTツーリストに改称。)
- 2012年(平成24年)9月3日 - 持株会社移行の準備として、子会社「KNT個人株式会社」と「KNT団体株式会社」を設立。
- 旅行会社時代の詳細については「近畿日本ツーリスト#沿革」を参照
持株会社時代
- 2013年(平成25年)1月1日 - 株式交換によってクラブツーリズムとの経営統合を行い、同社を子会社化する。更に団体旅行事業をKNT団体株式会社に譲渡、個人旅行事業をKNT個人株式会社に譲渡し持株会社に移行。同時に商号をKNT-CTホールディングス株式会社に変更。
- KNT団体株式会社は「近畿日本ツーリスト株式会社」(2代目) に、KNT個人株式会社は「近畿日本ツーリスト個人旅行株式会社」にそれぞれ商号を変更。
- クラブツーリズム株式会社は KNT-CTホールディングスの完全子会社となる。
- 子会社の株式会社KNTツーリストが近畿日本ツーリスト個人旅行株式会社の完全子会社となり、商号を「近畿日本ツーリスト個人旅行販売株式会社」に変更。
- 2014年(平成26年)10月1日 - 近畿日本ツーリスト個人旅行株式会社が近畿日本ツーリスト個人旅行販売株式会社を吸収合併[5]。
- 2017年(平成29年)10月1日 - 近畿日本ツーリスト株式会社(2代目)と近畿日本ツーリスト個人旅行株式会社の中部地方の事業を株式会社近畿日本ツーリスト中部へ、両社の関西地方の事業を株式会社近畿日本ツーリスト関西へ、近畿日本ツーリスト株式会社(2代目)の訪日旅行事業を株式会社KNT-CTグローバルトラベルへ、それぞれ会社分割により承継[6]。
- 2018年(平成30年)4月1日 - 近畿日本ツーリスト株式会社(2代目)と近畿日本ツーリスト個人旅行株式会社の首都圏の事業(一部除く)を株式会社近畿日本ツーリスト首都圏へ、両社の関東地方の事業を株式会社近畿日本ツーリスト関東へ、近畿日本ツーリスト個人旅行株式会社のウエブ販売事業を株式会社KNT-CTウエブトラベルへ、それぞれ会社分割により承継。近畿日本ツーリスト株式会社(2代目)は、株式会社近畿日本ツーリストコーポレートビジネスに商号変更。クラブツーリズム株式会社が近畿日本ツーリスト個人旅行株式会社を吸収合併[7]。
子会社・関連会社
国内旅行会社
- クラブツーリズム株式会社 - 観光庁長官登録旅行業第1693号
- 株式会社近畿日本ツーリスト北海道 - 観光庁長官登録旅行業第1885号
- 株式会社近畿日本ツーリスト東北 - 観光庁長官登録旅行業第1925号
- 株式会社近畿日本ツーリスト関東 - 観光庁長官登録旅行業第2052号
- 株式会社近畿日本ツーリスト首都圏 - 観光庁長官登録旅行業第2053号
- 株式会社近畿日本ツーリスト中部 - 観光庁長官登録旅行業第2038号
- 株式会社近畿日本ツーリスト関西 - 観光庁長官登録旅行業第2039号
- 株式会社近畿日本ツーリスト中国四国 - 観光庁長官登録旅行業第1926号
- 株式会社近畿日本ツーリスト九州 - 観光庁長官登録旅行業第1886号
- 株式会社近畿日本ツーリストコーポレートビジネス - 観光庁長官登録旅行業第1944号(旧:KNT団体株式会社→近畿日本ツーリスト株式会社(2代目))
- 株式会社KNT-CTグローバルトラベル
- 株式会社KNT-CTウエブトラベル - 観光庁長官登録旅行業第2051号
- 株式会社近畿日本ツーリスト神奈川(旧:相鉄観光株式会社) - 観光庁長官登録旅行業第149号。2010年12月20日に商号変更。
- 株式会社近畿日本ツーリスト沖縄 - 観光庁長官登録旅行業第1107号
- 株式会社昭和トラベラーズクラブ - 佐賀県知事登録旅行業2-55号
- 三喜トラベルサービス株式会社 - 観光庁長官登録旅行業第321号
- 株式会社ユナイテッドツアーズ - 中華民国(台湾)方面の主催旅行を手掛けている。中華人民共和国の旅行商品と同じ会社で扱うことができなかったため設立。 - 観光庁長官登録旅行業第300号
介護事業
- 株式会社クラブツーリズム・ライフケアサービス
宇宙旅行事業
- 株式会社クラブツーリズム・スペースツアーズ
商事・保険
- 株式会社近畿日本ツーリスト商事
労働者派遣・業務受託
- 株式会社ツーリストサービス北海道
- 株式会社ツーリストエキスパーツ
- 株式会社KNTビジネスクリエイト
アシスタンス業務
- ツーリストインターナショナルアシスタンスサービス株式会社 - 国際キャッシュカード関連のサポートなどを担当。
イベント/コンベンション企画
情報処理
- 株式会社NTTデータテラノス - 旧:近畿日本ツーリスト情報システム。KNTのIT関連機器・ソフトウェアの開発・保守を行っている。以前はKNTが100%出資する子会社であったが、2006年10月にKNTよりNTTデータへ51%の株式が譲渡され社名変更が行われている[8]。
国内その他
海外旅行会社
- KINTETSU INTERNATIONAL EXPRESS (U.S.A), INC.
