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[[File:MSH80 eruption mount st helens 05-18-80.jpg|thumb|セントヘレンズの大噴火]]
 
[[File:MSH80 eruption mount st helens 05-18-80.jpg|thumb|セントヘレンズの大噴火]]
'''火山'''(かざん、{{Lang-en|volcano}})は、[[地殻]]の深部にあった[[マグマ]]が地表または水中に噴出することによってできる、特徴的な[[地形]]をいう。文字通りの[[山]]だけでなく、[[カルデラ]]のような凹地形も火山と呼ぶ。火山の地下には[[マグマ]]があり、そこからマグマが上昇して地表に出る現象が[[噴火]]である。[[噴火]]には、様々な様式(タイプ)があり、[[火山噴出物]]の成分や[[火山噴出物]]の量によってもその様式は異なっている。
+
'''火山'''(かざん、{{Lang-en|volcano}})
 
 
火山の[[噴火]]はしばしば人間社会に壊滅的な打撃を与えてきたため、記録や伝承に残されることが多い。
 
 
 
{{Lang|en|Volcano}} は、[[ローマ神話]]で[[火]]と[[冶金]]と鍛治の神[[ウゥルカーヌス|ウルカヌス]]([[ギリシア神話]]では[[ヘーパイストス]])に由来し、[[16世紀]]の[[イタリア語]]で {{Lang|it|volcano}} または {{Lang|it|vulcano}} と使われていたものが、ヨーロッパ諸国語に入った。この[[ウルカヌス]](英語読みではヴァルカン)は、[[イタリア]]の[[エトナ火山]]の下に冶金場をもつと信じられていた。[[シチリア|シチリア島]]近くの[[ヴルカーノ島]]の名も、これに由来する。[[日本]]で {{Lang|en|volcano}} の訳として「火山」の語が広く用いられるようになったのは、[[明治]]以降である。
 
 
 
== 火山の構造 ==
 
[[File:Volcano scheme.svg|thumb|250px|
 
{|class="thumbcaption" style="background:transparent;"
 
! colspan="2" | '''成層火山の構造(断面図)'''
 
|- valign="top"
 
| 1. [[マグマ溜り]]<br/>2. 基盤<br/>3. [[火道]]<br/>4. 地表<br/>5. [[岩床]]<br/>6. [[岩脈]]<br/>7. [[火山灰]]層<br/>8. [[側火山]]
 
| 9. [[溶岩]]層<br/>10. 咽喉<br/>11. [[寄生火山]]<br/>12. [[溶岩流]]<br/>13. [[噴火口]]<br/>14. 主火口<br/>15. 噴煙
 
|}]]
 
火山の地下には、必ず[[マグマ溜り]]が存在する。マグマだまりの深さは、地下数kmから数十kmとされる。このマグマだまりから岩盤を突き抜け、何らかの理由でマグマが地上に放出される、その地点が火山である。マグマが地上に到達するまでに通るルートを[[火道]]と呼び、火道が地上に抜ける地点を[[噴火口]]と呼ぶ。火道はしばしば主火道から逸れて形成され、その副火道が地上に噴出すると[[側火山]]と呼ばれる小火山を形成する。また、副火道が地上に噴出せず地下にとどまったままのものを[[岩脈]]、岩脈が地層に沿って平行に地中で広がったものを[[岩床]]と呼ぶ。
 
 
 
== 火山の分類 ==
 
=== 地形による分類 ===
 
現在の地形に加えて、形成過程や内部構造も考慮して分類されている。
 
 
 
==== 複成火山 ====
 
同じ火口から何度も噴火を繰りかえして、大きな火山体を成長させる火山<ref>出典 : [http://sakuya.ed.shizuoka.ac.jp/koyama/public_html/Izu/Izuc1.html 複成火山と単成火山] - 静岡大学小山研究室、2014年9月閲覧</ref>。
 
[[File:Mt.Mayon tam3rd.jpg|thumb|200px|right|[[成層火山]]([[マヨン山]]]]
 
[[File:Mauna_Kea_from_Mauna_Loa_Observatory,_Hawaii_-_20100913.jpg|thumb|200px|[[楯状火山]]([[マウナ・ケア山]])]]
 
[[File:Crater lake oregon.jpg|thumb|200px|[[カルデラ]]([[:en:Mount Mazama|マザマ火山]])]]
 
; [[成層火山]]
 
: 主に、同一箇所の[[火口]]から噴火を繰り返して、その周囲に[[溶岩]]と[[火山砕屑岩]]が積み重なった、[[円錐]]形に近い形の火山体。日本の火山の多くは[[成層火山]]である。マグマの粘り気は中くらいである。火山の噴火タイプとしては、[[ストロンボリ式噴火]]や[[ブルカノ式噴火]]をする火山がこうした火山になりやすい。
 
: 例 - [[富士山]]、[[岩手山]]、[[開聞岳]]、[[伊豆大島]]、[[羊蹄山]]、[[スーフリエール・ヒルズ]]([[モントセラト]])
 
; [[楯状火山]]
 
