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[[ファイル:HK_Sunday_2008_Lego_Election_Polling_Station_Sai_Ying_Pun_Third_Street_2_a.jpg|thumb|300px|right|2008年の[[香港特別行政区立法会|香港立法会]]の選挙における出口調査の様子]]
 
'''出口調査'''(でぐちちょうさ)とは、[[選挙]]結果を予測するため、[[投票所]]の出口で、投票した人に直接[[投票行動]]を尋ねて調べること。また、それに基づいて実際の得票数を推定すること。有権者の関心が集まる選挙の際に、[[テレビジョン放送局|テレビ局]]、[[新聞社]]などによって行われる。開票が進んでいない段階での候補者の当選の見込み(当選確実、当確)を推定するための主要な材料のひとつであるとともに、投票行動を定量的に分析するためにも用いられる。
 
  
==歴史==
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(でぐちちょうさ)<br>
{{節スタブ}}
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exit poll
[[アメリカ合衆国]]では、[[1967年]]の[[ケンタッキー州]]知事選挙に際しての[[CBS]]の{{仮リンク|ウォレン・ミトフスキー|en|Warren Mitofsky}}らによる調査など、早くから出口調査の事例がある。日本では、[[1989年]][[5月]]の[[青森市]]長選(この時の当選者は[[佐々木誠造]])の際、[[青森放送]]の[[長崎昭義]](当時:報道制作局[[報道部]]長、現:[[代表取締役]][[社長]])が初めて当調査を取り入れた事が初。国規模では[[第15回参議院議員通常選挙|同年の参院選]]の際、17都県で行われた[[TBSテレビ|TBS]]系列による調査がもっとも早いもののひとつとされる<ref name="福田2008">[[#福田2008]]</ref>。
 
  
==調査の方法==
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報道機関が選挙報道で当落予想の信頼性を高めるために,投票場の出口で有権者に投票結果を聞き集計する方法。日本では 1992年の参議院議員選挙の頃からおもなテレビ局が本格的に導入を始め,回数を重ねるにつれ精度を向上させてきた。
以下では例として、[[毎日新聞]]で採用されている出口調査の方法を説明する。<!-- ほか機関の情報があれば追加してください -->
 
  
出口調査は、[[投票区]]の[[標本抽出]]と投票者の標本抽出の2段階に分かれる。それぞれの段階において、限られた標本数のもとでできるかぎり[[無作為抽出|無作為な抽出]]と妥当な[[統計学的推定|推定]]を実現するため、様々な工夫がなされている。
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アメリカでは長らく一般的な手法であったが,2000年の大統領選挙で予想がはずれ,調査と報道のあり方を見直すきっかけとなった。
 
 
投票区の抽出においては、まず、有権者数と前回の選挙の投票率から投票者数を推定し、統計的な推定を行うことができないほどに投票者数が少ないと見込まれる投票区が除外される。次に各投票区を、強く支持されているとされる[[政党]]や候補者などの観点で分類する。その各分類から、推定投票者数に比例する数の投票区が選ばれる。そのようにして選ばれた投票区の投票所に調査員が派遣され、一定の数の投票者を選んで質問することにより、投票者の抽出が行われる<ref name="福田2008"/>。
 
 
 
調査員は出口を通過する人を数え、均等な人数間隔・もしくは時間間隔をおいて調査への協力を依頼する。協力が得られた場合は質問を書いた用紙を渡し、投票者の筆記によって回答をしてもらう。調査員はその回答を読み取り、[[携帯電話]]などの機器を用いてその場でデータを集計者に送信する<ref>近年では[[タブレット (コンピュータ)|タブレット端末]]を使用して回答を集計するケースも多い。</ref>。質問では投票先のほか投票理由・支持政党を調べることが多い。その他、性別や年齢の情報を加える場合もある<ref name="福田2008"/>。
 
 
 
このような方法での出口調査に基づく得票率推定の精度は完全に無作為な場合には劣るものの、その誤差の比は1.5倍程度におさまるとされる。例としてはそれぞれ標本数1500から4000程度の、23回分の[[都道府県知事]]選挙における出口調査による推定の[[標準誤差]]が、同数の完全に無作為な抽出が行えた理想的なケースと比較して、おおむね2倍程度にとどまったと報告されている<ref name="福田2008"/>。
 
 
 
==調査の実施と発表==
 
日本の大型国政選挙では全国で数十万人を対象に実施される。[[期日前投票制度|期日前投票]]においても実施されており、これは投票日前に報じられる「中盤・終盤情勢分析」に反映される。
 
 
 
投票行動が変わることを防止するため、出口調査結果は投票締め切り時刻丁度かそれを過ぎてから発表される。しかし、日本の国政選挙の場合、有力政党や有力候補には投票締め切り前に情報漏洩しているとも言われ<ref>[[第44回衆議院議員総選挙|2005年の衆院選]]で[[津川祥吾]]の[[国会議員政策担当秘書|政策担当秘書]]だった[[石田敏高]]は、投票締め切り前の「石田日記」にてデータを入手したことを記している</ref>、翌日以降の新聞記事等には、投票締め切り前に情報入手した党幹部らが対応協議したとする描写が登場することがある。
 
 
 
==「当選確実」判定への利用==
 
当選確実(当確)を出す基準はそれぞれの報道機関が独自に決めている。多くの場合、出口調査の結果は開票の途中経過に次ぐ大きな判断材料となる。
 
<BR />※当選は選挙管理委員会より発表される。よって、マスコミの票読みは当選確実と表現される。
 
 
 
