リョービ
リョービ株式会社は、広島県府中市に本社を置く企業である。世界的なダイカストトップメーカーである。
企業理念は「技術と信頼と挑戦で、健全で活力にみちた企業を築く。」。コーポレートメッセージは「くらしごこちがテーマです。」[1]
Contents
概要
前身は浦上豊が1943年に興した三菱電機福山工場(現・福山製作所)のダイカスト製品の下請け・「菱備製作所」(りょうびせいさくしょ)。社名は創業当時からの本社所在地の府中市が旧備後国であり、さらに近接の岡山県西部が備中と呼ばれることと、三菱電機の関連会社であったため、同じ音の「両備」を掛け、更に「三菱」から一字を採った。1972年、創業者・豊の急逝により、後を継いだ長男の浩(現会長)によりCIが実行され「RYOBI」となった。
なお両備バスを中心とする両備ホールディングスなどの両備グループは無関係。
1944年からダイカスト製品を製造し、その後、印刷機器、釣具、パワーツール、建築用品、ドアクローザー、ゴルフクラブなどの製造・販売を行っていた。
釣具・パワーツール・ゴルフクラブなどの製造・販売については、釣具は2000年に上州屋へ営業譲渡、パワーツールは2018年に京セラインダストリアルツールズへ新設分割の上で事業譲渡、ゴルフ用品は2002年に事業撤退した。ゴルフクラブの製造販売を手掛けていたことからスポーツ関係のスポンサーを務めることが多く、広島東洋カープの本拠地に広告を出したほか、読売ジャイアンツ、中日ドラゴンズ、阪神タイガース、横浜ベイスターズの本拠地球場にも1990年代まで広告を提供し、プロ野球中継の影響もあり1980年代からは全国に名前が知られるようになり、全国区の企業となった(後楽園球場→東京ドームは1999年に一旦撤退のち2013年現在は再び提供、ナゴヤ球場→ナゴヤドームには1998年まで)。フジテレビ系の「プロ野球ニュース」のスポンサーでもあった。
現在の主要生産品目は、自動車関連(シリンダーブロックやトランスミッションケースなど)のダイカスト製パーツであり、国内メーカーはのみならずゼネラルモーターズやフォード・モーター、フォルクスワーゲンといった海外メーカーとも取引がある。設計から製造までの一貫体制が整っており、塗装まで済ませた状態でメーカーに納品できることが強みとされている。また建築用品の部門もある。高精度のオフセット枚葉印刷機製造部門もあったが、業績不振により三菱重工印刷紙工機械株式会社(現在の三菱重工機械システム株式会社 )と共同で2013年に準備会社(会社名:アールエム株式会社)を経由して、2014年にリョービMHIグラフィックテクノロジー株式会社を設立して分社化された[2]。
主な拠点
沿革
- 1943年12月16日 株式会社菱備製作所を設立。
- 1944年 ダイカスト製品の製造・販売を開始。
- 1960年6月 広島証券取引所に株式を上場。
- 1961年10月 東京証券取引所および大阪証券取引所に株式を上場。
- 1962年 蒲原工場(現・静岡工場)の操業を開始。
- 1973年 リョービ株式会社に商号変更。
- 2000年9月30日 不採算事業の見直しにより、釣具事業を株式会社上州屋へ譲渡。譲渡に際し、上州屋がリョービから商標使用許諾を受けて、「RYOBI(リョービ)」ブランドの釣具の製造・販売・アフターサービスを行っている。
- 2002年5月31日 不採算事業の見直しにより、ゴルフ用品の製造・販売を終了(アフターサービスは2008年3月末に終了)。
- 2011年10月1日 子会社のリョービイマジクスにて行っていたフォント事業を株式会社モリサワへ譲渡。リョービイマジクスは2012年4月1日に当社に吸収合併された。
- 2014年1月1日 リョービの印刷機部門と三菱重工印刷紙工業株式会社(現在の三菱重工機械システム )のオフセット枚葉印刷機事業と統合し合弁会社「リョービMHIグラフィックテクノロジー株式会社」を設立
- 2018年1月10日 パワーツール事業を新設分割で設立した京セラインダストリアルツールズ株式会社へ譲渡し、同時に京セラインダストリアルツールズ株式の80%を京セラ株式会社へ売却。
テレビ・ラジオコマーシャル活動
- プロ野球ニュース(フジテレビジョン)、リョービ ベストフィッシング(テレビ東京)に長年コマーシャルを提供した。
- 現在はネオスポ(週末版・土曜か日曜)に番組提供している。
- 釣りごろつられごろ(テレビ新広島など)に長年メイン協賛社として番組提供している。
- 山野秀子のちいさなパティオ(中国放送ラジオ)
エピソード
- 推理作家の内田康夫はCM制作会社を経営していた時、リョービの広告を手掛けていたため、府中のリョービ本社を度々訪れた。この時、現在の会長で当時重役だった浦上浩から聞いた当地・備後地方に伝わる後鳥羽天皇に纏わる伝承を素に創作したのが、商業デビュー作『後鳥羽伝説殺人事件』である。この作品は浅見光彦が初登場する内田の出世作としても知られる。浦上はこの前作である『本因坊殺人事件』の主人公の名前に使われている[3]。
TV番組での紹介
脚注・出典
- ↑ かつてのメッセージは「信頼をかたちにする」であった。
- ↑ 印刷機器事業の合弁会社設立にかかる吸収分割契約締結に関するお知らせ リョービ 2018年7月12日閲覧
- ↑ 『後鳥羽伝説殺人事件』p300 1996年2月(角川春樹事務所)
- ↑ TBS がっちりマンデー
関連項目
- 東京軽合金製作所 - リョービのグループ企業。
- 上州屋 - 日本国内でリョービブランドの釣具の製造・販売を行っている会社。なお、日本国外に関しては、2008年11月に中国の威海利优比国际贸易有限公司(RYOBI INTERNATIONAL)に譲渡している。
- 京セラインダストリアルツールズ - 日本国内でリョービブランドのパワーツールの製造・販売を行っている会社。リョービも20%出資。
- MAZDA Zoom-Zoom スタジアム広島 - 旧広島市民球場時代からバックネット裏のスポンサーを継続中。
- 読売新聞グループ本社 - 東京ドームを本拠地にしている巨人の親会社にあたる。
- 星野仙一物語 〜亡き妻へ贈る言葉 - ドラマの中でリョービの広告が登場する。なお、星野仙一は広島県の隣県の岡山県の出身である。