: [[流動性]]の高い[[玄武岩]]質の[[溶岩]]が積み重なった、傾斜のゆるい火山体。そのため、通常は面積が広い。日本でこれまで「アスピーテ」とされてきた火山は、[[成層火山]]が侵食によって平坦になったり、もともと平坦であった場所に小規模な溶岩流が重なったりしたものであり、[[楯状火山]]ではない。また、伊豆大島や三宅島は、[[玄武岩]]を主に噴出する火山だが、[[火砕物]]の量が多く、[[楯状火山]]ではなく[[成層火山]]である。火山の噴火タイプとしては、[[ハワイ式噴火]]や[[ストロンボリ式噴火]]をする火山がこうした火山になりやすい。
 
: 例 - [[マウナ・ロア山]]、[[キラウエア火山]]、[[スキャルドブレイダー山]]([[アイスランド]])
 
; [[溶岩台地]]
 
: 大規模な溶岩流が多数積み重なって、広大な[[台地]]となっているもの。通常は、[[玄武岩]]質の[[溶岩]]からなる。火山の噴火タイプとしては、[[ハワイ式噴火]]をする火山がこうした火山になりやすい。
 
: 例 - [[デカン高原]]、[[コロンビア台地]]
 
; [[火砕流台地]]
 
: 大規模な[[火砕流]]によって運ばれた、大量の[[火山灰]]・[[軽石]]・[[礫]]などが厚く[[堆積]]して、上面が平坦な台地となったもの。
 
: 例 - [[シラス台地]]
 
; [[カルデラ]]
 
: 火山活動によって形成された大規模な凹地。通常、直径が1.6kmから2km以上のものを指す。通常、中央部にカルデラ形成後に形成された小火山である中央火口丘が一つまたは複数存在し、その周辺にはカルデラ床と呼ばれる平坦な地形が広がる。カルデラ床に水が溜まったものはカルデラ湖と呼ばれる。カルデラの外側は、外輪山と呼ばれる山が円形に取り囲んでいる。外輪山の内側はカルデラ壁と呼ばれ、急峻な崖となっていることが多い。大規模爆発によって形成されるカルデラの場合は、[[クラカトア式噴火]]をする火山がこうした火山になりやすい。
 
: 例 - [[阿蘇山]]、[[箱根山]]、[[十和田湖]]、[[屈斜路湖]]、[[摩周湖]]、[[洞爺湖]]
 
 
 
==== 単成火山 ====
 
[[File:KOMETUKA01.jpg|thumb|200px|[[火山砕屑丘]]([[阿蘇山#米塚|阿蘇山]])]]
 
[[File:Maare.jpg|thumb|200px|[[マール]](ドイツ)]]
 
[[File:Jrballe volcano hokkaido japan Showa Shinzan.jpg|thumb|200px|[[溶岩ドーム]]([[昭和新山]])]]
 
1回だけの噴火で形成されたもの。複成火山の一部である場合も多い。また、単成火山が多数集まっていて、全体が一連のマグマ活動と考えられる場合、単成火山群として複成火山扱いとすることがある([[伊豆東部火山群]]、[[阿武火山群]]、[[小値賀火山島群]]、[[ル・ピュイ=アン=ヴレ]]の小火山群 (フランス) など)。
 
; [[爆裂火口]]
 
: 爆発的な噴火によって[[火口]](穴)だけができ、[[火山噴出物|噴出物]]はほとんど積もっていないもの。
 
; [[マール (火山)|マール]]
 
: [[水]]が大量にある場所で[[水蒸気爆発|マグマ水蒸気爆発]]が起こり、円形の[[火口]]となったもので、水が溜まっていることが多い。[[火山噴出物|噴出物]]は、[[火口]]の周囲にわずかに積もっている程度で、主に[[ベースサージ]]堆積物である。
 
: 例 - [[目潟]]、[[波浮港]]、[[米丸]]
 
; [[火山砕屑丘]](火砕丘)
 
: [[火口]]の周囲に[[火山砕屑物]]が積もって、円錐形に近い形の小さい山(丘)になったもの。主な構成物質によってさらに細分し、[[火山灰丘]]・[[軽石丘]]・[[スコリア丘]]という。
 
: 例 - [[大室山 (静岡県)|大室山]]、[[米塚]]、[[ダイヤモンドヘッド]]
 
; [[溶岩ドーム]](溶岩円頂丘)
 
: マグマの[[粘性]]が高く(流動性が小さく)、かつガスが少ないために、爆発的な噴火を起こさず、[[火口]]から塊となって押し出されたもの。形は多様であるが、高さには限界があり、噴出量が多い時は平坦になる傾向がある。[[溶岩ドーム]]をさらに細分して、上面が平坦になったものを[[溶岩平頂丘]]、[[火道]]内で固化したまま押し出されてきたものを[[火山岩尖]]、また、地表を[[隆起]]させたが[[溶岩]]自体は噴出しないで終わった([[溶岩ドーム]]になりそこなった)ものを[[潜在ドーム]](潜在円頂丘)という。
 
: 例 - [[昭和新山]]、[[アトサヌプリ]]、[[茶臼岳 (栃木県)|茶臼岳]]、[[妙高山]]、[[平成新山]]、[[雲仙岳]]、[[金峰山 (熊本県)]]
 
 
 
==== 側火山 ====
 
複成火山の主火口から離れたところにできる小火山を、[[側火山]]または寄生火山と呼ぶ。その名の通り、大火山の側にできる別の火口である。多くは一度の噴火で形成される単成火山である。
 
