ヘーシオネー

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ヘーラクレースに助けられるヘーシオネー。

ヘーシオネー古希: Ἡσιόνη, Hēsionē)は、ギリシア神話女神、もしくは女性。長母音を省略してヘシオネとも表記される。


ヘーシオネーἩσιόνη, Hēsionē)は、ギリシア神話の女性である。トロイア王ラーオメドーンの娘で、ティートーノスラムポスヒケターオーンクリュティオスポダルケースプリアモス)、キラアステュオケーと兄弟[4]サラミース島の王テラモーンとの間にテウクロスを生んだ[5]

ヘーシオネーの父ラーオメドーンは、アポローンポセイドーンを雇ってトロイアに城壁を築いたが報酬を支払わなかった。このためトロイアは神の怒りに触れ、ポセイドーンは海の怪物を送り込んでトロイア人を襲せた。ラーオメドーンは災厄から逃れるため神託に従ってヘーシオネーを怪物に捧げた。そのときヘーラクレースがやって来て、怪物を倒し、ヘーシオネーを救い出した。しかしラーオメドーンはヘーラクレースにも報酬を払おうとしなかった。ヘーラクレースは復讐を誓ってトロイアを去っていった[6][7][8]

後にヘーラクレースはトロイアを征服し、ヘーシオネーはラーオメドーンや他の兄弟とともに捕らわれた。ヘーシオネーはヘーラクレースに助けてほしい者を1人選べと言われ、ポダルケースを選んだ。さらに何か代償を払って買い戻せと言われたので、頭からヴェールをとって代償とし、ポダルケースを自由の身にした。ラーオメドーンと他の兄弟たちは殺され、ヘーシオネーはテラモーンに与えられた。またポダルケースはこれにちなんでプリアモスと呼ばれるようになった[9]

なおウェルギリウスによれば、後にヘーシオネーはサラミース島でプリアモスやアンキーセースの訪問を受けたとされる[10]

系図

テンプレート:トロイアの系図

脚注

  1. アクーシラーオス断片33(『オデュッセイア』10巻2行への古註)。
  2. アイスキュロス縛られたプロメテウス』560行。
  3. ケルコープス断片(アポロドーロスによる引用、2巻1・5)。
  4. アポロドーロス、3巻12・3。
  5. アポロドーロス、3巻12・7。
  6. アポロドーロス、2巻5・9。
  7. ヒュギーヌス、31話。
  8. ヒュギーヌス、89話。
  9. アポロドーロス、6巻4。
  10. ウェルギリウス『アエネーイス』8巻157行-158行。

参考文献