「教父」の版間の差分
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2018/7/28/ (土) 21:21時点における最新版
(きょうふ、ギリシア語: Εκκλησιαστικοί Πατέρες、ラテン語: Patres Ecclesiae、ドイツ語: Kirchenväter、英語: Church Fathers)
「教会の父」の意。信仰上の師弟の関係を父子の関係にたとえた呼称で,古代および中世初期のキリスト教思想家,著作家のうち,その信仰,思想,生活が全教会の模範,規範となるような人々について用いられる名称である。厳密な教会用語としては,
(1) 教会史の古代 (2~8世紀頃) に属すること antiquitas ecclesiae,
(2) 教義の正統性 doctrina orthodoxa,
(3) 生活の聖性 sanctitas vitae,
(4) 教会の正式布告に信仰の証言としての引証があること approbatio ecclesiaeの4条件を満たす教会の著述家をいい,この基準にあてはまらない著述家は単に「教会的著述者」 scriptores ecclesiaeといわれる。
もともと pater (父,複数 patres) は司教をさす語であったが,アウグスチヌスが司教でないヒエロニムスを正統教理の権威として引用したように,またレランのウィンケンチウスの『備忘録』にみられるように,5世紀頃より広義の教父の概念が確立した。その後さらに教父の定義がせばめられ,近世のカトリック教父学で以上の4条件が定まった。
教父の区別には,
(1) 時代別 (使徒的教父,護教的教父,思索的教父) ,
(2) 使用語 (ギリシア教父,ラテン教父,シリア教父,コプト教父など) による区別 (生国にはよらない) などがあり,
思索的教父の時代,すなわちギリシア教父としてはオリゲネスや,ニッサのグレゴリウスに代表されるカッパドキアの3教父,ラテン教父としてはアンブロシウスやアウグスチヌスらの輩出した時代が教父時代の最盛期であったといってよい。教父についての研究は教父学と呼ばれる。