: 例 - [[昭和新山]]([[有珠山]]の側火山)、[[宝永山]](富士山の側火山)
 
 
 
==== 旧分類 ====
 
[[1911年]]、[[ドイツ]]の[[カール・シュナイダー]]は、[[地形#火山地形|火山地形]]を次のように分類した。
 
* '''トロイデ'''(鐘状火山、しょうじょうかざん)
 
* '''コニーデ'''([[成層火山]]、せいそうかざん)
 
* '''アスピーテ'''([[楯状火山]]、たてじょうかざん)
 
* '''ホマーテ'''(臼状火山、きゅうじょうかざん)
 
* '''ベロニーテ'''(火山岩尖、かざんがんせん)
 
* '''[[マール (火山)|マール]]'''
 
* '''[[カルデラ]]'''
 
* '''ペジオニーテ'''([[溶岩台地]]、ようがんだいち)
 
* '''ラピリ台地(火砕岩台地、かさいがんだいち)
 
この分類は、日本では、特に[[地理]]分野で広く使われたが、海外では、過去においてもほとんど使われていない。この分類は、成因をまったく考慮せずに、現在の地形だけで定義したものであった。火山の研究が進むにつれて、形成過程がまったく違うのに、[[侵食]]などによって同じような地形になってしまう例(たとえば、[[成層火山]]であるのに侵食で平坦になった偽アスピーテ)が次々発見され、シュナイダーの分類では不都合であることが明らかとなった。このことは、[[1950年代]]にはすでに認識され<ref>{{Cite book|和書|author = [[久野久 (火山学者)|久野久]]|title = 火山及び火山岩|year = 1954|publisher = [[岩波書店]]|series = [[岩波全書]]|id = {{全国書誌番号|54007630}}|isbn = |oclc = 33740555|page = }}</ref>、マールを除き、日本の[[火山学]]、[[地質学]]においては、[[1970年]]ごろからほとんど使用されないようになった。ただし、地理の分野では、現在でも使用例があり、[[観光地]]の[[看板]]などにこれらの名称が残っている場合があるので、完全に、''[[廃語|死語]]''となっているわけではない。多くの火山研究者はシュナイダーの分類用語を使わないことを推奨している。
 
 
 
=== 活動度による分類 ===
 
{{Main|活火山#日本における定義の変遷}}
 
かつては活発に活動中である[[活火山]]、噴火活動の記録はあるがその時点において噴火活動が起きていない[[休火山]]、有史以来噴火活動の記録のない[[死火山]]に分類されてきたが、休火山や死火山が突如として噴火する事態が多発し、実状に合わないとして段階的に見直しがされ、現在では「[[活火山]]」と「それ以外の火山」に分けられている。日本の[[火山噴火予知連絡会]]・[[気象庁]]による定義によれば、活火山は「概ね過去1万年以内に噴火した火山及び現在活発な噴気活動のある火山」とされている。また、活火山内においても活動の頻度には大きな差があるため、火山噴火予知連絡会は活火山をその噴火頻度によってABCの3つのランクに分けて分類している<ref>[http://www.jma.go.jp/jma/kishou/books/kenshin/vol71p059.pdf 最近一万年間の火山活動に基づく火山活動度指数による日本の活火山のランク分けについて] 林豊・宇平幸一 気象庁 験震時報71巻 pp.59-78</ref>。
 
 
 
== 火山のできる場所 ==
 
[[File:Spreading ridges volcanoes map-en.svg|thumb|350px|火山の分布]]
 
火山は地球上のどこにでもできるわけではない。火山ができる場所は大きく分けて3種類ある。
 
; プレート[[発散型境界]]([[リフトバレー]]、[[海嶺]])
 
: [[プレートテクトニクス]]によれば、地球上で最も火山活動が活発なのは、熱い[[マントル]]が上昇してきて、[[地殻]]が新たに生成される場所、すなわち発散型境界である。発散型境界はふつう、長く続く[[谷]]地形となっているので、[[リフトバレー]]とも呼ぶ。リフトバレーの多くは[[海底]]にあり、[[海嶺]]とよばれる。海嶺では、地下から新しい玄武岩質マグマが次々に供給されて、海底で固まり、海洋地殻となって海嶺の両側に移動していく。世界で唯一、[[アイスランド]]が海嶺を地上で観察できる場所で、アイスランド島は中央部の[[地溝]]から東西に拡大しつつある。また、陸上のリフトバレーの代表的なものが[[グレート・リフト・バレー]](東アフリカ大地溝帯)で、同様に活発な火山活動を伴って東西に拡大しつつある。
 
; プレート[[収束型境界]]([[海溝]])
 
