フォルケホイスコーレ
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フォルケホイスコーレ(デンマーク語: Folkehøjskole; フィンランド語: kansanopisto, フィンランド語: työväenopisto,フィンランド語: kansalaisopisto; ドイツ語: Volkshochschule, ドイツ語: Heimvolkshochschule, ノルウェー語: Folkehøgskole, テンプレート:Lang-sw;, ハンガリー語: népfőiskola)とは、民衆の民衆による民衆のための成人教育機関。デンマークのニコライ・フレデリク・セヴェリン・グルントヴィが理念的なものを提案し、実際にはクリステン・コルが創始した学校である。デンマークの民主主義普及に大きく貢献した功績がある。
日本とデンマークでは教育システムが異なるので単純に比較はできないが、日本でいう大学の位置づけにある学校組織である。しかし大学(ユニバーシティ)や単科大学(カレッジ)とは全く違い、単位や学位は取れないが、自由な雰囲気の中で自然を謳歌しつつ学べる全寮制の学校である。
特徴
地域により多様性があるが共通点は以下の5つ。
- 学習科目の多様性
- テストの廃止
- 学生の自律的学習の促進
- 国家や外部に支配されない独立した教育内容
- 数ヶ月から1年のコース
基本概念
- 死んだ文字より生きた言葉―書物を利用した学習より、人間と人間による対話を重視する
- 学内平等―学生は指導者から学ぶが指導者もまた学生から学ぶ、立場に高低なし
- 地域とのつながりを重視―ファンドとなれば地域住民も学校運営に関わることができる
- 万人が指導者になれる―資格より経験を重視
各国の制度
スウェーデン
スウェーデンの教育においてフォルケホイスコーレは、以下3タイプに分類される[1]。
- 一般コース - 中等教育の一部または全体の代替となるもので、それまで受けた教育に基づいて1-4年の過程である。成人教育の役目も果たしており、学校によって様々な背景を持った人が入学してくる。
- 特別コース - 特定のカリキュラムに注力するコース。コースによって、特定の職業教育や背景を持つ人に特化している。
- その他のコース - 様々な短期間コース、サマーコース、協同コースなどが含まれる。
ドイツ語圏
ドイツ、オーストリアにおけるフォルケホイスコーレは成人教育センター(独:Volkshochschule)と呼ばれる。
日本
歴史的には、かつて国民高等学校、農民高等学校の名称で存在していた。
現代では、本家デンマークのものとは差異があるが、共生社会でなく競争社会である日本の現実社会の中で実現する必然性からのもので日本版フォルケホイスコーレに分類される教育の場を以下に記す。
- NPO法人SET Change Makers' College(岩手)
- 森と風のがっこう(パーマカルチャー、自然エネルギー、葛巻町、廃校再利用、環境共生建築、地域づくり)
- 愛農高校(三重)
- NPO法人阿蘇フォークスクール
- 小国フォルケ・ホイスコーレ(山形)
- 瀬棚フォルケ・ホイスコーレ(北海道)
- 旧道茶屋(北海道)
- 共働学舎(長野)
- 適塾(大阪)
- ピースボート
- 農と暮らしの学校(岐阜)
- NPO法人 メダカのがっこう(東京)
脚注
- ↑ Powerpointpresentation av folkhögskoleidén från folkhögskolornas informationstjänst
出典
- 清水満『生のための学校―デンマークで生まれたフリースクール「フォルケホイスコーレ」の世界』1996年、新評論、ISBN 978-4794803344