タニノボリ科
タニノボリ科は、コイ目に属する科で、タニノボリ亜科、フクドジョウ亜科が含まれる。フクドジョウ亜科はかつてドジョウ科に含められ、日本では現在でもドジョウ科に含む事があるが、ウェーベル氏器官の形態上の特徴から、現在ではタニノボリ亜科と併せて単系統群を構成するとみられている。現在は、両亜科合わせて59属590種で構成されているが、未発見の種も多く、実際は定かではない。どちらの亜科も、ユーラシア地域に広く分布し、日本には、ホトケドジョウなどが生息する。
フクドジョウ亜科
30属420種。ユーラシア大陸全域に分布し、インド亜大陸・インドシナ半島・中国に特に多い。体は細長く、側扁するものから断面が円筒状になるものまでさまざま。口は亜端位で、吻端に2対、上顎に1対の口ヒゲをもつ。脂鰭に似た鰭をもつ種類がある。前口蓋骨をもち、眼の下にトゲはない。
タニノボリ亜科
29属170種。口ヒゲは3対以上。鰓の開口部が小さい種類がある。胸鰭・腹鰭など対鰭が水平に拡大し、吸盤のような働きをする。インドから東南アジアにかけての山岳地帯の渓流に分布し、流れの速い河川での生活に適応している。頭部が平たくつぶれ、南アメリカに住むプレコとよばれるナマズ目魚類に似ることから、タニノボリ類もプレコの名で呼ばれることがある。外後頭骨は分離し、間舌骨を欠く。アクアリウムでは、チャイナバタフライBeaufortia kweichowensisや、ホンコンプレコPseudogastromyzon myersi、ボルネオプレコGastromyzon citulusなどがコケ駆除のためのタンクメイトとして導入されることがあり、熱帯魚とともに日本にも輸入され、販売されている。飼育者の間では、渋い体色と愛らしい動作で人気があり、愛好家が水槽内での繁殖も成功させている。
- Balitora 属
- Beaufortia属
- Gastromyzon属
- Homaloptera属
- Pseudogastromyzon属
- Sewellia属
- Sinogastromyzon属
- 他22属