: プレートテクトニクスによれば、発散型境界で生成した[[プレート]]は、収束型境界で他のプレートとぶつかり、マントルまで沈み込んで消滅したり、プレート同士が重なり合ったりする。火山が発生するのは主に前者で、海洋プレートが他のプレートの下に沈み込む[[海溝]]に沿って分布する。海溝で沈み込んでいる海洋プレート表面の岩石には、多量の水が含まれている。水分を含んだ岩石は、融解温度が低下するので、沈み込みにより地下深部に達すると、通常よりも低い温度で融けはじめ、[[マグマ]]が発生すると考えられている。マグマの発生条件は、水分のほか主に温度と圧力に依存し、温度と圧力はほぼ深さによって決まる。従って、マグマが発生するのは、海溝から沈み込んだプレートがある一定の深さに到達した場所であり、それより海溝に近い(沈み込んだプレートが浅い)場所ではマグマは発生しない。マグマは発生した場所から[[浮力]]によってほぼ真上に上昇し火山を形成するので、必然的に、火山は海溝から一定の距離だけ離れた位置に、海溝に平行に分布することになる。この火山列を、これより前(海溝側)には火山がないという意味で'''火山フロント'''又は'''火山前線'''という。また、これよりも海溝から離れた位置にも火山が点在することが多いが、このような場所では、沈み込んだプレートがさらに深い場所に達し、別の成分が融解するなどして、散発的にマグマが発生すると考えられている。[[沈み込み帯]]では、沈み込んだプレートが融解する時に、すでに海底堆積物が混入していたり、マグマが上昇する途中で地殻の岩石が混入したりするため、火山から噴出するのは、[[安山岩]]質から[[流紋岩]]質のマグマであることが多い。日本や[[カムチャツカ半島]]をはじめとする[[太平洋]]周辺や、[[地中海]]の火山はこのタイプである。
 
[[File:Tectonic plates hotspots-en.svg|thumb|ホットスポットの分布]]
 
; [[ホットスポット (地学)|ホットスポット]]
 
: 地表の特定箇所に、継続的に大量のマグマが供給される場所があり、これをホットスポットという。ホットスポットの位置は、プレートの動きとは無関係に一定しており、プレートよりも下のマントルに発生源があると考えられている。[[ハワイ]]火山列島がこのタイプで、固定したホットスポットで噴火が起こり[[火山島]]ができる一方で、[[太平洋プレート]]が北西に動くため、古い火山島が北西にずれていくとともに、南東側に新しい火山島ができ、結果として北西ほど古く南東ほど新しい火山列島となっている。他に、[[イエローストーン国立公園|イエローストーン]]、[[ガラパゴス諸島]]がホットスポットとして知られており、また、アイスランドは[[大西洋中央海嶺]]とホットスポットが重なっているため、火山活動が特に活発であると考えられている。
 
 
 
これら3種類以外に、過去に[[プルームテクトニクス|スーパープルーム]]と呼ばれる、[[核 (天体)#地球|核]]付近からの大規模なマントル上昇による大噴火もあったと考えられている。また、[[21世紀]]初頭には、[[プチスポット]]と呼ばれる、上記3タイプに該当しない新たな海底火山が発見されている<ref>{{Cite web|author = 平野直人|date = 2006-08-17|url = http://kazan-et.jp/hotvolcanology/No1petitspot.html|title = 新種の火山を発見〜プチスポット火山〜|work = 火山学最前線レポート|publisher = 日本火山の会|accessdate = 2012-04-13}}</ref>。
 
 
 
== 火山島 ==
 
海底火山が噴火を繰り返し頂上部分が水面から上に出た場合、その部分は島となる。火山島である。小規模な火山島は噴火を繰り返す火口部分のみが海面上に出ており居住は不可能であるが、大規模な火山島の場合、火口から離れた海岸部分を中心に人が居住することが多い。火山島は養分に恵まれた肥沃な土質をしており、有人島の場合標高が高いため雨も降りやすく、[[ポリネシア人]]の入植した島々においては火山島の方が[[サンゴ礁]]島に比べ[[タロイモ]]などの[[農耕]]がおこないやすく豊かな文明を築くことが多かった。ただし、火山島は海底火山の火口部分が海面上に出たものに過ぎず、いったん噴火が起きた際には逃げ場が存在しないため、被害が拡大する傾向がある。
 
 
 
また、海底火山が噴火して新たに島を作ったり面積を大幅に広げることは、珍しいことではない。近年においては、[[1973年]]と[[2013年]]に[[小笠原諸島]]の[[西之島]]近傍において海底火山が噴火して新島ができ、西之島とつながった「西之島新島」などが知られる。ただし、こうした島の多くは火山活動が収まると付近の潮流に削られて面積を縮小させ、再び海中に没することも多い。[[イタリア]]の[[シチリア島]]の沖合に存在する海底火山は[[1831年]]に噴火し、[[フェルディナンデア]]と呼ばれる島を形成した。この島は[[地中海]]の交通の要衝にあったためにイギリス、フランス、[[スペイン]]、[[両シチリア王国]]の4か国が[[領有権]]を主張する事態となったが、島はその年のうちに波に削られ再び海中に没した<ref>「図説 火山と人間の歴史」pp107-108 ジェイムズ・ハミルトン著 鎌田浩毅監修 月谷真紀訳 原書房 2013年12月3日第1刷</ref>。
 
 
 
== 噴火と火山災害 ==
 
地下のマグマが火道を通って噴出することを[[噴火]]と呼ぶ。噴火はマグマの組成によって変化し、[[粘性]]の低い[[玄武岩]]が主体となっているマグマの場合は火口から溶岩流が流れ出すのに対し、粘性の高い[[流紋岩]]が主体となっている場合は大規模な爆発を起こすことが多く、爆発しない場合は溶岩ドームを形成する。粘性が玄武岩と流紋岩の中間程度である[[安山岩]]を主体としている場合は噴火タイプも両者の中間であり、溶岩流が流れ出すこともあれば爆発を起こしたり溶岩ドームを形成することもある<ref>「火山に強くなる本」p35 下鶴大輔監修 火山防災用語研究会編 山と渓谷社 2003年7月10日初版第1刷</ref>。
 