- KINTETSU INTERNATIONAL EXPRESS (CANADA) INC.
- KINTETSU INTERNATIONAL EXPRESS (OCEANIA) PTY. LTD.
- HOLIDAY TOURS MICRONESIA (GUAM),INC.
- 近畿国際旅行社(中国)有限公司
- KNT (HK) LIMITED
- KNT TRAVEL (THAILAND) CO., LTD.
- 台湾近畿国際旅行社股份有限公司
- 近畿美勝国際旅行社(上海)有限公司
再保険引受業務
- H&M INSURANCE HAWAII, INC.
- GRIFFIN INSURANCE CO., LTD.
かつて存在した主な子会社
- 近畿日本ツーリスト個人旅行株式会社 - 観光庁長官登録旅行業第1945号(旧:KNT個人株式会社)、2018年にクラブツーリズム株式会社へ吸収合併
- 近畿日本ツーリスト個人旅行販売株式会社 - 2014年に近畿日本ツーリスト個人旅行株式会社へ吸収合併
- 株式会社ホテルサンフラワー札幌 - 札幌市にあったホテル。1975年4月開業[9]、2004年にグループ外へ譲渡[10]。ラマダホテル札幌を経てANAホリデイ・イン札幌すすきのとして営業[11]。
- 株式会社ホテルポポロ東京 - 東京・西五反田にあった。1997年4月開業[9]。2004年にグループ外に譲渡し解散[10]。建物はホテルルートイン五反田となった。
- SAIPAN HOTEL CORPORATION - サイパン島にあったホテル子会社。「ハファダイビーチホテル」[9]を運営し、近鉄バファローズのキャンプ地にもなっていた。2004年グループ外へ譲渡[10]。現在の「グランヴィリオリゾート サイパン」。
脚注
- ↑ 近畿日本ツーリストとクラブツーリズムが経営統合へ - 観光経済新聞社 2012年8月18日
- ↑ KNT、クラツー統合後の社名決定、「近ツー」ブランド強調 - トラベルビジョン 2012年9月28日
- ↑ “平成28年度主要旅行業者の旅行取扱状況年度総計(速報) (PDF)”. 観光庁 (2017年7月19日). . 2017閲覧.
- ↑ 月次取扱額状況 IR資料室 - KNT-CTホールディングス IR情報
- ↑ 連結子会社の合併に関するお知らせ
- ↑ 子会社の設立および連結子会社間の会社分割(吸収分割)に関するお知らせ
- ↑ 子会社の設立および連結子会社間の会社分割(吸収分割)等に関するお知らせ
- ↑ 近ツー、NTTデータが資本提携、今年10月に新会社を設立へ - トラベルビジョン 2006年7月31日
- ↑ 9.0 9.1 9.2 「近畿日本鉄道100年のあゆみ」p.511 2010年12月 近畿日本鉄道
- ↑ 10.0 10.1 10.2 “ホテル事業の一部撤退に関するお知らせ” (PDF) (プレスリリース), 近畿日本ツーリスト, (2004年9月22日), pp. 1-2 . 2017閲覧.
- ↑ “ANAホリデイ・イン札幌すすきの、2014年春に誕生” (PDF) (プレスリリース), タスク、IHG・ANA・ホテルズグループジャパン, (2013年12月9日) . 2017閲覧.
外部リンク
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