そのほかの有効な手がかりとして、初期の開票作業の目視による観察が挙げられる。開票作業では最初に投票箱を開けて票を候補者別におおむね山分けする。報道機関の記者はその山を遠くから[[双眼鏡]]で確認し比較することによって、当選者を予想することができる。ほかにも、各選挙区における立候補者の知名度や実績、[[地盤]]や[[組織票]]の強さ・各区における支持政党の傾向など、投票前のアンケートや経験則に基づく情報が活用される。
 
 
 
一般に言う「開票」とは候補者別に山分けされた投票用紙を実際に数えることであるため、当選者と落選者の得票に大差がつくような[[無風選挙]]では、投票締め切り後1分もしないうちに(開票率0%で)当確が出ることもある(俗称「'''ゼロ打ち'''」)。日本では[[第43回衆議院議員総選挙|2003年の衆院選]]において20時の投票締切から23秒後に[[TBSテレビ|TBS]]が[[安倍晋三]]([[山口4区]])当確と報じた。また、[[2007年東京都知事選挙|2007年の都知事選]]でも投票締め切りの20時から1分程度経過した時点で[[石原慎太郎]]の当確を次々と報じた。尤も、アメリカでは投票締切0秒後に当確を報じており、[[2008年アメリカ大統領選挙]]ではカリフォルニア州などの投票締切となった西海岸午後8時になった瞬間、すべての報道機関が[[バラク・オバマ]]の「当選」を報じた。[[第45回衆議院議員総選挙|2009年の衆院選]]では、[[テレビ朝日]]系列の[[名古屋テレビ放送]]が、投票締切と同時に[[愛知県]]の全選挙区などの当確をテロップで報じた<ref>[http://www.youtube.com/watch?v=Fs8tpmQAYN4 YouTube JAPAN ELECTION2009]</ref>。
 
 
 
イギリスでも出口調査を行い、そのデータに基づいた党派別の議席予測を投票締切直後に発表するが、当確報道には利用せず、伝統的に当選発表は公式発表をもって「当選」とする。
 
 
 
==問題==
 
出口調査には、その方法に起因する偏りが存在する。ひとつの要因は、[[期日前投票]]に対する調査が困難なことである。期日前投票は、[[第21回参議院議員通常選挙|2007年の参院選]]では総投票数の18%におよぶなど、投票全体のうち無視できない部分を占める。また、[[第44回衆議院議員総選挙|2005年の衆院選]]の奈良1区における調査では、当日投票と比べて期日前投票を行った人の中に[[公明党]]支持者が多いことが報告されており<ref>[[#倉内2005]]</ref>、期日前投票と当日投票との間には投票傾向の異なりがあることが分かっている。しかしながら、期日前投票では投票の日時が広く分散するため、当日投票と比較して大きなコストがかかることから本格的な調査が困難である。そのほか、回答に協力する人と拒否する人との間での違い、投票者の少ない投票区の切り捨てによるカバー率低下の問題も存在する<ref name="福田2008"/>。
 
 
 
上述のように出口調査はあくまで限られた標本に基づく[[標本調査|サンプル調査]]に過ぎないため、一定の量の誤差を避けることができない。したがって、それに基づいて判定される当確も100%確実なものではない。一方でテレビ局同士の間では当確情報の速さと正確さを競う傾向が強いため、[[選挙特別番組]]での当確報道の誤報(所謂、当確ミス)が多いことが問題となっている。調査結果からくる政党別議席予想と実際の結果が大幅にずれていた場合、テレビ局では責任者の[[更迭]][[人事]]をとっている。
 
  
 
==脚注==
 
==脚注==
 
<references />
 
<references />
  
==参考文献==
 
*{{Cite journal|和書
 
|author=福田昌史
 
|title=出口調査の方法と課題
 
|journal=行動計量学
 
|pages=pp.59-71
 
|year=2008
 
|volume=35
 
|issue=1
 
|publisher=[[日本行動計量学会]]
 
|naid=110006652921
 
|ref=福田2008
 
}}
 
*{{Cite journal
 
|1          = 和書
 
|author      = 倉内敦史
 
|title      = 衆院選出口調査の検証
 
|journal    = NIKKEI RESEARCH REPORT
 
|pages      = pp.26-29
 
|year        = 2005
 
|issue      = IV
 
|url        = http://www.nikkei-r.co.jp/nkr_report/0504/07exit.pdf
 
|ref        = 倉内2005
 
|publisher  = [[日経リサーチ]]
 
|archiveurl  = https://web.archive.org/web/20061118133216/http://www.nikkei-r.co.jp/nkr_report/0504/07exit.pdf
 
|archivedate = 2006年11月18日
 
}}
 
*[[谷岡一郎]] 『「社会調査」のウソ--リサーチ・リテラシーのすすめ』 [[文藝春秋]]、2000年6月。ISBN 4166601105
 
*[[宇佐美滋]] 『アメリカ大統領を読む事典--世界最高権力者の素顔と野望』 [[講談社]]、2008年4月17日。ISBN 9784062564069
 
 
==関連項目==
 
*[[選挙特別番組]]
 
 
==外部リンク==
 
*{{CRD|1000028395|選挙で活用されている出口調査について}}
 
 
{{Poli-stub}}
 
 
{{DEFAULTSORT:てくちちようさ}}
 
{{DEFAULTSORT:てくちちようさ}}
 
[[Category:選挙]]
 
[[Category:選挙]]
 
[[Category:統計]]
 
[[Category:統計]]

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(でぐちちょうさ)
exit poll

報道機関が選挙報道で当落予想の信頼性を高めるために,投票場の出口で有権者に投票結果を聞き集計する方法。日本では 1992年の参議院議員選挙の頃からおもなテレビ局が本格的に導入を始め,回数を重ねるにつれ精度を向上させてきた。

アメリカでは長らく一般的な手法であったが,2000年の大統領選挙で予想がはずれ,調査と報道のあり方を見直すきっかけとなった。

脚注