 
 
いったん噴火が起きると、火口からはさまざまな[[火山噴出物]]が噴出する。マグマがそのまま液体として流れ出したものが[[溶岩]]であり、冷え固まって固体となると[[火山灰]]、[[火山弾]]、[[軽石]]、[[スコリア]]などの[[火山砕屑物]]となり、また[[火山ガス]]などの気体も噴出する。これらの噴出物は非常に高温であり、いったん噴火すると周囲の土地に多大な被害をもたらす。溶岩流は流速が遅く人が直接飲み込まれることはそれほど多くないが、周囲の土地を飲み込んだ場合そのまま固化して岩石となるため、農地や住宅地が呑み込まれた場合使用不能となる。火山ガスは高温の上[[二酸化炭素]]、[[二酸化硫黄]]、[[硫化水素]]などの有毒な気体が多く含まれ、また[[酸素]]が少ないため、有毒成分の吸入や[[酸欠]]によって人間が死亡することも珍しくない。火山ガスは密度が高いため特にくぼ地にたまりやすく、風向きや火山活動の活発さによっては特に大噴火となっていなくともガスにまかれて死亡することがまれにある。
 
 
 
火山砕屑物が火山ガスや水蒸気などの気体とともに流れ下る[[火砕流]]は高温の上非常に速度が速く、発生した場合多数の人々が死亡することが多い。火砕流による大災害の例としては、[[79年]]に起きて[[ポンペイ]]の街を飲み込んだ[[ヴェスヴィオ火山]]の噴火や、[[1902年]]に[[西インド諸島]]の[[フランス]]領[[マルティニーク島]]にある[[プレー火山]]で発生し、島の首都である[[サン・ピエール (マルティニーク)|サンピエール市]]を飲み込んで28000人の死者を出したものなどがある。
 
 
 
こうした直接の噴出物のほか、噴火によって火山の山体そのものが損傷し、衝撃によって崩壊することがある。[[山体崩壊]]と呼ばれるこの大規模な山崩れが起こった場合、多数の人命が失われることが多い。さらにこの山体崩壊が海の近くで起こった場合には大量の土砂がそのまま[[津波]]を起こし、対岸にも巨大な被害を与える。この山体崩壊による津波としては、[[1792年]]の[[雲仙岳]]の噴火によって[[眉山 (島原市)|眉山]]が山体崩壊を起こし、対岸の[[肥後]]を大津波が襲った[[島原大変肥後迷惑]]などが知られている。また、周囲に大量に降り積もった火山灰は安定しておらず、降雨があった場合[[土石流]]を起こして流れ下り、やはり多大な被害をもたらす。
 
 
 
また、大気中に放出された火山灰は[[飛行機]]の運行に対して重大な影響をもたらす。噴煙や火山灰は飛行機の視界を遮るほか、火山灰が機体に当たれば損傷を起こすし、なにより[[エンジン]]に火山灰が吸いこまれた場合、最悪の場合にはエンジンが停止してしまう場合もある。こうしたことから大規模な火山噴火が起きた場合、火山周辺のみならず周囲の広い範囲にわたって飛行が禁止となり、交通や経済に重大な損害をもたらす。[[2010年]]に[[アイスランド]]の[[エイヤフィヤトラヨークトル]]で起こった[[2010年のエイヤフィヤトラヨークトルの噴火|噴火]]においては、アイスランドのみならず[[ヨーロッパ大陸]]の広い範囲において飛行が禁止され、数十万人の足に影響が出た。([[2010年のエイヤフィヤトラヨークトルの噴火による交通麻痺]])<ref>http://www.afpbb.com/articles/-/2718762 「アイスランドの噴火で欧州の空に混乱、英国では全飛行を禁止」AFPBB 2010年04月15日 2016年5月9日閲覧</ref>。
 
 
 
海底火山の噴火の際は通常被害がもたらされることはないが、噴火の際に火口の直上を船舶が航行していた場合、噴火によって船舶が吹き飛ばされ遭難することがまれにある。こうした事故の例としては、[[1952年]]の[[明神礁]]の噴火の際に[[海上保安庁]]の[[測量船]]「第五海洋丸」が巻き込まれ、職員31名が殉職した事故などがある。
 
 
 
火山活動が人口集中地域の近くで起き活動が沈静化しない場合、その土地の住民は移住を余儀なくされる。近年では[[1994年]]に[[パプアニューギニア]]の主要港のひとつだった[[東ニューブリテン州]]都の[[ラバウル]]において近傍の[[タブルブル山]]とブルカン火山が同時噴火し<ref>http://www.afpbb.com/articles/-/3024489 「パプアニューギニアで火山が噴火、航空機は迂回」AFPBB 2014年08月29日 2016年5月9日閲覧</ref>、5m以上の降灰によって町が埋め尽くされ、州都が20km離れた[[ココポ]]の街に移転された例や、[[1997年]]に西インド諸島にある[[イギリス]]領[[モントセラト]]の[[スーフリエール・ヒルズ]]において大噴火が発生し、首都[[プリマス (モントセラト)|プリマス]]を含む同島の南半分が立ち入り禁止区域となって、首都を北部の小村である[[ブレイズ (モントセラト)|ブレイズ]]へと移転せざるを得なくなった例などがある。
 
 
 
こうした一般的な噴火被害のほか、[[破局噴火]]と呼ばれる非常に大規模な噴火の場合、火山灰が大気圏に広がって太陽光を遮り、[[火山の冬]]と呼ばれる低温期を数年にわたってもたらすことがある。
 
 
 
== 火山の恩恵 ==
 
火山は被害をもたらすばかりではなく、人類の生活に密接につながり、さまざまな恩恵を与えている。火山はカルデラ湖や火山活動により形成された美しい山容、変化にとんだ地形、噴煙を上げる火山活動そのものなどを目的とした観光客が多く訪れ、その地域の観光の目玉となっていることがある。日本のシンボルともされる[[富士山]]も火山であり、噴火を繰り返したことによる成層火山特有の秀麗な山容から大観光地となっており、登山客も多く訪れる。このほか、[[雲仙岳]]や[[阿蘇山]]なども活発な火山であると当時に大観光地ともなっている。[[草津白根山]]のように火山ガスの成分が溶け込んだ美しい火口湖を持ち、観光名所となっているところもある。(ただし2014年以降、噴火警戒レベル上昇によって草津白根山湯釜火口の観光はできなくなっている)。
 
 
 
観光地としての火山は風景そのもののほか、地下のマグマによって熱せられた[[温泉]]が周囲に多く湧出するため、より価値の高いものとなっている。[[草津温泉]]や[[別府温泉]]をはじめ、火山性の温泉は日本にも世界各地にも存在する。中でも日本は火山が多いためそれにつれて温泉も多くなり、世界有数の温泉数を誇る。また、火山は透水性が高いため、山麓は多量の[[湧水]]に恵まれ、市民の生活や工業用水などに使用される。
 
 
 
火山は[[エネルギー]]源としても利用可能である。火山周辺の高い地熱を生かし、地下の熱水によって[[タービン]]を回し発電することを[[地熱発電]]と呼び、新エネルギーの重要な一角を占めている。日本においては地熱発電は国定公園などの規制や温泉地の反発、発電自体の非効率性などによって総発電量に占める割合は非常に低く、世界でもそれほど利用率は高くないが、顕著な例外が[[アイスランド]]である。アイスランドの総発電量の54.9%(2005年)が地熱発電によってまかなわれており、これは世界でも際立って高い<ref>「火山工学入門」p199 地盤工学委員会 火山工学研究小委員会編 土木学会 平成21年7月31日第1版第1刷</ref>。さらに発電以外にも、アイスランドの地熱利用の半分以上を占める[[暖房]]利用のほか、魚の[[養殖]]、[[温水プール]]用など、アイスランドの地熱利用は多彩なものである<ref>「火山工学入門」p199 地盤工学委員会 火山工学研究小委員会編 土木学会 平成21年7月31日第1版第1刷</ref>。アイスランドの地熱利用がさかんなのは、国土自体が[[海嶺]]の陸上部分にあり火山が非常に多いこと、人口が少なく、人口に比して火山のエネルギー量がきわめて豊富であることがあげられる。
 
 
 
火山のマグマには有用な鉱物も多く含まれており、何らかの理由で集積を起こすことで鉱床となることがある。火山性の鉱床としては、[[熱水鉱床]]や[[海底熱水鉱床]]、噴気鉱床などがある。
 
 
 
== 火山の研究と防災 ==
 
火山を研究する学問を総称して[[火山学]]と呼ぶ。火山はその特異な現象と噴火した際の大きな被害などから古くから注目されており、さまざまな記録が残されている。[[1943年]]に[[北海道]]で[[昭和新山]]が生まれた際には、[[三松正夫]]がその隆起していく過程を「新山隆起図」という一枚の図にまとめた。これは[[ミマツダイヤグラム]]と呼ばれ、活火山の山体形成過程の詳細な記録として非常に貴重なものである。
 
 
 
火山学において非常に期待されている分野に、[[噴火予知]]がある。これは[[火山性地震]]の発生、[[火山性微動]]の増加や火口付近の隆起、地下水の温度の上昇や、火山ガスの化学組成の変化などさまざまな証拠を元に、ある程度の噴火の予測を立てることである。地下の圧力が高まっていれば上記のような変動が起き、それが増加していれば地下の活動が活発化していると考えられるためある程度の予測は可能であるが、あくまで予測であり、完全な予知はもとより不可能である。また、火山の噴火タイプはその山ごとによって違い、さらには同じ山ですら前回と全く同じ活動をするとは限らないため、さらに予測は困難となる。上記のような変動が起きていてもその後収束に向かうこともあれば、ほぼ直前までわずかな変動しかなかったものが突然噴火することさえある。[[2014年の御嶽山噴火]]においては火山性地震は増加傾向にあったものの山体膨張や火山性微動が観測されなかったため[[噴火警戒レベル]]を上昇させることはなく、結果として多くの犠牲者を出すこととなった。
 
 
 
日本においては各火山の活動状況に応じて必要な防災対応や警戒範囲を示すものとして気象庁が噴火警戒レベルを発表しており、噴火による重大な災害が起こる恐れがある場合には[[噴火警報]]が発表される。また、2014年の御嶽山噴火の反省を踏まえ、それまでも出されていた[[火山の状況に関する解説情報]]を一般登山者向けにも伝えるホームページを気象庁が開設したほか、臨時情報を「臨時」として強調するなどの改善を行った<ref>「[http://www.jma.go.jp/jma/press/1505/12b/kazanjouhou150512.html 御嶽山の噴火災害を踏まえた火山情報の見直しについて~「火山の状況に関する解説情報」等の変更~]」気象庁、2015年5月12日付、2016年5月9日閲覧</ref>。また、日本国内の多くの火山においては噴火時を想定した[[ハザードマップ]]が作成され公開されている。
 
 
 
== 地球外の火山 ==
 
[[File:Olympus Mons.jpeg|thumb|150px|火星のオリンポス山]]
 
火山の噴火が確認されている[[天体]]は、地球、[[木星]]の衛星[[イオ (衛星)|イオ]]、[[土星]]の衛星[[エンケラドゥス (衛星)|エンケラドゥス]]、[[海王星]]の衛星[[トリトン (衛星)|トリトン]]である。
 
 
 
[[金星]]、[[火星]]、[[タイタン (衛星)|タイタン]]にも、噴火は確認されていないが、火山が存在する。火星の最も新しい噴火としては、240万年前に[[オリンポス山 (火星)|オリンポス山]]が噴火した痕跡が発見されている。地球の基準に照らせば死火山となるが、火星の火山は長い休止時期を挟んで間歇的に活動するとの説もあり、実際のところ死火山か活火山かは不明である。なお、オリンポス山の標高は約27kmにのぼり、[[太陽系]]最高峰でもある。これほど標高が高くなったのは、火星にはプレートテクトニクスが存在しないため、ホットスポットから火山が移動せず、噴出した溶岩が同じ場所に堆積し続けたためである<ref>「太陽系探検ガイド エクストリームな50の場所」p5 デイヴィッド・ベイカー、トッド・ラトクリフ著 渡部潤一監訳 後藤真理子訳 朝倉書店 2012年10月10日初版第1刷</ref>。同じ理由で、火星にはアルシア山(標高19km)やアスクレウス山(標高18km)、パボニス山(標高14km)といった巨大火山が点在する<ref>「Newton別冊 探査機が明らかにした太陽系のすべて」p42 ニュートンプレス 2006年11月15日発行</ref>。金星の火山の活動状況は不明な点が多いが、数億年前に大規模な地質活動は終わったと見られている<ref>「Newton別冊 探査機が明らかにした太陽系のすべて」p20 ニュートンプレス 2006年11月15日発行</ref>。
 
 
 
[[月]]には、[[月の海|海]]と呼ばれる広大な玄武岩平原が存在し、[[地質時代]](最も新しい[[モスクワの海]]東領域で25億年前)には、活発な火山活動が見られた。ただし、火山と言えるような地形はない。
 
 
 
太陽系中で現在も地球と同系統の火山活動が活発に起こっている場所はイオである。イオの地表には400個以上の火口が点在し、2007年にはニューホライズンズ探査機が、高さ300kmにものぼる巨大な噴火を確認した。イオの火山活動は衛星全体に点在するため、星全体が火山から噴出した硫黄化合物によっておおわれており、そのため星自体が硫黄化合物の色である赤と黄色に見える<ref>「太陽系探検ガイド エクストリームな50の場所」p177-180 デイヴィッド・ベイカー、トッド・ラトクリフ著 渡部潤一監訳 後藤真理子訳 朝倉書店 2012年10月10日初版第1刷</ref>。
 
 
 
岩石天体の火山噴出物は、地球と同様の[[ケイ酸塩]][[化合物]]だが、氷天体の火山噴出物はまったく異なる。タイタンやエンケラドゥスの火山は[[水]]、トリトンの火山は[[窒素]]を主に噴出する<ref>「太陽系探検ガイド エクストリームな50の場所」p9 デイヴィッド・ベイカー、トッド・ラトクリフ著 渡部潤一監訳 後藤真理子訳 朝倉書店 2012年10月10日初版第1刷</ref>。それぞれの天体の[[常温]]では[[固体]]であり、地殻の構成物質である。そのような氷天体に見られる火山は、氷のマグマのようなものを噴出していることから[[氷の火山]]と呼ばれる。
 
 
 
== 火山に関連する作品 ==
 
; ノンフィクション
 
* 『クラカトアの大噴火』([[サイモン・ウィンチェスター]])早川書房 - クラカタウ
 
* 『火山に魅せられた男たち』([[ディック・トンプソン]])[[地人書館]] - セント・ヘレンズ、ネバド・デル・ルイス、ピナトゥボ
 
; 小説
 
* 『21の気球』([[ウィリアム・ペン・デュボア]])講談社少年少女世界文学全集 - クラカタウ
 
* 『ポンペイの四日間』([[ロバート・ハリス (1957年生)|ロバート・ハリス]])[[2003年]] - [[79年]]の[[ヴェスヴィオ火山]]噴火による[[ポンペイ]]滅亡
 
* 『[[死都日本]]』([[石黒耀]]。漫画版『[[カグツチ (漫画)|カグツチ]]』) - 九州の加久藤(かくとう)火山
 
* 『複合大噴火 1783年夏』([[上前淳一郎]])文藝春秋、1989年 - ラキ、浅間
 
* 『富士山大噴火』([[鯨統一郎]])講談社、2004年 - 富士山
 
* 『昼は雲の柱』(石黒耀)講談社、2004年 - 富士山
 
* 『[[日本沈没]]』([[小松左京]])光文社、1973年 - 日本各地の火山
 
* 『[[グスコーブドリの伝記]]』([[宮沢賢治]]『童話集 風の又三郎」)岩波文庫、岩波書店 - カルボナード火山(架空)
 
; 映画
 
* 『[[ポンペイ最後の日 (1935年の映画)|ポンペイ最後の日]]』
 
* 『[[日本沈没]]』
 
* 『[[ボルケーノ]]』
 
* 『[[ダンテズ・ピーク]]』
 
* 『[[2012 (映画)|2012]]』
 
 
 
== 脚注 ==
 
{{Reflist}}
 
  
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[[火山作用]]によって地球内部から放出された[[溶岩]],[[火山灰]],[[火山礫]]などの[[火山噴出物]]が噴出口(火口)付近に堆積して生じた[[地形]]。通常は山地のように高まりをなすが([[山]]),爆発や陥没によって凹地をなすこともある。その山頂から山麓までを火山体といい,火山体が 1回の噴火で形成される単成火山と,休止期を挟んで繰り返される噴火を経てできる複成火山とに分けられる。複成火山は[[溶岩流]]と[[火山砕屑物]]の重なり合った[[成層火山]]で,円錐形の火山体を形成することが多い。日本では最も多く,[[富士山]]が代表例。火山の形状には,火山砕屑物だけからなる[[砕屑丘]],粘性の強い溶岩からなる[[溶岩円頂丘]],硬い溶岩が柱状に押し出された[[火山岩尖]],流動性の溶岩によってつくられた[[楯状火山]],爆裂によってできた[[マール]],直径が約 1.5kmより大きい凹地の[[カルデラ]]などがある([[火山地形]])。
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== 関連項目 ==
 
== 関連項目 ==
{{Commons&cat|Volcano|Volcanoes|火山}}
 
 
* [[火山学]]
 
* [[火山学]]
* [[火山の一覧]]、[[火山の一覧 (日本)]]、[[火山帯]]
+
*[[火山帯]]
 
* [[海底火山]]、[[火山島]]
 
* [[海底火山]]、[[火山島]]
 
* [[噴火]]、[[マグマ]]、[[マグマ溜まり]]
 
* [[噴火]]、[[マグマ]]、[[マグマ溜まり]]
* [[気象庁が命名した自然現象の一覧#火山噴火]]
 
 
* [[火成岩]]、[[火山岩]]
 
* [[火成岩]]、[[火山岩]]
 
* [[火山砕屑物]]、[[火山砕屑岩]]
 
* [[火山砕屑物]]、[[火山砕屑岩]]
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* [[破局噴火]]
 
* [[破局噴火]]
 
* [[洪水玄武岩]]
 
* [[洪水玄武岩]]
 
== 外部リンク ==
 
{{Wiktionary}}
 
{{Wikinewscat}}
 
* [http://www.data.jma.go.jp/svd/vois/data/tokyo/STOCK/kaisetsu/vol_know.html 気象等の知識「火山」] - 気象庁
 
** [http://www.data.jma.go.jp/svd/vois/data/tokyo/STOCK/souran/menu_jma_hp.html 日本活火山総覧(第4版)Web掲載版] - 気象庁
 
* [http://gbank.gsj.jp/volcano-QV/VOL_JP/index.htm 日本の第四紀火山] -  産業技術総合研究所 地質調査総合センター
 
* [http://www.hayakawayukio.jp/kazan/field/ フィールド火山学] - 群馬大学教育学部 早川由紀夫研究室
 
* [http://www.kazan-g.sakura.ne.jp/J/index.html 日本火山学会]
 
** [http://www.geo.chs.nihon-u.ac.jp/tchiba/volcano/kaz-table.htm 火山データベース]
 
* [http://www.volcano.si.edu/ Global Volcanism Program] - スミソニアン学術協会
 
  
 
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2018/10/27/ (土) 15:29時点における版

セントヘレンズの大噴火

火山(かざん、英語: volcano

火山作用によって地球内部から放出された溶岩火山灰火山礫などの火山噴出物が噴出口(火口)付近に堆積して生じた地形。通常は山地のように高まりをなすが(),爆発や陥没によって凹地をなすこともある。その山頂から山麓までを火山体といい,火山体が 1回の噴火で形成される単成火山と,休止期を挟んで繰り返される噴火を経てできる複成火山とに分けられる。複成火山は溶岩流火山砕屑物の重なり合った成層火山で,円錐形の火山体を形成することが多い。日本では最も多く,富士山が代表例。火山の形状には,火山砕屑物だけからなる砕屑丘,粘性の強い溶岩からなる溶岩円頂丘,硬い溶岩が柱状に押し出された火山岩尖,流動性の溶岩によってつくられた楯状火山,爆裂によってできたマール,直径が約 1.5kmより大きい凹地のカルデラなどがある(火山地形)。

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